『デイブは宇宙船』:2008、アメリカ

小学4年生のジョシュ・モリソンが母ジーナと暮らしているアパートから望遠鏡で夜空を見ていると、光る球体が降って来た。それは窓を 突き破り、彼の部屋に飛び込んだ。ジーナが音を聞いて部屋に現れたので、ジョシュは「宇宙から何かが降って来たんだ」と説明する。 しかしジーナは息子の話を信じず、部屋を去った。ジョシュが金魚鉢を見ると、そこには隕石らしき物が入っていた。その石は、金魚鉢の 中の水をどんどん吸い上げていった。
それから3ヶ月後。炎に包まれた何かがリバティー島に落下し、砂煙を上げて地面に突き刺さった。それは人間の男だった。彼は頭を地面 から抜いて起き上がり、ギクシャクした動きで歩き出す。遊覧船に乗った彼は婦人から会釈されると、歯を剥き出して不気味な表情を 浮かべた。巡査のドゥーリーとノックスは、巡査部長から「火の玉のような物がリバティー島に落ちたという通報があった。調べて来い」 と命じられた。一方、街に繰り出した男は、様々な物に対して興味津々の様子だった。
男は無防備に道路へ飛び出し、走って来た車にぶつかって弾き飛ばされた。運転していたジーナは、慌てて男に駆け寄った。男は平然と体 を起こすが、その足首はグニャリと曲がっていた。ジーナが救急車を呼ぼうとして目を離した隙に、男は現場から立ち去ってしまった。男 は路地裏に移動し、そこで停止した。すると耳がハッチのように開き、そこから小さい人間が出て来た。実は、男のように見えたのは、 惑星ニルから来た宇宙人を乗せた宇宙船だったのだ。船長の指示を受け、クルーが足首部分の故障を修理した。
エンジニアは船長に、「衝撃シールドが作動しなかったため、宇宙船が正常に動くのは長くて48時間以内で、それを過ぎれば機能が停止 します」と報告した。ニル星人の目的は、オーブと呼ばれる球形の金属体を見つけ出すことだった。しかし追跡コンピュータも故障し、 最後の追跡データによる情報しか無い。副官である2号は、船長に「修復のため惑星ニルに戻るべきです」と進言した。
船長はクルーを集め、「惑星ニルは重大な危機にあり、地球に向けて海水吸い上げ装置“オーブ”を発射した。しかしオーブはコースを 逸れてしまった。オーブを見つけ出して起動させれば、地球から吸い上げた塩によって、惑星ニルは不滅になる。しかし任務に失敗すれば 、ニルは滅びる」と語った。彼は3号に対し、言語データの収集と文化や歴史の調査を指示した。4号に対しては、警備を確認させる。 3号が「報告によれば、海水が枯れれば、この星の生命に致命的な影響を及ぼす模様です」と告げるが、船長は「任務遂行あるのみ」と口 にする。2号も「程度の低い生物に同情は無用です」と賛同した。
ニル星人が見つけ出そうとしているオーブは、ジョシュの拾った石の中に入っていた。それをリュックに入れて登校しようとした彼は、 アパートの裏に立っている男を見つけてジーナに知らせた。ジーナは自分が車ではねた男だと気付き、そこへ行って声を掛ける。「大丈夫 ですか。手当てをしないと」と言うが、足が治っていることに気付いた。船長は音声を調整し、初めて宇宙船から声を発した。上手く発声 ではなかったが、船長は成功だと思い込んだ。
ジーナから「お水でも」とアパートに立ち寄るよう勧められた船長は、トラブルを避けるため、立ち寄ることにした。アパートへ行くと、 住人のマーク・ローズが「どうも、マーク・ローズです」と挨拶してきた。船長は対応が分からず、彼の真似をしてみることにした。 宇宙船が「どうも、マーク・ローズだ」と言いながら左腕を出したので、ジーナもマークも困惑した。部屋に入った船長はジーナから コップに入った水を渡され、それを飲もうとする。しかし重みで右腕のバランスが取れず、こぼしてしまった。
