松林堂の概要

1. 明治3年奈良の地で毛筆製造販売業を始めてより現在まで約130余年間
終止一貫他の書道雑品の取り扱いは行わず自社ブランドの毛筆一筋を
貫いて現在に至りました。

2. 創業当時は他店と同じように主に事務的に使用する筆を製造していま
したが、昭和初期より終戦時まで、文部省主管による文検という制度が
施行され、小学校の先生が旧中学校・女学校の書道科教諭の資格を取得する
道が開かれました。
当時教育書道会の指導者で、文検の試験官でもあった故・石橋犀水先生
指導を受けていた当社の先々代が受験者用の毛筆を特別製造し、又受験者用
テキストとして「和漢朗詠抄わかんろうえいしょう」(当社発行)
と云う古書を発売して人気を高め、全国津々浦々から注文が
殺到して松林堂の名を全国に広めました。
文検に合格された先生方は旧中学校・女学校の書道科担任教諭になられ、
終戦後学制の改革に伴い現在の高等学校教諭となられ全国の教育書道会の
指導者として活躍されています。
当社では、これら先生方の指導を受け、各学校の購買部に選定筆を納品販売
するのを主として営業してまいりました。
現在もその当時からの実績を認められ北海道から鹿児島まで各高等学校の
選定筆を販売しています。

3. 当社は又昭和初期の芸術的書道の先覚者で日本芸術員会員故・安東聖空
先生
の指導を早くから得て、芸術的な文字を書く筆、書家の好みの筆を
製作し、全国に売り出しました。現在 故・安東聖空先生の使用筆、選定筆を
始め、日展審査員、各地書道会の選定筆等を製造し、書道会では確固たる
信頼を得ています。又 故・安東聖空先生著書による習字手本「梅雪かな帖」
(上・中・下巻)「梅雪手紙帖」「梅雪色紙帖」(昭和7年11月5日初版)を発売し、
全国有名書道専門店、書店のほとんどで販売しています。

4. 昭和四六年度より、小学校においても毛筆書道が必修科目になり、
各地の書道塾も一層盛んになりました。
その消費者動向は、学生、生徒においては学校の授業のみで終る者と、更に
書道塾へ通う者によって違いが出てきます。学校の授業のみで終る場合は
普及品中心の消費が主ですが、書道塾に通う方々の場合はレベルアップに
伴い、中級品、高級品に移行します。又最近の書道は一般の人が趣味として
書道講座に出席したり、会社・グループで習ったりする人が多くなってい
ます。この場合、各先生方はその使用する毛筆について、色々と知名度
や信用度を考慮して選定されます。

故・石橋犀水先生はその後、新潟大学書道科主任教授を経て日本書道教育
学会会長として活躍しておられました。全国の教育畑に教え子が沢山おられ
ます。

故・安東聖空先生は関西で初めて日本芸術員会員になられた芸術書道会の
第一人者で正筆会会長として活躍しておられました。全国に数万人の
弟子、会員がおられます。

以上のように当社では毛筆の松林堂として全国に知られ「松林堂の筆ならば
安心」と云う事で愛用されています。当社としても知名度と信用度を
基にして広告、宣伝につとめ、販売組織を高めています。

前のページに戻る

目次ページに戻る