『ダブルチーム』:1997、アメリカ

ジャック・クインは以前CIAの対テロリスト秘密工作員だったが、今は引退して妻キャサリンと暮らし、彼女のお腹にいる子供が産まれるのを楽しみにしていた。だが彼の宿敵だったテロリストのスタブロスが再び活動を始め、ジャックはCIAへの復帰を要請される。
今回限りということで仕事を引き受けたジャックは武器商人のヤズから武器を調達し、部下を引き連れて遊園地でスタブロスを待ち受ける。しかしスタブロスが幼い息子と共にいるのを見たジャックが攻撃をためらったため、作戦は失敗し、スタブロスは逃亡する。部下の多くが死に、戦闘に巻き込まれたスタブロスの息子も死んだ。
ジャックは孤島の基地に収容される。そこは仕事に失敗した工作員が隔離され、情報分析の仕事をする場所だった。脱出不可能とされるこの孤島からジャックは脱出。ヤズの協力を得て、キャサリンを人質に取ったスタブロスに立ち向かう…。

監督はツイ・ハーク、原案はドン・ジャコビー、脚本はドン・ジャコビー&ポール・モーンズ、製作はモシュ・ディアマント、共同製作はリック・ネイサンソン&ナンサン・シー、製作総指揮はドン・ジャコビー&デヴィッド・ロジャース、撮影はピーター・パウ、編集はビル・パンコウ、美術はマレク・ドブロウォルスキー、衣装はマガリ・グイダスキ、アクション・コレオグラファーはション・シンシン、音楽はゲイリー・チャン、音楽監修はシャロン・ボイル&ジョン・ホーリハン。
出演はジャン=クロード・バン・ダム、デニス・ロッドマン、ミッキー・ローク、ポール・フリーマン、ナターシャ・リンディンガー、ヴァレイラ・キャヴァリ、ジェイ・ベネディクト、ジョエル・デヴォー=ヴリオン、ブルーノ・ビロッタ、マリオ・オピナート、グラント・ラッセル、ウィリアム・ダン、アッシャー・ツァルファティー、ロブ・ディーム、ケン・サミュエルズ、サンディ・ウェルチ他。


ヴァン・ダムとNBAのロッドマンが組んで“ダブルチーム”ということなのだろうが、ロッドマンの出番はそれほど多くない。ついでに言えば、彼が演じるヤズの存在理由ってあんまり無いし、ヤズがジャックに協力する理由も希薄。

映画自体はというと、ガンアクションに近未来SFを混ぜたら濁ってしまったという感じ。無駄な説明を省くのはいいが、必要な説明もカットしてしまっては、何がなんだか分からない。スタブロスがどういう悪人なのか、どうして遊園地で息子と会う必要があるのか、秘密基地って必要なのか、そういう重要な部分は全く説明してくれない。

それでもツイ・ハークだからアクションは大丈夫だろうと思ったが、これがイマイチ。無駄にアップが多くて逆に引きのシーンが少ないなど、カメラワークの悪さが大きな原因だろうか。ワイヤーアクションも申し訳程度にしか使われず、そこだけ妙に浮いている。

クライマックスはコロッセオでヴァン・ダムとロークの対決。と、その前になぜかヴァン・ダムと虎の追いかけっこ。なぜいきなり虎?
そんでロークとの格闘シーンだが、ロークがメチャクチャ弱い。ボコボコに殴られた上、自分で仕掛けた地雷を踏んでドカン。大バカじゃん。
ある意味ではすごい映画。ポンコツ映画の魂を見たね。


第18回ゴールデン・ラズベリー賞

受賞:最低助演男優賞[デニス・ロッドマン]
受賞:最低スクリーンカップル賞[デニス・ロッドマン&ジャン=クロード・ヴァン・ダム]


第20回スティンカーズ最悪映画賞

受賞:【最悪のカップル】部門[ジャン=クロード・ヴァン・ダム&デニス・ロッドマン]

 

*ポンコツ映画愛護協会