『バーブ・ワイヤー/ブロンド美女戦記』:1996、アメリカ

西暦2017年、第2次南北戦争下のアメリカ。独裁政権によって民主主義は崩壊し、戒厳令下の独立都市“スティール・ハーバー”は犯罪渦巻く場所となっている。そんな都市でバーブ・ワイヤーはクラブ“ハマー・ヘッド”を経営し、裏で賞金稼ぎの仕事もしている。
ある日、バーブの前に、昔の恋人アクセルが女性科学者のコーラDを連れて現れる。アクセルとコーラDはクレブスという男から網膜レンズを受け取り、網膜チェックの検問をくぐり抜け、カナダへ脱出しようと計画していた。
コーラDは陸軍によるHIV誘導体の生体実験の真実を、世界中に知らせようと考えていた。陸軍のプライザー大佐に追われるアクセルとコーラDは、協力をバーブに求めてくる。だが、かつてのアクセルの裏切りを許せないバーブは、協力を拒否する。
網膜レンズを手に入れたバーブは、それを売り飛ばした金でパリへ旅行しようと考える。一方、バーブの弟チャーリーはレジスタンスと繋がっており、リーダーに会うためにアジトへ向かう。だが、待ち構えていたプライザーに捕まり、殺されてしまう…。

監督はデヴィッド・ホーガン、キャラクター創作はクリス・ワーナー、原案はアイリーン・チェイケン、脚本はチャック・ファーラー&アイリーン・チェイケン、製作はマイク・リチャードソン&トッド・モイヤー&ブラッド・ワイマン、製作総指揮はピーター・ヘラー、撮影はリック・ボタ、編集はピーター・シンク、美術はジャン=フィリップ・カープ、衣装はロザンナ・ノートン、音楽はミシェル・コロンビエ、音楽監修はバークリー・K・グリッグス。
主演はパメラ・アンダーソン・リー、共演はテムエラ・モリソン、ヴィクトリア・ローウェル、ジャック・ノーズワーシー、ザンダー・バークレイ、ウド・キアー、スティーヴ・レイルズバック、アンドレ・ロージー・ブラウン、ニコラス・ワース、クリント・ハワード、ジェニファー・バンコ、アミール・アブレラ、アドリアナ・アレクサンダー、デヴィッド・アンドリオーレ、ヴァネッサ・リー・アッシャー他。


プレイメイト出身のパメラ・アンダースン・リーが主演したアクション映画。
アクセルをテムエラ・モリソン、コーラDをヴィクトリア・ローウェル、チャーリーをジャック・ノーズワーシー、ウィリスをザンダー・バークレイ、ウェイターのカーリーをウド・キアーが演じている。

オープニングでの乳首が見えるダンスシーンから始まり、全く必然性の無い入浴シーンなど、エロ方面でのサービスショットは当然のように散りばめられている。
だが、エロ一辺倒にはなっていない。
だから、いわゆる濡れ場は存在しない。

「ベイブ」と呼んだ客に向かってハイヒールを投げ付けて口でキャッチさせたり、報酬の金が用意できなかった夫婦から車を頂戴したり、「心配しないで、死ぬのは一度だけよ」とクールなセリフを吐かせてみたりと、バーブをカッコ良く見せようと頑張っている。

アクションは、例えば二丁拳銃を使った構えはヘナチョコになっていない。
回し蹴りにしても、腰砕けになったりせず、キッチリと回転している。
ちゃんと派手な見せ場も作ってくれている。
B級アクションとしては、それなりに頑張っている方だろう。

とにかく話がモタモタするのが、致命的なマイナスポイントだ。
前半に無駄なシーンが多くて、全くストーリーが進展しないのだ。
後半に入らないとバーブがアクセル達と本格的に絡まないというのは、展開が遅すぎるだろう。

しかし、この作品は、ストーリーやアクションなんて、どうだっていいのかもしれない。
何よりも、パメラ様の素晴らしいバディーを観賞すべきなのだ。
改造手術によって「ダッダ〜ン、ボヨヨ〜ン、ボヨヨ〜ン」になった、その人工バディーを。


第17回ゴールデン・ラズベリー賞

受賞:最低新人賞[パメラ・アンダーソン・リー]

ノミネート:最低作品賞
ノミネート:最低脚本賞
ノミネート:主演女優賞[パメラ・アンダーソン・リー]
ノミネート:最低スクリーンカップル賞[パメラ・アンダーソン・リーの印象的な改造オッパイ]
ノミネート:オリジナル歌曲賞「Welcome To Planet Boom!」


第19回スティンカーズ最悪映画賞

ノミネート:【最悪の主演女優】部門[パメラ・リー]

 

*ポンコツ映画愛護協会