『ベイウォッチ』:2017、アメリカ&イギリス&中国

フロリダのマイアミビーチでは、ベイウォッチと呼ばれるライフガードのCJやステファニーが活動している。副隊長のミッチは多くの人命を救助し、マイアミビーチの住人から敬愛されている。彼は暇さえあればジョギングに励み、その最中も監視活動は怠らない。少年のビリーが波打ち際でドラッグの小袋を拾ったのを目撃し、すぐにミッチは回収した。その年のベイウォッチのトライアウトが実施されるため、多くの若者たちがマイアミビーチに集まった。CJに片想いしている小太りオタク青年のロニーは、今回で3度目の挑戦だ。ミッチやステファニーと旧知のサマー・クインも、受験会場を訪れた。
マット・ブロディーはミッチに「もう加入してる」と言い、紹介状を渡した。しかしミッチは「フリーパスは無い」と告げ、書面を破り捨てた。マットは水泳のオリンピック金メダリストだと自己紹介するが、ミッチは「全く興味が無い。役に立たないから」と軽く告げた。トライアウトで実力を示すよう言われたマットは、「俺はクソほど速い。だからお偉いさんは俺を置こうと思ってる。アンタたちが実力を知る前に、ビーチに立ってる」と生意気な態度で告げた。
ミッチはソープ隊長の元へ行き、マットが加入すれば良い宣伝になると聞かされる。ミッチは抗議するが、「政治的な駆け引きもある。また市議会が予算をカットしてきた」と言われる。ミッチはまたドラッグの小袋をビーチで見つけたことを知らせ、売人がいると告げる。彼はマットを加入させる条件として、予選通過をソープに承諾させた。一方、ハントリー・クラブの新しいオーナーであるヴィクトリア・リーズはロドリゲス議員と会い、「ほとんどの議員が貴方の条件を飲んでいます」と告げられる。ヴィクトリアが高級時計を賄賂として贈ると、ロドリゲスは「全員が賛成するよ」と告げた。
トライアウトがスタートするが、マットは競技に参加しようとしない。ミッチが参加するよう要求しても、彼は生意気な態度で拒否した。挑発されたマットは別の障害物コースに挑み、余裕でゴールした。するとミッチは自分との対決を要求し、彼を負かして得意げな態度を示す。その直後、子供2人が海に転落し、母親が助けようと飛び込む。それを見たミッチたちが救助に赴くが、それより先にマットが駆け付けた。しかし救助経験の無い彼は何も出来ず、すぐにミッチたちが来て3人を助けた。
トライアウト合格者の3名には、サマー、ロニー、マットが選ばれた。そこへヴィクトリアが来たので、ミッチは仲間たちに紹介する。ヴィクトリアはミッチたちに、「オープン・ハウスをやるから招待に来たの。いつ来てもらってもいいわ」と告げた。マットに住まいが無いと知ったCJは、「チームでしょ。一緒に来て」と誘う。マットは彼女と同居させてもらえると思い込むが、案内された先はミッチの家だった。ずっと無線が付けっ放しなので、マットはなかなか眠れなかった。
次の日、ミッチはマットにベイウォッチとしての注意事項を説き、ロニーは人工呼吸の練習を始めようとするとCJが手伝いにやって来た。ロドリゲスはヴィクトリアと会って、「時間が欲しい。貴方の申し出を許可できる議員は確保したが、まだ土地の所有者を説得できていない」と頼む。ヴィクトリアは「時間切れね。約束を破るとどうなるか教え上げて」と言い、側近のレオンに彼を始末させようとする。ロドリゲスは「ドラッグでベイの土地価格を暴落させるつもりだろ。私に何かしたら全てバラすぞ」と言うが、ヴィクトリアは「私が黒幕だと?貴方は政治家なんだから、トップになるには手を汚さざるを得ない」と冷徹に告げ、レオンに始末を命じて立ち去った。
ベイウォッチの元に、ボートが漂流して周囲が火の海だという救援要請が届いた。現場へ急行したミッチはマットに水上バイクの操縦を任せ、海へ飛び込む。ボートに上がった彼は女性3人を発見し、仲間に合図を送る。しかしマットは全く意味が分からず、勝手に海へ飛び込んだ。ミッチは女性を次々に海へ投げ込み、CJやステファニーたちが救助する。マットは何も出来ず、サマーに引き上げられた。ミッチはロドリゲスを抱え、ボートから脱出する。女性3人は無事だったが、ロドリゲスは死亡していた。
