『フリントストーン/モダン石器時代』:1994、アメリカ
モダン石器時代の街ベッドロックシティ。フレッド・フリントストーンと親友のバーニー・ラブルは採石会社スレート社で働いている。フレッドの妻ウィルマやバーニーの妻ベティも含め、家族ぐるみの付き合いだ。たまにウィルマの母パールに小言を言われるが、フレッドは毎日楽しく暮らしている。
バーニーとベティは赤ん坊を養子にしたがっていたが財産が足りない。そこでフレッドは自分のお金をバーニーに渡す。そのおかげでバムバムという子供を養子にすることができたフレッドは、いつか恩返しをしようと心に決める。
ある日、スレート社では試験が行われることになった。副社長クリフ・ヴァンダーケイブは成績トップの者を新重役にすると宣言。いいところを見せようと頑張るフレッド。だが彼の答案を見たバーニーは散々な出来だと知り、恩返しをするために自分の答案とすり替える。
さて、最高得点で重役になったのはフレッド。一方のバーニーは0点でクビに。大金を使って優雅な暮らしを始め、得意満面のフレッドだったが、彼はクリフと秘書ミス・ストーンによる悪巧みにまんまと利用されていたのだった…。監督はブライアン・レヴァント、脚本はトム・S・パーカー&ジム・ジェニウェイン&スティーヴン・E・デ・スーザ、製作はブルース・コーエン、撮影はディーン・カンディー、プロダクション・デザインはウィリアム・サンデル、衣装はロザンナ・ノートン、特殊効果はマイケル・ランティエリ、視覚効果はILM、音楽はデヴィッド・ニューマン。
主演はジョン・グッドマン、共演はリック・モラニス、エリザベス・パーキンス、ロージー・オドネル、カイル・マクラクラン、ハル・べリー、エリザベス・テイラー、ダン・フロレック、リチャード・モール他。
スティーブン・スピルパーグが自ら設立したアンブリン・エンターテインメントの10周年を記念して作ったのがこの作品。ウィリアム・ハンナとジョセフ・バーベラによるハンナ=バーベラ・プロダクションのアニメ『原始家族フリントストーン』を実写化した。
こういうナンセンスな作品は結構好きなのだが、この映画はまさに「センスが無い」のがつらい。コメディなのに、笑うポイントが無い。現代生活を石器時代に置き換えただけで、それ以上に何も無い。
時代の置き換えだけで笑えと言われても、そこまで貧困じゃありません。古い時代のコメディにあった笑いをそのまま持ってきた感じ。何にも考えなくていいから肩は凝らないけど、笑いたいなら他の作品にした方がいい。コメディとしては失格だから。
この映画は、「脳ミソ要らずの軽いファンタジー」映画ですな。結局、現代の道具や建物なんかを、どのように石器時代の物品で代用してるかってのがポイントで、それ以外に面白い部分は無い。総勢35名が脚本に携わっているのだが、大勢が脚本に絡んだ作品ってロクなモノが無いんだよな。
とにかく、『ロボコップ』や『トータル・リコール』も担当したウィリアム・サンデルの美術を見ましょう。あとはマイケル・ランティエリとジム・ヘンソン・グループ・クリーチャー・ショップが作った奇妙な生き物達の造型ね。それだけが救いだから。
第15回ゴールデン・ラズベリー賞
受賞:最低脚本賞[トム・S・パーカー&ジム・ジェニウェイン、スティーブン・E・デ・スーザ、ローウェル・ガンツ&ババルー・マンデル、ミッチ・マーコウィッツ、デイヴァ・セイヴェル、ブライアン・レヴァント、マイケル・ウィルソン、アル・エイデックマン、シンディ・ベゲル、ロイド・ガーヴァー、デヴィッド・シルヴァーマン、スティーヴン・サスターシック、ナンシー・スティーン、ニール・トンプソン、ダニエル&ジョシュア・ゴールディン、ピーター・マーティン・ウォートマン、ロバート・コンテ、ジェフリー・リノ、ロン・オズボーン、ブルース・コーエン、ジェイソン・ホフス、ケイト・バーカー、ゲイリー・ロス、ロブ・デイムス、レニー・リップス、フレッド・フォックスJr.、ルー・ダイヤモンド、デヴィッド・リチャードソン、ロイ・テイチャー、リチャード・ガーマン、マイケル・J・ディゲイターノ&ルース・ベネット、総勢35名!による脚本]
ノミネート:最低リメイク・続編賞
ノミネート:最低助演女優賞[エリザベス・テイラー]
ノミネート:最低助演女優賞[ロージー・オドネル]
<*『パトカー54 応答せよ!』『EXIT TO EDEN』『フリントストーン』の3作でのノミネート>
第17回スティンカーズ最悪映画賞
ノミネート:【最悪の女優】部門[ロージー・オドネル]
<*『パトカー54 応答せよ!』『Exit to Eden』『フリントストーン』の3作でのノミネート>
ノミネート:【最悪の女優】部門[エリザベス・テイラー]
ノミネート:【最悪なTV番組の映画化】部門