『トランスフォーマー/リベンジ』:2009、アメリカ

ミッション・シティーでの戦いから2年が経過した。オートボットには新しい仲間も加わり、人間と同盟を組んで戦っている。国防総省の 特殊攻撃部隊「NEST」がディセプティコンの生き残りを発見し、叩きのめすのだ。上海で残党が発見されたため、中国政府は毒物発生の 虚報で人々を避難させた。敵の出現は、この8ヶ月で6回目だった。NEST司令官のモーシャワー将軍は領空が封鎖されたことを確認し、 NEST部隊を出動させた。
ディセプティコンのサイドウェイズたちが逃走し、NEST部隊のレノックス指揮官や部下のエップスたちは退治しようとする。オートボット のアイアンハイドやアーシー、ツインズ、サイドスワイプたちも、敵と交戦する。オートボット総司令官のオプティマス・プライムに 追い詰められたホイールボットは、「この星に君臨するのは貴様じゃない。ザ・フォールン様だ」と不敵な言葉を残した。
サム・ウィトウィッキーはプリンストン大学への進学が決まり、入寮の準備をしていた。父のロンはノンビリしているが、母ジュディーは サムと離れることが辛くて涙を流した。荷造りをしながら、サムは恋人のミカエラに電話を掛けた。ミカエラは出所したばかりの父を 手伝い、実家のバイクショップで働いている。サムはクローゼットを開き、2年前の戦いで使ったパーカーを取り出した。するとポケット からキューブの欠片が落ちた。それを拾い上げた途端、サムの脳内に不思議な文字が飛び込んで来た。
キューブの欠片が熱を帯びたため、サムは落としてしまう。すると欠片は床を燃やし、1階のキッチンへと落下した。慌てて火を消した サムがキッチンへ行くと、電化製品がトランスフォーマーに変形して暴れていた。サムはバンブルビーを呼んで退治してもらうが、その せいで家は半壊してしまった。サムは見送りに来たミカエラに、キューブの欠片を預けた。彼はバンブルビーに「大学へ連れて行くことは 出来ない。普通の大学生活を送りたいんだ。オプティマス・プライムたちの元へ戻れ」と告げた。
ディセプティコンのウィーリーはキューブの欠片を発見し、情報戦略担当のサウンドウェーブに報告した。サウンドウェーブは、ミカエラ を追跡してキューブを奪うよう命じた。オプティマス・プライムはモーシャワーと通信し、ディセプティコンが何かを探しているのでは ないかという考えを述べた。大統領命令で基地を訪れていた国家安全保障問題担当大統領補佐官のギャロウェイは、オートボットがいる からディセプティコンが地球に留まっていると疑っており、大統領の決定が下れば地球を去るようプライムに求めた。
ギャロウェイはモーシャワーたちとの会話の中で、メガトロンがローレシア海溝に沈んでいることや、オールスパークの残っている欠片が 基地の保管庫にあることを喋った。軍事衛星をハッキングしたサウンドウェーブは、その通信を盗聴した。一方、大学に到着したサムは、 ルームメイトのレオと会った。彼は仲間のファスビンダー、シャースキーと共にネット会社を立ち上げ、金儲けをしていた。
レオたちは上海で毒物発生による騒動が起きた時の映像を入手し、サイトにアップした。だが、すぐに別のサイトでも同じ映像がアップ された。レオはサムに、ロボ・ウォーリアーというハンドルネームの人物がライバルであることを語った。レオはハッキングによって寮の 振り分けをいじり、可愛い女子学生を集めていた。彼が狙っているナンバー1の女子学生は、アリスという名前だった。
ディセプティコンのラヴィッジとリードマンは基地に潜入し、オールスパークの欠片を奪った。サムはレオたちと共に、大学のパーティー に参加した。ミカエラとデートチャットをする予定があったため、彼はすぐに立ち去る予定だった。ケーキを見た彼の脳裏に、不思議な 文字が飛び込んで来た。サムの手が勝手に動き、テーブルに謎の文字を書いた。アリスはサムに声を掛け、誘惑してきた。
バンブルビーが大学に現れ、サムに「問題が発生した」と告げた。サムが発進させようとすると、アリスが乗り込んで来た。バンブルビー は嫌がらせを繰り返し、アリスを車から降ろした。サムはオプティマス・プライムと会い、オールスパークの欠片が奪われたことを知った 。プライムから「力を貸してほしい。政府は我々が敵の襲来を招いたと思っている。人間である君から説得してほしい」と頼まれたサムは 、「気持ちは分かるけど、僕はエイリアンの友好大使じゃない」と断った。
