『デイライト』:1996、アメリカ
ニューヨークのマンハッタン島。マンハッタンとニュージャージーを結ぶ海底トンネル内で強盗の乗った車が暴走し、核廃棄物を積んだトラックに衝突した。次々に近くを走っていた車に飛び火して大爆発が起こり、トンネルはあっという間に炎に包まれてしまった。
火災と爆発に巻きこまれて多くの者が命を落とし、生き残った者達もトンネルの崩落で中に閉じ込められてしまった。そんな中、タクシー運転手のキット・ラトゥーラは、トンネルに入る直前で爆発事故に遭遇し、難を免れた。
元EMS(緊急医療班)のチーフだったキットは、トンネル内に残された人々を救うため、危険も顧みず事故現場へと突入する。だがハドソン川の水が流れ込み、状況は悪くなる一方だ。酸素もどんどん減っていく。果たしてキットは閉じ込められた人々を救出することが出来るのか…。監督はロブ・コーエン、脚本はレスリー・ボーエム、製作はジョン・デイヴィス&ジョゼフ・M・シンガー&デヴィッド・T・フレンドリー、製作総指揮はラファエラ・デ・ラウレンティス、撮影はデビッド・エグビー、編集はピーター・アマンドソン、衣装はトーマス・キャスターライン、特殊視覚効果はILM、音楽はランディ・エデルマン。
主演はシルヴェスター・スタローン、共演はエイミー・ブレネマン、スタン・ショー、ヴィゴ・モーテンセン、クレア・ブルーム、カレン・ヤング、バリー・ニューマン、コリン・フォックス、ジェイ・O・サンダース、ジョー・アンダーソン、セージ・スタローン他。
『ポセイドン・アドベンチャー』と非常に似ている。展開も登場人物の配置もソックリだ。ただし、あの映画のようなクオリティは無い。爆破と炎の連鎖は迫力満点だが、映画自体はボロボロである。
というわけで、この映画は特殊効果の素晴らしさだけを見ましょう。映画だからウソは構わないが、そのウソのつき方がひどすぎ。主人公がタクシー運転手ってのが無理すぎ。いくら元EMSといっても、アンタが一人で助けに行く理由が無いじゃん。現役の隊員もいるんだし、そもそも単独で救出に向かうってのが無理すぎ。しかも救出方法を全く考えないで突入する。
突入の前に、どうやって脱出するのか考えておけよな。トンネル爆発事故の場面も変なんだよなあ。爆発の直撃を受けてる人間が、何人も生き残ってる。
んなバカな。
全員死んでもおかしくないくらい、モロに爆発を食らってるのよ。それまで日和見主義だった生存者達が、途中で唐突にレスキュー精神に目覚めるのも無理があるよなあ。あと、せっかく全員で助けた警官を、結局は置き去りにしてしまうというのはダメでしょ。なんだったのよ、さっきの救出劇は。
婆さんの死に方も、思いっきり理不尽なんだよなあ。この婆さんのエピソード、思いっきり『ポセイドン・アドベンチャー』とソックリなんだけど、あの映画のような感動は無いよ。そんで婆さんの飼ってた犬は奇蹟的に生き残る。なんだかなあ。
全体的に雑なんだよなあ。パニック映画は仕掛けさえ凄ければいいだろうって考えてるのかなあ。音楽も全くフィットしてないしなあ。まあスタローン主演作だから、期待してはイカンわなあ。しかも製作総指揮がディノ・デ・ラウレンティスの娘だしなあ。
第17回ゴールデン・ラズベリー賞
ノミネート:最低主演男優賞[シルヴェスター・スタローン]
ノミネート:最低オリジナル歌曲賞ノ「Whenever There Is Love (Love Theme From Daylight)」
第19回スティンカーズ最悪映画賞
ノミネート:【最悪の主演男優】部門[シルヴェスター・スタローン]