What's Old


2018/12/31

 今上天皇の譲位が来年4月に行われることが発表されて以来、何かにつけて『平成最後の○○』という表現が使われる昨今ですが、この平成の30年間を振り返ると時代が大きく移り変わった期間だと感じます。
 この30年でインターネットや携帯電話をはじめとした通信網が発達し情報化社会となり、スマートフォン(スマホ)の登場でいつでもどこでも情報を取り出せるユビキタス社会となってきました。30年前の人にスマホを見せたらきっと腰を抜かすと思いますが、30年前にスマホを持ち込めたとしてもそのスマホはネット環境のない30年前にはまともに使えないので当時の人々にその凄さを示すことができないという意味のわからない想像をしてしまいました。
 インターネットは1990年代が黎明期で、当サイトのような個人サイトが開設されるようになってきたのは1995年頃からと思います(世界最初のウェブサイトが1993年開設とのこと)。その後、時代の主流はウェブサイトからブログ、そしてFacebookやTwitterなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)へと移り変わってきました(Twitterは自らをSNSではないと主張しているらしい)。
 このSNS全盛の現代ですが、90年代の個人サイトはインターネット黎明期の時代を感じられる貴重な存在と言われているとかいないとか。そんな90年代に個人サイトの作成・開設を支えた無料ホームページ作成サービス『ジオシティーズ』が来年3月にサービスを終了することが発表されました。元々アメリカなど多くの国でサービスを展開していたGeocitiesですが、個人サイトが下火になり本家アメリカ法人は2009年10月に解散、日本法人はYahoo! JAPANと合併し『Yahoo!ジオシティーズ』となりましたが、この度解散となります。平成の終わりとともにひとつの時代がまさに終わっていくわけで、そこに時代の移り変わりを感じずにはいられません。
 当サイトはそんな90年代の終わり、1999年に開設した何の変哲もない個人サイトですが、目的がすでに私の生存証明くらいのものなので、正直ブログかTwitterあたりでやっても特に問題ない状況になっています。アカウント作っていろいろ設定するのが邪魔臭いのでやってませんが(ダメ)。

 平成の次はどういう時代になるのか、「楽しみです」とは言えない自分がいます。


更新情報


2018/11/30

 プロ野球は全日程を終了し、ソフトバンクが広島を4勝1敗1分けで2年連続の日本一に輝きました。
 先月ここに「第5戦がシリーズ全体の勝敗を握る試合になる」と書きましたが、終わってみればまさにこの第5戦が勝負の分かれ目になりました。福岡で迎えたこの試合、広島が2回に先制、4回に逆転されますが直後に再逆転し、その直後に追いつかれるもまた直後に勝ち越し、6回までに3度リードを奪う展開となりました。ところが、7回裏に6回から登板したフランスア投手が同点弾を浴び、その後は同点で持ちこたえますが10回裏に抑えの中崎翔太投手がサヨナラホームランを打たれて試合を落としました。広島としてはやっとの思いで勝ちパターンに持ち込んだ試合を終盤に勝ちパターンの継投で守り切れずに負けた試合となり、この展開で勝てないなら厳しいと自分たち自身が思ってしまうような非常に悪い負け方をしてしまいました。本拠地に帰って第6戦を迎えた広島ですが、前の試合の負けを引きずって焦りが見え、先発のジョンソン投手は6回2失点で持ちこたえましたが、その2点を跳ね返す力なく無得点に終わり25年ぶりの日本一を逃しました。
 広島の敗因については評論家の間でいろいろ取り上げられていますが、自慢の機動力を封じられたことが大きかったと思います。最初の2試合で盗塁を決められなかったことで自分たちの足を使った試合運びがしにくくなってしまいました。広島は盗塁数がずば抜けて多いわけではなく、盗塁だけでなくヒットエンドランや先の塁を狙った走塁など総合的に足を絡めて自分たちのペースに持っていく攻撃が持ち味だったのですが、盗塁すれば甲斐拓也捕手や高谷裕亮捕手に刺され、先の塁を狙えば強肩のソフトバンク外野陣に刺されるという展開になり、最後はヤケクソ気味に見え見えのアウトになるタイミングになっても盗塁を仕掛ける始末でした。「移動日は戦前のデータと実際に戦った感覚との擦り合わせをして戦術の方向性を修正する貴重な時間だが、広島は最初の2試合で1勝1分けといい滑り出しをしたため、必要だったその擦り合わせを怠った」とする評論家の意見がありましたが、日本シリーズにおける移動日の使い方の重要性については2014年の阪神が「第2戦でソフトバンクの武田翔太投手のカーブにタイミングを狂わされていて、翌日の移動日にそれを修正するべきだったのに和田豊監督がレギュラーシーズン通りに練習を休みにした」などと言われていたことからもわかります。日本シリーズには日本シリーズ用の戦術や時間の使い方があり、広島の首脳陣の方がその部分で下回ったということなのでしょう。今年を除いて広島の緒方孝市監督は選手時代に1回、監督として1回日本シリーズに出場していますが、ソフトバンクの工藤公康監督は選手時代に日本シリーズ出場14回、監督としても2回出場していて、日本シリーズの戦い方を熟知しているはずです。監督のキャリアの差も埋めがたかったかもしれません。いずれにしても、広島が日本一になるための課題が突きつけられたシリーズでした。
 なお、戦力的に見ると先発の軸で回せる投手をブルペンに置いていたようにソフトバンクの選手層の厚さが際立ちました。今季調子が上がらずリリーフに回っていた前出の武田投手と、先発ローテーション投手として二桁勝利を挙げていたもののチーム事情でリリーフに回っていた石川柊太投手をロングリリーフ要員として重要な場面で起用していたのが印象的でした。ロングリリーフ要員にこれだけの力のある選手を置けるチームが弱いはずがありません。リリーフ投手陣に不調な選手が出て苦しくなっていた広島とはその部分でも差がありました。
 セ・リーグのチームがこの強力なソフトバンクを倒せるのか、来季以降もまた楽しみです。