ジーナから名前を問われ、3号はグーグルで検索した「地球人で良くある名前のリスト」を船長に教える。「私の名前はミン・チャンだ」 と船長が言うので、ジーナは怪訝な顔で「デイヴとか、そういうのを予想してたから」と言う。咄嗟に船長は、「当たり、さっきのは苗字 です。私はデイヴ・ミン・チャン」と誤魔化した。「良かったら朝食でも。卵を混ぜるの、手伝ってもらえる?」とジーナに言われた デイヴは、卵を殻ごとボウルに入れて高速で混ぜた。デイヴはジーナにケチャップを渡され、ゴクゴクと飲んだ。
部屋に飾られていた男の写真をデイブが見つけると、ジーナは「夫は海軍のキャプテンだったの。でも4年前に死んだわ」と告げる。視線 を移動させたデイヴは、石を持っているジョシュの写真に気付く。するとジーナは、ジョシュが学校で表彰された時の写真であることを 嬉しそうに語った。3号がジョシュの居場所を特定し、デイヴはそそくさとアパートを去った。街を移動する中で、2号は秩序の無い 地球人の行動に唖然とする。その様子を見た船長はドクターを呼び、「2号は大丈夫か?」と心配する。ドクターは「何らかの汚染物質が あるのかもしれません。気を付けておきます」と告げた。
船長は、デイヴが古いスーツで学校へ行っては無駄に注目を浴びると考え、着替えることにした。服を選ぶためオールド・ネイビーに 入ったデイヴは、店員から服のサイズを問われて困ったり、用意された服を上手く着ることが出来ずにドタバタしたりする。服を着替えた 後、しばらく歩いていると、3号が「小学校に到着しました」と言う。しかし場所を間違えて、プロードウェイの劇場に入ってしまった。 上演中の『コーラス・ライン』を見た4号は、心を揺さぶられた。
教室で石を眺めていたジョシュは、それを苛めっ子のリッチーに奪われてしまった。小学校に到着したデイヴは校長に「5年生の教室へ 行きたいんだ」と話し掛けるが、新しい臨時教師に間違えられた。臨時教師として教室へ赴いたデイヴは、女子生徒に「なんか先生らしく ない」と疑われたので、黒板に難しい宇宙理論の数式を書いた。ジョシュを外に連れ出したデイヴは、「あれを返してくれ。丸い形をした 装置だ」と頼む。ジョシュが「それってトップ・シークレット?」と尋ねると、デイヴは「そうだ。協力してほしい」と言う。
ジョシュが「あの石はリッチーに取られた。たぶん仲間たちとデリにでも立ち寄ってると思う」と口にしたので、デイブは彼の案内でデリ へ行く。そこにリッチーの姿は無く、ジョシュは「家は分からない」と言う。そこへ拳銃強盗が現れ、2号は「この星は醜い」と怒った。 デイヴが軽く強盗を追い払ったので、ジョシュは感嘆する。異常に強く、変な話し方をするデイヴに、彼は強い関心を持った。
ジョシュはデイヴに、「明日はママの誕生日だから、近所のお祭りに行く。リッチーも来ると思うよ。おじさんも行く?」と持ち掛けた。 船長は2号から「明日まではパワーが持たない」と反対されるが、「あのジョシュという少年は役に立つ。しばらく一緒にいてみよう」と 言う。デイヴはジョシュに招かれてアパートへ戻り、一緒にテレビゲームで遊んだ。帰宅したジーナは、デイヴを夕食に誘う。2号から 長居すべきではない」と言われた船長だが、デイヴに「では遠慮なく」と言わせる。
食事の後、デイヴは壁に飾られているジーナの絵を見た。ジーナは「ただ感じたままを描いたの。今は、もうこんな絵は描けないけど」と 言う。デイヴの「この絵にはどんな感情が込められている?」という問い掛けに、ジーナは「貴方はどう感じる?」と尋ねる。デイヴは 悩みながら、「何やら不安定な感じがする」と答えた。するとジーナは「近いわ。この頃、恋をしてたの」と嬉しそうに言う。デイヴが 「良く分からない。君が言う、恋とは何だ?」と訊くと、彼女は「訊かなくても、本物の恋をすれば分かるわ」と告げた。
