「絶対にわかりあえるはずなどないんだよ」
『愛しても愛されるわけではない』
「……エスパーとノーマルは理解しあうことなどできない」
『愛しても愛されるわけではない、絶対に愛しても、愛を返してもらえるということはない』
否定の意味で彼女がボクにいった言葉、それをボクは彼の前で同じような言葉を繰り返していた。
わかりあえるはずだ。どうして愛してもらえない?
リフレインする重なる言葉。
「わかりあえずはずだ、どちらも同じ人間だ」
『どうして愛してくれない?』
ボクはこんなにもキミを愛してた。そう昔彼女にボクはいった。
ノーマルであるからエスパーであるから。
そういう理由じゃない、私は……。
「愛しても愛されるわけじゃないんだよ」
真剣な瞳で彼はボクに呼びかける。
でもボクは否定の形に首を振る。
彼の強い情熱の形をみるのがすきだった。
まるで昔のボクのようだったから。
わかりあえるはずがない。
愛しても愛されるわけじゃなく。
ボクは彼女にとって必然じゃなかった。
必要じゃなかった。
だからノーマルとエスパーもわかりあえるはずがない。
ボクは否定の形に首を振る。
悲しい瞳をする彼は、まるで昔のボクのようだった。
「わかりあえるはずがないんだよ。皆本クン」
「そんなことはない!」
どうしたってかなわない願いがあって。
どうしたってどうにもならないことがある。
ボクは瞳を軽く閉じた。
そして呼びかける彼に否定の形で首を振った。
愛しても愛されるわけじゃない。
そんな言葉さえ昔のこと。
愛した彼女の否定の言葉を、今はボクがささやく。
という台詞がかきたかった。
紫穂と賢木でかきたかったんですが・・・。ちょっと挫折です。 (ルカ)