源氏物語絵巻
2000年7月に 新二千円札が発行されました。お札には源氏物語絵巻第38帖「鈴虫」の
一部が描かれています。
それに因んでグループ展(2000年10月19日〜24日・於ギャラリー祥)に源氏物語絵巻の
巻子(巻物)を出品致しました。
(部分) |
読み すゞむし
十五夜のゆふくれに佛のおまへ
に宮おはしてはしちかくなかめ
たまひつゝ念珠したまふわかき
あまきみたち二三人はなたてま
つるとてならすあかつきのおとみつ
のけはひなときこゆさまかはりたる
いとなみにいそきあへるいとあわれな
るにれいのわたりたまひてむしのね
いとしけくみたるゝゆふへかなと・・・・・
語訳 十五夜の月がまだ影を隠している夕暮れに、仏の御前に
女三の宮がおいでになりまして、端近くお眺めになりながら念誦(ねんじゅ)して
いらっしゃいます。若い尼たちが二三人、花を奉ろうとして
閼伽坏(あかつき)の音や水の音などをさせて、
世間離れのした仕事を忙しそうにしていますのも、
たいそう哀れなのですが、そこへ例のごとく源氏がお越しになりまして、
「虫の音がしげく鳴きみだれる夕ぐれですね」と、・・・・
(中央公論社「新々訳 源氏物語」より)
☆ 2000円札は線の部分のみ描かれています。作品は元の文章も書き入れたものです。
源氏物語絵巻 作品
源氏物語 「すずむし1、2、夕霧、御法(みのり)」 作品サイズ(長さ3メートル、高さ18センチ) 上段右より左へ、2段目右、左、3段目、右、中、左、4段目へ続く。 ☆長い作品ですので、8枚に分割しています。見づらいかと 存じますがご了承下さい。 |