 また、今月中旬には日米野球が6試合行われ、日本代表がMLBオールスターズを相手に5勝1敗と大活躍を見せました。
 今回のMLB選抜チームはスーパースターと呼べるのは世界一の捕手と言われるモリーナ捕手だけですが、未来のスーパースターとの呼び声の高い、若く才能のある選手が多く含まれています。そのチーム相手にこれまででは考えられなかったような猛打が見られました。真のスーパースター軍団相手ならまた違ったかもしれませんが、今回来ていたMLBの選手たちの度肝を抜くには充分すぎるパフォーマンスでした。現在、MLBではフライボール革命と呼ばれるボールの下を叩いてフライを打っていくスタイルが流行していますが、日本の選手たちはそれとは異なる考え方で打てることを証明しました。ちなみに、フライボール革命の始まりはMLBのデータ活用の一環で打者の打球方向の傾向に合わせて確率の高い方向に守備のシフトを極端に寄せることが常識になっていて、それに対する打者がゴロを打っていてはシフトに捕まるから野手の頭を超える打球を打つことを目的にしたものでした。MLBの選手はパワーがあるため、角度がつけばホームランになる可能性もあるということからMLB全体の流行になりました。体格で劣る日本人選手には真似しにくい打撃であるのと同時に、NPBでは極端な守備シフトを採ることが少なく、打者も比較的広角に打てる選手が多いため極端なシフトを採る必要がないこともあり、フライボール革命は入ってきたとしてもMLBほどは流行らないと思われます。
 ともかく、日本野球のレベルが確実にメジャーに近づいていることが示され、2年後の東京オリンピックが楽しみになる今回の日米野球でした。


更新情報


2018/10/31

 プロ野球は例年通りクライマックスシリーズ(CS)を終え、日本シリーズの時期となりました。
 今季はレギュラーシーズンの日程消化が豪雨や地震などの天災により進まず、CS進出チーム決定日までに全日程を消化できない可能性がありましたが、結果的にはCS進出チームには影響が出ず、両リーグともにCSファーストステージの裏開催という形でレギュラーシーズン最終戦が開催されました。パ・リーグでは前例がありましたが、セ・リーグでは初でした。
 CSファーストステージでは、セ・リーグはヤクルトと巨人、パ・リーグはソフトバンクと日本ハムの対戦になりました。パ・リーグは順位通り2位ソフトバンクが3位日本ハムを2勝1敗で振り切りましたが、セ・リーグは2位ヤクルトが元気なく3位巨人に連敗し、ファイナルステージ進出を逃しました。ヤクルトは明らかに選手の動きが固く、開き直って伸び伸びプレーしていた巨人にまったくいいところがありませんでした。CSへの入り方に問題があったのかもしれませんが、何にせよもったいない印象でした。
 CSファイナルステージでは、セ・リーグは広島が勢いに乗る巨人をレギュラーシーズンの結果通りに粉砕し、3連勝で日本シリーズ進出を決めた一方、パ・リーグでは西武がレギュラーシーズンで防御率最下位の投手陣がソフトバンク打線に5試合で44失点というCS史上ワーストを記録し敗退しました。どちらも打線のチームではありましたが、リリーフ投手陣の力量に明らかに差がありました。シーズン中に先発をしていた投手をリリーフに配置して厚みを出していたソフトバンクに対し、西武は質・量ともに劣っていた印象でした。本来はリーグ屈指の強力投手陣が今季はたまたま悪かったソフトバンクと、以前からリリーフ陣が弱くネット上で『俺達』と揶揄されていた積年の課題を解消できなかった西武との地力の差がはっきり出てしまいました。付け加えれば、ソフトバンクはレギュラーシーズンこそ2位でしたが、CSには毎年のように進出、日本シリーズの経験も豊富な王者であり、ここではその風格を感じさせる戦いぶりでした。
 日本シリーズは広島が本拠地で1勝1分けの後、舞台を福岡に移してソフトバンクが2連勝という展開になっています。直近でセ・リーグのチームがパ・リーグの本拠地で14連敗中、ソフトバンクが本拠地で日本シリーズ11連勝中という広島には不利な数字が並んでいますが、だからこそ次の第5戦がシリーズ自体の勝敗を握る試合となるはずです。

 さて、阪神は不調から脱することができず最下位でシーズンを終え、金本知憲監督が辞任する事態になりました。3年目の最下位ということで事実上の解任という報道もありますが、若手選手にチャンスが与えられたこの3年間の評価は矢野燿大新監督の手中にあります。
 願わくば金本政権の3年間が無駄にならないことを祈ります。


更新情報


2018/ 9/30

 全米オープンテニス女子シングルスにおいて、大坂なおみ選手が日本人選手として初めて優勝するという快挙を成し遂げました。
 かねてから潜在能力は高く評価されてきましたが、集中力にムラがあったため試合ごとのパフォーマンスが安定しない欠点を抱えていましたが、昨年オフから新コーチを迎えたことでその欠点が改善され、今年に入って一気に世界のトップシーンに顔を出し、3月のプレミア・マンダトリー(俗に四大大会と呼ばれるグランドスラムに次ぐ格の大会)でのWTAツアー初優勝に続き、グランドスラムの初優勝も手にしました。
 全米オープン決勝はグランドスラム史上最多に並ぶ24回目の優勝を地元ニューヨークで狙うセリーナ・ウィリアムズ選手との対戦でしたが、大坂選手は第1セットを圧倒的な内容で取った後、第2セットに入ってギアを上げてきたセリーナ選手をまったく寄せ付けず、コーチングの反則を取られたセリーナ選手が先にブレークしたものの直後にブレークバックされて追いつかれるとラケットを叩きつけ破壊、先ほどのコーチングの反則と合わせて1ポイントを失うペナルティーを受けると、コーチングの反則を取られたことに納得していなかったセリーナ選手の怒りが主審への暴言として向けられ、数ゲームにわたってゲーム間に執拗に主審に暴言を繰り返したことから暴言でのコードバイオレーションの反則を取られて1ゲームを失う事態になり、何が起きたかよくわからないセリーナ選手びいきの観客が主審に対してブーイングを浴びせる大荒れの展開になりました。次に反則を犯すと失格になるセリーナ選手は泣きながら試合を続けましたが、結局大坂選手がそのままセットカウント2-0のストレートで勝利を収めました。
 テニスの試合では、コードバイオレーション(反則)を取られると1回目は警告、2回目は1ポイント、3回目は1ゲーム、4回目は失格の処分が科されます。私は自分が見た試合ではゲームを失うシーンを見た記憶がなかったので、記憶の中では今回初めてコードバイオレーションによりゲームを失った場面を見たことになります。テニスの記事の中ではたまに目にすることはありましたが、選手も2回目以降はポイント以上を失うことになるのはわかっているため、普通は1回警告を受けた時点で気をつけるものですが、滅多に起こらない3回目のペナルティーがグランドスラムの決勝で起こるとは思いませんでした。これにより、本来なら称えられるべき大坂選手のグランドスラム初優勝の表彰式で主審に対するブーイングが飛び交う異様な状況になりました。
 その後、セリーナ選手は審判による女性差別を暴言の理由に挙げ、この件が未だに取り上げられる事態となっていますが、私はそれが計算であったかどうかにかかわらず、グランドスラム23回制覇の女王に相応しい振る舞いではなかったと思います。セリーナ選手はコート内外でその言動が物議を醸すことがあり、過去には線審に人種差別的な暴言を吐くなどの大きな問題もありました。3月に大坂選手に敗れた試合後、義務付けられている記者会見を拒否するといった小さなこともありましたが、こういったところにスーパースターの傲慢が垣間見える瞬間があるように見受けられます。さらに、セリーナ選手はアメリカでは尊敬を集め、人種差別や性差別と戦うアイコン的な存在にもなっていることから、ポリティカルコレクトネスの蔓延するアメリカではセリーナ選手を叩きにくい風潮があるそうです。それが今回のセリーナ選手の暴挙に一役買っている部分はあると思います。もう無理かもしれませんが、セリーナ選手には今一度女王の称号に相応しい品格のある言動を心掛けてもらいたいです。

