『キャノンボール2』:1984、アメリカ

アラブのファラフェル一族の王様は昨年、息子のシーク王子にキャノンボールで優勝し、一族の名を高めてくるよう指示した。しかし、シークは優勝できなかった。そこで王様は今年のキャノンボールを買い取ってしまい、今度こそ優勝するようシークに命じる。
優勝賞金100万ドルを目指し、レースの参加者が集まってきた。スタントマンのJ・J・マクルーアと相棒のヴィクターは、将軍と部下の格好で参加。ブロードウェイに行きたがっているシスター姿のヴェロニカとベティは、J・J達の車に同乗させてもらうことにした。
ブレイクとフェンダーバウムのコンビは、警官の姿に扮装する。セクシーな美女マーシーとジルは、その豊満な肉体を利用して男達を上手く利用しようとする。ジャッキーとアーノルドは、ハイテク機能を積み込んだ日本の車で参加する。
ブレイクとフェンダーバウムの借金を取り立てに来たマフィアのカネローニ・ファミリーは、レース主催者のシーク王子が大富豪だと知り、身代金を巻き上げるために誘拐する。フランク・シナトラの協力を取り付けたJ・J達は、シーク王子の救出に向かった…。

監督はハル・ニーダム、キャラクター創作はブロック・イェーツ、脚本はハル・ニーダム&アルバート・S・ラディー&ハーヴェイ・ミラー、製作はアルバート・S・ラディー、製作総指揮はレイモンド・チョウ&アンドレ・モーガン、撮影はニック・マクリーン、編集はウィリアム・ゴーディーン&カール・クレス、美術はトーマス・アザーリ、音楽はアル・カップス、音楽監修はスナッフ・ギャレット。
出演はバート・レイノルズ、ドム・デルイーズ、ディーン・マーティン、サミー・デイヴィスJr.、シャーリー・マクレーン、ジャミー・ファー、マリル・ヘナー、テリー・サヴァラス、フランク・シナトラ、キャサリン・バック、スーザン・アントン、ジャッキー・チェン、リチャード・キール、ジャック・イーラム、リカルド・モンタルバン、チャールズ・ネルソン・レイリー、ヘンリー・シルヴァ、シド・シーザー、ティム・コンウェイ他。


アメリカを横断する違法なカーレースを豪華キャストで描いたヒット作品『キャノンボール』の続編。J・Jをバート・レイノルズ、ヴィクターをドム・デルイーズ、フェンダーバウムをディーン・マーティン、ブレイクをサミー・デイヴィスJr.、ヴェロニカをシャーリー・マクレーン、ベティをマリル・ヘナー、ジルをスーザン・アントンが演じている。
さらにシークをジャミー・ファー、マーシーをキャサリン・バック、ジャッキーをジャッキー・チェン、アーノルドをリチャード・キールが演じている。有名スターに混ざって、ノンクレジットながら監督のハル・ニーダムもチョイ役で出演している。レースが開始された時に、後続の車に自分の車を押し潰されるカウボーイ・ハットの男が彼である。

前作と同じく、このシリーズは配役が豪華であるということだけ。
それだけがセールスポイントのオールスター映画である。
なので、中身は非常に薄い。
ストーリーはスカスカだし、ドタバタ喜劇としても大きく外している。
カーアクションの迫力も、大してあるわけじゃない。

多くの豪華スターが共演しているだけでも、観客は嬉しい。
だから、1作目なら、それなりに食い付いてくれるだろう。
だが、その続編を作るとなれば、切り口を変えるとか、あるいはヴァージョンアップするとか、せめて舞台設定を変えるとか、何か工夫をするべきだろう。

しかし、この作品ではそういうことが全く見られない。中心メンバーは前作とほとんど同じで、やってることも前作とほとんど同じ。ロジャー・ムーアが007のセルフ・パロディーをやってくれない分、前作よりもクオリティが下がっているかもしれない。

シャーリー・マクレーンが登場するけど、ミュージカルシーンを披露するわけでもない。フランク・シナトラが本人役で登場するけど、歌を披露するわけでもない。
オールスター映画で続編を作るのなら、これでもかと“お遊び”を詰め込むぐらいの観客サービスをしないと、ちょっと苦しい。いや、相当に苦しい。
ハッキリ言って、他には何も無いんだから。


第5回ゴールデン・ラズベリー賞

ノミネート:最低作品賞
ノミネート:最低監督賞[ハル・ニーダム]
ノミネート:最低脚本賞
ノミネート:最低主演男優賞[バート・レイノルズ]
<*『キャノンボール2』『シティヒート』の2作でのノミネート>
ノミネート:最低主演女優賞[シャーリー・マクレーン]
ノミネート:最低助演男優賞[サミー・デイヴィスJr]
ノミネート:最低助演女優賞[スーザン・アントン]
ノミネート:最低助演女優賞[マリル・ヘナー]

 

*ポンコツ映画愛護協会