椎名作品二次創作小説投稿広場


絶対可憐チルドレン短編集

ただ貴方だけが見えない(薫未来ヴァージョン)


投稿者名:ルカ
投稿日時:09/ 7/11

 ただ貴方だけが今は見えない。
 夢の中でも。
 
「……女王、どうしたんだい?」
「なんでもない」
 今はもう思い出せない。悲しい顔だけしか。
 どうして裏切った? と彼は聞いた。
 それに答えられなかった私。
「……未来というのは確定はしてなかったはずなんだが」
「少しはじいさんが見た未来とはかわってるとは思う」
「そうだね」
 だってここには葵と紫穂がいないから、だって私が誘わなかったから。
「どうして女王、あの二人を……」
「独りぼっちになるでしょ、皆本が」
 一人にさせたくなかったから、彼を。
 ただそれだけ。
 私は兵部に笑いかける。
 二人だけでパンドラの本部では過ごすことはおおい。
 私は誰にも会いたくなかったから。
 ただやみの中私たちは語り合う。
 そして多分実現する、あの未来のことを思う。
 早く、私を殺しに来て。
 そしたら私はこの心の焦燥を消すことができるでしょう。
 多分この願いは、私の心のラヴレター。
 ただ今は貴方だけが見えない。
 ただあるのは来るべきあの未来だけ。


今までの評価: コメント:

この作品はどうですか?(A〜Eの5段階評価で) A B C D E 評価不能 保留(コメントのみ)

この作品にコメントがありましたらどうぞ:
(投稿者によるコメント投稿はこちら

トップに戻る | サブタイトル一覧へ
Copyright(c) by 溶解ほたりぃHG
saturnus@kcn.ne.jp