 また、今月は野球U-18代表によるBFA U-18アジア選手権が開催され、日本は韓国と台湾に敗れて3位に終わりました。
 夏の選手権大会で活躍した選手を中心とする編成になって以来、特に甲子園で最後の方まで勝ち進んだ選手たちの疲労がピークに達する時期に行われる大会であることから、負けるたびにその辺の話を解説者から聞いている気がするのですが、今回特に印象に残ったのは今夏の甲子園で話題を集めた金足農業・吉田輝星投手の疲れ切った顔でした。夏の大会が終わってから約3週間後にその時の疲労のピークが来る、というのがテレビで開設を務める高校野球の監督経験者の共通認識のようですが、まさにその時期に、本来であればゆっくり休んでいなければならない時期に試合をやっているわけですから、パフォーマンスが上がるわけがありません。疲れ切った選手を選ぶのではなく、もっと体力に余裕のある選手がたくさんいるはずです。日本は疲れ切った吉田投手を選ばなければならないほど選手層が薄いのでしょうか。コンディショニングの観点から考えれば、甲子園に出た選手を除外して代表チームを組んでいた頃の方が理に適っていることになります。
 今回敗れた原因は特に監督の人選だと思います。今回からU-18日本代表は専任監督制を採っているとのことですが、その監督が打てずに苦しむ選手たちにまともにアドバイスもできないようでは何のための監督・コーチなのかわかりません。見かねた渡辺元智・横浜高校前監督が不振の選手たちにアドバイスを送ったという報道がありましたが、それはいつも選手たちを見ている監督・コーチの役割ではないかと思います。それに加えて今回はバントなどの小技が決まらないチームでした。打撃重視で強打の選手を集めたのかもしれませんが、代表チームではバントを求められることもあるわけですから、代表候補に入った選手たちには普段からバント練習をお願いするとかできなかったものかと思います。もっとも、高校での練習は自チームのための練習でしょうから難しいかもしれません。
 今回は強打では韓国に、小技では台湾に劣っていました。スラッガーの育成が簡単でないことは明らかなので、せめてスモールベースボールを実践できる小技を磨いておくことは必要だと思います。もう少し踏み込むなら、アメリカが2011年頃から木製バット並みの反発係数の金属バットの使用を公式戦で義務付けているという記事を昨年に見かけましたが、日本もそういった飛ばない金属バットの導入を本気で考えた方がいいと思います。特栽大会では木製バットを使用することになるので、木製バットへの移行をスムーズにするために有益なことと、普段から飛ばない金属バットを使うことによって技術の向上が見込めることがあります。
 根本的なことを言うなら、本気で国際大会に勝ちにいくならU-18日本代表を高校選抜チームで組んでいることがおかしいのです。U-18のレギュレーションではその年の1月1日生まれから2年後の12月31日までの選手に参加資格が与えられています。つまり、高校を卒業したばかりの早生まれの選手はU-18の大会に参加できるわけです。ベースは高校3年生でいいでしょうが、そこに大学や社会人、あるいはプロに進んだ高卒1年目の早生まれ選手を数人入れることはできないものでしょうか。日本では縦割りの組織であるため、これを実現しようとすると高野連が全日本大学野球連盟や日本野球連盟、NPBといった別の組織と連携する必要がありますが、少なくとも現在のところは高野連にその気はないということになります。2年に1回行われるWBSC U-18ワールドカップを考えると、アメリカでは昨年のU-18ワールドカップで有望株のマイナーリーガーが参加しており、今後もそういった選手が参加する可能性が高いと思われます。それに対抗するのに高校生だけでやっていていいのかという問題は、U-18日本代表を専任監督制にした今、遅かれ早かれ議題に上がってくるはずです。同じ議題にするなら早い方がいいのではと思います。


 プロ野球はレギュラーシーズン大詰めとなり、セ・リーグは広島が3連覇を果たし、パ・リーグは西武が10年ぶりの優勝を決めました。
 一方、クライマックスシリーズ(CS)進出争いは、セ・リーグがヤクルトがほぼ2位を確定させているのを尻目に、CS進出が消滅した中日を除いた3チームに可能性が残されています。ペナントレース最終盤においてはやはり現時点で上にいた方が有利であることを考えると、3位巨人が最も進出可能性が高いですが、自力でのCS進出は絶たれているため、DeNAと阪神の結果に依ることになります。両チームとも自力でのCS進出は全勝かそれに近い成績が求められるため、苦しい戦いを強いられることになります。パ・リーグはすでに西武・ソフトバンク・日本ハムの進出が決まっています。

