『マチェーテ・キルズ』:2013、アメリカ&ロシア

アリゾナ州のメキシコ国境。マチェーテ・コルテスは恋人であるICE(入国・税関取締局)捜査官のサルタナと共に、軍人たちが麻薬カルテルに武器を売ろうとする現場へ乗り込んだ。2人が銃を構えていると麻薬カルテルの連中が現れ、ボスが「ロケットは?」と言う。彼らはいきなり発砲し、軍人たちを全滅させた。そこにヘリコプターで覆面の集団が現れ、カルテルを銃撃する。マチェーテは逃げようとするが、サルタナは「ロケットと言ってたわ。止めないと」と口にする。彼女はトラックに積んであるミサイルを発見するが、覆面集団のリーダーに射殺される。覆面のリーダーはマチェーテにも銃を向けるが、殺さずに逃亡した。
ドークス保安官はマチェーテを捕まえ、甚振ってから殺そうと考える。しかしアメリカ大統領から電話が入り、釈放するよう命じられた。ホワイトハウスに呼び出されたマチェーテは、大統領から「革命家のマルコス・メンデスがミサイルでワシントンを狙い、メキシコへの侵攻を要請してきた。メンデスを見つけて真相を調べ、事実なら殺してくれ」と頼まれる。彼は「手を貸せば前科を消してアメリカ国籍を与える」と言うが、マチェーテは首を縦に振らない。しかし「サルタナも望んでいるはずだ」と言われ、引き受けることにした。
大統領はマチェーテに、「サンアントニオにいる仲間が国境越えに力を貸してくれる」と告げる。現地入りしたマチェーテは、ミス・サンアントニオのブランスと接触した。ブランスは大量の武器を隠し持っており、「メンデスはマッドマンの異名を持つ男。麻薬カルテルの一員だったけど、革命家に転身した。アジトはジャングルのどこか。唯一の手掛かりは、メンデスと通じている娼婦のセレーサ。彼女はアカプルコにいる」と述べた。
マチェーテはブランスの操縦するヘリコプターで国境壁を越え、アカプルコに降り立った。娼館に入った彼は、女主人であるマダム・デズデモーナにセレーサの写真を見せて「彼女と会いたい」と言う。セレーサの母であるデズデモーナは、娼婦のキルジョイたちと共にマチェーテを殺そうとする。攻撃をかわしたマチェーテは、セレーサの部屋に飛び込んだ。セレーサが「メンデスの所へ行くのね。連れて行って」と言うので、マチェーテは彼女を連れて窓から脱出した。
セレーサはマチェーテと船で移動し、「メンデスに慈悲の心は無い。でも全て大義のためにしたこと。国を救うためよ。殺さず協力すると約束して」と頼む。そこへメンデスの側近であるサロールと手下たちが現れ、2人をヘリコプターに乗せた。セレーサはマチェーテに、「メンデスは二重人格なの。革命家の顔もあれば、カルテル再建を狙うマッドマンにもなる。症状は悪化してる」と言う。メンデスからの電話を受けたサロールはマチェーテに「ボスからのメッセージだ」と告げ、セレーサを射殺してヘリコプターから投げ捨てた。
マチェーテがアジトに連行されると、メンデスはマッドマンの状態だった。彼は奪ったミサイルをマチェーテに見せ、「これをアメリカに撃ち込んでやる。メキシコ国民に必要なのは行動だ。何もしないアメリカ政府に思い知らせてやる」と言い放つ。彼は「俺を殺すことは出来ない。優秀な博士が発射システムを俺の心臓と繋げてくれた。俺の心臓が止まると、ワシントンが吹っ飛ぶ」と語り、心臓に繋いである小型の機械を見せた。彼は博士を射殺し、「これで解除できるのは開発者だけになった」と不敵に笑った。
マチェーテは発射システムを解除するため、メンデスを拉致して国境を越えようと考える。彼はメンデスに刀を突き付け、アジトから連れ出した。するとメンデスは機械のピンを抜き、24時間の時限装置を作動させる。マチェーテはメンデスを気絶させてヘリコプターに運び、追って来たサロールを始末して脱出した。マチェーテはブランスを通じて大統領と連絡を取り、事情を説明した。彼は「開発者なら解除できる」と言って機械を確認し、軍需産業のヴォズテックが製造したことを知った。