ビーチに戻ったミッチは女性たちに尋問し、「パーティーをやっていて、上に行ったら火事になっていた」という証言を得た。ミッチは彼女たちを見て、ドラッグの小袋が水着に引っ掛けてあるのに気付く。そこにエラービー巡査部長が現れ、ベイウォッチは管轄外だと言う。ミッチが「あのボートが浮かんでいた場所は沿岸警備隊の管轄だ。到着を待っていたら全員が死んでた」と言うと、彼は「ここに遺体がある限り、必要なのは警察バッジだ」と告げる。ミッチはエラービーに後を任せるが、捜査情報を流すよう要求した。
マットはミッチから「今日の出来事は不幸だった。我々の仕事はリスクも高いが、ベイウォッチは人生そのものだ」と言われ、「不幸が続いても俺たちとは関係ない仕事だ。警察の管轄だ」と告げた。するとCJやステファニーたちは、様々な事件を解決して来たことを説明する。マットは警察に任せるべきだと言うが、ミッチは「通報しても何にもならない。だが俺たちなら解決できる」と話す。彼はビーチでドラッグを発見したこと、ロドリゲスの事件も関係あると確信していることを、仲間たちに話す。
ミッチはヴィクトリアのオープン・ハウスでドラッグが売買されると睨み、全員で捜査に赴いた。ヴィクトリアは技術者のデイヴを雇い、土地所有者であるチェンの弱みを見つけるよう指示していた。パーティー会場に到着したマットは、ミッチから見張りを指示されて不満を漏らした。ヴィクトリアはパーティーにチェンを招待しており、土地を売却させようと機嫌を取る。しかしチェンは相手にせず、「不動産の件なら売る気は無い」と突き放した。
ヴィクトリアは手下の2人が来ると、「人前でロドリゲスを殺すなんて何を考えてるの」と叱責した。「女たちはドラッグで飛んでたんで何も見てません」とフランキーが釈明すると、彼女は「デイヴが色々と知ってるわ。もう失敗は出来ないわよ」と告げた。彼女はバーで飲んでいるマットに声を掛け、楽しむよう言って去る。その様子を見ていたサマーはマットがヴィクトリアから情報を得たと感じるが、酒のボトルを貰っただけだと知る。
ミッチは潜入チャンスを掴んだため、ステファニーと共にクラブの奥へ侵入しようとする。しかしマットがいないので、ステファニーは「見張り役が必要よ」と懸念を示す。そこでミッチはロニーをおだてて持ち上げ、ヴィクトリアの気を引くよう指示した。ロニーはマイクを握ってヴィクトリアを呼び止め、ダンスを披露して注意を逸らした。その間にミッチとステファニーはクラブを調べて魚を卸している水産会社の樽を見つけるが、警備員に見つかったので早々に戻った。ミッチは酔っ払っているマットを見つけると、「今夜は期待していたが、台無しだ」と告げる。マットは反省する態度を見せず、「アンタは警官じゃなくてライフガードだ」と批判した。
次の朝、フランキーとレオンはデイヴを始末し、船から海に捨てた。マットはミッチに謝罪し、「俺はヘマをした」と認める。ミッチが「お前は家族になろうとしなかった。お前が気にしているのは自分とメダルだけだ」と言うと、彼は持っていた金メダルを海に投げ捨てた。マットが「二度とガッカリさせないと約束する。手伝わせてくれ」と頼むと、ミッチは「チャンスをやろう」と告げた。ミッチ、マット、サマーは変装して病院の遺体安置室へ潜入し、ロドリゲスの遺体を調べる。遺体の状態を見たミッチは、船が火事になる前にロドリゲスが死んでいたことを確信する。
フランキーとレオンが遺体安置室へ来たため、ミッチたちは慌てて姿を隠した。するとフランキーとレオンは、ロドリゲスのカルテを差し替えた。ホルムアルデヒドを顔に浴びたマットは我慢できず、フランキーたちの前に飛び出してしまう。フランキーたちはCJが撮影していた携帯を奪い、病院から逃亡する。ミッチは後を追って2人を捕まえ、警察に突き出した。しかしエラービーはミッチたちに「お前らのやったことは全て違法だ。お前らのやったことは、男2人を追っただけだ」と言い、フランキーたちは証拠不充分で釈放される。
ミッチはソープから「ライフガードの仕事に戻れ」と通告されるが、ヴィクトリアの調査を続行する。ミッチは水産会社の樽が怪しいと睨み、マットと共に変装してクラブへ潜入した。樽にドラッグが隠されているのを見つけたミッチはエラービーに電話を掛け、すぐに来るよう告げる。しかしエラービーはデイヴの死体が発見された現場へ来ており、まるで相手にしなかった。ライフガードのタワー1に誰もいなかったことで、責任を問われたミッチはソープから解雇を通告される…。

