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Re[5]: 水槽の立ち上げ |
□投稿者/ 遊歩 ペットショップアルバイト(時給750円)(20回)-(2006/07/31(Mon) 04:40:40)
02さんと同様、『アンモニア滴下法』による水槽立ち上げ法です。 熱帯魚の飼育経験がありますので、その経験を踏まえ、様々な失敗、紆余曲折、疑問等から気づいた点がありましたので、拙筆ながら併記させて頂きます。
水槽以外に必要な物:※大磯砂など、水質に影響を及ぼさないタイプの敷き砂 (現在では濾材としての効能を持たせた砂なども販売されていますが、私の場合では不適格) ※濾過器とエアレーション設備 (上部濾過システムの方が都合上望ましいです。) ※『日本薬局方 10%アンモニア水』 (表面活性剤などの混ぜ物の無い物。ボトルごと振って泡の立つ物は不適格) ※テトラ社などから販売されている『亜硝酸検知薬』 (液体の物が望ましい)
1,まず、水槽を台所用スポンジ(未使用の物)、水道水で綺麗に洗浄する。この際、洗剤や特殊な殺菌剤等使用すると後々金魚にどんな影響を及ぼすかも分かりませんので使用しないよう。 2,敷き砂をバケツの中などに少量ずつ移し、お米を研ぐ要領で濁りが出なくなるまで水道水で洗浄する。 3,1で洗浄した水槽を丈夫で安定した台の上などに設置、固定し、2で洗浄した砂を中に入れ、平らにならす。 4,水槽内に水道水を静かに注ぎ、エアレーション設備、濾過器(フィルターを除く。濾過器の本体のみ)を取扱説明書通りに水道水で洗浄した後、組み立て、設置する。 5,空っぽの濾過器の中には『活性炭、ゼオライトなどの吸着機能を持たない』フィルター、またはウールマットなどを一枚敷く。 6,濾過器、エアレーション設備などに電源を入れ、正常に作動するか確認。 (以後、濾過器、エアレーション設備の電源は入れっぱなしにしてください。止めてしまうと水槽水が腐るなどの悪影響が出ます。) 7,設置が終了し、正常に水槽水が循環することが確認できましたら、 『初日は水槽の水、一リットルに対し、一滴のアンモニア水』を滴下する。 (あくまでも『初日だけ!』ですが、仮に50リットルの水槽であれば、アンモニア水約50滴となります。仮に多く投入してしまったとしても、この時点では問題はありません。一気にどうぞ。) 以上、ここで初日は終了です。 8,以後は『水槽水10リットルに対し、1滴(仮に50リットル水槽ですと5滴)』のアンモニアを一日一回、毎日滴下し、定期的に亜硝酸検査薬で水質をチェックします。 検査薬の反応は大体水槽設置から数日〜一週間で亜硝酸の反応が現れ始め、約一週間後には検査薬を振り切る程の多量の亜硝酸が検出されます。 そして約二週間がたつとある日突然、いきなり亜硝酸が検出されなくなります。 9,亜硝酸が水槽水から検出されなくなったら、アンモニアの滴下をやめ、水槽内に溜まりまくっていると思われる生成物『硝酸塩』の濃度を下げる意味で『カルキ抜きをした水』と半分量の換水をここで初めて行い、一晩水をなじませるためにそっとしておきます。 10,次の日、ここで初めて金魚を水槽内に入れ、一週間ほど様子を確認し異常がなければ完成です。
以上、こういった箇条書きにするととてもややこしくて面倒くさそうな感じを受けますが、実際にやってみると意外と簡単で、後々水質に悩まされることもほとんど無くなります。 尚、いくつか注意点、疑問に思われることなどを続いて列記致します。
まず、『フィルターをなぜ吸着物の入っていない、ウールマットなど。と限定したのか。』ですが、 これは一言で言うとフィルターに吸着物が含まれるタイプのものですと、せっかくバクテリアのエサとして水中に投入しているアンモニア、亜硝酸を吸着物が吸着してしまい、バクテリアの発育を妨げてしまうからです。 私も一度これで失敗したのですが、吸着物の入ったマットなどを使用すると未成熟な水槽水にもかかわらず、あたかもアンモニア、亜硝酸の値が正常に戻ったかのような数値が出てしまい、安心して金魚を投入すると急激な毒物質の増加→病気、突然死の続発が起こってしまいます。 敷き砂も『大磯砂など』と限定したのはそのためです。
次に『初日の大量のアンモニアの滴下』ですが、これは単に『バクテリアに潤沢なエサを与えるため』です。 仮に初日に多少滴下量を多めに間違えたとしても、その後の滴下量さえ間違わなければしっかりと分解してくれますのでそこら辺は問題ありません。
最後に気をつけて頂きたいのが『初日に水槽に入れるのはカルキ抜きをしていない水道水なのに対し、完成間際に換水に使用する水はしっかりとカルキを抜いた水を使用する』という点です。 これは最初に注入した水道水はバクテリアの発生の課程で数日間の猶予があるため、エアレーション設備などでカルキが十分に抜けると思われますが、換水に使用する水はカルキを抜いておかないと、ここまでに折角生育したバクテリアが十分にいる『こなれた水槽水』に致命的な害を与えてしまうからです。
以上、少々金魚飼育というよりは熱帯魚飼育の知識に偏った少々専門的な??立ち上げ法ではありますが、要は『観賞魚が排するアンモニアなどをいかに効率的に無害化できるか』という一点から、現在販売されている観賞魚用のアイテムへの疑問点から見つけた方法です。皆様のご参考になれば幸いです。
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