『俺のムスコ』:2012、アメリカ

1984年、マサチューセッツ。中学生のドニー・バーガーはヴァン・ヘイレンのライブのチケットを手に入れ、友人2人に自慢する。友人たちは同級生の女子を誘うよう勧めるが、ドニーは数学教師のメアリー・マクギャリクルに声を掛ける。彼が生意気な態度でライブに誘うと、メアリーは「私は教師よ、彼女じゃない」と告げる。ドニーが「彼女になってくれとは言ってませんよ。夏限定で楽しむだけ。手でサービスしてくれたら嬉しい」と笑いながら告げると、メアリーは1ヶ月の居残り授業を命じた。
教室で居残り授業を始めると、すぐにメアリーはドニーを誘惑する。以前から性的な興味を持っていたことを明かした彼女は、ドニーをオフィスを連れ込んでセックスした。その後もドニーとメアリーの関係は続き、生徒会長選が行われている講堂でも2人は隠れてセックスしていた。声が漏れたせいで教師や生徒たちにバレるが、喝采が起きたのでドニーは両手を挙げて得意げな表情を浮かべた。妊娠したメアリーは裁判に掛けられるが反省の色が無く、懲役30年間の刑を宣告される。さらに判事は、産まれてくる子供の親権をドニーの父親に委ねること、本人が18歳になった時点で親権を移すことを説明した。
ドニーは全国的な有名人となり、多くの雑誌の表紙を飾ったり自分をモデルにしたテレビ映画が作られたりして大金を儲けた。しかし現在、すっかり貧乏になったドニーは、彼は弁護士のジムに「1994年から税金を滞納しているので懲役3年の刑罰になる」と告げられる。週末で4万3000ドルを支払えば回避できるが、手元にあるのは28ドルだけだ。するとジムはドニーに、「大穴の情報だ。タビーという太った男がマラソンに出場するので優勝に賭けろ。オッズは8000倍だ、見た目に反して素早い。優勝間違いなしだ」と教えた。
ドニーは20ドルを賭けることにするが、「それだけじゃ不安だ」と漏らす。「息子に頼んでみろ」とジムが言うと、ドニーは「18歳で家を出てから顔も見てない」と告げ、息子にハン・ソロと名付けたことを話す。ハン・ソロはトッド・ピーターソンと名前を変え、恋人であるジェイミーとの結婚を控えていた。トッドとジェイミーの結婚は、タブロイド紙の一面で取り上げられた。トッドは大手金融会社で最年少のヘッジファンドマネージャーを務めるほど出世していたが、安定剤を常用する生活を送っていた。
馴染みのストリップバーを訪れたドニーはタブロイド紙を見て、すぐに息子だと気付いた。トッドは両親に関して、9歳の時に爆発事故で死亡したと嘘をついていた。ストリッパーのシャンペールから金持ちの息子に頼めばどうかと促されたドニーは、「出してくれるかね。名前も捨てたぐらいだ、口も利いてくれないだろう」と否定的な見解を示した。トッドはジェイミーと両親であるジェラルドとヘレンを車に乗せ、上司のスティーヴ・スピロウが夏の間だけ過ごす別荘へ連れて行く。スティーヴは3度の離婚歴があり、「元女房は金目当てのクソ女ばかりだったが、ジェイミーは違う」と言う。彼はドニーたちに、週末は別荘を我が家だと思って使うよう告げた。
スティーヴの母のドロレスは、自分がモデルとして活動していたことを自慢した。ジェイミーの弟で軍人のチャドが別荘に来ると、ドニーを敵視して威嚇する態度を見せた。ドニーは以前に仕事をしたテレビ司会者のランドール・モーガンの事務所を訪ね、呼び出してもらおうとする。受付嬢は疎ましそうに「モーガンさんは休暇中です」と言うが、ヴァニラ・アイスが来ると「モーガンさんはメイク中です。控室へどうぞ」と態度を豹変させた。
かつてドニーはヴァニラと親友だったが、知らずに彼の母親と関係を持ったせいで憎まれるようになった。ドニーは金を貸してほしいと頼むが、ヴァニラは「今の俺はスケートリンクで働いてチキンナゲットを揚げてる」と告げる。ランドールはドニーに、「あの人は今」特集を組んで出演させてやろうと告げる。しかしギャラが400ドルだと聞いたドニーは、4万3000ドルが必要なのだと告げる。彼はメアリーとの愛の復活劇を提案し、女子刑務所から中継してはどうかと告げる。するとランドールは興味を示し、息子と刑務所へ行ってメアリーと面会できれば5万ドルを支払うと約束した。
ドニーはスティーヴの別荘へ行き、勝手に上がり込む。トッドは激しく動揺し、ドニーは古い友達だと嘘をついた。ドニーは友人」という部分の話は合わせるが、「こいつの命を救った」と勝手な話を始めてトッドを困らせた。トッドは早く追い払おうとするが、ドロレスたちが「良かったら泊まって」と勧めるとドニーは遠慮しなかった。2人きりになると、トッドは「用件は何だ。金をせびりに来たのか」と苛立った。