監督はセス・ゴードン、原作はマイケル・バーク&ダグラス・シュワルツ&グレゴリー・J・ボナン、原案はジェイ・シェリック&デヴィッド・ロン&トーマス・レノン&ロバート・ベン・ガラント、脚本はダミアン・シャノン&マーク・スウィフト、製作はマイケル・バーク&ダグラス・シュワルツ&グレゴリー・J・ボナン&ボー・フリン&アイヴァン・ライトマン、製作総指揮はミシェル・バーク&メアリー・ローリック&ルイーズ・ロズナー=マイヤー&トム・ポロック&アリ・ベル&ドウェイン・ジョンソン&ダニー・ガルシア&デヴィッド・エリソン&デイナ・ゴールドバーグ&ドン・グレンジャー、共同製作はハイラム・ガルシア&イーライ・ロス、製作協力はスコット・シェルドン、撮影はエリック・スティールバーグ、美術はシェパード・フランケル、編集はピーター・S・エリオット、衣装はデイナ・ピンク、音楽はクリストファー・レナーツ、音楽監修はデイナ・サノ。
出演はドウェイン・ジョンソン、ザック・エフロン、プリヤンカー・チョープラ、アレクサンドラ・ダダリオ、ジョン・バス、ハンニバル・バレス、デヴィッド・ハッセルホフ、パメラ・アンダーソン、ケリー・ロールバッハ、イルフェネシュ・ハデラ、ヤーヤ・アブドゥル=マティーン二世、オスカー・ヌニェス、ロブ・ヒューベル、アミン・ジョセフ、ジャック・ケシー、クレム・チャン、ベリンダ、シャーロット・マッキニー、イザベル・グラール、エイリアン・フォスター、ヴァーノン・デイヴィス、エロス・エグザーホー、マキシー・G・ロザレス、カリン・シルヴェストリ=コイエ、ヴィンチェンツォ・ヒンクリー他。


