『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』:1997、アメリカ

ジュラシック・パークで事故が起きてから4年が経過した。インジェン社のジョン・ハモンドはその失敗により会長の座を追われていたが、彼は実験工場だったコスタリカの海岸沖にあるソルナ島、通称“サイトB”で、恐竜が野生の状態で繁殖していることに注目していた。
ハモンドはジュラシック・パークでの事故を体験したイアン・マルカムを呼び寄せ、サイドBの調査隊に参加するように依頼。一度は断ったイアンだが、調査隊の一員として恋人の古生物学者サラ・ハーディングが既にソルナ島に上陸したことを知り、島へ向かうことに同意する。
ビデオ・ドキュメンタリー作家のニック・ヴァン・オーウェン、フィールド装置システムの専門家エディー・カー共にソルナ島へ向かったイアンは上陸してサラと合流。だが、イアンの乗った船には密かに彼の娘ケリーが潜伏していた。
ケリーを連れて島を去ろうとするイアン。その時、インジェン社のヘリコプターが何台も島に飛んで来た。乗っていたのはハモンドの甥で現在の会長であるピーター・ルドローの一行。彼はサイトBを利用して、ジュラシック・パークの失敗で会社が被った損失を取り戻そうと考えていた。
ルドローは冒険家ローランド・テンポ、ディーター・スターク、アジャイ、ドクター・バーク達で組織されたハンター軍団に、恐竜を捕獲させようと考えていた。ハモンドはその動きを知っており、それより先に島を調査して自然に生きる恐竜の姿を記録しようとしていたのだ。
恐竜を観察しようとする者もいれば、恐竜を捕らえようとする者もいる。だが恐竜達の危険性を本当に知っているのは、イアンただ1人だった。そして彼の不安は的中し、ついに恐竜達が人間への攻撃を開始するのだった…。

監督はスティーヴン・スピルバーグ、原作はマイケル・クライトン、脚本はデヴィッド・コープ、製作はジェラルド・R・モーレン&コリン・ウィルソン、製作協力はボニー・カーティス、製作総指揮はキャスリーン・ケネディー、撮影はヤヌス・カミンスキー、編集はマイケル・カーン、美術はリック・カーター、音楽はジョン・ウィリアムズ。
出演はジェフ・ゴールドブラム、ジュリアン・ムーア、ピート・ポスルスウェイト、リチャード・アッテンボロー、ヴィンス・ボーン、アーリス・ハワード、ヴァネッサ・リー・チェスター、ピーター・ストーメア、ハーヴェイ・ジェイソン、リチャード・シフ、トーマス・F・ダフィー、ジョセフ・マゼロ、アリアナ・リチャーズ、トーマス・ロザレス、カミーラ・ベル他。


大ヒットした恐竜映画『ジュラシック・パーク』の続編。スタン・ウィルストンが実物大の恐竜を製作し、ILMの視覚効果監督デニス・ミューレンがCGIを使って恐竜を動かし、マイケル・ランティエリが特殊効果で恐竜の世界を飾り立てる。
恐竜の種類はティラノサウルスやヴェロキラプトルの他、ステゴザウルスやプテラノドン、パキケフェロサウルスなど前作よりもかなり増えている。群れになって登場する小さな恐竜コンピー(コンプソグナトス)の動きが特に目を惹く。

ストーリーはつまらない。ダラダラした展開に延々と付き合わされる。簡単に言えば、「ただ恐竜が暴れるだけ」の映画である。あくまでも恐竜が主役。人間は脇役どころか、添え物程度の扱いである。どのキャラクターも、別にいなくても映画に何の支障も無い役ばかり。

確かに恐竜には迫力がある。しかし、前作でその迫力は既に見てしまっている。前回より特撮のレベルが上がっているとはいえ、やはり最初に見たときのような衝撃は無い。スピルバーグも「シリーズ物の法則」に逆らうことは出来なかった。

「恐竜は危険だ」とイアンがいくら主張しても、恐竜がちっとも怖く見えないことには、どう反応すればいいんだろうか。スピルバーグの恐竜好きが作品に滲み出ているんだろう。でも円谷英二は『ゴジラ』で怖い恐竜を描いたわけで、スピルバーグにそれが出来ないことは無いと思うんだけどね。


第18回ゴールデン・ラズベリー賞

ノミネート:最低リメイク・続編賞
ノミネート:最低脚本賞
ノミネート:最低人命&公共物軽視賞


第20回スティンカーズ最悪映画賞

ノミネート:【最悪な総収益1億ドル以上の作品の脚本】部門
ノミネート:【最悪の続編】部門

 

*ポンコツ映画愛護協会