『アダルトボーイズ遊遊白書』:2013、アメリカ

レニーが目を覚ますと、寝室に鹿が侵入していた。娘のベッキーが動物を中に入れるため、玄関のドアを開けておいたからだ。レニーはベッキーから借りた猿のヌイグルミを使い、鹿を家から追い出した。彼はハリウッドでの仕事を辞め、家族と故郷へ戻っていた。エリックの家庭では、娘のドナが電飾の付いた派手な靴で登校するようになった。カートの家では、次男のロニーが誕生している。カートは修理の仕事をするようになり、結婚20周年の記念で妻のディアンにネックレスをプレゼントした。
マーカスは過去に関係を持った女からの電話で、息子のブレイデンとひと夏だけでも過ごすよう要求された。DNA検査が必要ではないかと考えるマーカスだが、電車で到着したブレイデンが自分に良く似ていたので「必要ない」と女に告げた。背が高くて無愛想なブレイデンは、マーカスが挨拶しても不遜な態度を取った。レニーは妻のロクサーヌから「もう1人、子供を作らない?」と誘われるが、「16歳から働いて来て、やっと時間が出来たんだ」と消極的な態度を示した。ロクサーヌは腹を立て、ベッキーのバレエ発表会に行くよう告げて仕事に出掛けた。
その日で子供たちの学校は終了し、明日からは夏休みだった。レニーは長男のグレッグが同級生のナンシーに片想いしていると知り、3つのステップを実行するよう助言した。ベッキーはエリックの息子のビーンと合流し、自転車で学校へ出掛けた。スクールバスの運転手をしているニックは、結婚3週間で妻に逃げられたことをレニーに語る。彼がドラッグをやっていたので、レニーは運転を交代した。カートは息子のアンドレとスクールバスに乗り込み、レニーに「ハチャメチャなパーティーをやりたい」と告げる。「ウチは狭いから、お前の家でやりたい」と彼に言われたレニーは、「今晩、ディアンと食事に来いよ。妻に聞いておく」と述べた。
スクールバスには大柄な男子のダフィーが乗っており、ドナの靴を見ると馬鹿にした。レニーの次男のキースが注意すると、ダフィーは掴み掛かる。レニーはマイクを使い、席に戻るようブレイデンに指示した。ロクサーヌは洋品店を営んでいたが、ほとんど客は来なかった。店員のペニーは彼女に、「私とレニーは付き合ってたの」と言う。それが小学6年生の頃だと聞いたロクサーヌは軽く考えるが、ペニーは今でもレニーへの未練があることを語った。
レニーは子供たちを学校に送り届けて校長のターディオに挨拶した後、カートとニックを乗せてスクールバスで帰路に就く。エリックが母親と一緒にいる様子を見たレニーは、「母親にベッタリだ。女房に捨てられるぞ」と口にした。彼はエリックに声を掛け、バスに乗せた。ロクサーヌやディアン、エリックの妻のサリーたちはフィットネス教室へ行き、スクワットロビクス講師のカイルから指導を受ける。彼がセクシーなので主婦たちは興奮するが、ゲイだと聞いてガッカリした。
レニーたちがKマートへ買い物に行くと、マルコムがいたので頭髪のことでからかった。マーカスを見つけたレニーが声を掛けると、彼は息子を恐れて自衛のためにナイフを購入していた。マルコムはカートに、「息子のパンプティーがお前の娘をデートに誘う」と告げる。カートは嫌がり、マルコムが「息子に女を扱う心得を教えておいた」と性的な行為を教えたことを明かすと掴み掛かった。シャーロットはブレイデンからデートに誘われ、少し迷うが「いいわ、両親に聞いてみる」と告げた。
レニーたちが買い物を終えてスクールバスに戻ろうとすると、警官であるマルコムの弟とダンテがやって来た。レニーが娘のバレエ発表会へ行くと知った彼らは、パトカーでの先導を買って出た。バレエ教師がセクシーなレオタードで発表会の舞台に登場すると、エリックは娘の撮影そっちのけで目が釘付けになった。ベッキーがソロでヒップホップを披露したので、レニーは「凄い」と感心した。発表会の後、レニーはバレエ教師の恋人が高校時代の同級生であるトミー・キャヴァナーだと知って驚いた。高校時代、レニーはトミーから攻撃対象にされたが、怖がって無抵抗を貫いていた。久々に会ったレニーはトミーを見て怯えるが、彼が去ると妻子の前で強がった。