1989年から2001年までアメリカで放送されていた人気TVドラマを基にした作品。
監督は『モンスター上司』『泥棒は幸せのはじまり』のセス・ゴードン。
脚本は『フレディVSジェイソン』やリメイク版『13日の金曜日』のダミアン・シャノン&マーク・スウィフト。
ミッチをドウェイン・ジョンソン、マットをザック・エフロン、ヴィクトリアをプリヤンカー・チョープラ、サマーをアレクサンドラ・ダダリオ、ロニーをジョン・バス、デイヴをハンニバル・バレスが演じている。
TVシリーズでミッチを演じていたデヴィッド・ハッセルホフがミッチの師匠役、同じくTVシリーズでCJを演じていたパメラ・アンダーソンが新しい隊長のケイシー役で出演している。元NFL選手のエイリアン・フォスターとNFL選手のヴァーノン・デイヴィスが、本人役で出演している。

一言で表現するなら、「イケてる男たちのムキムキな筋肉と、綺麗なお姉ちゃんたちのグラマーなボディーを堪能するための映画」ってことになるだろう。オツムを働かせる必要など、全く無い。
ボーッとしながら見ていても、相関関係が分からなくなるとか、途中で物語に付いて行けなくなるとか、そんな心配は全く無い。
超が付くほど単純で、どんな年齢層でも簡単に理解できる内容になっている。小難しい要素など、1ミリたりとも持ち込んでいない。
万人に優しい、親切設計のパッパラパーな映画である。

冒頭、カイト・サーファーが転落事故を起こし、ミッチが海へ飛び込む。
カットが切り替わると、サーファーを抱いたミッチが海からガバッと出現する姿をアップで捉える。その後ろに、映画タイトルが海の中から浮上する。
このタイトル表示からして、脳味噌まで筋肉の映画という雰囲気がプンプンと漂っている。
っていうか、もっと悪い言い方をすると、「陳腐でバカバカしい映画」「安っぽい映画」という匂いが漂って来る。

ロニーとデイヴが登場するシーンでは、向こうから走って来るCJをスローモーションで写し出す。やたらとハイレグで、パイオツも強調される水着を彼女は着用している。
次に登場するのも、ロニーと絡む時だ。CJを見たロニーが慌てて喉を詰まらせ、デイヴに呼ばれて駆け付ける。
CJはロニーを背後から抱え込んで吐き出させようとするのだが、上下するハイレグの尻をスローで写し出す。
オッパイが背中に当たったロニーは勃起してしまい、それを隠そうと慌ててベンチにダイブし、チンポが挟まってしまう。

CJに関しては、ほぼお色気ネタのための存在になっている。
「なぜ彼女が登場する時は、いつもスローモーションになるの」とサマーが口にする楽屋オチもある。
CJだけでなく、サマーも下ネタに参加する。ミッチの視線に気付いた彼女は「オッパイ見てるでしょ」と指摘し、「つい目が行って」という弁明に対して「今も見てる」と言う。
「ああ、見てた」とミッチが認めると、オッパイを揺らして「テストよ。あら不合格」と笑う。

この映画に登場する下ネタは、全体を通してヌルい。なので、そこを映画のセールスポイントに出来るほどのパワーは無い。過激さが無いだけでなく、『ポーキーズ』なんかを連想させるような、古いセンスの下ネタである。
ただし、それは下ネタに限ったことではない。全体を通して古めかしいノリが満ち溢れている。
TVシリーズが1989年のスタートなので、そういうのを意識しているんだろうか。
それを今の感覚で面白く感じられるかどうかは、なかなか難しいモノがある。

ベイウォッチのトライアウトは、ビーチに設置された障害物コースを走破するだけで合格者を決定するというテキトーさ。
泳ぐ距離は短く、コースの大半は陸上だ。筆記テストも無いし、他のテストが用意されているわけでもない。
ミッチはマットの加入に関して「予選通過が条件」と言っていたが、それが予選で決勝があるわけではないのだ。
そんな障害物レースだけで、ライフガードとしての能力が判断できるとは、到底思えないぞ。

