『カットスロート・アイランド』:1995、アメリカ

モーガン・アダムズは女海賊。叔父であるドーグが父ハリーに宝の地図を渡すように要求している現場に駆け付けた。要求を拒否したハリーはドーグによって瀕死の重傷を負わされる。死ぬ寸前、ハリーはモーガンに自分の頭の皮を剥ぐように言う。そこに宝の地図の一部が描かれていたのだった。
モーガンはハリーの後を継いでモーニング・スター号の船長になり、地図に書かれた宝を手に入れようとする。ラテン語で書かれた文字を解読するためにウィリアム・ショーという男を奴隷取り引き場で購入。地図は3分の1なので、残りの2枚の内の1枚を持つモデカイ叔父を訪問。
だが宝を狙っていたのはモーガンだけではなかった。3枚の地図の内の1枚を持つドーグ、そしてエインズリー知事も宝を狙っていた。途中、ショーや手下スカリーの裏切りに会いながら、モーガンは宝の眠る島、カットスロート・アイランドを目指すのだが…。

監督はレニー・ハーリン、脚本はロバート・キング&マーク・ノーマン、製作はローレンス・マーク&ジョエル・B・マイケルズ&ジェイムズ・ゴーマン&レニー・ハーリン、製作総指揮はマリオ・カサール、撮影はピーター・レヴィー、美術はノーマン・ガーウッド、音楽はジョン・デブニー。
主演はジーナ・デイヴィス、共演はマシュー・モディン、フランク・ランジェラ、パトリック・マラハイド、モーリー・チェイキン、スタン・ショウ、クリス・マスターソン、ジミー・F・スキャッグス、ハリス・ユーリン他。


17世紀の南海を舞台にした海洋アドベンチャー映画。“5分に一度、罠がある。”というのが宣伝文句だったが、この映画自体が罠かもしれん。
なんせ撮影の途中で、カサールが製作会社のカロルコを倒産させちゃってるしなあ。

まず主人公が違う。ジャジャ馬娘なら良かったのだが、ジーナ・デイビスはゴツい酒飲みのオバチャンにしか見えない。当時ハーリンの奥さんだったから起用されたんだろうけどさ、ちょっとしたアマゾネスだもんなあ。
もっと可愛い系の女優の方が良かったんじゃないのかなあ。

アクションシーンはこの映画の売りだけあって非常に多いが、なんかモタモタしてる。カメラアングルやカット割りがヌルいせいなのか、全く迫力が無い。爆破シーンや砲撃シーンは迫力があるけど、火薬の量が多いだけの話だよな。
そりゃ製作費1億ドルも使えば、そのくらいは出来るだろ(でも全世界での売り上げは1000万ドルらしい。ひどい赤字だ)。

カメラワークは今一つどころか、今二つですな。海のスケール感も全く見せてくれないし。音楽は壮大でかなり良い出来映えだと思うが、それくらいかなあ、プラスのポイントって。キャラの魅力もゼロだし。悪役のドーグやエインズリーも薄いしなあ。

物語も単にゴチャゴチャしてるだけ。この映画でそんなに複雑にする必要ってあったのか?エインズリー知事の部下トロッターが最後でいきなり裏切るってのも反則だろ。伏線も何にも無いのに急に裏切るんだよなあ。そりゃ無理があるってモンですぜ。


第16回ゴールデン・ラズベリー賞

ノミネート :最低監督賞[レニー・ハーリン]

 

*ポンコツ映画愛護協会