『ニュームーン/トワイライト・サーガ』:2009、アメリカ

ベラ・スワンは18歳の誕生日を迎えた朝、年老いた自分が恋人のエドワード・カレンから「誕生日、おめでとう」と言われる夢で目を 覚ました。彼女は父チャーリーからプレゼントを貰い、登校してエドワードと会うが、心は晴れない。永遠の17歳であるヴァンパイアの エドワードよりも、年上になってしまったことを気にしていたのだ。そこへ体格の良くなった幼馴染のジェイコブが現れ、ベラに誕生日の プレゼントとしてドリームキャッチャーを差し出した。
カレン家のアリスがベラの前に現れてプレゼントを渡し、「今夜、ウチにそれを着けて来てね」と誕生日パーティーに招待した。ベラは 授業で映画『ロミオとジュリエット』を見ている時、隣のエドワードに「永遠の美しさを望むならジュリエットは完璧よ」と言う。すると エドワードは「自殺なんてダメだよ。それが出来ない人々もいるんだ」と軽く笑う。彼は「人間には色んな選択肢がある。考えてたんだ。 何か対策を取らないと。イタリアへ行ってヴォルトーリに掛け合う」と口にした。
エドワードはベラに、ヴォルトーリがヴァンパイアの中でも最古で最強の一族であることを説明した。カーライルは数十年間、彼らと 暮らしていたことがあるらしい。ヴォルトーリ族には1つだけ、決して犯してはならない掟がある。人間に正体を明かさないことだ。 エドワードが「いずれヴィクトリアは現れる。アリスが企みを読み取った」と言うと、ベラは「私を変えてくれたら貴方を守るわ」と自分 をヴァンパイアにするよう求める。エドワードは「もう守ってくれてる。僕が生きる唯一の理由は君だ」と述べた。
カレン家で開催された誕生日パーティーに、ベラはエドワードのエスコートで参加した。彼女が指を紙で傷付けて出血した途端、新入りの ジャスパーが襲い掛かろうとした。カレン家の面々が慌てて制止する中、その様子を見たエドワードは硬い表情になった。ベラは家まで エドワードに送ってもらう途中、「私を守り通すなんて不可能よ。私を変えるしか解決方法は無い」と告げた。しかしエドワードは「それ は解決方法じゃなくて悲劇だ。君への思いが分からない?」と言い、彼女がヴァンパイアになることに反対した。
翌日、カレン家の面々は学校へ来なかった。エドワードはベラを山の中へ連れて行き、「僕らはフォークスを去る。ずっと年を取らない カーライルを、みんなが疑い始めてる」と言う。すぐに本当の理由を察知したベラは、「ジャスパーのことは何でもないわ」と告げる。 するとエドワードは「ああ、これは予定されていたことで、何かが起きたからじゃない。君とは住む世界が違うんだよ」と言う。ベラが 「私も行くわ」と口にすると、彼は「来て欲しくないんだ」と冷たく言った。
ベラの「私は必要じゃないの?」という問い掛けに、エドワードは「そうだ」と答えた。ショックを受けるベラに、エドワードは「約束 してくれ。バカな真似はするな。会うのはこれが最後だ。君の人生を生きろ」と告げて姿を消した。ベラはエドワードを捜して、日が 暮れても森を彷徨い続けた。彼女は悲しみに包まれ、森に倒れ込んで泣き、いつの間にか眠り込んだ。チャーリーやジェイコブたちが心配 する中、キラユーテ族のサム・ウーレイがベラを抱えて連れ帰った。
ベラは失恋の痛手から、完全に気力を失った。胸に開いた穴を埋められないまま、数ヶ月が経過した。チャーリーが「ジャクソンビルで ママと暮らせ」と促すと、彼女は「ここを離れない」と拒む。チャーリーが「もう彼は戻らないよ。パパもママも心配なんだ」と言うと、 ベラは「ここの友達が好きだし」と言い訳する。「誰とも気が合わないだろ」と父に指摘されたベラは、「明日、ジェシカとショッピング に行くわ」と取り繕った。
ベラは友人のジェシカに電話を掛け、一緒に外出した。しかしジェシカが一方的に喋りつづけ、ベラは全く元気が無い。バイカーたちを 見つけたベラは、不良グループに襲われてエドワードに助けられた出来事を回想した。その時、エドワードの幻影が浮かび、「歩き続けろ 。危険だ」とベラに言って消える。ベラがバイカーたちの元へ行こうとすると、また幻影が現れて「引き返せ」と告げた。
ベラがバイカーたちに歩み寄ると、リーダーの男から「乗らないか」と誘われる。またエドワードの幻影が出現したので、ベラはバイクの 後ろに乗った。バイクのスピードが上がると、また幻影が現れた。ツーリングを終えたベラがジェシカの元に戻ると、「何やってるの?」 と注意される。だが、危険な目に遭えばエドワードの幻影に会えると分かったベラは、そんな言葉を耳に入れようとしなかった。
