『キング・ソロモンの秘宝2 幻の黄金都市を求めて』:1987、アメリカ
冒険家アラン・クォーターメインと考古学者ジェシー・ヒューストンは、結婚式を挙げるためにアメリカへ向かうことになっていた。しかし、クォーターメインの旧友デュモンが白頭巾の怪しい2人組に襲われ、逃げ込んで来た。
クォーターメインはデュモンから、弟ロブソンが仲間と共に伝説の黄金都市へ向かったことを知らされる。デュモンの言葉に従って予言者スワーマに会ったクォーターメインは、弟を探すために黄金都市へ向かうことを決意する。
クォーターメインの冒険にはジェシーの他、旧友ウンスロポガースとスワーマも同行することになった。幾多の困難を乗り越えて黄金都市へ到着した一行は、そこに暮らす人々の歓迎を受ける。その中にはロブソンの姿もあった。
クォーターメインはロブソンに一緒に帰ろうと誘うが、彼は女王ソレイスの妹ニレプタと愛し合っており、黄金都市を離れるつもりは無かった。一方、黄金都市を支配する司祭エイゴンは、邪魔者のクォーターメインを抹殺しようと企んでいた…。監督はゲイリー・ネルソン、原作はH・ライダー・ハガード、脚本はジーン・クインターノ&リー・レイノルズ、製作はメナハム・ゴーラン&ヨーラム・グローバス、製作総指揮はアヴィ・ラーナー、撮影はアレックス・フィリップス、編集はアラン・ジャクボウィッツ、美術はトレヴァー・ウィリアムズ、音楽はマイケル・リン。
出演はリチャード・チェンバレン、シャロン・ストーン、ジェームズ・アール・ジョーンズ、ヘンリー・シルヴァ、ロバート・ドナー、ドグミ・ラービ、アイリーン・マーソン、カサンドラ・ピーターソン、マーティン・ラベット、ロリー・キラレア、アレックス・ヘインズ、セムシ・タイムズ、フィリップ・ブーチャー、スチュアート・ゴークス、フィデリス・チェザ他。
『キングソロモンの秘宝 ロマンシング・アドベンチャー』の続編。
“インディ・ジョーンズ”シリーズの亜流作品として作られた前作がヒットを記録したため、調子に乗って2作目を作ってしまったということだろう。
さすがキャノン・フィルム、その当たりは抜け目が無い。邦題は『キング・ソロモンの秘宝2』となっているのだが、もはやキング・ソロモンの秘宝とは全く関係が無い。1作目の邦題を、例えば『アラン・クォーターメインの冒険』とでもしておけば、こんな困ったことにはならなかったのにね。まあ、いいけどさ。
前作は職人J・リー・トンプソンが監督を務めたこともあってか、それなりにツボを抑えたB級映画になっていた(まあバッタモンには違い無いのだが)。
しかし、この作品は前作にあったシナリオの甘さという部分を徹底的に強調し、前作にあったテンポの良さを徹底的に捨てるという体たらくになっている。序盤でしばらく仲間集めなどしつつ、問答無用で観客を引き摺りこむ強引さを拒否。
その後は様々なトラブルが待ち受けているのだが、「打って休んで打って休んで」の繰り返しなので、畳み掛けるスピード感や小気味良いテンポは生まれてこない。旅の道中で一行に襲い掛かる障害は、全て黄金都市とは無関係。
「一行を黄金都市に近付けまいとする罠」といった共通点はナッシング。
そういうこともあってか、なかなかメインストーリーがハッキリと姿を現してくれない。エピソードの1つ1つは、まるで安い遊園地のアトラクションを体験しているような感じになっている。その場の興奮が凄ければまだ良かったが、そこはやはり安いのだ。
暗闇が多いので、そういうシーンでは何をやっているのか良く見えないし。観客は、何をどうすれば黄金都市に到着するのかという情報を与えられていないので、一行の行動の意味が、あんまり分からないという有り様。
そのことが、冒険に浸る邪魔をしている。
で、都市に着くのは後半なので、それまでは散漫な印象の旅が続く。都市に到着してみれば、あっさりとロブソンに会ってしまう。
ここで冒険の目的は終了。
その後には、まあ色々とありまして、エイゴンとの戦いが終盤に待っているのだが、それならそれで、もっと早く彼を登場させるべきだろう。
残り30分ぐらいになって新しいキャラクターが登場したりするのも、計算が無い。
なんかグチャグチャになって、ゴチャゴチャしたまま映画は終了。
第8回ゴールデン・ラズベリー賞
ノミネート:最低主演女優賞[シャロン・ストーン]