レニーは仲間と共に公園のアイスクリーム店へ立ち寄り、店員のディッキーに「息子がバイトする」と言う。学校が終わると、ブレイデンは同じクラスになったグレッグとアンドレに「遊びに行こう。悪いことしようぜ」と持ち掛ける。3人が立ち入り禁止区域の川に行くと、ブランソン大学の学生たちが岩場で遊んでいた。ブレイデンは2人を待たせ、崖の上から湖へ飛び込んだ。グレッグとアンドレが呆れて立ち去ろうとすると、酔っ払った女子大生ナンシーが話し掛けて来た。2人が大学生だと偽ると、彼女はビールを渡して仲間の元へ戻った。グレッグとアンドレは立ち去らず、酒を飲んでいるフリをして大学生グループに混じった。
レニー、エリック、カート、マーカスは死の崖へ赴き、川で楽しんでいる学生たちを目撃した。そこへ友愛会のアンディーやマイロたちが現れ、「消えろ、俺たちの領地だ」と告げる。「この辺りは昔から俺たちの遊び場だ」とレニーが言うと、アンディーたちはバカにした態度で挑発した。レニーが「邪魔するつもりはない。エリックが崖から飛び込んだら消える」と穏便に済まそうとしても、アンディーは「駄目だ、許さない」と告げる。彼は仲間を呼んで脅しを掛け、裸になって崖から飛び込むよう要求した。レニーたちが川へ飛び込むと、友愛会の連中は嘲笑しながら服を投げ落とした。
レニーたちが車に戻るとタイヤが切られていたが、ヌイグルミがを見つけたマーカスは大学生グループではなくブレイデンの仕業だと確信した。レニーたちは自動車修理工場へ行き、大きなタイヤにマーカスを入れて遊ぼうとする。しかし電話が掛かって来てレニーが余所見をしてしまい、マーカスが入ったタイヤは坂を転がり落ちて道路へ出てしまう。マルコムの弟が体を張って制止すると、マーカスは嘔吐した。ダンテはマーカスに、ブレイデンを迷惑行為で逮捕したことを話す。ブレイデンは友愛会の行動に憤慨し、彼らの会館を荒らして落書きしたのだ。しかし友愛会の連中はレニーたちの仕業だと誤解し、「絶対に奴らを許さない」と復讐心を燃やした。
レニーはアメフトをやりたがる次男のキースに、「お前には合わない。キッカーが向いている」と告げる。実際にやらせてみると、キースは見事なキックを次々と決めた。しかしブロックしようとしたレニーが誤って激突してしまい、キースは右脚を骨折した。キースは入院し、レニーはロクサーヌの怒りを買った。カートは免許を取りたがるアンドレを教習所へ送り届け、教官のワイリーに預けた。アンディーたちは教習中のアンドレを見つけて大学生だと誤解したまま「オッサンたちを見たか?」と尋ねる。彼らは「あいつらは会館を壊した」と言い、その場を去った。
ブレイデンは釈放され、マーカスは怯えながら接する。「良かったら仲良くやらないか。水上スキーの上手いリスをネットで見ないか」と彼が誘うと、ようやくブレイデンは笑顔を見せた。エリックは内緒で母と会い、それを知ったサリーから「なぜ私に隠れて会うの?」と訊かれる。「色々と心配してくれるんだ」とエリックが答えると、サリーは「私は貴方を心配してないわね。いつも時間に追われているせいよ子供たちが先で貴方は後回し。改めるわ」と反省の色を見せた。
カートはシャーロットに「デート、頑張っておいで」と応援する様子を見せるが、バンプティーが迎えに来ると水を浴びせた。レニーたちは話し合い、パーティーのテーマを「1980年代」に決めた。レニーがシャーロットを連れてパーティー用の買い出しに出掛けると、カイルと遭遇する。レニーが妻との関係を誤解して対抗心を剥き出しにしていると、ペニーが現れた。ペニーは「マズいわ。夫が来てるの」と言うが、レニーには何のことか全く分からなかった。
ペニーの夫はワイリーで、彼女は「11時にお宅の前で」と書いたメモをレニーに握らせて去った。ロクサーヌはメモの存在を知り、レニーから奪い取って自分の口に放り込んだ。グレッグがアイスクリーム店で働いていると、ナンシーがやって来た。グレッグが動揺しながらも「今夜の内にデートしない?」と誘うと、彼女は笑顔でOKした。レニーは帰宅してパーティーの準備をするが、子供のことばかり話すロクサーヌを怒鳴り付けて泣かせてしまった…。