ベラはジェイコブの住むキラユーテ族の居留地を訪れ、廃棄場で見つけたバイクの修理を手伝ってほしいと頼む。ジェイコブの作業をベラ が見ていると、彼の友人クイルとエンブリーが遊びに来た。ベラは父から「悲しみを忘れるためにも、ジェイコブと付き合ってみないか」 と勧められる。ある日、ジェイコブと車で移動していたベラは、サムと仲間たちのクリフ・ダイビングを目撃した。その中にはエンブリー の姿があった。ジェイコブによると、急にサムの仲間になったらしい。彼は「サムは何かを待つように僕を見る」と言う。
バイクの修理が終わり、ベラがエンジンを掛けようとするとエドワードの幻影が現れた。彼女がバイクを走らせると、また彼の幻影が出現 する。バイクのスピードを上げたベラは、転倒してしまう。慌ててジェイコブが駆け寄り、「自殺する気か」と口にした。ベラは頭に軽い 怪我を負い、ジェイコブは自分のシャツを脱いで彼女の血を拭った。その様子を見たベラは、「ちょっと可愛いわね」と述べた。
ある日、学校の食堂にベラが行くと、友人のアンジェラが仲間のマイクやエリックたちに「森の中で熊を見たのよ」と喋っていた。ベラは 彼女たちに歩み寄り、「他にも目撃者がいるわ。パパの警察署の情報だと、5人のハイカーが熊に襲われたけど、まだ熊は見つかってない らしい」と語る。ベラはマイクから「みんなと話したり、何か食べたりして、元気にならなきゃ。良かったら僕と映画を見に行かない?」 と誘われ、少し迷ってから「いいわ。みんなで行かない?」と告げた。
マイクが待ち合わせ場所に行くと、ジェイコブも来ていた。ジェシカとエリックとアンジェラは、それぞれの理由で辞退した。3人は ガンアクション映画を鑑賞するが、ベラは全く気持ちが乗らなかった。マイクはグロテスク描写に耐え切れず、途中でトイレに駆け込んだ 。ジェイコブから「手を繋いでもいい?」と訊かれたベラは、「いいけど、同じ気持ちじゃないわ」と言う。「僕こと、好きだよね?」と 質問され、彼女は「貴方じゃダメなの。でも、どこへも行って欲しくはない。勝手だけど、修理できる車とは違うの」と述べた。
ジェイコブは「僕はあいつみたいに、君を傷付けたりしないよ」と言い、ベラに寄り添った。トイレから戻ったマイクが「帰るよ。ずっと 調子が悪かった」と言うと、急にジェイコブは声を荒げて掴み掛かろうとする。慌てて制止に入ったベラは、ジェイコブの体が異常に熱い ことに気付く。ジェイコブも自分の異変を察知し、「どうしたんだろう」と動揺した。彼は「もう帰るよ」と言い映画館を去る。その日 以来、ジェイコブとは連絡が取れなくなった。彼の父ビリーに尋ねると、病気ということだった。
雨の中、ベラがジェイコブの元を訪れると、髪を切って体にタトゥーを入れた彼が上半身裸で外を歩いていた。ベラが声を掛けると、彼は 「帰ってくれ」と冷たく言う。「サムが何かしたの?」とベラが訊くと、「サムを悪く言うな。俺を助けてくれてる。君が責めるべきは、 あのヴァンパイアのカレンだろ」とジェイコブは告げた。サムたちが呼びに来ると、彼は「ベラ、もう友達じゃない」と言う。
ベラが「私のせいなのね」と口にすると、ジェイコブは「違う、僕の問題だ。僕は特殊な人間だったんだ」と告げる。ベラが「私とは 離れられないよ。友達でしょ」と言うと、彼は「二度と来るな。そうじゃないと、君が傷付くことになる」と述べて走り去った。ベラは 幻影でも構わないからエドワードに会いたいと思い、山の中を歩き回る。野球をした草地に来た時、そこにローランが現れた。
ローランに「カレンの家を訪ねたが留守だった。君を置いて行くとは意外だった。彼らは来るのか」と言われた時、エドワードの幻影が 出現してベラに「誤魔化すんだ」と指示を出した。ベラは「ええ、良く来るわ」とローランに答え、「何故ここに?」と質問した。すると ローランは「ヴィクトリアから頼まれた。君がカレンの保護下にあるか確認してこいと。相棒を殺したのがエドワードなら、借りを返す つもりだ」と語った。
ベラはエドワードの幻影に「脅かせ」と言われ、「エドワードは知ってる。後から来るわ」と告げる。しかしローランは「誤魔化しても 無理だ。ヴィクトリアは甚振って殺す。俺なら痛みも感じない内に殺してやる」と言い、ベラを殺そうとする。ベラが死を覚悟した時、 そこへ巨大な狼の群れがやって来た。慌ててローランが逃げると、狼たちが追跡した。ローランと狼たちが戦っている間に、ベラは森から 逃走した。彼女は家に戻り、チャーリーに「森で見たのよ、熊じゃない。巨大な狼よ」と知らせた。