マチェーテが「国境を越えさせてくれ」と要請すると、大統領は「メキシコと関わるとメディアに叩かれる。国境を越えるまでは、一人で切り抜けろ」と話す。マチェーテはメンデスの手下たちによる攻撃を回避し、ボートで上陸する。目を覚ましたメンデスの人格は変化しており、自分がセレーサを殺させたと聞いてショックを受けた。メンデスの手下はラジオのアナウンサーを脅し、「メンデスはアカプルコから北部へ向かっている。首を取って来たら1千万ドルの賞金が出る」と喋らせた。
ラジオ放送を聞いたドークスはマチェーテがメンデスと一緒にいると知り、助手のクレボーンを連れて出動する。殺し屋のカメレオンは酒場へ訪れ、バーテンダーのカルロスに拳銃を見せる。カルロスが「金なら返すと伝えてくれ」と怯えると、カメレオンは「お前を始末しないと契約違反になる」と告げて射殺した。カメレオンはラバーマスクを外し、別の顔になった。デズデモーナはマチェーテとメンデスを見つけたという知らせを受け、「セレーサの仇討ちに行くわよ」と娼婦たちに指示した。
マチェーテは警官を見つけて自首しようとするメンデスを制止し、食堂に入った。そこでメンデスはマッドマンに変貌し、マチェーテを挑発するような態度を示す。捜査官のチェポはマチェーテを裏切り者と誤解し、拳銃を向けた。メンデスを始末しようとするチェポを、マチェーテは射殺せざるを得なかった。警官隊が食堂を包囲し、隊長は「出て来なければ撃つ」と通達した。マチェーテがメンデスを連れて裏口から脱出した直後、食堂は爆破された。
マチェーテは車を奪い、怪我を負ったメンデスを診療所へ連れて行く。しかしデズデモーナと娼婦たちが襲って来たので、マチェーテ メンデスを連れて逃走した。メンデスはマチェーテに「なぜ麻薬カルテルの一員から革命家に?」と問われ、「そもそも偽装だ。私はメキシコ政府の諜報員で、カルテルに潜入していた。次第に殺しの世界へと染まって行き、潜入捜査から降りたい上司に訴えた。しかし上司はカルテルに買収されており、妻と娘を目の前で殺された」と述べた。
メンデスはマチェーテに、「その時、マッドマンが出現した。私は自分で国を変えるしかないと気付いた。必ず革命をやり遂げる」と話す。車が故障すると、彼は「どうせ、このオンボロ車では国境を越えられない。装甲車が必要だ。盗難車を売る店がある」と告げた。彼がマチェーテを案内したのは、カルテルの縄張りにある店だった。カルテルの連中に包囲されたことを知ったマチェーテは、拳銃を構えた店主を外へ蹴り出した。店主は一斉射撃とミサイル砲撃で死亡し、マチェーテはメンデスを装甲車に乗せて逃走した。
マチェーテが装甲車を走らせていると、カメレオンの車が襲ってきた。さらにデズモーナたちの車も追って来るが、マチェーテは何とか脱出した。彼は国境の秘密トンネルに突っ込み、アメリカへ入国した。そこへ死んだはずのサロールが部隊を率いて現れ、メンデスの首を切断した。マチェーテは一斉射撃を浴び、その場に倒れた。しかし彼が目を覚ますと、すっかり傷は回復していた。そこにヴォズテックのCEOであるヴォズが現れ、ヒーリング・プールに入れたことを説明した。
ヴォズはマチェーテに、会社が宇宙開発と武器製造の分野で世界一を誇っていることを語る。そして「メンデスに武器を流したのは私だ。しかし行動が予測不能だったため、部下のサロールに監視させていた」と言う。彼は自社で製造したスペースシャトルを見せ、「近い内に宇宙へ移住する予定だ。計画は6年前から始まっている。最初に宇宙へ行った時、私は覚醒し、世界の終末を確認した。だから希望者は誰であろうと宇宙へ連れて行く。そして新たに築いた王国で平和に暮らす。これはノアの方舟だ」と述べた。
ヴォズは「覚醒して以来、未来の動きが読めるようになった」と言い、開発した未来の武器を見せる。それから彼は「最強の男である君を雇いたい」と言い、クローン戦士であるサロールと戦わせる。マチェーテが全てのクローンを倒すと、ヴォズは「最強のクローンを生み出すため、君をサンプルにしたい」と持ち掛けた。マチェーテは拒絶し、発射装置を解除するよう要求した。ヴォズの攻撃を受けた彼は、ヴォズテックの施設から脱出した。すると友人のルースが助けに来ており、マチェーテは彼女の操縦するヘリコプターで逃亡した…。