デイヴは翌日も会うことをジーナに約束し、アパートを出た。ホームレスの隣に座らせてもらうと、彼は毛布を掛けてくれた。船長が「何 も持っていないのに毛布を掛けてくれた。なぜだ」と首をかしげると、3号は「地球人は思ったより複雑な生物のようです」と言う。 ドクターは船長に、「クルーに微妙な変化が生じているようです」と報告した。4号は自分の部屋で、こっそりダンスを踊った。3号は 船長に「地球人は年に一度、必ずこの映像を見せられているようです」と言い、一緒に映画『素晴らしき哉、人生!』を観賞した。気持ち が高揚した2人はキスしそうになり、慌てて離れた。
リバティー島を調査したドゥーリーは、地面に残っていた顔型から似顔絵を作成した。彼は巡査部長に「何者かが宇宙から飛来した。捜索 すべきです」と進言するが、相手にされない。しかしドゥーリーはノックスに、「エイリアンを必ず見つけ出す」と告げる。一方、朝を 迎えた船長は、エンジニアから「パワーが残り12時間ほどしか持ちません」と知らされ、「必ずオーブを取り戻す」と宣言した。
デイヴはジーナとジョシュに連れられてカーニバル会場へ行き、遊具に乗った。ジーナに促されてホットドッグの早食い大会に参加した デイヴは、完全に出遅れる。しかしジーナの「食べて」という声で、次々とホットドッグを口に放り込んだ。口内作業を担当する17号と 仲間たちは、未知の物体が押し込まれたことに動揺した。チャンピオンになったデイヴは主催者からヌイグルミを渡されるが、怪物の襲来 だと思って首を絞める。しかし反応が無いので、船長は「もはや生きてはいないようだ」と言う。「どうするんだ、これを」と困惑する 船長は、3号から「あげたらどうですか、彼女に」と言われ、ジーナにヌイグルミをプレゼントした。
デイヴはホットドッグを排出するため、トイレに赴いた。トイレから出て来たデイヴは、マークと遭遇する。マークはデイヴに「君が本気 で、ジーナが幸せになれるなら構わない。でも彼女を利用する気なら、ただじゃおかないぞ」と言う。デイヴは「ああ、完全に理解した」 と笑うが、船長は全く理解できていなかった。3号が「ジーナの夫になるかどうか気にしているようです」と説明すると、船長は「全く、 バカバカしい」と呆れたように言った。
ジョシュがリッチーと仲間たちに詰め寄って「石を返して」と言っている様子を、デイヴは目撃した。リッチーがジョシュに殴り掛かろう としたところへ、デイヴが駆け付けた。デイヴはリッチーを逆さ吊りにして、石を奪還した。デイヴはジョシュに誘われ、ピッチング・ ゲームに参加した。2号は「オーブを取り返したのですから、すぐに海へ投げてニルに戻るべきです」と進言するが、船長は「しかし、 やれば出来そうだぞ」とワクワクした表情で告げた。
デイヴが剛速球を投げると、ボールは跳ね返って頭に激突した。そのせいで船内のパワーが停止し、動かなくなったデイヴは病院へと 運ばれる。電気ショックでパワーが回復したデイヴは、ジーナとジョシュに「一緒に食事でもどうだい」と持ち掛けた。船長は2号から 激しく批判され、「今すぐ私の前から消えろ」と命じた。病院を出ていくデイヴを見た警備員は、手配書の男だと気付いてドゥーリーと ノックスに連絡を入れた。
ジョシュとジーナ、ジョシュとキューバ・レストランに入り、酒を飲んだ。3号は4号にドレスアップしてもらい、船長をダンスに誘う。 しかしデイヴがジーナからダンスに誘われたため、船長は3号に応対せず、彼女を怒らせてしまった。4号は船長と指揮を交代し、デイヴ に軽やかなサルサを踊らせた。ダンスが終わった直後、ドゥーリーたちが店に乗り込んできた。デイヴはドゥーリーたちに捕まり、警察署 へ連行される。取り調べを受けている最中、2号が同胞と共に蜂起し、船長を拘束した。指揮権を奪った2号はデイヴにブラスター砲を 発射させ、警察署を破壊して海へ向かう…。