ベラは父がハンター仲間のハリーと狩りの準備に取り掛かるのを見て、狼が殺されればローランはヴィクトリアの元へ戻り、自分が無防備 な状態にあることを報告してしまうと気付いた。その夜、不安を抱えたベラが部屋にいると、外からジェイコブの呼び掛ける声がした。 上半身裸のジェイコブはは、木を駆け昇って窓から入って来る。彼は「説明したいけど、言えないこともある」とベラに告げた。
ベラが「とにかく2人で逃げましょう」と言うと、ジェイコブは「いいのか?」と確認する。ベラが「貴方のためなら」と告げると、彼は 「そうしたいけど、逃げられる問題じゃない。もう行かなきゃ」と彼女を抱き締める。彼は窓から飛び降りて走り去った。ベラは、かつて ジェイコブが話していたキラユーテ族の伝説を思い出した。翌朝、彼女はジェイコブの家を訪れた。父親のビリーが止めるのを構わず中に 入ると、ジェイコブはまだ眠っていた。
サムと仲間たちが来るのを目にしたベラは、「彼に何をしたの」と詰め寄る。ポールを殴ると、激昂して巨大狼に変身した。ベラが逃げる と、ジェイコブが助けに来た。彼は狼に変身し、ポールと戦いになった。サムは仲間たちに、「ベラをエミリーの元へ連れて行け」と指示 した。エミリーはサムの婚約者で、右頬に大きな傷跡があった。ケンカを終えたジェイコブとポールも、後からやって来た。
ジェイコブはベラを連れ出し、「部族の遺伝子を受け継いだ。ヴァンパイアが現れて本能に目覚めた」と説明した。「止められないの? そんなのは間違ってるわ」とベラが言うと、彼は「自分で選んだわけじゃない。生まれつきだから仕方がない」と告げる。ベラの「人を 殺したの?」という問い掛けに、ジェイコブは「殺してない。俺たちが殺すのはヴァンパイアだ」と答える。ベラが「無理だよ」と言うと 、彼は「君の大切なカレンズには手を出さない。協定を破らない限りは」と告げる。
ベラが「そうじゃなくて、貴方にヴァンパイアは殺せない」と言うと、ジェイコブは「ローランを簡単に殺した。次はヴィクトリアだ。 カナダの国境まで追いやったが、何度もやって来る」と述べる。「あの女の目的が分からない」とジェイコブが言うと、「目的は私よ」と ベラは教えた。チャーリーとハリーは、山で狼を捜索していた。ハリーは狼の足跡を見つけるが、チャーリーには内緒にした。
ハリーの前にヴィクトリアが現れ、いきなり襲い掛かった。そこへ巨大狼の群れが現れ、逃げるヴィクトリアを追い掛けた。ヴィクトリア は海に飛び込み、狼の追跡を逃れた。一方、ベラはエドワードに会いたい一心で、崖から海に飛び込んだ。溺死しそうになったベラを、 ジェイコブが救助した。家まで送ってもらう車内で、ベラはジェイコブにピッタリと体を寄せて「貴方は温かい」と口にした。
ジェイコブは「僕を分かってくれて良かったけど。エミリーの顔を見ただろ。サムが我を失った時、彼女が近くにいた。僕らは衝動を抑制 できない。もし僕が君に激怒したらと思うと」と顔を曇らせる。ベラが「そんなことは起きないわ。私がさせない」と言うと、ジェイコブ は「どうやって?」と尋ねる。ベラは「いつも言ってるでしょ。貴方は特別なの」と告げた。しかしジェイコブがキスしようとすると、 ベラは顔を引いた。
スワン家に到着した時、ジェイコブは「ヴァンパイアだ」と鋭い口調で告げる。ベラはカーライルの車を発見し、急いで近付こうとする。 ジェイコブはベラを引き留め、「彼らが戻ってフォークスを占領すれば、領地を守る戦いになる。君を守れない」と告げる。しかしベラは 「平気よ」と言い、我が家に戻った。するとアリスが来ており、「どうして生きてるの?」と困惑の表情を浮かべた。どういうことなのか ベラが訊くと、アリスは「貴方が崖から飛び降りるヴィジョンを見たの」と口にした。アリスが「なぜ自殺なんかしたの?」と言うので、 ベラは「自殺じゃないわ。あれはクリフ・ジャンピングよ」と言い訳した。
2人が話しているとジェイコブがやって来て、アリスと言い争いになった。アリスが部屋を去った後、ジェイコブは「僕の傍にいて」と ベラに告げる。ジェイコブがキスしようとすると、ベラは受け入れる姿勢を取った。その時、電話が掛かり、ジェイコブが受話器を取った 。相手はエドワードで、ジェイコブは「ベラはいない、葬儀の準備だ」と告げて電話を切った。アリスが部屋に戻り、ベラに「エドワード は貴方が死んだと思ってる。ヴォルトゥーリ族の元へ行って、貴方を追って死ぬ気よ」と教える。ベラはエドワードを助けるため、アリス と共にイタリアへ渡った…。

