『沈黙の断崖』:1997、アメリカ
ケンタッキー東部の田舎町で、環境調査をしていたアメリカ環境保護庁(EPA)の調査官フランク・エルキンスが不審な死を遂げる。彼はハナー石炭社が廃坑に有害廃棄物を投棄しているという疑惑を調査している最中だった。
フランクの親友だった調査官ジャック・タガートは、彼が口封じに殺されたと考える。そこで彼は調査を開始するため、身分を隠して町を訪れる。しかし、町はハナー石炭社の社長オーリンに支配されており、誰もが口を閉ざしている。
ジャックは無償奉仕で仕事を請け負ったりして、次第に町の人々に溶け込んでいく。やがて、彼に協力しようとする者も現れた。だが、そんな彼の存在を疎ましく思ったオーリンの息子と仲間達が、様々な手を使って調査の妨害を仕掛けてくる…。監督はフィーリックス・エンリケイス・アルカラ、音楽はニック・グレニー・スミス。主演はスティーブン・セガール、共演はクリス・クリストファーソン、マーグ・ヘルゲンバージャー、ハリー・ディーン・スタントン、レボン・ヘルム、スティーブン・ラング、ブラッド・ハント他。
監督はフェリックス・エンリケス・アルカラ、原案はジェブ・スチュアート、脚本はジェブ・スチュアート&フィリップ・モートン、製作はスティーヴン・セガール&ジュリアス・R・ナッソ、共同製作はロナルド・G・スミス、製作総指揮はウィリアム・S・ギルモア&ジェブ・スチュアート、撮影はトム・ホートン、編集はロバート・A・フェレッティ、美術はジョー・アルヴェス、衣装はロザンナ・ノートン、音楽はニック・グレニー=スミス。
主演はスティーヴン・セガール、共演はマーグ・ヘルゲンバーガー、クリス・クリストファーソン、ハリー・ディーン・スタントン、スティーヴン・ラング、ブラッド・ハント、レヴォン・ヘルム、マーク・コリー、アレックス・ハーヴェイ、エド・ブルース、アメリア・ネイバーズ他。
公開当時は“沈黙シリーズの完結編”などと宣伝されたりもしていたが、そもそも“沈黙シリーズ”というのが日本で勝手に考えたシリーズであって、本当に繋がっているのは“沈黙の戦艦”と“暴走特急”の2作だけ。
そんなわけだから、この作品も当然の如く、“沈黙の戦艦”とは何の関係も無い。おまけにタイトルには“断崖”という文字が入っているが、断崖なんてほとんど登場しない。しかも、この後にも“沈黙の〜”というタイトルの作品は登場する。
かなりスケールの小さい、地味でショボショボの作品である。ガンアクション、格闘アクション、カーアクションと、各種のアクションをとりあえず取り揃えてはいるが、どれも迫力に欠ける。迫力満点ならぬ、迫力赤点といったところだろうか。
そして、悪党どもは弱すぎる。セガールが一方的に強いのは毎度のことなのだが、今作品ではいつもにも増して、さらに楽々と敵をやっつける。そして圧倒的な強さを見せる中、セガールは敵との格闘で有害廃棄物を撒き散らす。ダメじゃん。
セガール、じゃなかった、主人公ジャックが散々暴れまくって悪党オーリンを捕まえたのはいいが、罰金払って釈放になる。それでは気が済まないと思ったジャック、息子を脅迫してオーリンの殺人の証拠を喋らせる。
かなり強引に結末へと話を進めていき、最後は人権無視の発言を繰り返しながら、必要以上にオーリンと手下達に攻撃を加える。
そう、この作品は、やり過ぎジャックの自己満足ストーリーなのである。
第18回ゴールデン・ラズベリー賞
ノミネート:最低作品賞
ノミネート:最低主演男優賞[スティーヴン・セガール]
ノミネート:最低スクリーンカップル賞[スティーヴン・セガール&彼のギター]
ノミネート:最低オリジナル歌曲賞ノミネート「Fire Down Below」
第20回スティンカーズ最悪映画賞
ノミネート:【最悪の主演男優】部門[スティーヴン・セガール]