 さて、阪神はいよいよ日程的に余裕がなくなり、現時点で10月11日まで試合予定が詰まっています。
 CS進出については10月11日終了時点での順位が適用されるため、この日までに全日程を消化できないと最悪日程打ち切りも有り得る状況となっています。ロッテも阪神と同じく残り11試合となっていますが、こちらはCSに進出しないため、10月13日に楽天戦が組まれていますが、阪神もCS進出できない場合はこうしたケースになるかもしれません。
 CS進出に向けて弾みをつけたい阪神でしたが、9月を9勝12敗1分と負け越し、CSからさらに遠ざかる結果となりました。ここに来て故障者が続出しており、自力では11戦全勝が求められるため、CS進出は実質的には絶望的となっています。あとは最終順位と日程問題がどうなるかという部分に注目していきたいと思います。


更新情報


2018/ 8/31

 今年の夏の甲子園・全国高等学校野球選手権大会は、第100回の記念大会ということで56代表と参加校が増えたこともあり、例年よりも注目を集めました。
 今大会はその歴史を象徴するような2校が決勝まで勝ち上がり、その対照性が特に大きく取り上げられました。片や先進的な平成の強豪校、大阪桐蔭。片や昭和の古き時代を象徴するような9人野球でこの夏を戦ってきた公立の雄、金足農業。
 大阪桐蔭は新チーム結成時から世代最強と言われ、その評判通りに春のセンバツ(選抜高等学校野球大会)を制し、史上初の2度目の春夏制覇を目指すまさに当代最強のチーム。全国から有力選手をスカウトし整備された施設で選手を鍛え上げ、現在のプロ野球界に一大勢力を築いている学校で、『恵まれた環境の私立校』のひとつとしてよく名前が挙げられます。
 一方、金足農業は秋田の県立校であり、毎年甲子園に出てくるような学校ではなく、今回が11年ぶりの出場でした。今年のチームは地方大会からレギュラーの9人だけで戦い続け、当然投手はエースが一人で投げ続けるという昭和の時代では当然とされたスタイルで勝ち上がってきました。近年は特定の投手に負荷を掛け過ぎないように複数の投手を育成して戦う学校が増えてきている中、投手だけでなく野手も固定して決勝まで勝ち上がってくる学校は珍しく、出場校に地元出身者のみの学校や公立校が少なくなった近年の傾向と併せて多大な注目を集めることとなりました。ただ、金足農業は高校球界では無名ではなく、過去5回の出場で1984年には準決勝で桑田・清原のKKコンビを擁するPL学園を追い詰めたこともあります。また、『環境に恵まれない公立校』というわけではなく、学校には専用の野球場やラグビー場があり、一定の水準の施設がある比較的恵まれた環境にあり、県内では強豪校として知られた存在であるとのこと。
 第100回という記念すべき大会の決勝戦が『平成のチーム対昭和のチーム』という否が応でも歴史を振り返らせるカードになったのは運命の悪戯か野球の神様の計らいか、という勢いで、判官贔屓も相まってマスコミの注目は俄然金足農業に集まっていきました。もともと世代最強・大阪桐蔭をどこが倒すのかという観点はあったため、「地元出身者で固めた公立校が最強の私立校を倒す」という夢のような展開を煽る報道が多かったように思います。秋田県勢103年ぶりの決勝進出に県内の盛り上がりが最高潮に達し、甲子園に応援に行く人のために日本航空が臨時便を出すなど、金足農業が作り出したフィーバーがいろんなものを動かしていったのも事実です。
 そうして幕を開けた決勝では金足農業の投手が疲労の蓄積から打ち込まれ、代わった投手が6回からを1失点に抑えるも13-2で大阪桐蔭が2度目の春夏連覇を達成しました。お互いの投手が一人で投げ切っていた時代とは異なり、片方の投手のみが体力をすり減らした状態では勝負にならないという現代高校野球の現実が顕在化した結果となりましたが、それはそれとして大阪桐蔭の必死さも見られたいい試合だったと思います。
 試合後の注目は優勝した大阪桐蔭ではなく敗れた金足農業に集中しました。ワイドショーなどで取り上げられるのは金足農業の動向ばかりで、優勝校の軌跡などは一切流れない異常事態に芸能界からも疑問の声が挙がる事態となりました。私は世代最強と言われたチームが実際に春夏連覇の偉業を成し遂げるまでにはそれ相応の苦労があったはずで、本来であればそういう部分に触れられるべきタイミングだったと思うのですが、視聴率重視のワイドショーにそれを求めるのは酷だったのでしょうか。今大会のテレビ解説を務めた山下智茂・元星稜高校監督や渡辺元智・前横浜高校監督が異口同音に「結成時に強いと思ったチームはたいてい負けて、弱いと思ったチームの方が勝ち進む」というコメントをしていたことを考えると、大阪桐蔭の結成時に明らかに強いとされたチームが実際に勝ち進むのは難しいことだったはずです。山下氏は「(結成時に)強い(と思った)チームは監督が要らないからチームとしてまとまらずに終わってしまう」と言っていましたが、今年の大阪桐蔭は西谷浩一監督の「『最高のチーム』を作ろう」「『本物のチーム』を作ろう」「そして最後に『最強のチーム』になろう」という言葉によって出来上がった最強のチームでした。指導者の持つ言葉の重要性をここに見た気がします。
 そして近年の傾向に違わず、今年も一人の投手が投げ続けたことによって高校野球における投手酷使に対する是非と投球数制限などの導入を訴える論調が例年以上に見られました。この問題は21世紀に入ってからのこの18年間で特に大きく取り上げられるようになり、最近では『酷使は悪』と意識づけられる方向性となっています。過去に酷使で潰れてきた投手は何人もいますし、その先の野球人生を奪うことにもなるので『悪』としたい気持ちはわかるのですが、その潰された投手たちが酷使について「後悔はない」としていることが多いので、非常に難しい問題です。結局のところ、指導者が複数の投手を育成して使い分けていくことしかないのではと思います。『その辺の高校』とされるところでも、能力のある指導者が複数の投手を育てて地方大会で上位に食い込んでいる例があるようなので、すべての指導者が投手のトレーニング理論などを勉強し、それを還元していくことがこれからの時代では求められていくのかもしれません。