監督はクリス・ワイツ、原作はステファニー・メイヤー、脚本はメリッサ・ローゼンバーグ、製作はウィク・ゴッドフリー&カレン・ ローゼンフェルト、共同製作はビル・バナーマン&ケリー・コハンスキー、製作協力はデヴィッド・ローカー、製作総指揮はマーティー・ ボーウェン&グレッグ・ムーラディアン&マーク・モーガン&ガイ・オゼアリー、撮影はハビエル・アギーレサロベ、編集はピーター・ ランバート、プロダクション・デザインはデヴィッド・ブリスビン、衣装はティシュ・モナハン、視覚効果監修はスーザン・マクラウド S、音楽はアレクサンドル・デスプラ、音楽監修はアレクサンドラ・パットサヴァス。
出演はクリステン・スチュワート、ロバート・パティンソン、テイラー・ロートナー、アシュリー・グリーン、ラシェル・ルフェーブル、 ビリー・バーク、ダコタ・ファニング、マイケル・シーン、ピーター・ファシネリ、エリザベス・リーサー、ジャクソン・ラスボーン、 ケラン・ラッツ、ニッキー・リード、エディー・ガテギ、グレアム・グリーン、ギル・バーミンガム、アナ・ケンドリック、マイケル・ ウェルチ、ジャスティン・チョン、クリスチャン・セラトス、ジェイミー・キャンベル・バウアー他。