監督はデニス・デューガン、脚本はフレッド・ウルフ&アダム・サンドラー&ティム・ハーリヒー、製作はアダム・サンドラー&ジャック・ジャラプト、製作総指揮はバリー・ベルナルディー&アレン・コヴァート、共同製作はケヴィン・グレイディー、製作協力はダリル・キャス、撮影はテオ・ヴァン・デ・サンデ、美術はアーロン・オズボーン、衣装はエレン・ラッター、編集はトム・コステイン、音楽はルパート・グレッグソン=ウィリアムズ、音楽監修はマイケル・ディルベック&ブルックス・アーサー&ケヴィン・グレイディー。
出演はアダム・サンドラー、ケヴィン・ジェームズ、クリス・ロック、デヴィッド・スペード、サルマ・ハエック、マーヤ・ルドルフ、マリア・ベロ、ニック・スウォードソン、コリン・クイン、ティム・メドウス、シャキール・オニール、アレクサンダー・ルドウィグ、ジョージア・エンゲル、スティーヴ・ブシェミ、ジョン・ロヴィッツ、ピーター・ダンテ、オリヴァー・ハドソン、アレン・コヴァート、スティーヴ・オースティン、マイロ・ヴィンティミリア、ジェイク・ゴールドバーグ、キャメロン・ボイス、アレクシス・ニコール・サンチェス、エイダ=ニコール・サンガー、フランク・ギンガーリッチ、モーガン・ギンガーリッチ、ナジ・ジェター、チャイナ・アン・マクレイン、カレオ・イーラム他。


2010年に公開された『アダルトボーイズ青春白書』の続編。
監督は前作に引き続いてデニス・デューガン。脚本は前作のフレッド・ウルフとアダム・サンドラーに、『Mr.ディーズ』『ベッドタイム・ストーリー』のティム・ハーリヒーが加わっている。
レニー役のアダム・サンドラー、エリック役のケヴィン・ジェームズ、カート役のクリス・ロック、マーカス役のデヴィッド・スペード、ロクサーヌ役のサルマ・ハエック、ディアン役のマーヤ・ルドルフ、サリー役のマリア・ベロ、ディッキー役のコリン・クイン、マルコム役のティム・メドウスなど、前作から多くのキャストが続投している。
意外なことに、アダム・サンドラー主演作では初めての続編映画。

前作のレニーはハリウッドで大物俳優をマネージメントしているエージェントで、ロクサーヌはミラノでショーを開くほどのファッションデザイナーだった。
そんな2人は別荘で過ごす時間を楽しんでいたが、だからって「ずっとレニーの故郷で暮らそう」という気持ちにはなっていなかった。
映画としても、「金持ちじゃなくても、故郷の暮らしって最高だよね」というトコまでの着地は見えていなかった。
なので、今回のレニーがタレントエージェントの仕事を辞めて故郷で暮らしており、ロクサーヌもデザイナーを辞めて洋品店のオーナーになっているってのは、かなりの違和感を覚える。

この映画、キャスティングの段階で大きなマイナスを抱えている。それは、前作の5人組からロブ役のロブ・シュナイダーが抜けているということだ。
スケジュールの都合で出演できなかったらしいが、「少年バスケチームの頃からの仲良し5人組」という設定だっただけに、その1人が欠けるってのは、かなりの痛手になっている。
前作の批評で書いたが、1作目は「アダム・サンドラー、ケヴィン・ジェームズ、クリス・ロック、デヴィッド・スペード、ロブ・シュナイダーが勢揃いしました」ってのが全てと言ってもいいような作品であって、それは基本的に今回も変わらないのだ。
そういう意味でも、ものすごく大きなマイナスになっている。

ロブ・シュナイダーが登場しないので、その代わりにニック役でニック・スウォードソンを出演させている。しかし、それで充分な代役になっているとは言い難い。
コメディアンとしての人気や知名度という問題はひとまず置いておくとして、やはり「小学生時代からの仲良し5人組」という設定にこそ大きな意味があるわけで。そこに前作では全く言及していなかったキャラを配置しても、そりゃあ代役としては力不足になっちゃうでしょ。
しかも、ニックは「昔からの仲間」みたいな顔で、当たり前のように登場するのよね。
一瞬、「前作の5人組に、こんな奴いたっけ?」と考えて、いなかったと気付いて「いやアンタ誰だよ」と言いたくなるぞ。