 プロ野球は残り1ヶ月強の勝負どころにきています。
 セ・リーグは広島がマジックナンバー17を点灯させており、貯金が1となった2位ヤクルトに12ゲーム差をつけて優勝に大きく近づいています。3位巨人は2位ヤクルトと2.5ゲーム差、そこから4位阪神が2.5ゲーム差、5位DeNAが3.5ゲーム差、6位中日が4.5ゲーム差と、場合によっては全チームにクライマックスシリーズ(CS)進出が現実的な差となっています。
 一方、パ・リーグは西武が2位ソフトバンクに6ゲーム差をつけ首位を独走、3位に転落した日本ハムが2位ソフトバンクと1ゲーム差となっていて、そこから4位ロッテが7.5ゲーム差、5位オリックスが8ゲーム差、6位楽天が13.5ゲーム差と、CS進出争いを考えると絶望的な数字が並んでいます。特にシーズン途中で梨田監督が辞任した楽天は最下位脱出すら厳しい状況に置かれています。

 さて、阪神は長期ロードを12勝12敗と勝率5割で踏ん張って甲子園に帰ってきましたが、ロード終盤から不調期に突入しておりいきなり3連敗と苦しい状況に立っています。打てないだけではなく守備や走塁にもミスが出る悪循環で負け方が悪いので、この不調を脱出するのはしばらくかかるような気配がします。ロード中盤に3カード連続2勝1敗の勝ち越しで勝率5割復帰に望みを繋いだかというところでの不調なので、勝率5割どころかCS進出圏からも遠ざかっていくという、印象でも数字の上でも厳しいチーム状況です。
 試合中止が多い影響で、9月には25試合が組まれていて、7連戦・6連戦と続き、最終週には月をまたいで10連戦が待っています。今年は例年よりも台風が多く、9月も引き続き多くの台風が発生するそうなので、これ以上中止が増えて試合が消化できない事態にならないことを祈るばかりです。


更新情報


2018/ 7/31

 サッカー2018 FIFAワールドカップ(W杯) ロシア大会はフランスが自国開催だった1998年以来20年ぶりの優勝を飾り、複数回優勝国の仲間入りを果たしました。
 今回のW杯の傾向としては、スペインに代表されるポゼッションサッカーの分が悪くなり、高い技術を基にした堅守速攻スタイルのチームが多く勝ち進んでいった印象があります。特にフランスや3位に入ったベルギーはその代表格でした。相手にボールを回させておいてミスや一瞬の隙を突いて一気に相手ゴール前に攻め込む形を持っているチームに対して、ポゼッションを高めるスタイルのチームがなす術なく失点する場面がよく見られました。また、ビデオアシスタントレフェリー(VAR)の導入によってセットプレー、特にペナルティーキック(PK)が与えられる回数が増え、特にペナルティーエリア内での守備に慎重さが求められるようになりました。セットプレーの回数が増え、全得点に占めるセットプレーからの得点率が上がったこともあり、セットプレーに強いチームに有利に働きました。4位になったイングランドは若いチームで攻撃の形を上手く作れないこともありましたが、チームの得点のほとんどをセットプレーから挙げており、セットプレーからの得点が増えた今大会の象徴となりました。
 今大会で最も印象的だったのは、1人のスーパースターに頼るチームが軒並み早期敗退し、能力の高い選手たちがチームのために団結して戦っているチームが勝ち残っていったことです。これは、現代サッカーがメッシやクリスティアーノ・ロナウドといった世界的なスーパースターであっても1人の力だけでは大会の結果を左右できない、個人の力だけでW杯優勝に導くことのできる時代ではなくなったことを示します。最後までメッシ選手個人に頼りきりだったアルゼンチンなどは根底からチーム作りを見直す必要があるでしょうし、ロナウド選手以外のタレントに恵まれなかったポルトガルは彼が封じられた時には単なる平凡なチームでしかありませんでした。その点では、ズラタン・イブラヒモビッチという強烈な個性を持ったスーパースターが去った後のスウェーデンが団結力と忍耐力で準々決勝に進出したのとは対照的です。その究極の形がクロアチアで、欧州の名門クラブで主力として活躍している選手たちがチームの勝利のために団結してプレーしていたのが印象的でした。決勝トーナメントからは3試合連続で延長戦を戦い、うち2試合はPK戦での勝ち上がりになりましたが、厳しいコンディションの中でも全員がチームのために最後まで走り切る姿勢を見せていました。フランスとの決勝戦ではコンディションの影響もあり不本意な形になりましたが、勝ち進むためにはスター軍団であっても団結力が必要なことを示した点で今大会のクロアチアは今後の時代のサッカーの形を示したと思います。
 その他、決勝トーナメントに残るようなチームであっても何かしら問題があるということを強く実感しました。グループリーグ初戦のドイツ戦に合わせすぎて他の試合で低調になってベスト8の壁を今回も超えられなかったメキシコ、直前の監督交代による影響があったにせよ代名詞のスタイルであるティキ・タカがもはや時代遅れであることを露呈したスペインなど、決勝トーナメントで早期敗退するチームは根本的な欠点を指摘されていました。7大会連続決勝トーナメント1回戦敗退のメキシコですら欠点があるのですから、グループリーグを抜けられるかわからない日本に大きな欠点があっても仕方がないと思いました。結局はどの国も自分たちの欠点を自覚した上で、それをどう隠すかということに注力するわけですから、自分たちの欠点を認識し危機感を持つことは重要なのでしょう。危機感がなさすぎると今大会のドイツのように何か知らない間に立て直すこともできずに負けてしまうことになります。