しかもトライアウトの合格者がマットとサマーとロニーって、どういう基準だよ。
サマーはともかく、ロニーは「諦めずに頑張ったから」という理由だ。気持ちがあっても、運動能力が伴っていなかったら人命救助は出来ないだろ。
マットに至っては、トライアウトに参加していないのに合格なんだから、他の受験者は納得できないだろ。彼の加入に反対していたミッチがノリノリで合格させるって、どういうことなんだよ。
マットは母親と子供2人が海へ落ちた時に一番で駆け付けたけど、何も出来ていないんだし。それで合格させるのは甘すぎるぞ。合格の基準がメチャクチャだ。
それに、幾ら運動能力が高くても、こんなに適当でライフガードの仕事を軽く見ているような奴を合格にしちゃダメだろ。人の命を救う仕事なんだからさ。

ミッチはトライアウトに参加しないマットを挑発し、「大人のコースで俺に泡を吹かせてくれよ」と別のコースに挑ませる。
マットが余裕でクリアすると「残念ながらコースが違う。マジなコースで俺と勝負してもらう」と言い、スピードや瞬発力より腕力が必要なコースで圧倒する。そりゃ自分が有利なコースを選ぶんだから勝って当然なのに、得意げな態度を取る。
マットが「ガス欠だった」と告げると、「目立ちたがりだからだ。ライフガードになりたきゃセーブすることを覚えろ」と説教する。
いや偉そうに言ってるけど、テメエの方が遥かに目立ちたがりだろ。

お気楽なノリで軽い出来事だけを重ねていくのかと思いきや、序盤からドラッグが登場している。さらにドラッグ売買だけでなく、殺人まで発生する。
犯人の正体も犯行の動機も早い段階で明らかにされているので、分かりやすさは保たれている。
だが、「そもそも、そんな事件を持ち込む必要性が無いんじゃないのか」と言いたくなる。
もうちょっとシリアスに扱わなきゃいけないような事件でも軽薄なノリを貫くので、「それでいいのか」と感じるし。

根本的な問題として、「それは警察の管轄でしょ」と言いたくなる。エラービーやソープが指摘するように、麻薬売買にしろ殺人事件にしろ、誰がどう考えたって警察に任せるべき仕事だ。
ところがミッチやCJたちは、ベイウォッチが様々な犯罪を解決してきたことを堂々と喋る。
「警察に任せても意味が無い。自分たちなら解決できる」と主張するのは、ミッチだけじゃないのだ。
マットが「これって絶対に警察の仕事だと思ってるのは俺だけ?」と言うと、全員が「そうだ」と答える。

実際に劇中で警察の無能ぶりがアピールされていれば、ベイウォッチが管轄外の仕事に乗り出すってのも分からなくはない。
しかし劇中に登場する警察関係者は、巡査部長のエラービーだけ。しかもミッチだけが前のめりで周囲が消極的ならともかく全員がノリノリで、マットも早々に迎合してしまう。
そうなると、「もはやベイウォッチである意味が無いぞ」と言いたくなる。
私設警察としての行動に入ると水着じゃなくなるので、見た目からしてライフガードらしさがゼロになるし。

ヴィクトリアはロドリゲスを利用して目的を実現しようとしているのに、ちょっと時間の猶予を求められただけで殺してしまう。
相手が要求を受け入れず、時間稼ぎをしているだけなら冷徹に処分するのも分かる。だけどロドリゲスはヴィクトリアから賄賂を受け取って協力しており、既に議員の方は数を確保しているのだ。
それで「土地所有者の説得に時間をくれ」と頼んでいるだけなのに、そいつを簡単に始末するんだから、ヴィクトリアの行動はボンクラ極まりない。
そのせいで、協力してくれる他の人材を用意しなきゃいけなくなるわけで。しかも手下の死体処理がボンクラなせいで、疑われる羽目になるわけで。
手下のボンクラっぷりも、やってることは残忍なのに、どこか滑稽さが滲み出ており、どっち付かずになっていると感じる。喜劇で済むような程度の事件にしておけばいいのに。