ディセプティコンはローレシア海溝に潜り、オールスパークの欠片を使ってメガトロンを復活させた。メガトロンは本拠地へ戻り、自分を 置き去りにしたスタースクリームを叱責した。メガトロンは主であるザ・フォールンに謁見し、地球での失態を詫びた。ザ・フォールンは 「キューブは単なる入れ物だ。知識やパワーは消えず、形を変えるだけだ。それは人間の小僧に吸い取られた。我が種族を救う鍵は、その 小僧の頭の中にある。小僧を使ってオプティマス・プライムをおびき出し、リベンジしろ」と述べた。
サムは物理学の授業中、不思議な文字の幻覚に見舞われた。猛スピードで教科書をめくった彼は、手を挙げて勝手に壇上へ上がった。彼は コラン教授に「アインシュタインは間違っている」と告げ、黒板にエネルゴンを使用した次元エネルギーの生成式を書いた。だが、コラン からは錯乱したとみなされた。サムはミカエラに電話を入れ、曾曾祖父アーチボルトと同じように不思議な文字が見えたことを話す。現象 の発生が欠片を見つけてからだと気付いた彼は、ミカエラに「キューブの欠片を見ちゃいけない」と警告した。
ウィーリーは金庫に保管されているキューブの欠片を盗み出そうとするが、ミカエラに捕まって工具箱に閉じ込められた。ミカエラはサム の元へ向かうことにした。アリスはレオに声を掛け、サムの居場所を尋ねた。レオがアリスを寮に連れて行くと、サムは壁に謎の文字を 書き殴っていた。アリスはレオを部屋から追い出し、サムを押し倒した。だが、彼女はディセプティコンの一味であり、サムが吸い取った キューブの情報を手に入れることが目的だった。
寮にやって来たミカエラはサムとアリスがベッドで抱き合っているのを目撃し、腹を立てて部屋を出て行く。しかしアリスに襲われたサム の悲鳴が聞こえたため、慌てて部屋に戻った。アリスは本当の姿を現し、サムに襲い掛かった。サムはアリス、レオと共に逃げ出すが、 メガトロンたちに捕まった。メガトロンは、サムの脳内にある文字がエネルゴンを呼び出す道標であることを確認した。
メガトロンがサムの脳から知識を吸い出そうとした時、オプティマス・プライムやバンブルビーたちが助けに駆け付けた。しかしサムを 逃がすために戦ったプライムは、メガトロンの攻撃を受けて力尽きた。身を隠したサムを見つけ出すため、ザ・フォールンは地球へと 降り立ち、衛星をハッキングして巨大スクリーンを占拠した。彼は人類に対してサムの引き渡しを要求し、逆らえば世界を滅ぼすと脅した 。基地に現れたギャロウェイは大統領命令による作戦中止をレノックスたちに伝え、今後は自分が指揮を執ると述べた。
サムは謎の文字が問題解決の鍵を握っていると考え、オートボットたちに解読できないかと尋ねた。だが、それは古い文字で、誰も読む ことが出来なかった。するとレオが「ロボ・ウォーリアーなら読めるかもしれない」と言い出した。レオはサムとミカエラを連れて、ロボ ・ウォーリアーが働く肉屋兼惣菜店へ赴いた。すると、そこにいたロボ・ウォーリアーは元セクター7のシモンズだった。セクター7が 潰れてクビになった後、彼は実家の店で働いていたのだ。
シモンズはセクター7から資料を拝借し、地下室に保管していた。彼はサムたちに、トランスフォーマーが遥か昔から地球に来ていたこと を話した。その証拠として、彼は昔の乗り物に化けたトランスフォーマーの写真を見せた。サムはシモンズに、「エネルゴンの源が、もう 1つあると奴らは言っていた。謎の文字が、その道標になる」と語る。だが、シモンズにも文字の解読は出来なかった。
シモンズが「ディセプティコンなら解読できるかも」と言い出すと、ミカエラは「連れて来ている」と告げる。彼女はサムたちに、工具箱 に監禁して服従させたウィーリーを紹介した。ウィーリーは写真を見ると、「最も古い存在、シーカーだ。何千年も前に、何かを探しに やって来た。そいつらなら文字を読めるかもしれない」と言う。ウィーリーの案内で、サムたちは最も近いシーカーの潜伏先である スミソニアン航空宇宙博物館へ向かった。そこで彼らは、ディセプティコンの傭兵からオートボットに寝返ったジェットファイアを復活 させた。ジェットファイアは文字を読み解き、サムたちをエジプトへ連れて行く…。

