『クリフハンガー』:1993、アメリカ

ゲイブ・ウォーカーは優秀なロック・クライマー。山岳レスキュー隊の仲間で親友のハル・タッカーと、彼の恋人サラを救出するため、ロッキーの最高峰に来ていた。しかし、サラは救出しようとしたゲイブの目の前で谷底へと落ちて行ってしまった。
8か月後。国際銀行決済のための1億ドルが入った3個のトランクを乗せ、専用ジェット輸送機がサンフランシスコへ向かった。国際的な犯罪者クエイルンがその金を狙っているとの情報が入ったため、FBI捜査官も同乗している。
だが飛行中に突然、財務省造幣局のトラバースが乗組員やFBI捜査官を射殺。彼と操縦士の2人は、クエイルンの仲間だったのだ。時限爆弾をセットし、接近してきたクエイルン達の乗る小型ジェット機にケーブル伝いに移るトラバース。
続いて操縦士が1億ドルの入ったトランクを運ぼうとするが、FBI捜査官はまだ生きており、最後の力を振り絞って銃撃してくる。応戦している間に時限爆弾は爆発し、トランクは雪のロッキー山中へ。さらに小型ジェット機も不時着し、飛行不可能になってしまう。
小型ジェット機を操縦していたクエイルンの愛人クリステルは、トランクを回収するためにはエキスパートの力が必要だと考える。そこで、遭難を装って山岳レスキュー隊に無線を入れる。レスキュー隊を呼び寄せて脅迫し、トランクを探させようという考えだ。
その頃、救助センターには事故以来ずっと山を離れていたゲイブがやって来ていた。センターにはハルがいたが、彼はサラを助けられなかったゲイブを恨んでいた。やがて無線を受けてハルは独りで救助に向かった。
ゲイブは恋人ジェシーに促され、ハルの後を追う。だが2人を待っていたのは遭難者ではなく、クエイルンの率いる犯罪集団だった。ハルが人質に捕らえられてしまい、ゲイブは独りでトランクを探すことになるのだが…。

監督はレニー・ハーリン、原案はジョン・ロング、映画原案はマイケル・フランス、脚本はマイケル・フランス&シルヴェスター・スタローン、製作はアラン・マーシャル&リニー・ハーリン、製作総指揮はマリオ・カサール、撮影はアレックス・トムソン、編集はフランク・J・ユリオステ、音楽はトレヴァー・ジョーンズ。
主演はシルヴェスター・スタローン、共演はジョン・リスゴー、マイケル・ルーカー、ジャニン・ターナー、レックス・リン、キャロライン・グッドオール、ミシェル・ジョイナー、ラルフ・ウェイト他。


雪山や絶壁が壮大なスケールと迫力を感じさせる。山岳地帯での撮影はリチャード・エドランド&ボス・フィルムが協力しているが、素晴らしいスペクタクルを感じさせる。
なので、これが自然をテーマにしたドキュメンタリー映画なら賞賛に値する。

しかし、物語がショボい。
犯人が何の計画性も無いバカな連中にしか見えない。1億ドルを手に入れるなら、もっと利口なやり方があるだろうに。わざわざ危険な方法を選択しなければならない明確な理由が見つからない。

そんで、無鉄砲に行動して、信頼関係が崩れて、勝手に内ゲバを起こして自滅する始末。主役のゲイブが活躍する前に、犯人一味は完全にバラバラになってしまう。
おいおい、ヒーローが活躍するアクション映画じゃなくて、犯人達のドタバタ劇を描く映画だったのかよ。
ダメだコリャ。


第14回ゴールデン・ラズベリー賞

ノミネート:最低作品賞
ノミネート:最低脚本賞
ノミネート:最低助演男優賞[ジョン・リスゴー]
ノミネート:最低助演女優賞[ジャニン・ターナー]

 

*ポンコツ映画愛護協会