監督はロバート・ロドリゲス、原案はロバート・ロドリゲス&マルセル・ロドリゲス、脚本はカイル・ウォード、製作はロバート・ロドリゲス&リック・シュウォーツ&セルゲイ・ベスパロフ&アレクサンドル・ロドニャンスキー&アーロン・カウフマン&イリアナ・ニコリック、製作協力はマリーナ・ベスパロフ、製作総指揮はボリス・テテレフ&ジェリー・ハウスファター&マーク・C・マニュエル&パリス・カシドコスタス・ラトシス&テリー・ダガス&アンソニー・グダス&サム・イングルバート&ウィリアム・D・ジョンソン&アルフォンソ・バラガンJr.&ジョン・ポール・デジョリア、共同製作はトム・プロッパー&ダグ・アーニオコスキー、撮影はロバート・ロドリゲス、美術はスティーヴ・ジョイナー&ケイラー・エデルブルート、編集はロバート・ロドリゲス&レベッカ・ロドリゲス、衣装はニナ・プロクター、音楽はカール・シール&ロバート・ロドリゲス。
出演はダニー・トレホ、ミシェル・ロドリゲス、ソフィア・ベルガラ、アンバー・ハード、メル・ギブソン、デミアン・ビチル、カルロス・エステヴェス(チャーリー・シーン)、レディー・ガガ、アントニオ・バンデラス、キューバ・グッディングJr.、ウォルト・ゴギンズ、ウィリアム・サドラー、ジュリオ・オスカル・メチョソ、アレクサ・ヴェガ、ヴァネッサ・ハジェンズ、マルコ・サロール、キャリー・エルナンデス、ビリー・ブレア、サミュエル・デイヴィス、ジェイソン・クリストファー、デヴィッド・C・ハード、カルロス・ロドリゲス他。


2010年の映画『マチェーテ』の続編。
監督は前作に引き続いてロバート・ロドリゲス。原案はロバート・ロドリゲスと弟のマルセル。脚本のカイル・ウォードは、これが長編デビュー作。
前作からの続投キャストは、マチェーテ役のダニー・トレホ、ルース役のミシェル・ロドリゲス、アンクレジットだがサルタナ役のジェシカ・アルバ、オサイリス役のトム・サヴィーニ、ビリー役(今回は最後のカメレオンを見つける集団のリーダーとして登場)のビリー・ブレア、フェリックス医師役のフェリックス・サバテス、看護婦役のエレクトラ・アヴェラン&エリース・アヴェラン&マーシー・マディソン。
今回の新顔は、デズデモーナ役のソフィア・ベルガラ、サン・アントニオ役のアンバー・ハード、ヴォズ役のメル・ギブソン、メンデス役のデミアン・ビチル、大統領役のチャーリー・シーン(本名のカルロス・エステヴェス名義)、カメレオン役のレディー・ガガ&アントニオ・バンデラス&キューバ・グッディングJr.&ウォルト・ゴギンズ、ドークス役のウィリアム・サドラー、チェポ役のジュリオ・オスカル・メチョソ、キルジョイ役のアレクサ・ヴェガ、セレーサ役のヴァネッサ・ハジェンズ、サロール役のマルコ・サロールなど。
スペースX社のCEOを務めるイーロン・マスクが、本人役で出演している。