「金は要求しない」とドニーは言うが、トッドは嫌悪感剥き出しで「アンタと縁を切りたくて、人生を嘘で固めた」と告げる。ドニーは「母さんが病気で長くない。お前が会いに行くと説明した」と嘘をつき、見舞いに行ってほしいと持ち掛けた。結婚式前日の土曜が面会日だと彼が言うと、「誰が行くか」とトッドは拒絶した。「なぜ俺を毛嫌いする?立派に育てただろう」とドニーが言うと、トッドは「その結果がこれだ」と糖尿病を患ってインスリン注射に頼っていることを話す。トッドは毎朝の食事がケーキやキャンディーばかりだったためにブクブクと太って糖尿病になり、必死の思いで痩せたのだった。
ドニーはパーティーでネクタイを締めるよう要求されて拒否するが、トッドが「100ドルやる」と告げるとOKした。しかしドニーは上下スーツではなく、ジャケットと短パンのラフな格好で会場に現れた。ドニーはCMの真似でスティーヴたちの心を掴み、パーティー客の女性たちを話術で魅了した。トッドの同僚のフィルはドニーが中学生で教師とセックスした男だと気付いた。「子供はどうした?」と質問されたドニーは、「探偵になった」と告げた。
ドニーはフィルから花婿の付き添い役を代わりに引き受けてほしいと頼まれ、即座に快諾した。彼はスティーヴが息子のために野球場を作ったと知り、パーティー客に「一緒にやろう」と告げる。スポーツが苦手なトッドは憂鬱な気持ちで参加し、強烈なライナーをキャッチできずに顔面を痛打した。夜、トッドはジェイミーから、ドニーが自伝を配っていたことを聞かされる。トッドは不快感を示すが、自伝の冒頭に「ハン・ソロ。会いたい。電話をくれ」というメッセージが書かれているのを見ると泣きたい気分になった。一方、性欲旺盛なドニーは、ドロレスの若い頃の写真を見ながら何度もオナニーした。
翌朝、ドニーは目覚めた直後から缶ビールを飲み、トッドやジェイミーたちと共に行われる教会へ赴いた。マクナリー神父がリハーサルを始めようとすると、ジェイミーが「トッドのお父様は亡くなったんです」と告げる。トッドが「死んで当然の父親でした。いい父親ではなかった」と口にすると、マクナリーは「私は毎日、父親から殴られた。だが、ワガママな女の子のように不満を漏らしたことは無い」と注意した。トッドが反抗的な態度を見せると、マクナリーは彼を外へ連れ出して殴り付けた。
マクナリーはリングで対戦相手を殺したこともある元ボクサーだが、トッドは逃げずに挑もうとする。ドニーはトッドが勝てないと確信し、ビール瓶で頭を殴り付けて失神させた。トッドは教会を叩き出され、ジェイミーと彼女の家族から非難された。ドニーはトッドを擁護し、彼が過去に教会で嫌な思いをしたのだと作り話を語った。さらに彼は、海辺の素敵な式場をジェイミーたちに紹介した。フィルが手配したバチェラー・パーティーがあると知り、ドニーは嬉々として付いて行く。しかしフィルが用意したのはレイヴンズデイル夫人が経営する健全なスパで、性的なサービスは何も無かった。
不満たらたらのドニーは、トッドたちをシャンペールのいるストリップバーへ連れて行く。店員のブリーはドニーからトッドとの関係を聞かされていたが、誰にも言わなかった。酒を飲んでストリップを楽しんだ後、ドニーはトッド以外の面々を帰らせた。ドニーはメアリーから貰ったピアスをトッドにプレゼントし、強引に耳たぶの穴をあけた。血だらけになったトッドだが、ドニーは「全く血は出ていない」と嘘をついた。
思い出話になったので、ドニーは「つるんでた仲間に会わせてやる」とトッドに言う。彼がヴァニラの元へ連れて行くと、トッドは自分が遊んでもらった相手が誰なのか初めて知った。ドニーが「お前の母親と寝て悪かった。もう二度としない」と謝ると、ヴァニラは彼を許す。ヴァニラは「一緒に楽しもう」と誘われると快諾し、仕事を放り出した。スケート場やボーリング場でルールを無視して遊びまくり、ダイナーの壁に立ち小便した。トッドはドニーの指導で自転車に乗れるようになるが、夫婦がセックスしている車に激突した。
別荘に戻ったドニーは、トッドに「お前は大事な息子だ。本当だ。いつだって愛して来た」と告げる。トッドは「分かってるよ」と受け入れ、ドニーは抱き合う。「許してくれ、ダメな親父でゴメンな」とドニーが言うと、トッドは「チャンスがあれば僕の先生として」と微笑した。「それでも明日は何時に刑務所に行けばいいの?」とトッドが訊くと、ドニーは動揺しながら「いや、面会の予定は無くなった。所長さんに聞いたら、母さんの病気は嘘だった」と告げた…。