監督はマイケル・ベイ、脚本はアーレン・クルーガー&ロベルト・オーチー&アレックス・カーツマン、製作はイアン・ブライス&トム・ デサント&ロレンツォ・ディボナヴェンチュラ&ドン・マーフィー、共同製作はケン・ベイツ&アレグラ・クレッグ、製作協力はマシュー ・コーハン&K.C.ホーデンフィールド、製作総指揮はマイケル・ベイ&ブライアン・ゴールドナー&スティーヴン・スピルバーグ& マーク・ヴァーラディアン、撮影はベン・セレシン、編集はロジャー・バートン&トーマス・マルドゥーン&ジョエル・ネグロン&ポール ・ルベル、美術はナイジェル・フェルプス、衣装はデボラ・L・スコット、音楽はスティーヴ・ジャブロンスキー。
出演はシャイア・ラブーフ、ミーガン・フォックス、ジョシュ・デュアメル、タイリース・ギブソン、ジョン・タートゥーロ、ラモン・ ロドリゲス、ケヴィン・ダン、ジュリー・ホワイト、イザベル・ルーカス、ジョン・ベンジャミン・ヒッキー、マシュー・マースデン、 アンドリュー・ハワード、マイケル・パパジョン、グレン・モーシャワー、ジョン・エリック・ベントレー、エリン・ナース、レイン・ ウィルソン他。


アメリカのハズブロ社が日本の玩具会社タカラ(現在はタカラトミー)と業務提携して北米で発売した変形ロボット玩具シリーズを実写 映画化した2007の作品『トランスフォーマー』の続編。
サム役のシャイア・ラブーフ、ミカエラ役のミーガン・フォックス、レノックス役のジョシュ・デュアメル、エップス役のタイリース・ ギブソン、シモンズ役のジョン・タートゥーロ、ロン役のケヴィン・ダン、ジュディー役のジュリー・ホワイトは、前作からの続投。
他に、レオをラモン・ロドリゲス、アリスをイザベル・ルーカス、ギャロウェイをジョン・ベンジャミン・ヒッキーが演じている。ちなみ にモーシャワー役のグレン・モーシャワーは、前作ではカタール基地の司令官として出演していた。
声優陣は、前作からの続投であるオプティマス・プライム役のピーター・カラン、メガトロン役のヒューゴ・ウィーヴィング、 スタースクリーム役のチャーリー・アドラーたちに加え、ジェットファイア役のマーク・ライアン、ザ・フォールン役のトニー・トッド など。

この映画が失敗作だったことは、マイケル・ベイも認めている。シャイア・ラブーフは本作品について、アクションは素晴らしいが人間 ドラマに欠けていたと述べている。
しかし、「今さら言うことかよ」という感じだ。
そもそもマイケル・ベイが監督なんだから、人間ドラマに乏しいのは当然のことだ。1作目だって、そうだったんだから。
マイケル・ベイは全米脚本家組合のストライキの影響で準備の時間が少なかったと語っているが、充分な準備期間があったとしても、そこ は変わらなかっただろう。
ただし、人間ドラマに欠けているのはマイケル・ベイだけの責任ではなくて、そもそもシナリオの段階で厳しいものがある。
この映画における人間ドラマは、オートボットとの関係や敵との戦いの中に持ち込まれているのではなく、主にサムの大学生活という部分 で描かれるのだが、正直、どーでもいい感じである。
ママがドラッグでハイになるなどのギャグ描写が多く盛り込まれているが、それは緊張に対する緩和と言うよりも、ただ無神経にユルく しているという印象を受ける。