アダム・サンドラーもロブ・シュナイダーの穴が大きいと感じていたのか、ニック・スウォードソンで穴埋めをするだけに留めていない。
マルコムの弟役にシャキール・オニール、ブレイデン役にアレクサンダー・ルドウィグ、エリックの母親役にジョージア・エンゲルを起用するなどして、他の部分でも出演者の顔触れをアップさせようとしている。
他にも、フィットネス教室の清掃員役でジョン・ロヴィッツ、ヒッピーな教師役でアレン・コヴァート、スティーヴ・オースティマイロ役でマイロ・ヴィンティミリアが出演している。アンクレジットだが、アンディー役はテイラー・ロートナーで、友愛会の仲間にはアーノルド・シュワルツェネッガーの息子のパトリックもいる。また、ビキニ・カーウォッシュの男性チアリーダーの面々はTVコメディー『サタデー・ナイト・ライブ』の出演者&ライター陣で、アンクレジットだがウィル・フォーテも含まれている。
そういう「バラエティーに富んだ出演者の顔触れ」を楽しむことが、本作品の全てである。
それ以上でも、それ以下でもない。

前作は「久しぶりに再会した5人組と家族が別荘で過ごす様子」をユルいノリで描くだけの内容だった。
今回も大まかに言うと、ほとんど同じである。5人組が過ごす場所と、遊びの内容が変化するだけだけだ。
しかも前作で元仲間が再会しているので、今回は「昔の仲間が久々に集まる」という仕掛けが無くなっている。
そして「前作の4人組と家族が色んなことをやっています」という生活風景をダラダラと描いている内に、時間は漫然と過ぎて行くのである。

前作で「小学校時代に決勝で戦った相手」として登場した5人も、職場を変えて再び姿を見せる。
職場が変わった理由は特に用意されておらず、単純に「その場所が作品に登場するから」という都合だろう。
そんな彼らが登場しても、特に何があるわけでもない。相変わらず敵対心を見せる奴もいれば、そうじゃない奴もいるが、もはや「ただ出て来ただけ」に留まっている。
それでも、きっと「再登場させることに意味がある」ってのが製作サイドの考えなんだろう。

前作でエリックは母親のことなんて一言も口にしていなかったのに、今回は急に「マザコンで母親にベッタリ」という設定が追加されている。
そこを使って「夫婦が話し合って仲直り」というトコに繋げているのだが、特に膨らむことも無く簡単に解決する。
他の面々もそれなりに家族関係のネタが用意されているが、どれも似たようなモノで、とても薄味に仕上げてある。
前作と同じで、申し訳程度の描写に留まっている。

粗筋を読んでも、「どっちへ向かって物語が進んでいるのかサッパリ分からない」「っていうか、そもそもストーリーらしきストーリーが全く見えて来ない」と感じるかもしれない。
私の文章力が稚拙であることは否めないが、少なくとも本作品に関しては貴方の感じた印象が正しいのだ。
この映画にはストーリーらしきストーリーなど存在しないし、「私は何を見せられているのか」という感じで時間が過ぎて行くのだ。
一応、「友愛会との対決」という図式が途中で何となく見えるが、ものすごく脆弱な要素だ。

実際、てっきりクライマックスは友愛会との対決なんだろうと思っていたが、その気配が全く見えないまま残り時間がどんどん減っていく。パーティーが開かれると、すぐに友愛会が乗り込んで来るのかと思いきや、なかなか現れない。
そして忘れそうになっていた「レニーがトミーとの片を付ける」という手順まで描かれ、その後になってようやく友愛会が登場する。
この時点で、もう本編の残り時間は10分程度になっている。
で、どうやって最後を盛り上げるかのと思ったら、ただの乱闘。
KOされた父親の代わりに知恵を使ってアンディーを退治するシャーロットは可愛いけど、それだけで全てをリカバリーできるはずもなく。

(観賞日:2018年10月8日)


第34回ゴールデン・ラズベリー賞(2013年)

ノミネート:最低作品賞
ノミネート:最低主演男優賞[アダム・サンドラー]
ノミネート:最低助演男優賞[テイラー・ロートナー]
ノミネート:最低助演男優賞[ニック・スウォードソン]
<*『アダルトボーイズ遊遊白書』『A Haunted House』の2作でのノミネート>
ノミネート:最低助演女優賞[サルマ・ハエック]
ノミネート:最低スクリーン・コンボ賞[全キャスト]
ノミネート:最低監督賞[デニス・デューガン]
ノミネート:最低脚本賞
ノミネート:最低リメイク&盗作&続編賞

 

*ポンコツ映画愛護協会