監督はショーン・アンダース、脚本はデヴィッド・キャスプ、製作はアダム・サンドラー&ジャック・ジャラプト&ヘザー・パリー&アレン・コヴァート、製作総指揮はバリー・ベルナルディー&ジョン・モリス&デニス・デューガン&ティム・ハーリヒー、共同製作はケヴィン・グレイディー、製作協力はダリル・キャス、撮影はブランドン・トゥロスト、美術はアーロン・オズボーン、編集はトム・コステイン、衣装はエレン・ラッター、音楽はルパート・グレグソン=ウィリアムズ、音楽監修はマイケル・ディルベック&ブルックス・アーサー&ケヴィン・グレイディー。
出演はアダム・サンドラー、アンディー・サムバーグ、レイトン・ミースター、ジェームズ・カーン、スーザン・サランドン、ヴァニラ・アイス、トニー・オーランド、ウィル・フォーテ、マイロ・ヴィンティミリア、ブレイク・クラーク、ニック・スウォードソン、エヴァ・アムリ・マルティーノ、ミーガン・フェイ、アナ・ガステヤー、レイチェル・ドラッチ、ペギー・スチュワート、ルネル、シアラ、ジャスティン・ウィーヴァー、トッド・ブリッジス、ダン・パトリック、レックス・ライアン、ダナ・ミン・グッドマン、ジュリア・リー・ウォロフ、レベッカ・マーシャル、アビゲイル・クレイン、キャリー・ウィータ、ジャッキー・サンドラー他。


『ある日モテ期がやってきた』『空飛ぶペンギン』の脚本家であるショーン・アンダースが監督を務めた3本目の映画。
脚本のデヴィッド・キャスプは、これが映画デビュー。
ドニーをアダム・サンドラー、トッドをアンディー・サムバーグ、ジェイミーをレイトン・ミースター、マクナリーをジェームズ・カーン、現在のメアリーをスーザン・サランドン、スティーヴをトニー・オーランド、フィルをウィル・フォーテ、チャドをマイロ・ヴィンティミリア、ジェラルドをブレイク・クラーク、ケニーをニック・スウォードソン、若き日のメアリーをエヴァ・アムリ・マルティーノ、ヘレンをミーガン・フェイ、レイヴンズデイルをアナ・ガステヤーが演じている。
ラッパーのヴァニラ・アイスと、『アーノルド坊やは人気者』のウィリス役だったトッド・ブリッジスが本人役で出演している。TV映画でドニーの父親役を担当しているのは、『愉快なシーバー家』のジェイソン役だったアラン・シック。同じくTV映画でドニーを担当しているのは、『ビバリーヒルズ青春白書』のスティーヴ役だったアイアン・ジーリングだ。