 さて、その危機感を煽りまくった結果決勝トーナメントに進出した日本代表ですが、1回戦でベルギー相手に2-3で惜敗しました。後半早々に2点先制した日本ですが、その後立て続けに2点を失って同点とされ、後半アディショナルタイムのラストプレーというタイミングのコーナーキックをキーパーにダイレクトキャッチされてからの高速カウンターで失点して万事休すという展開でした。この試合ではいくつかの問題点が指摘されていましたが、それはいずれも意見の分かれるところであり、これから日本サッカー界が答えを見つけていかなければならないことだと思います。
 今大会の日本を総括すると、西野朗監督が時間のない中、ハリルホジッチ前監督のデュエルからの縦に速いサッカーをベースに、日本選手が元来持っていたパスを繋いで崩していくスタイルとの融合を図り、それが結果的に奏功したということだと思います。グループリーグ敗退が濃厚とされていたチームにあって決勝トーナメントに進出したわけですから、結果としては大成功と言えるでしょう。決勝トーナメントの試合を戦ったことでグループリーグとは違う次元の試合を経験できたことは今後に向けて非常に大きいことでした。ただ、意図的に中堅からベテランの選手を多く選出し、数少ない若手選手が今大会で1試合も出場せずに終わったことから、継続性という点では今大会の結果が4年後に繋がっていくかが疑問視されることや、今大会の総括や今後の短期的・中長期的なビジョンが示されることなく新監督が決定したことなどは問題だと思います。ハリルホジッチ元監督を充分にサポートできなかった日本サッカー協会現体制が五輪監督と兼任する森保一新監督をどれだけサポートできるか不透明で、代表が国内組で固められていたトルシエ元監督の時代とは違って現在のA代表と五輪代表の監督を兼任するのは無理と当のトルシエ氏が指摘するなど、早くも不安が煽られる部分があります。そもそも現体制は外国人監督に対する交渉力がないとも言われていますが、ハリルホジッチ元監督のプライドを傷つけた田嶋幸三会長の言動を考慮すれば、そういった報道にも信憑性が出てくるというものです。
 一定の成功体験とその先にあった高いレベルの失敗体験を同時に得られた日本代表が今後どういう道を歩むのか、まずは来年のAFCアジアカップ2019で見てみたいと思います。


 プロ野球は勝負の後半戦に差し掛かっています。
 セ・リーグが広島が2位ヤクルトに9.5ゲーム差をつけて首位を独走していますが、そもそも貯金を持っているのが広島のみという状況になっていて、パ・リーグは首位西武と2位日本ハムが3ゲーム差で優勝争いを展開している一方、7月末の時点で他の4チームが借金生活となっており、クライマックスシリーズ(CS)進出を懸けた3位争いも激しくなりそうな予感がします。
 阪神は西日本豪雨の影響もあり中止が多く、後半戦の過密日程が心配されていますが、目の前の試合でもチーム状態が上がらず今月は6勝10敗と負け越しました。オールスターを挟んで5連敗があったのと打線に力なく負ける試合が多いため、数字以上に負け越している印象を受けています。勝率5割に戻したいという状況からの4つの負け越しですから厳しいものがありますが、幸か不幸かセ・リーグは前述の通り2位以下が軒並み借金持ちの状態であり、どのチームも自力で上がっていく可能性より自滅して落ちていく可能性の方が高そうなので、こうなったら勝率5割というよりもまずCS進出を目指して3位を現実的な目標に置いた方がいい状況でしょう。借金7で3位巨人とは1.5ゲーム差という現状では、勝率5割を達成できれば2位になっても不思議ではありません。
 今年の夏は異常気象でまさに異常な暑さとなっていますが、例年より長い1ヶ月ちょっとのロードに出た阪神にもそれに負けない熱さを期待したいところです。何でも精神論に持っていくのはよくないと思いますが、今のチーム状況だとせめて気持ちくらいは表に出してもらいたいです。


更新情報


2018/ 6/30

 現在、サッカー2018 FIFAワールドカップ(W杯) ロシア大会が開催されており、今夜から決勝トーナメントが行われるところです。
 日本は2ヶ月前の監督交代の経緯もあり、代表チームに対する期待値の低さから国内ではこれまでのW杯の中で最も盛り上がっていないとまで言われる状況で本番を迎えました。
 そうして迎えたW杯本戦、グループHに入る日本はグループリーグ初戦で前回敗れたコロンビア相手に幸運もあり2-1で勝利、続く第2戦はシード国のポーランドに勝利したセネガルに2-2の引き分けとし、この時点で今大会から導入されたフェアプレーポイント(出されたイエローカードとレッドカードを換算)の差で首位に立ちました。ここまではハイパフォーマンスで中盤の競り合い(ハリルホジッチ前監督の言う『デュエル』)に勝ち、中盤でよくボールが収まって選手もボールもよく動く連動性のあるサッカーができていたと思います。
 引き分け以上で決勝トーナメント進出を自力で決められる条件となった第3戦、2連敗でグループリーグ敗退が決まっていたポーランド相手に6人入れ替えた先発メンバーが機能せず、後半にフリーキックから先制され、最後はセネガルとのフェアプレーポイントの差での進出を狙って自陣でパスを回して時間稼ぎを行い、辛うじて決勝トーナメント進出を決めました。この『時間稼ぎ』が世界中で賛否を集めています。
 この件について個人的な見解を先に示すと、私は結果的には賛成、大英断だったと思います。他会場の結果に自らの命運を託す他力本願な決断でしたが、正直なところあの時間帯では日本に得点の匂いがなく、逆に相手カウンターからピンチを招いており、日本が攻めに行くと得点よりも失点の可能性の方が高かったと思いますし、コロンビアがそのまま勝つ可能性が最も高いと西野朗監督が感じたわけですから、「それでいくのか」という気持ちでした。何よりもW杯のグループリーグ第3戦ではこういうことが起こり得ることは認識していたので、それを日本がやっていることに「日本がこれをできるようになったのか」とある種の感慨すら覚えました。無論、あまり褒められたことではないと思いますが、日本が『名を捨てて実を取る』強かさを見せたことは今後の日本サッカー界にとって大きい出来事だと思います。
 この件を客観的に見た場合、スタジアムの観客や世界中のサッカーファンはただ単に面白い試合を見たいわけですが、そこにあったのは「負けているチームが最後の10分間を攻めに行かなかった」姿だったわけで、面白い試合を見られなかった観客や世界中の人々が文句を言うのは当然でしょうし、それを主導した日本代表に批判の矛先が向くのもやむを得ないと思います。私も負けているチームがボール回しを始めるのは見た記憶がなかったので珍しいことだったと思いますが、仮に攻めに行って2点目を取られて決勝トーナメントに進めなかった場合、いま批判している人たちがその責任を取ってくれるわけではありません。たとえ批判されてでもルールの範囲内で「決勝トーナメント進出」という目標を達成する方が重要だった試合であり、それを理解している国内外のファンやメディアからは容認する声も上がっています。
 さらに言えば、今回とは少し状況が異なりますが、ドーハの悲劇の時には時間稼ぎが必要だった時にボールをキープせずに同点弾を叩き込まれてW杯出場を逃しました。あれから25年経っても当時の選手たちの間で言い合いになったりする(そういうテレビ番組だからでしょうが)くらいの傷を残しているわけですが、今回の試合でリスクを冒してまた同じ傷を作る必要があったとは思えません。また、「あそこで攻めに行った結果、負けても仕方がない」という意見もありますが、勝負事は綺麗事ばかりではありません。W杯においては先のステージに進むことが最大の目標であり、何かに拘って敗退するより何の拘りもなく(たとえ目の前の試合に負けても)先に進めればそれでいいわけです。グループリーグ第3戦はそれが最も色濃く出る試合であり、そういう試合を他ならぬ日本が経験したわけですから、それを見た日本人の皆さんがこういう概念を理解するきっかけになればと思います。
 ともかく、日本の決勝トーナメント1回戦が楽しみです。ないのは優勝経験だけという優勝候補・ベルギー(FIFAランク3位)を相手にサプライズを起こしてもらいたいです。


