『モブスターズ 青春の群像』:1991、アメリカ

舞台は第1次世界大戦後、禁酒法時代のニューヨーク。この街はサルヴァトーレ・ファレンザーノ率いるファミリーとジュゼッペ率いるファミリー、2つのギャングによって支配されている。そんな街で、イタリア系の若者ラッキー・ルチアーノは暮らしていた。
ルチアーノの家族はファレンザーノ・ファミリーに酷い扱いを受け、父親は破産に追い込まれた。さらにルチアーノは、友人がマッセリアに殺害されるのを目撃した。彼は父親と友人の復讐を果たすため、暗黒街に生きることを決意する。
ルチアーノは自分と同じイタリア系の親友フランク・コステロ、ユダヤ系のマイヤー・ランスキー、そしてバグジー・シーゲルと手を組んだ。ルチアーノはは酒の密売から始めて勢力を伸ばし、ファレンザーノとマッセリアの敵対を煽る…。

監督はマイケル・カーベルニコフ、原案はマイケル・メイハーン、脚本はマイケル・メイハーン&ニコラス・カザン、製作はスティーヴ・ロス、製作総指揮はC・O・エリクソン、撮影はラヨシュ・コルタイ、編集はスコット・スミス&ジョー・ドーガスティン、美術はリチャード・シルバート、衣装はエレン・ミロジニック、音楽はマイケル・スモール。
出演はクリスチャン・スレイター、パトリック・デンプシー、リチャード・グリーコ、コスタス・マンディラー、アンソニー・クイン、F・マーレイ・エイブラハム、ララ・フリン・ボイル、マイケル・ガンボン、クリストファー・ペン、ロドニー・イーストマン、ジェレミー・ショーンバーグ、マイルス・パーリッチ、アラン・チャロフ、アントー・ノーラン他。


実在した大物ギャング、ラッキー・ルチアーノの若き日を描いた作品。ルチアーノをクリスチャン・スレーター、ランスキーをパトリック・デンプシー、シーゲルをリチャード・グリーコ、コステロをコスタス・マンディラーが演じている。

そんなジャンルがあるのかどうかは分からないが、「青春ギャング映画」という感じの作品だ。とにかく、あらゆるモノがオシャレでクールだ。登場人物達の衣装も、振る舞いも、車も、建築物も、小道具も、全てがオシャレさんなのである。

で、肝心の内容は、大したことが無い。スマートな悪党達の立身出世物語だが、ただそれだけのこと。彼らの友情がキーポイントになるはずなのだが、それがしっかり描かれていない。大事な場面で急に友情を持ち出されても、効果は希薄である。

結局、これはクリスチャン・スレイターやパトリック・デンプシーといったハンサム俳優達のカッコ良さを楽しむ映画なのだろう。だから4人のキャラクター描写が弱くても、風格が無くても、そんなことは別に構わないのだ。
なぜならキャラクターではなく、役者で魅せる映画なのだから(たぶん)。


第12回ゴールデン・ラズベリー賞

ノミネート:最低助演男優賞[アンソニー・クイン]
ノミネート:最低助演男優賞[クリスチャン・スレイター]
<*『モブスターズ/青春の群像』『ロビンフッド』の2作でのノミネート>

 

*ポンコツ映画愛護協会