冒頭、『Machete Kills Again ...In Space』なる映画の予告編が写し出される。
マチェーテが宇宙のヒーローとして悪と戦う内容で、ダニー・トレホ、ミシェル・ロドリゲス、アレクサ・ヴェガ、レディー・ガガが出演者として登場し、他に「ロボット役でジャスティン・ビーバー、銀のマスクはレオナルド・ディカプリオ」というナレーションが入る。
マチェーテで宇宙で戦うなんて有り得ないし、単なるネタだろうと思っていたら、お遊びでは終わらなかったのである。
それについては後述する。

序盤から、マチェーテが刀で斬った敵の生首が転がったり、体を真っ二つに切断されたりする。
もちろん血はドバーッと出るし、表面的には残酷な描写と言える。
ただし生首や切断される体は作り物ってことがバレバレな状態になっており、そのことが残酷性を薄めている。
また、「マチェーテがサロールの腸を引きずり出してヘリコプターのプロペラに巻き付け、サロールがプロペラの回転で死亡する」とか、「マチェーテがワイヤーをヘリに撃ち込んで兵士に繋ぎ、兵士がヘリに叩き付けられて爆発する」とか、そういう殺し方の演出も、残酷さよりバカっぽさを際立たせている。

マチェーテはサルタナの仲間だし、取り引き現場で激しい戦闘があったことは明らかだが、ドークスは彼を殺人犯として捕まえる。それどころか、その場で処刑しようとする。
やや強引な展開ではあるが、そこは「首吊り状態にされてもピンピンしているマチェーテ」という姿や、「アメリカ大統領からの電話で釈放される」という展開からの逆算かもしれない。
そういう風に考えると、その逆算は悪くない。
普通の映画ならともかく、この映画ならOK。

ブランカがマチェーテをセックスに誘うと「3Dメガネを用意して下さい」というメッセージが表示され、画面が赤と青を基調とするボンヤリした映像になって、どうやら2人がセックスしているらしい様子が写し出される。
もちろん実際に3Dメガネを掛けたらセックスの様子が浮き上がって見えるわけではなく、ただの遊びである。
遊び心満載で作られている映画なので、そういうネタを入れるのも分かることは分かるんだけど、ちょっと外してるかな。
「一応はシリアスにやってるけど中身がおバカ」ということで、徹底した方が良かったんじゃないかなと。そこの演出は、「ふざけてますよ」ってのを露骨に出し過ぎかなと。

次から次へと、簡単に登場人物が死んでいく。
なんせ前作のヒロインだったサルタナが冒頭で眉間を撃ち抜かれて死んじゃうし、重要人物のように登場したセレーサも簡単に殺される。いずれもジェシカ・アルバ、ヴァネッサ・ハジェンズと、充分すぎるほど有名な女優が演じているわけで、それでも全く容赦が無い。
他にも大勢の人物が殺されていき、命の重さは1円玉レベルに軽い。
そういうノリが嫌いだと全く受け付けないだろうけど、「命を粗末に扱い過ぎ」とかマジに批判するような人は、こんな映画を見ないわな。

ようするに、この映画は「人が殺される」って要素も含めて、おバカなノリでやっているということだ。
ただし、サルタナが殺されてもマチェーテの行動や心情にほとんど関与しないとか、セレーサを無慈悲に殺したメンデスをマチェーテが守りながら行動することになるとか、その辺りにまで人の死を軽んじた影響が及ぶのは、望ましくないんじゃないかと。
「サルタナのために」と言われてマチェーテが任務を引き受ける展開はあるけど、そこぐらいでしょ。
まあ、そもそも感情表現の旺盛なキャラじゃないけどさ。

どのキャラも中身はペラッペラで、ほぼ外見のギミックで勝負するような造形になっている。
その中でも出オチ感が強いのはカメレオンで、「ラバーマスクを外すと別人に変身する」という設定になっており、最初はウォルト・ゴギンズ、次はキューバ・グッディングJr.、そしてレディー・ガガ、アントニオ・バンデラスと演者が交代していく。
1人目は「別人に変身して驚かせる」というための存在なので、その中で最も地味なウォルト・ゴギンズってのは正解。
ただ、レディー・ガガとアントニオ・バンデラスは逆でもいいかなあ。どっちの方がインパクトが強いかっていうと、そりゃあ紅一点でもあるし、レディー・ガガじゃないかと。

