『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』:1997、アメリカ

大富豪ブルース・ウェインと相棒のディック・グレイソン。彼らは自分達の暮らすゴッサム・シティに危機が訪れた時、バットマンとロビンに変身し、正義のために戦うのだ。今回、彼らの前に現れる敵はMr.フリーズとポイズン・アイヴィーの2人だ。
Mr.フリーズは以前は優秀な学者であったが、マグレガー症候群という難病にかかった妻を冷凍保存する際の事故により、極低温でないと生きられない氷の魔人になった。彼はアイス・スーツを着ているのだが、それを低音に保つためにはダイヤが必要だった。
ポイズン・アイビーは、元はパメラという植物学者だった。しかし彼女はウッドルー博士がベインという怪物を作り出す現場を目撃し、毒液を浴びせられてしまう。そして彼女は男を虜にする吐息を発し、唇の毒素で相手を殺すという妖女ポイズン・アイビーに生まれ変わったのだ。
ブルースの屋敷に、バーバラ・ウィルソンという若い女性がやって来た。彼女はブルースの執事アルフレッドの姪だった。彼女は病気になったアルフレッドを引き取りに来たらしい。アルフレッドは隠していたが、彼はフリーズの妻と同じマグレガー症候群にかかっていた。
フリーズをおびき寄せるため、ブルースは所有しているダイヤを天文台のPRに持ち出した。そこへポイズン・アイビーが現れ、ダイヤを奪う。彼女は吐息を使ってバットマンとロビンを誘惑するが、乱入したフリーズには効かなかった。彼女からダイヤを奪ったフリーズだが、捕まってしまう。
刑務所に入れられたフリーズは、アイス・スーツが無いために脱走することも出来ない。しかしポイズン・アイビーが現れ、アイス・スーツを渡す。彼女はフリーズの妻を冷凍した装置のコードを外し、バットマンの仕業だとフリーズに吹き込む。怒ったフリーズはバットマンへの復讐を誓う…。

監督はジョエル・シューマッカー、キャラクター原案はボブ・ケイン、脚本はアキヴァ・ゴールズマン、製作はピーター・マクレガー=スコット、共同製作はウィリアム・M・エルヴィン、製作協力はミッチェル・E・ドータライヴ、製作総指揮はベンジャミン・メルニカー&マイケル・E・ウスラン、撮影はスティーヴン・ゴールドブラット、編集はデニス・ヴァークラー&マーク・スティーヴンス、美術はバーバラ・リング、衣装はイングリッド・フェリン&ロバート・タートゥライス、視覚効果はジョン・ダイクストラ、視覚効果監修はアンドリュー・アダムソン、特殊効果はマット・スウィーニー、音楽はエリオット・ゴールデンサル、音楽監修はダニー・ブラムソン。
出演はアーノルド・シュワルツェネッガー、ジョージ・クルーニー、クリス・オドネル、ユマ・サーマン、アリシア・シルヴァーストーン、マイケル・ゴフ、パット・ヒングル、エル・マクファーソン、ジョン・グローバー、ヴィヴィカ・A・フォックス、ベンデラ・K・トメッセン、エリザベス・サンダース、ジープ・スウェンソン、ジョン・フィンク、マイケル・ライド・マッケイ、エリック・ロイド、ジョン・シモンズ他。


“バットマン”シリーズの第4弾。
前作でヴァル・キルマーが演じたバットマンを、今回はジョージ・クルーニーが演じる。初登場のロビンをクリス・オドネル、バーバラをアリシア・シルヴァーストーン、フリーズをアーノルド・シュワルツェネッガー、ポイズン・アイビーをユマ・サーマンが演じている。

このシリーズ、悪役を大物俳優に演じさせることで話題は呼ぶものの、同時に「いったい主役は誰なのか」という問題点を引きずったままで4作目まで来たのだが、今回はますますバットマンの印象が薄くなっている。
何しろ、キャラクター設定も薄いのだから、仕方が無いかもしれないが。

バットマンは苦悩するヒーローだったはずだが、今作品では最初から苦悩など存在しなかったかのように、正義の味方として真っ直ぐに戦い続ける。
もはや、大人の観客は捨ててしまったのかもしれない
が、しかしながら子供の観賞にも耐えないという困った結果になっている。

単純なヒーロー・アクション映画になっているのに、肝心のアクションシーンの見せ方がヘタだ。スピード感を出そうとしているのかもしれないが、やたらゴチャゴチャしていて、何がどこへどのように動いているのかが分かりにくい。
引きと寄りのショットの使い分けも、ポイントを外しているようにしか思えない。

新しいキャラクターが多すぎるのは問題だろう。
フリーズとポイズン・アイビーはともかく、ベインは要らないと思う。
そして、バット・ガールに変身するバーバラは、もっと要らないだろう。
彼女の存在価値が全く分からない。別に彼女がいなくても何も困らない。
むしろ、彼女の存在が邪魔に思える。

詰め込んでいる要素も多すぎる。
フリーズの妻への愛情、ポイズン・アイビーのバットマン&ロビンへの誘惑、バットマンとロビンの絆、バーバラの存在、アルドリッジの病気、ブルースとアルドリッジの関係など。
半分ぐらいに減らした方が良かったのではないだろうか。

フリーズが完全な悪役に成り切れていないのは、大いに不満だ。
確かに彼は悲しい事情を持った悪党である。しかし、だからといって彼を許すような流れを用意するのはいただけない。どんな形であれ、フリーズは死ぬべきだったと思う。


第18回ゴールデン・ラズベリー賞

受賞:最低助演女優賞[アリシア・シルヴァーストーン]

ノミネート:最低作品賞
ノミネート:最低リメイク・続編賞
ノミネート:最低監督賞[ジョエル・シューマッカー]
ノミネート:最低脚本賞
ノミネート:最低助演男優賞[クリス・オドネル]
ノミネート:最低スクリーンカップル賞[会話するゴリラのエイミー]
ノミネート:最低新人賞[ジョージ・クルーニー&クリス・オドネル]
ノミネート:最低人命&公共物軽視賞
ノミネート:最低オリジナル歌曲賞「The End is The Beginning is The End」


第20回スティンカーズ最悪映画賞

受賞:【最悪の作品】部門
受賞:【最悪の演出センス】部門
受賞:【最悪の助演女優】部門[アリシア・シルヴァーストーン]
受賞:【最悪な総収益1億ドル以上の作品の脚本】部門

ノミネート:【最悪の続編】部門

 

*ポンコツ映画愛護協会