 一方、プロ野球は交流戦を終え、リーグ戦が再開されています。
 今季の交流戦はリーグ最下位だったヤクルトが快進撃を見せ、12勝6敗で最高勝率を獲得しましたが、パ・リーグが勝ち越したために賞金は2位オリックスの半分となる事態となりました。さらに、今季の交流戦でホームランを打った投手はパ・リーグの選手のみと、普段から打席に立つセ・リーグの投手の面目が潰れる事態となっています。こういうところからもセ・リーグの奮起が待たれる交流戦となってしまいました。
 さて、阪神は交流戦の前に5連勝といい流れを作って交流戦に臨みましたが、調子を落としていたソフトバンクに3連敗のスタートとなってしまい、結局6勝11敗の11位に終わりました。リーグ戦再開までに気持ちを切り替えたかったところですが、今季は雨天中止が多く、リーグ戦再開の前日まで交流戦を戦わなければならなかった影響か、広島相手に3連敗、交流戦から合わせると5連敗の出だしとなりました。交流戦の影響でリーグの順位が混戦模様となっていることもあり、一時は最下位に転落する事態となりましたが、打線の調子が上向きになってきたこともあり、まずオールスターまでに勝率5割に戻しておきたいところです。
 試合数の上では残り半分、ここからが勝負!


更新情報


2018/ 5/30

 当サイトは本日で開設19周年を迎えました。

 今後もひっそりと続けていきますので、よろしくお願い申し上げます。


更新情報


2018/ 4/30

 今月9日、日本サッカー協会(JFA)がサッカー日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督の解任を発表しました。
 ワールドカップ(W杯)本戦まで2ヶ月というタイミングでの解任劇に驚きの声が挙がる中、JFAの田嶋幸三会長が解任理由を「選手とのコミュニケーションや信頼関係が多少薄れてきた」としたことに様々な憶測が飛び交っています。田嶋会長は「選手主導ではなく自分が決めた」などと発言していますが、自ら選手に矛先の向くような理由を挙げておきながらその発言はないと思います。それなら「コミュニケーション不足」という抽象的なものではなく「成績不振」という具体的でわかりやすい理由を挙げた方が誰が聞いても納得できます。ハリルホジッチ前監督も27日の記者会見でそのことに触れ、「コミュニケーション不足」という建前の理由に隠された真実を知りたいとされています。
 ここ最近の代表の試合ではハリルホジッチ前監督の意図が見えない試合が多くあり、結果も伴っていなかったのは事実ですが、彼の目的は「W杯本戦で結果を出すこと」であり、戦術的には最終合宿の3週間で仕上げるつもりだったとのことですが、我々としても彼が最後にどのようにチームを作り上げるのかを見ることができなくなってしまいました。
 私は結果が出ようが出まいが今回のW杯を最後までハリルホジッチ監督で戦うべきだと思っていました。確かにハリル戦術は日本人には合わないかもしれませんが、世界の強豪国と渡り合うためには必要かつ日本人が不得手としてきた要素が多分に含まれていたと思います。今後、日本がサッカー強国となっていく過程において、この「不得手だが必要な要素に意識的に取り組んできた」この3年間は必要な期間になるはずだったと思います。その道をJFAは自ら投げ出してしまいました。西野朗新監督の下、仮に結果が出なければ「時間がなかったから仕方がない」と言われ、結果が出れば「よくやった」で済まされることになり、今回の事態を招いたJFAの責任についてはうやむやにされてしまうのではないかと思います。そんな組織のもとでは強化など進むはずもないでしょう。
 今回の監督解任の真の理由は「監督と選手とのコミュニケーション不足」ではなく、「協会と監督の間のコミュニケーション不足」だと思います。ハリルホジッチ氏を監督として呼んできた人たちは田嶋会長によってその職を追われ、彼を本当の意味でサポートしてきた人たちがいなくなってしまったことが大きいと思います。あとは以前からずっと囁かれてきた「スポンサーの意向」ですね。
 私としては、ハリルホジッチ監督は「代表に呼ばれたければコンディションを整えてこい」ということを前面に打ち出していて、たとえ代表の常連でも調子が悪ければ試合に出られない、あるいは招集すらされないというある意味当然のことを空気を読まずにやってきたことに好感を持っていました。また、監督の戦術に合わない選手は自然と選手選考から漏れていくことはよくあることですが、日本代表の顔とされる選手たち相手でもそれを貫いていたのもよかったです。ある意味では代表のあるべき姿を体現していたと言えます。それに選手側が異を唱えるなら、戦術を選手に丸投げするジーコのような監督の下で自分たちだけで勝手にやってろ、という話になります。日本サッカー界は、ジーコ氏が監督だった2006年ドイツW杯において、日本の選手たちのレベルが自分たちで考えて試合を運べるレベルにないことを痛感したはずです。そして、前回ブラジルW杯で一部の選手が標榜していた「自分たちのサッカー」が通用しなかったことは記憶に新しく、だからこそ別のアプローチから今回のロシアW杯を戦おうとしたのではないでしょうか?

