私はいたずらが大好きです。
というか、大好物です。
”自分が仕掛けたトラップで相手が驚く”
ただ、これだけのことなのですが、なぜか心うきうきわくわく♪
アドレナリンがどぴゅどぴゅ分泌します。
これは昔、先祖が狩猟民族であったという深層心理に残った記憶が関与しているのではないか?
と勝手に考えています。
考えるだけなら自由です。
しかし、いたずらというものは結構奥が深いもので、相手の心理状態によってもその驚き度合いは変化します。
いたずらの道を積み重ねてきた私は、だんだん高度ないたずらをするために、相手の心理をも操作する悪魔的人間に育っていったのです。
これから紹介するいたずらは私が小学校6年生くらいの時でしょうか…
さて、私が毎回いたずらの対象にする我が弟『ひでくん』ですが、今回は違う人物がターゲットでした。
なぜならば、
『ひでくんにはいたずらをしすぎて、かんなり警戒されていた』
からではなく、
たんに、いとこがうちに泊まりにくるということだったので、
『飛んで火にいるなんとやら…』
だったからにすぎません。
警戒されているくらいで、私がいたずらをやめるわけ無いじゃないですか。(断言)
ということで、いとこがやってきました。
彼の名は『まーちゃん』(仮名)。
私より一つだけ年下で、かなりの笑いのセンスをそなえた強者です。
声・笑い声などがでかいのと東北弁が特徴。
さて、ミッションスタートです。
昼間は連れていってもらった奈良公園で、みんなで走り回って遊びました♪
むじゃきに…
そう、これも私の作戦だともしらずにむじゃきに…くっくっく…
さて、夕方家へ帰り、大人達はお酒を飲んで大人の時間。
こちらはこちらで子供の時間…というか、地獄のいたずらタイムです…
もうこのころから、私の心境はわくわくが止まらない状態になっていますが、それを表に少しでも出すと負けです。
まずは種まきです。
まーちゃんはゲーム好きです。
それを利用します。
「あっ、新しく入ったゲームがあるねんけどやる?」
彼がこの提案に乗ってくることはほぼ100%確実でした。
案の定、彼はこの餌に食いついてきます。
さて、このゲームの名は
『弟切草』
サウンドノベルの怖いやつです。
ここで、私からさらに提案です。
「これは一人で、しかも部屋を真っ暗にしてやった方がいいよ。」
しかし、まーちゃんはちょっと抵抗します。
「え〜、こわいってぇ!!」
しかし、しかし、この抵抗は予想済みです。
「ちょっと怖いけど、絶対にそうやったほうが楽しめるって!!(おもに俺がな…)」
と、まーちゃんのゲーマー心をくすぐります。
まーちゃんは、「それなら…」と乗ってきました。
私は笑顔でゲームをセットし、
「じゃ、楽しんでね♪」
と、満面の笑みでその場を後にします。
そう、満面の笑みで…
・
・
・
あらかじめ、どれくらいの時間で怖い時間になるかは調査済みです。
庭から、その部屋の裏手に回り込みます。
音を立てないように細心の注意を払います。
部屋の裏手に到着。
中の様子を見ます。
ちょうど、怖いところです!
はやる心を抑え、まずは窓をかすかに揺らしてみます。
まーちゃんの過剰な反応を示す音が聞こえてきました…
ぷっ…
い、いかん…笑いをこらえねば…
その場にうずくまり、笑いを必死になってこらえます。
なんとか笑いをこらえ、次の作戦にうつります。
窓を何度か揺らします。
これは、風で揺れているんだな。と思わせるためです。
その思惑通り、何度か揺らしているとまーちゃんの反応も少なくなってきました。
さぁ、準備は整いました!
次こそ待ちに待った瞬間です!