ステファニー・メイヤーの小説『トワイライト』シリーズの第2巻を基にした作品。
ベラ役のクリステン・スチュワート、エドワード役の ロバート・パティンソン、ジェイコブ役のテイラー・ロートナー、アリス役のアシュリー・グリーン、ロザリー役のニッキー・リード、 ジャスパー役のジャクソン・ラスボーン、カーライル役のピーター・ファシネリ、エメット役のケラン・ラッツ、エズミ役のエリザベス・ リーサー、ローラン役のエディー・ガテギ、ヴィクトリア役のラシェル・ルフェーブルらは、前作から引き続いての登場。
今回から新登場する面々は、アロ役のマイケル・シーン、ヴォルトゥーリ一族の護衛官ジェーン役のダコタ・ファニング、カイウス役の ジェイミー・キャンベル・バウアー、マーカス役のクリストファー・ハイアーダール、ジェーンの双子アレック役のキャメロン・ブライト 、サム役のチャスク・スペンサー、ポール役のアレックス・メラズ、ジャレッド役のブロンソン・ペルティエなど。

監督は前作からチェンジしたが、原作は同じだし、脚本家も変わらないので、「古臭い少女マンガみたいなテイスト」「ものすごくスロー に進行し、なかなか展開していかない」という前作の特徴は受け継がれている。
そりゃあ、一話読み切り形式のシリーズ作品ならともかく、物語が前作から続いているんだから、2作目になって急にテイストを 変えられたら、1作目を見ていた観客は困るわな。
だから、前作がポンコツになった要因の全てを、そうと知りながらも引き継がなきゃいけないという、ものすごく難しい続編映画なのだ、 これは。
ただし興行的にはヒットしたので、たぶん製作サイドは前作がポンコツな出来栄えだったとは思っていないんだろうな。
でも監督は交代させているから、演出面では不満があったんだろうか。
「いや、演出以前の問題だからさ」と言いたくなるけど。

むしろ、前作を監督したキャサリン・ハードウィックは、あまり責めたくないなあ。
今回のクリス・ワイツに対しても同様の気持ちだ。
物語がノロノロしていて、盛り上がりに欠けるけど、そもそも脚本の段階でノロノロ進行&盛り上がる展開が用意されていないということ だろうと思うし。
ただし、だからってクリス・ワイツにファンタジー映画の優れた演出センスがあるとは言わないけどね。
前作の『ライラの冒険 黄金の羅針盤』もポンコツな出来栄えだったし。

前作と同様、完全にティーンズ女子向けの映画だから、大半の男子は受け付けないだろう。
今回のベラは、草食系で青白くて耽美なエドワードと、肉食系で褐色でマッチョなジェイコブ、全くタイプの異なる2人のイケメン(まあ 彼らをイケメンとするかどうかは個人の好みにもよるだろうが)から好意を持たれるんだから、そりゃあ夢見るティーンズ女子からしたら 、たまらん話だろうなあ。もうヨダレがジュルジュルってなモンだよな。
前作にも増して、歯の浮くようなセリフのオンパレード。
「怖いものなんて君以外には何も無いよ」「僕が生きる唯一の理由は君だ」「君を守ることが僕の仕事だ」「君無しでは生きていけない」 などと、もうロマンティックが止まらない。
終盤には、自分を巡って争いになるエドワードとジェイコブの間にベラが割って入るという、河合奈保子の『けんかをやめて』みたいな 状況まで用意されている。