「おっぱいマシンガンとか出て来そうなノリだなあ」と思っていたら、デズモーナがブラジャー型のマシンガンを使う展開がある。
そんな彼女と娼婦たちが診療所を襲撃するシーンでは、マチェーテが血液袋をレンジに入れてチンする展開がある。血がブシャーと弾けてカメラに付着するので残酷描写っぽいけど、実は誰も殺されていない。
後から全身血まみれになったキルジョイたちが現れるが、「何よ、気持ち悪い」というだけで、全くの無傷だ。
滑稽さはあるものの簡単に人が殺されまくっているシーンが多い中で、そこは意外に好きだな。
まあ簡単に人が殺されまくっているトコが前フリになっているからこそ、「残酷っぽいけど誰も死なない」というシーンに面白さを感じることが出来るんだけどさ。

セレーサはマチェーテに、「メンデスは二重人格なの。革命家の顔もあれば、カルテル再建を狙うマッドマンにもなる」と説明している。だったら「アメリカにミサイルを撃ち込んで云々」と考えているのは、革命家としての彼であるはずだ。
ところが、マチェーテがアジトに到着した時の彼はマッドマンの状態なのに、「ミサイルをアメリカに撃ち込んでやる。メキシコ国民に必要なのは行動だ。何もしないアメリカ政府に思い知らせてやる」と言っている。一方で、メンデスの状態に戻った時には、「私は麻薬カルテルのメンデスだ」と挨拶している。
そこはキャラ設定がグダグダになっていると感じるぞ。
カーショップの店主が殺されると「俺も撃たれたい」と外へ出て行こうとするし、どうなってんのかと。そこは、またメンデスからマッドマンに変身したってことなのか。
なんか1つの人格の中でも、場面によって行動が支離滅裂になっているように思えるんだけど。

後半に入ると、そんなメンデスが妻子を目の前で拷問され、殺害されたという悲しい過去が明らかにされる。そして、それが引き金となって多重人格に変身したり、過激な方法で革命を果たそうと決意したりしたことが語られる。
そういうことになると、彼を悪党として捉えることは出来なくなる。
しかし一方で、サルタナやセレーサが冷酷に殺されたことは事実なわけで。そこは、荒唐無稽な話に不似合いな複雑さを出しちゃってるなあと。二重人格ってのとは別の類の、まるで余計な複雑さだわ。
ラスト近くになって、サルタナ殺害はヴォズの仕業だと分かるけど、セレーサ殺害に関しては完全にメンデスの指示だし。
っていうか、メンデスを簡単に片付けて「ヴォズが黒幕」とするなら、ますますメンデスはセコい小悪党か利用されただけの善玉か、どっちかに徹底した方がいいと思ってしまう。

デズモーナがおっぱいマシンガンだけじゃなくて股間のマシンガンまで使うなど、そういうバカっぽいギミックが現実離れしているのは、映画のノリを考えると大歓迎だ。
ただし後半に入ってヴォズが登場し、「宇宙開発が云々」ということでスペースシャトルや未来の武器が出て来ると、それは歓迎しかねる。あまりにも話がサイエンス・フィクションに傾きすぎていることには、否定的な感想しか沸かない。
そうやってSF色を強くして、最終的には予告編の内容に繋がっているんだけど、「予告編に繋げる」という目的が先にあって、そのせいで話の面白味が削がれているように感じられるんだよな。
『007/ムーンレイカー』に寄せるよりも、おっぱいマシンガンの世界で遊びを続けた方が良かったんじゃないかなあと。

(観賞日:2015年11月29日)


第34回ゴールデン・ラズベリー賞(2013年)

ノミネート:最低助演女優賞[レディー・ガガ]


2014年度 HIHOはくさいアワード:第9位

 

*ポンコツ映画愛護協会