「とらちゃん、ちぐね、とらちゃんのことだぁーいすき!」
「ぼくもちぐちゃんのことだぁーいすきやで!!」
「ホンマに?んじゃぁおっきくなったらちぐ、とらちゃんのお嫁さんになる!」
「ええよ、じゃぁ約束やで!!」
「・・・ら・・とら・・・とら!!」
・・・。
ここは、どこや??
ああ、俺の部屋か・・・。
「とら、早く起きろよ。」
・・・誰?
「とら??」
「・・・ああ、なんやあんさんか。」
「なっ、てめぇなんだとはねぇだろなんだとはっっ!!」
「なんやねん、今日はまた一層機嫌悪いなぁ。あわかった!またふられたんやろぉ。」
「またってなんだよ、またとはねぇだろ!!」
「なぁ〜んや図星か。わかりやすいやっちゃなぁ。」
「ち、ちげぇよ、あれはな・・・」
東京がヤバイことになって、んでそれからもう1年くらいたつ。
相変わらずほとんど変わったこともない。
そっからはちょっと依頼が来て・・・けど儲かれへん。
サキが邪魔するし。。
まぁ毎日食ってくだけの分はあるし、なんとかなってる。
しっかし・・・平和やなぁ・・・。
「だからな!・・・とら聞いてる?」
「あんさんまだおったん?」
ガンっっ。
いったいなぁ、目覚めたわもう。
ったく・・・。
「なぁ、とら。」
「あーなんや?まだしゃべりたらんのか?」
「そうそう、あん時な・・・じゃなくて、お前さぁ、今日なんか悪い夢でも見てた?」
「はぁ?」
「いや、なんかうなされてたから。」
「うなされ・・・って俺がぁ?」
「そっ、お前が。」
「うーんっ。」
いろいろ思い出して見るが思い当たる節などない。
夢なんてすぐ忘れてまうもんやろ。
「見間違いちゃう?」
「誰と。」
「・・・霊と。」
「な、、んなこと・・・うーん。朝から気味わりぃじゃん。」
そんな真剣ならんでや。
ま、あんさんらしいことやけどな。
単純で(笑)
「で、今日の依頼は?」
「ない。」
「そ。そわりにはまともなもん食えんねんな。」
「バイトした。」
「誰が?」
「俺以外に誰がいんだよ!」
そういやここ最近見てへんかったなぁ。
「何のバイト?」
「交通整備。」
ぶっっ。。
「笑ったなぁ?」
「似合わへんわぁ!!あ、でも結構さまになるかも!」
「ほっとけ。かんしゃしろよ!」
「あーはいはい。で、予備校はもうええん?やっと止める決心ついたんか!まぁあんさんには無理やねん!」
「なにをーっ!!」
「だってそうやん。前のテストめちゃめちゃ。。」
「何で知ってんだよ!」
「あ、図星。顔に出るからなぁあんさんは。」
「ちぇっ。」
「ちょっとぉ、呼んでんだけどぉ?」
「サキ、お前人ん家で何しとんねん!」
「さっきからずっと居ます。」
「なんやねん、何の用や?」
「何よその態度、人がせっかくいい儲け話もってきてやったってゆうのに。」
「ほんまか??けどまたなんか企んでへんか?」
「あそう。そういうこと言うんだ。じゃ帰るね。」
「ちょっ、ちょっとまってやサキちゃん。誰も協力せぇへんなんて、そんなことゆってへんやん。外でゆっくり話そう、なっ!」
「はいはい。」
「悟ごめんな。」
「おお。」
別に何も変わった事はない。
いつものとらが俺の前を過ぎて行く。
何の夢を見てたんだろうか?
あのうなされ方は半端じゃなかった。
ひょっとして・・・とりつかれたとか?
「・・・アホらし。」
とらに限ってそんなことあるわけねぇじゃん。
「ごめんあんさん、ちょっと出かけてくるわ。」
はは、のせられたってやつか。
まぁとららしいけどな。
「おお、気をつけてな。今夜はすきやき?♪」
「あんさん期待しすぎやでそれ。んじゃぁな。」
まぁーったく、そういうやつだよお前はよぉ。
なにも・・・ないよな?
「さて、俺もそろそろ・・・。」
コンコンっ。
あ、、あれ??とら忘れもんか?
「はぁ〜い。。」
がちゃっ。。
「あ・・あの・・・。」
女の子??なんかめずらし・・・。
「依頼ですか?」
「あ、あの、木原虎之介さんですか?」
「いえ、違いますけど、あなたは?」
「・・・りか・・です。虎之介さんご存知でしょうか?ここにいったらわかるゆってはったんですけど?」
とら兄妹かな?関西弁だ。
「ここですけど。」
「はい?」
「ここ俺ととらのうちだけど。」
「えーまじですか?じゃぁ虎之介さんに会えるんですね!!」
「あ、まぁ。。」
「うわぁ、よかったぁ、探してよかった!で今何処に?」
「今さっきちょっと出かけたんですけど。」
「何時くらいに帰られるんですか?」
「・・・。」
「何よその態度、人がせっかくいい儲け話もってきてやったってゆうのに。」
「ちょっ、ちょっとまってやサキちゃん。誰も協力せぇへんなんて、そんなことゆってへんやん。外でゆっくり話そう、なっ!」
「ごめんあんさん、ちょっと出かけてくるわ。」
「うーん、今日は帰ってこねぇかも。」
「ええ!!そうですか、ほなまたきます。」
「あ、帰ってきたら・・・」
「いえ、また出直してきますから。」
「そ、そぉ。」
・・・?わけありってやつか?
しっかしとら、女の子には興味なさげにしてたけど、
ちゃんといるんじゃんそういう子!!
結構かわいいこだったし。
ずっと待ってたのかなぁ、あの子。
あーなんかちょー運命的ってやつ?
帰ってきたらぜってーからかってやろぉ〜っと♪
しかし、その人物こそがとらの中に眠る1つの忘れられた記憶を、蘇らせるカギになることは、
その時の俺はまだ知らなかった。
to be continue