 これまでとは別の意味でW杯本戦が楽しみです。


更新情報


2018/ 3/31

 プロ野球が開幕しました。
 現時点で2試合を終えたところですが、開幕からしばらくは各チームとも自軍の戦力の確認と戦力の見極めを進めていく時期なので、まずはそこを楽しみたいと思います。

 その他、今月は日本レスリング協会のパワハラ問題や日本相撲協会の貴ノ岩に対する暴行問題に端を発する貴乃花親方を巡る喧騒が大きく取り上げられていました。
 双方に共通するのは旧態依然とした協会側の隠蔽体質であり、公益社団法人としてあるべき透明性が感じられない点です。個別の案件の詳細は割愛しますが、日本レスリング協会はパワハラ問題が発覚した翌日にこれを否定する会見を開くなど、初動では調査する気配を見せなかった時点で隠蔽する気満々ですし、日本相撲協会については元々が親方同士の互助会レベルの組織なので、理事長を親方衆の中から選出している限り、自分たちに不都合な事柄は内々で処理する慣習を変えることができるとは思えません。
 日本相撲協会については以前から暴行問題などで騒がれていたにもかかわらず、問題視されていた旧態依然とした体質は変わっていませんし、日本レスリング協会も今回の問題で似たような体質だと発覚しましたが、これはたまたま今回問題になったのがレスリングだっただけで、基本的にはアマチュアスポーツならどの競技団体でも同じとみた方がいいでしょう。逆にマイナー競技になればなるほど衆目に晒されないので上層部の好きにしやすいでしょう。
 今回の問題はスポーツ界の旧態依然とした体質や悪しき慣習がどれだけ改善されるかという観点からも注目すべきなので、静かに経過を見守りたいと思います。


更新情報


2018/ 2/28

 今月は平昌オリンピックが開催されました。
 日本選手団のメダル獲得数は合計13個(金4・銀5・銅4)と冬季オリンピックの日本選手団としては史上最多となり、開幕前に団長自ら「最強のチームジャパン」と称したその強さを実証しました。
 数字の上では自国開催以外で複数の金メダルを獲得したのは初、スピードスケート女子チームパシュートとマススタートで金メダルを獲得した高木菜那選手は女子選手では初の複数個の金メダル獲得となりました。また、妹の高木美帆選手は個人で金銀銅メダルを一大会で同時に獲得(金:チームパシュート・銀:1000m・銅:1500m)し、女子選手としては夏季と冬季を通じて初めての選手となりました。
 個人的には、フィギュアスケート男子シングルの羽生結弦選手の金メダル、宇野昌磨選手の銀メダル同時獲得が印象的でした。戦前の予想では羽生選手の金メダルは彼本来の力を出せれば問題なく、故障明けのコンディションでそれができるかどうかの問題でしたが、宇野選手については上手くいけば表彰台に上がれる実力はあるものの、ネイサン・チェン(アメリカ)、ハビエル・フェルナンデス(スペイン)、ボーヤン・ジン(金博洋・中国)といったライバル選手の出来にも左右されるので注目していました。蓋を開けてみれば、チェン選手がショートプログラム(SP)で失敗してメダル争いから脱落し、SPを終えて羽生選手・フェルナンデス選手・宇野選手・ジン選手の順に並びました。この時点で羽生選手は大きな減点がなければ金メダル確実でしたが、他3選手は僅差でメダル争いはフリー(FS)の出来によることになりました。宇野選手とジン選手には転倒があり、フェルナンデス選手にはジャンプの抜けがありましたが、高難度のジャンプを揃えた宇野選手が逆転の銀メダル、高い演技構成点に支えられたフェルナンデス選手が銅メダル獲得となりました。男子シングルはこの4年間で4回転ジャンプの重要性が増し、4種類以上の4回転ジャンプを持つ選手が「真・4回転時代」の象徴となってきました。その象徴的な選手がチェン選手やジン選手であり、彼らのジャンプがすべて決まっていればメダル争いがわからなくなるところでした。特にチェン選手はFSでは印象に残る素晴らしい演技だっただけに、SPを成功させていれば金メダルも狙えた力を実証しました。男子のみならずフィギュアスケートの技術の発展は早くなっているので、次の4年間がどういう時代になっていくのか楽しみです。
 一方、採点競技においては(フィギュアスケートを含めて)そのわかりにくさが今回も指摘されることとなり、日本人選手絡みではスノーボード男子ハープパイプの平野歩夢選手が採点の微妙な判定で2大会連続の銀メダルに終わりました。金メダルのショーン・ホワイト選手の3回目の滑走よりも平野選手の2回目の滑走の方が難度が高かった、平野選手が3回目に2回目と同じ滑りができていれば平野選手が勝っていた、という声がありましたが、ハープパイプの採点方式は100点満点でジャッジによる総合的な印象で採点されるというもので、私はこの採点方式は欠陥システムなので将来的に修正されるべきだと思います。過去、10点満点で採点していた体操競技や6点満点だったフィギュアスケートがどうなっていったかを考えれば自ずとわかることです。まあ、現行ルールでは点数の出やすい3回目にしっかり大技を決めることが重要ということですね。
 なんにせよ、日本選手団の皆様、お疲れ様でした。

 さて、プロ野球はオープン戦の時期に差し掛かってきました。
 長く続いた寒さも和らいできましたが、これから熱い戦いが始まっていくのが楽しみです。
 プロ野球についてはあまり追えていないので、オープン戦の情報を見ながら若手選手の台頭を楽しみにしたいと思います。


更新情報


2018/ 1/31

 今月は近年稀に見る寒波の影響で全国的に気温の低い日が続きました。
 東京では都心でも雪だるまが作れるほどの積雪を記録するなど記録的な寒さでしたが、こちらでも最低気温が氷点下の日が続いたり、一日の気温の変動が小さい日が続いたりと、近年記憶にない寒さでした。
 この冬はこの先も冷え込みが続くそうなので、寒さに気をつけて過ごしたいところです。

 さて、来月にはいよいよ平昌オリンピックが開催されます。
 韓国での開催ということで余計な心配をしてしまう部分もありますが、日本選手団の活躍を期待するとともに、まずは何事もなく無事に開催期間が過ぎることを祈ります。

 また、プロ野球のキャンプインも迫っています。
 今季もまたどういう選手が出てくるのか楽しみにしながら追いたいと思います。


更新情報


2018/ 1/ 3

 新年あけましておめでとうございます。
 本年もよろしくお願い申し上げます。


更新情報


What's New! / ホームページへ戻る
Presented by 溶解ほたりぃHG