一応は悲しみのテイストが濃い恋愛劇をメインで描いているのだが、ベラが見事なぐらい同情を誘わない。エドワードが姿を消しても、 彼女を不憫だと思う気持ちは沸かない。
それどころか、ベッドで喚くカットを連発で入れたりする辺りで、思わず笑ってしまう。なんかバカバカしくてね。
あと、数ヶ月も失恋のショックで生気を失っているんだけど、その間、前作で仲良くしていた友人の連中が彼女に声を掛けて元気付けよう とするとか、ジェイコブが心配して訪れるとか、そういう描写は全く無いのね。
その後、ベラはエドワードの幻影を見るために危険な行動を繰り返す。
そういう展開でも、ホントは彼女に同情しなきゃいけないんだろうけど、ただのアホなキチガイにしか見えない。海に飛び込んで溺死 しそうになっても、「そのまま死ねばよかったのに」と思っちゃう。もしくはアロたちに殺されてしまえばよかったのにと。
なんか、すげえ冷めた気持ちになるんだよな。
だってさ、ベラってトラブルに巻き込まれているわけじゃなくて、自分でトラブルの種を撒いているんだよね。

エドワードとジェイコブの争いを制止したベラは悲しそうな表情を浮かべるが、「お前にも責任があるだろうに」と言いたくなる。
ベラはジェイコブに「恋人は無理だけど一緒にいて」という身勝手なお願いをして、その後も彼に気があるような素振りを取る。
ベラの態度は、明らかに友達の領域を超えてるぞ。
ジェイコブが恋愛感情を持っていることを知りながら、思わせぶりな態度を取っておいて、「友達としての付き合い」と言い張るのは、 ホントに身勝手だ。

ベラはジェイコブに甘えたかと思うと、すげえ冷たく拒絶したりする、そんなベラが、どんどん腹立たしいキャラに感じられていく。
彼女はジェイコブとキスしそうになった直後、彼を拒絶してエドワードの元へ向かう。
エドワードがいない寂しさを埋めるために、ジェイコブの優しさに甘えて、都合よく利用するだけ利用して、邪魔になったらポイ捨て。
まあヒドい奴だこと。
そんなわけだから、悲しそうな顔をしても、「何を悲劇のヒロインぶってやがるんだ、この腐れビッチが」と思ってしまう。
どこにも女性としての魅力を感じられないキャラだ。
あと、こんな奴が近くにいたら、同性からも嫌われそうだぞ。

ただ、こういうのを「アホらしい」と一蹴するのは簡単だけど、男子だって、「ある日、可愛い女の子が急に主人公の家へやって来て 嫁さんにしてくれと言う」みたいなバカバカしい漫画が好きな人は大勢いたりするわけだし(少なくともワシは嫌いじゃない)、それとレベル的 には変わらんよな。
そう考えると、やっぱりティーンズ女子&ティーンズの気持ちを持っている女子なら楽しめるんじゃないかと。
で、そういう人たちに楽しんでもらえるなら、この映画は合格なんじゃないかなあと思ったり、思わなかったり(どっちなんだよ)。

(観賞日:2012年3月4日)


第30回ゴールデン・ラズベリー賞

ノミネート:最低作品賞
ノミネート:最低助演男優賞[ロバート・パティンソン]
ノミネート:最低スクリーン・カップル賞[クリステン・スチュワート&ロバート・パティンソンorテイラー・奴の牙は何なんだ]
ノミネート:最低リメイク・盗作・続編賞
ノミネート:最低脚本賞

 

*ポンコツ映画愛護協会