椎名作品二次創作小説投稿広場


半魔

旅立ち


投稿者名:パピ
投稿日時:05/ 4/11

横島は、事務所の玄関の前で止まり。

「今日で、こことはお別れか」

と、溜め息をしながら、事務所に入った横島。





事務所の中に入り、美神達の居る部屋に歩いた、

「ただいまかえ……」

横島の言葉はそこで止まった、いや、止まったのではない、その先を言うことが出来なかった、
何故なら、今、自分に向けられている目は、獣が今にも飛び掛かって来そうな目をしていた、美神だった。

そして、横島は怖くて固まっていると、怒鳴り声が響いてきた。

「ちょっと! 買い物に何時まで掛かってんのよ、アンタが居なくて大変だったんだから、もう許さん、アンタ、首よ!!」

固まっていた横島が、美神の、首、と言う言葉を聞いて、横島は、辞められるきっかけが出来たと思い。

「じゃあ、辞めますよ、俺もここから出たいと思ったし、良い機会にそう言って貰えて助かりました」

「はいはい辞めれ……って! 何言ってんのよ!!」

横島の言葉に、驚いていた美神、横島は、自分の言葉で驚いている美神を、見ていると

「ちょっと、辞めるって、本気で言ってるの!!」

美神の質問に、横島は、今まで、美神に見せなかった、真剣な目で答えた

「はい、俺は今日限りで、ここを辞めます!」

横島が、そう断言して、美神が、ドス! と、椅子に座るのを確認すると

「美神さん、長い間お世話になりました」

横島が美神に頭を下げて、お別れの挨拶をすると

「か……勝手に、何所でも行けば良いでしょう!!」

「そういえば、美神さん、おキヌちゃんとタマモは何所へ行ったんです?」

「今日の夜のお弁当を買いに行ってるのよ、行くんならさっさと行きなさいよ、おキヌちゃん達が帰ってきたら、うるさくなるから、行くんなら行け」

「では、さようなら、美神さん」



横島は部屋から出て

「美神さん、俺は……俺は…ここを出たいなんて思ったことは、ありませんよ」

横島は目に、一杯の涙を溜めながら、その言葉を誰に言うでもなく、1人、呟いていた。

事務所から出て、横島はもう一度、事務所に向かって頭を下げた。

頭を上げ、事務所を後にし、『男』が居る東京タワーに向かうため、歩いていった。





「東京タワーに着き、頂上に上り、『男』に声を掛けた。

「おい、言われたとおり、辞めてきたぜ、これで良いんだろ」

横島がそう言って、『男』が振り返るのを待つ。

「ああ、解った」

振り返った『男』に、横島が質問をした。

「そういえばお前、名前なんて言うんだよ? 教えろよ」

横島が名前を聞いて、『男』が答えた

「お…じゃなくて、私の名は、スカールだ」

「ふぅん、名前も聞いたし、それで、スカール、俺達は何所へ行くんだ?」

「とりあえず、旅に出る、今のお前の力では、ルシオラを復活させる為の力が足りないしな、それに……」

横島は、最初の言葉は聞こえたのだが、最後に言った言葉が聞こえなかったので聞いた。

「今、最後に何か言ったか?」

「え? ああ、な……何も言ってない」

どうして、スカールが動揺しているのか解らなかった。

横島の傍に、スカールが近づいてくると

「横島、お前に少しだけ力を与えよう」

「え、そんなことが出来るのか?」

「ああ、手を出してみろ」

横島が手を出し、スカールが握ると

「汝、我の新たなる主に契約の証に力を与えよう」

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

「(な、何だ…力が湧いてくるぞ、ん…何だ、この悲しみは、もしかして、コイツの深い憎しみと悲しみが、俺に伝わっているのか?)」

儀式が終わり、スカールは力が抜けたのか、急に座ってしまい、座っているスカールに横島が声を掛けた

「なぁ、(今、コイツの感情が流れ込んで来た事は、言わなくて良いか) 大丈夫か、大丈夫だったら、とりあえず、出発しょうぜ」

「ああ、大丈夫だ、さて、じゃあ行くか」

横島がスカールに手を貸し、横島が出発しようと、文殊を出し、《飛》《行》 と、念をこめた。

「良し、出発〜〜」

横島とスカールが飛んで出発をしようとしたが、下の方から声が聞こえた。

「あ?」

そして、下の声の主は

「横島さ〜〜ん(横島) 降りてきてくださ〜〜い」

おキヌとタマモだった、横島は、おキヌの言うとおり下に降りていった。

「なんだい、おキヌちゃん、タマモ」

横島が聞くと、おキヌが泣きそうな目で答えた

「何でですか、横島さん、何で美神さんの所を辞めるんですか、横島さん!!!」

横島がおキヌに言った

「嫌なんだよ、あそこに居るのが疲れたんだ」

横島が言った言葉に、信じられないでいたおキヌ、タマモがおキヌの代わりに聞く。

「横島、アンタ、本気で言ってるの、何で出て行くの、大体、美神の所辞めて、何所へ行くのよ!」

タマモが、そう言って聞いてくると、横島は。

「タマモ、俺には俺の生き方があるんだ、俺が何所に行こうが、タマモが聞く権利も無い筈だ」

横島に、事実を言われ、歯を思いっきりかみ締めているしか、なかった。

「じゃあ、おキヌちゃん、タマモ、さようなら、元気でな」

横島はそう言って、空高く飛んで、スカールの待っている所へ飛んでいった。

「横島……横島さ〜〜ん、帰ってきて〜〜」

「横島〜〜戻ってきてよ〜〜」

おキヌとタマモが、泣きながら大声で呼び戻しているが、横島は聞こえていたが、横島の決意は変わらなかった。

「良いのか、本当に行くぞ」

「ああ、行こう、俺の…新たに進む、第一歩だ」

横島とスカールは赤い夕日の、ネオンの輝きに照らされ、横島忠生とスカールは旅立った。










おキヌとタマモは、横島が消えるまで見ていた、そして横島は夕日と一緒に消え、タマモが、おキヌに声を掛けた。

「おキヌ…もう…もう横島は、居ないから帰るよ」

おキヌは泣いていた、横島が居なくなってしまってた事を、信じたくなくて、、夢だと思いたかった、と、思っていた。

「うう…よこ…横島さん……うぁぁぁぁぁん〜」

結局タマモは、おキヌが落ち着くまで待っていた。

暫くして、落ち着いたおキヌは、タマモと事務所へ帰って行った。










〜〜横島は旅立った、横島が、今度こそ、横島の夢の為に、旅立った、この選んだ道に、過酷な道があるとは、まだ、誰も知らない〜〜


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