窓を揺すります。
まーちゃんは反応しません。
風で揺れていると思っているのでしょう。
ここで、風で揺れているにしてはちょっとおかしいな?と思わせるために、断続的に窓を揺すってみます。
ガタガタガタガタ…
まーちゃんは少しおかしい?と思い、窓に目をやります。
そこには
鬼の形相の私が窓にべったりへばりついていました…
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!あーーーーーあーーーーー!!」
叫び声が家中にこだましました。
かなりの極限状態にまで追いつめられていたまーちゃんに、私の姿はどのように映っていたのでしょうか?
叫び声を聞いて駆けつけてきた家族が来るまで、彼の叫び声は消えることはありませんでした…
やはり、怒られました…
…が、そんなことは予想通りです。
この楽しさにくらべたら屁のようなものです。
しかし…
しかし!!
これさえもが、まだ準備であったのです…
私は、反省したふりをして、まーちゃんにあやまり、
「じゃ、もう寝てくるね♪
おやすみ♪」
と、寝に向かいます。
まーちゃんもまーちゃん母さんに「あんたももう寝なさい。」と言われます。
寝に向かおうとするまーちゃん。
「あっ、その前にお風呂入ってきなさい。」
しかし、大人になった私でさえ、シャンプー中に後ろに誰かがいるような気がして怖くなることがあるというのに、先ほどあのような怖い目にあったまーちゃんがお風呂に一人ではいるというのはとても恐怖なことです。
「今日はおふろやめる。」
当然の反応です。
しかし、私はこの反応を読み切っていました。
そして、その上でそれに対する対応策をすでに行っていたのです。
「あんた、昼間あんなに汗をかいたんだからちゃんと入りなさい!!」
そうです。
このために、昼間汗だくになるような遊びをしたのです!!
本当の舞台は風呂場!!
そう、弟を恐怖の渦に巻き込んだ風呂場です!※ここ参照
まーちゃんはかなり渋りましたが、まーちゃん母さんのちょっと怒りながらの説得により、しぶしぶ風呂にはいることを決めたようです。
まーちゃんは部屋へ風呂の道具を取りに行きました。
今だ!!
私は風呂に潜入し、風呂のふたを壁に立てかけ、その裏に隠れました。
↓こんな感じ
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待つこと数分…
実は、風呂場で暗闇の中一人待つ私もちょっと怖かったです…
まーちゃんが「やっぱりやめる!」と言い出したのではないだろうか?
などと心配になってきます…
が、まーちゃんはやってきました。
まーちゃんは服を脱いでいます。
(ドキドキドキドキ)
まーちゃんが入ってきました。
(ドキドキドキドキ)
まーちゃんが湯船に入ります。
(ドキドキドキドキ)
すぐとなりにまーちゃんがいます…
(ドキドキドキドキ)
しかし、まだ今は動くときではないのです。
今回は協力者がいるのです。
我が弟『ひでくん』
ひでくんに言い渡した指令は
「まーちゃんが風呂にちゃんと入ったのを確認して、少したってから風呂の電気を消して!!
注意点は、まーちゃんがちゃんと風呂に入ったのを確認することと、少しの間を空けること!
風呂に入って、少しリラックスしたところをねらう。
ただし、タイミングには気をつけろ!
まーちゃんは怖いから早く上がろうとするはずだから、ゆっくりするとまーちゃんが先に出てきてしまうぞ!」
あとはひでくんがうまくやってくれるはずです。
…が、ここで少し予想外の出来事が起こりました!!
まーちゃんの行動が予想以上に早い!!
このままでは、先に出られてしまう!!
ひでくんよ!早く!早く!!
しかし、ちゃくちゃくと時は過ぎていきます…
まーちゃんが風呂から出ようとする気配を感じました…
もうだめか…
そう思った瞬間!!
パチン…
電気が消えました!!
驚くまーちゃん。
そこへ間髪いれず、今まで隠れていた私が
彼の腕を鷲掴みにしました!!
「あ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
彼の叫びは近所中に響き渡るすさまじいものでした。
(現に、なんにんかの近所の人が様子を見に来ました)
家族が全員やってきました。
すんげー怒られました。
しかし、
しかし!!
私はやり遂げたのです!!
本望じゃありませんか…
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