今回の第2作を一言で表すとすれば、「質より量」である。
登場するトランスフォーマーの数は、前作の13体から約60体へと、4倍以上に膨れ上がっている。
しかも同じ見た目の奴が4倍に増えたわけではなく、1つ1つ形状が異なっている。つまり種類も増えているのだ。
それを全てキッチリと紹介していくような時間の余裕は無いので、それぞれの名前なんて全く覚えられないし、そもそも名前が出て来ない ような奴らも大勢いる。
せめてオートボット側のキャラクターぐらいは扱いを良くしてやってほしいところだが、それもイマイチ。
一応、冒頭で新キャラクターのアーシーたちが紹介されるが、「それで仕事は終わり」という感じになっている。それ以降は見せ場も 与えられず、その他大勢として処理される。
クライマックスの戦闘シーンでは大勢のロボットが入り乱れるのだが、どっちが味方でどっちが敵なのか分かりにくい。
たぶん「色が付いている方は味方」という判別方法で合っているとは思うんだけど。

登場するトランスフォーマーは基本的に車両から変身し、他には家電から変身する物もいる。
そこまではOKなのだが、人間に擬態するアリスというキャラも登場する。
いやいや、それは違うだろ。もう完全に別物でしょ。
実際、「プリテンダー」という別物なんだよな。
別の種類を登場させちゃイカンよ。
あと、ジャガー型ロボットやハエ型ロボットも出て来るが、それってゾイドじゃん。
「トランスフォーマーは普段は人間の日常生活に紛れている」というのが暗黙のルールだと思っていたのに、ジャガー型やハエ型ロボット が登場するってことは、そうじゃないのね。オートボットじゃなくてディセプティコンだから、もしくはゾイドだから、そのルールは別に 守らなくてもいいってことなのか。
っていうか、そいつらは変身もしないんだよな。
まるでタイトルに合わないじゃん。それだと「トランスフォーマー」じゃないでしょ。

オートボットやディセプティコンがトランスフォームするシーンへの不満点は、もちろん前作から改善されていない。
それでいいと思って作っているんだから、そりゃ仕方が無いわな。
相変わらずガチャガチャしていて目に悪いし、原形が良く分からない変身をするので「車じゃなくていいんじゃないか」と思ってしまう。
あと、VFXを見せたい意識が強いのか、無駄に変身を繰り返したがるのも、前作から変わっていない。

オプティマス・プライムはサムに「力を貸してほしい。政府は我々が敵の襲来を招いたと思っている。人間である君から説得してほしい」 と頼んでいるけど、そりゃ難しいと思うぞ。
ギャロウェイは陸軍少佐であるレノックスたちがオートボットとの信頼関係を語っても聞く耳を貸さなかったわけで、ただの民間人、 それも大学生であるサムの言うことなんて聞かないと思うぞ。
そもそも、会ってくれるかどうかも怪しい。
オプティマス・プライムって、人間のことに関しては、あまり良く分かっていないみたいね。

ディセプティコンは軍事衛星までハッキングするほどの能力を持っているのに、たかがサム一人を見つけ出すことが出来ない。 で、彼を見つけ出すために、ジュディーに電話を掛けて「息子はどこだ?」と訊いたりする。
ジュディーに相手にされずに電話を切られると、今度はテレビをジャックして世界中の人々に「サムを差し出せ」と要求する。
なんか、やり口がチンケでマヌケに見えるなあ。
あと、ザ・フォールンは「我々は人間に紛れて隠れて来た」と言ってるけど、ジャガー型のラヴィッジとかハエ型のインセクティコンは 紛れるのが無理だと思うぞ。
だって、乗り物とか電化製品に変身するわけじゃないんだから。

オプティマス・プライムの復活劇も、ジェットファイアと合体して強くなるという展開も、もっと高揚感があっていいはずなのに、今一つ 盛り上がらない。
そこに向けての、ドラマの持って行き方が上手くないからだ。
速い展開が、テンポの良さじゃなくて、慌ただしさになっているし。
あと、クライマックス・バトルの舞台が砂漠ってのも、イマイチだなあ。
やっぱり市街戦の方がいい。

(観賞日:2011年8月8日)


第30回ゴールデン・ラズベリー賞

受賞:最低作品賞
受賞:最低監督賞[マイケル・ベイ]
受賞:最低脚本賞

ノミネート:最低主演女優賞[ミーガン・フォックス]
<*『ジェニファーズ・ボディ』『トランスフォーマー/リベンジ』の2作でのノミネート>
ノミネート:最低助演女優賞[ジュリー・ホワイト(ママ役)]
ノミネート:最低スクリーンカップル賞[シャイア・ラブーフ&ミーガン・フォックスか任意のトランスフォーマー]
ノミネート:最低リメイク・盗作・続編賞

 

*ポンコツ映画愛護協会