監督はブライアン・ロビンス、脚本はロブ・グリーンバーグ&ビル・コーベット、製作はジョン・バーグ&トッド・コマーニキ& デヴィッド・T・フレンドリー、製作協力はラーズ・P・ウィンザー、製作総指揮はアーノン・ミルチャン&トーマス・M・ハメル、撮影はクラーク・マシス、編集はネッド・ バスティール、美術はクレイ・A・グリフィス、衣装はルース・カーター、視覚効果監修はマーク・ステットソン、 振り付けはファティマ・ロビンソン、音楽はジョン・デブニー。
主演はエディー・マーフィー、共演はエリザベス・バンクス、ガブリエル・ユニオン、スコット・カーン、エド・ヘルムズ、ケヴィン・ ハート、マイク・オマリー、パット・キルベイン、ジュダ・フリードランダー、マーク・ブルカス、ジム・ターナー、オースティン・ リンド・マイヤーズ、アダム・トメイ、ブライアン・ハスキー、ショーン・クリスチャン、ロブ・モラン、ジェーン・ブラッドバリー、ミゲル・A・ ヌネスJr.、ジョン・ゲイティンズ、ニック・バーマン、スミス・チョー他。


『シャギー・ドッグ』『マッド・ファット・ワイフ』のブライアン・ロビンスが監督した作品。
デイヴと船長をエディー・マーフィー、ジーナをエリザベス・バンクス、3号をガブリエル・ユニオン、ドゥーリーをスコット・カーン、 2号をエド・ヘルムズ、17号をケヴィン・ハート、ノックスをマイク・オマリー、4号をパット・キルベイン、エンジニアをジュダ・ フリードランダー、マークをマーク・ブルカス、ドクターをジム・ターナー、ジョシュをオースティン・リンド・マイヤーズが演じている。

「宇宙船の形がエディー・マーフィー」というアイデアだけで一点突破しようとする、完全なる出オチ映画である。
これが「宇宙から炎に包まれた謎の物体が地球に飛来してくる。隕石か、宇宙船かと思っていたら、無表情のエディー・マーフィーが地面 に突き刺さっている」というショート・コントであれば、それなりに面白いと思えたかもしれない。
しかし、これは長編映画である。
だから「エディー・マーフィーが突き刺さっている」というトコがピークでは困るのだ。そこから話を肉付けし、面白くするための作業が 必要になる。
その部分を、この映画は完全にサボっている。

っていうか、そもそも出オチの部分でも失敗しているんだよね。
宇宙船は頭から突き刺さるよりも足からの方が面白いんじゃないか。頭からだと、まず「人間が頭から地面に突き刺さっている」と いうのが先に分かって、それから頭を抜いて起き上がり、それがエディー・マーフィーだというのが分かるという風に、そこで1つ余計な 手間が入ってしまう。
そこは、いきなりエディーだと分かった方が、笑いとしての力は強くなるはず。それに、斜めに足から突き刺さって無表情のエディーを 想像したら、そっちの方が面白いでしょ。
あと、その前の、導入部の見せ方も良くない。ジョシュの部屋に石が飛び込んでくるシーンが最初にあって、その流れのまま3ヶ月後に 移るんだけど、そういう構成ではなくて、まず「ジョシュの部屋に謎の石が入ってきました」というところで1つハッキリとした区切りを 付けるべき。タイトルロールを挟んでから「3ヶ月後」という構成にしてもいいし、あるいは石が飛び込んだ後、ジョシュのキャラ紹介や 彼を取り巻く環境を説明する手順を挟んでから「3ヶ月後」にしてもいいだろう。

最初の内、デイブは人間が話し掛けても無言のままだ。
その後、船長が3号に「地球人と喋るための言語データを収集したか」と尋ねるシーンがあるので、「それまでは言語データが無かった から喋らなかった」ということらしい。
だけど、そこは「いや、お前ら、普通に英語で喋っているじゃねえか」とツッコミを入れたくなる。
そこはデタラメな宇宙語でいいから、別の言語を喋らせて英語字幕を出すべきではなかったか。
っていうか、それ以前に、もう地球の言葉を一応は会得した設定にしておけばいいじゃねえか。