ロニーが踊りで注意を引き付けようとした時、ヴィクトリアは「気付いているわよ」と告げて立ち去る。それなのにロニーは全く気にせず、CJを見つけるとノリノリで踊る。
「そんなことより、一刻も早くミッチに知らせるべきだろ」と言いたくなるが、そもそも通信機器を持っていないのよね。
パーティー会場に入る時に、携帯電話を没収されたりするのか。だとしても、何か別の通信機器を隠し持っておくべきだろ。何も連絡を取る方法が無いまま別行動を取るって、準備が杜撰すぎるだろ。
まあミッチはパーティー会場へ戻っているので、連絡する必要も無いんだけどさ。
っていうか、すぐ戻って来るなら、その手順そのものが無意味だわ。一応は「樽を見た」という行動があるけど、その時点では何の意味があるのか全く分からないし。

マットは見張り役の任務を無視して酔っ払い、ミッチに説教される。
もちろん、指示された任務を放棄して酒を飲んだマットに落ち度はある。ただし、マットの「アンタは警官じゃなくてライフガードだ」という主張は、充分に理解できる。
前述したように、「どうして警察に任せようとしないのか」という疑問が、ずっと付きまとうのだ。それを納得させるための作業を放棄しているので、「ベイウォッチの連中が調子に乗って業務外の活動をやっているだけ」にしか見えないのだ。
しばらく私設警察の活動が続いた後になって、「警察が全く当てにならない」ってことを示すシーンが出て来るけど、それじゃ遅いのよ。

マットはミッチを非難して「警察に任せるべきだ」と批判した翌朝のシーンで謝罪し、あっさりと自分の非を認めてしまう。
それどころか、「俺もリースを疑ってる」と言い、ベイウォッチを隠れ蓑にした私設警察の活動に対して積極的になってしまう。
もちろん、マットをベイウォッチの一員として動かさないと話が前に進まないってのは分かるのよ。
だけど、こっちとしては「そんなことより、ベイウォッチとして仕事しろよ」と言いたくなる。言い含めたくなる。言いくるめたくなる。

ミッチはソープから、解雇を通告される。これは本来ならば、「大きな事件が起きているのに、何も分からずミッチをクビにするソープが間違っている」と観客に感じさせるシーンじゃなきゃダメなはずだ。
しかし実際には、「ソープは憎まれ役だけど言ってることは正しい」という印象になる。なぜなら、彼がミッチを解雇する時に「タワー1に誰もいなかった」と言っているからだ。
つまりミッチはシフトがあるのに、それを放棄し、誰かに代わりを任せることもないままハントリー・クラブに潜入していたのだ。
そりゃクビにされても当然だろ。ライフガードにとって何よりも大切な仕事はビーチにいる人々の安全を守ることなのに、それを放棄しているんだからさ。

ソープはミッチをクビにして、後任にマットを指名する。マットは「俺なんか無理ですよ」と断るが、ソープは「君ならできる」と言う。ミッチは後任にステファニーを推薦するが、ソープは「君の意見には興味が無い」と一蹴する。
そういう経緯があるのに、他の面々は後任になったマットに冷たい態度を取る。ステファニーは「引き受けるしか無かった。君ならどうする?」と問われると、「私なら頼まれても引き受けない」と突き放す。
そこで反目が生じるのは、話の作り方として無理があるだろ。まあ本作品で無理の無いトコを見つける方が難しいけどさ。
どうやらドウェイン・ジョンソンはシリーズ化も目論んでいたようだが、これが大コケしたので無理だろう。

(観賞日:2018年8月2日)


第38回ゴールデン・ラズベリー賞(2017年)

受賞:ロッテントマト賞(酷すぎて大好きな作品賞)

ノミネート:最低作品賞
ノミネート:最低主演男優賞[ザック・エフロン]
ノミネート:最低脚本賞
ノミネート:最低序章&リメイク&盗作&続編賞

 

*ポンコツ映画愛護協会