アイデアは面白そうだけど、それを上手く消化できていないので、「これなら人間の形をした宇宙船じゃなくて、そいつが宇宙人だという 設定にしておいた方がいいでしょ」と感じる。
だって、デイヴを宇宙人にしたら困ること、この映画よりも悪くなるようなことって、何も無さそうなのよ。むしろ宇宙船にしてあること で、地球人とコンタクトしたり行動したりする時に、いちいち中で相談して対応を決めるという手順を挟まなきゃいけなくて、笑いの テンポがズレてしまう。
例えばマークと握手する時も、クルーの相談無しに、デイヴがキョトンとした表情で迷ってから真似をするという手順にした方が、笑いと してはテンポが良くなる。
っていうか、いちいちクルーが相談したり考えたりしてからデイヴに行動させているはずなのに、ジーナが「デイヴとか、そういうのを 予想してたから」と名前について言った時は、即座に「当たり、さっきのは苗字です」と言葉を返しているんだよな。その辺りは、徹底 されていないなあ。

デイヴは宇宙船なので、自然なリアクションを取らせることが出来ない。例えば動揺しても、困惑しても、それを表情に出せない。実際に 動揺したり困惑したりしているのはデイヴじゃなくて、その中にいる船長やクルーだからだ。
そこは大きなマイナスになっている。
しかも、「宇宙船だからデイヴの表情が強張っている」とか、「宇宙船だから無表情」とか、そういうことが全くプラスに機能していない 。あと、そこの「宇宙船だから表情が不自然」という部分も、後半に入ると、何となくボンヤリしちゃうんだよな。

この映画だと、「宇宙船が人間そっくりだから、地球人は人間だと思って話し掛けてくる。その度に宇宙船のクルーが相談して行動を 決める」という設定にしていることによる面白さが、全く見えて来ない。
ただし、「だったら、どうすれば面白くなったと思うのか」と問われたら、残念ながら全く良いアイデアが思い浮かばないんだよね。
例えば、宇宙人の姿を小さな人間じゃなくて全く違う形の生物にして、それも2人か3人ぐらいの少人数にしたら、もう少し何とかなった かなあという気はするけど。
あと、宇宙船が外見も中身も人間そっくりである必然性って何も無いでしょ。そこは何か理由を用意しておかないとダメでしょ。外見に 関しては、まだ「その形で地球人とコンタクトを取るため」という言い訳が出来るけど、でもニル星人の目的はオーブを見つけ出すこと だから、別に地球人と親密になる必要は無いんだよな。それに外見はともかく、中身もそっくりにする必要はゼロでしょ。

2号が指揮権を奪った後、デイヴは指からブラスター砲を発射して暴れ始めるが、そこでアクションとして盛り上げる必要は無いなあ。
その後、デイヴから放り出された船長と3号が、犬に襲われそうになったり車にひかれそうになったりするという、サイズの小ささを利用 したネタをやっているけど、それは「今さらなのか」と思っちゃう。
そういうのをやるなら、もっと前半から色々とやっておくべきでしょ。終盤になって、急に思い出したように、あるいは取って付けたよう に、そういうネタを連発するってのは構成として下手。
そこに来て、急にデイヴが「単なる入れ物」扱いになっちゃうのもマイナスでしかないし。

船長はオーブによる海水吸い上げを阻止して地球を救おうとするけど、「じゃあニルはどうするのか」と訊かれた時に、その答えは無いん だよね。
ニル星はどうするのか、そしてニル星に残っている仲間たちはどうするのか。
その後、スタンガンの電気ショックで簡単にデイヴのパワーが回復するという御都合主義があり、クルーはニルに戻るけど、どうすんのよ 。そこは何か別の解決方法を用意しておくべきでしょ。3号が「救う方法はあるわ」と言ってるけど、投げっ放しかよ。
あと、デイヴが離陸しようとしたらSWATがネットで捕獲し、クルーは靴の部分の船で脱出するという展開は要らない。そこは普通にデイヴ として宇宙へ出発しようぜ。

(観賞日:2012年3月7日)


第29回ゴールデン・ラズベリー賞

ノミネート:最低主演男優賞[エディー・マーフィー]
ノミネート:最低スクリーン・カップル賞[エディー・マーフィーの中のエディー・マーフィー]

 

*ポンコツ映画愛護協会