冒頭、ドニーとメアリーは体育館で生徒会長選挙が行われている最中に、壇上に隠れてセックスしている。
「どう考えてもバレるリスクが高いのにアホすぎるだろ」とは思うが、何しろコメディーだし、そういうアホさ加減は別にいいとしよう。
セクシー教師とのセックスがバレたドニーに対して教師や生徒たちが拍手を送るのも、法廷で「男の夢を叶えた」ってことで男性陣が「これは犯罪なんかじゃない」と考えているのも、別に構わない。ドニーが有名人になって大金を稼ぎ、得意げになるのも別に構わない。
ただし、それは「メアリーが妊娠しなかった場合に限る」という条件付きだ。

ドニーにトッド(ハン・ソロ)という息子が誕生した時点で、「中学生で調子に乗って女性教師とセックスした浮かれポンチ」というだけでは済まなくなる。息子に対する父親としての責任が生じるからだ。
そしてドニーは、その責任を全く果たしていない。
そもそも息子にハン・ソロと名付ける時点でヤバい匂いは漂っているが、それ以外の部分で立派に父親の責任を果たしていれば何の問題も無い。
しかし、ドニーはトッドが言うように、ただのクソなのである。

ドニーはジムと会うシーンで、「ハン・ソロは宝物だ。世界中のどんな物より愛してた」と言う。
さらに、ジムが捜すよう促すと「向こうも捜されたら困るだろう。特に俺にはさ」と口にしており、申し訳ない気持ちがあるように感じさせる。
シャンペールと話すシーンでは、トッドに金の無心をすることには消極的な態度を示している。
ランドールから息子を面会に連れて行くよう要求された時も、最初は「人前に出るのも苦手な奴だ」と難色を示している。
後者2つに関しては「息子への気遣いや罪悪感」からの拒否反応ではないが、少なくとも「金の問題に息子は巻き込めない」という意識はあるように思える。

ところがランドールが5万ドルの支払いを約束すると、ドニーは即座にOKしている。
とは言え、その段階では、まだ「どうしても金が必要なので、仕方なくトッドに協力してもらおうとする」という形でしかない。なので、その態度によっては、クソ野郎になることを回避できる可能性が充分にある。
しかし彼はグラサンで缶ビールを飲みながら別荘に現れ、ジェイミーに軽薄な態度を示す。慌ててトッドが誤魔化した時も、さらに彼を困らせるような言動を見せる。
この時点で、クソ野郎であることが確定する。

ドニーは「1セントもせびるつもりはない」と言うが、「こういう事情があるので協力してくれ」と素直に説明して頼むわけではない。
嘘をついて、トッドを騙そうと目論むのだ。
「正直に話しても協力してくれないだろう」と思ったのかもしれないが、どういう事情であれ息子を騙そうとしていることは事実だ。
ジムの前で「ハン・ソロは宝物だ。世界中のどんな物より愛してた」と口にしていたが、その言葉も嘘っぱちにしか思えなくなる。

その後もドニーは、トッドを困らせる言動ばかりを取り続ける。
パーティー客の前では、トッドを貶めるような作り話をする。
フィルが「ウチの妻が」とサインを欲しがっていることを話そうとすると、「俺とセックスしたがってるって?チンチクリンな所が最高だ」と言う。
自分が教えていないんだからトッドが野球なんて出来ないことは分かり切っているはずなのに、野球に誘って恥をかかせる。
ドニーのやっていることは、息子への嫌がらせでしかない。どこにも愛など無いのである。

ただ、「だってドニーはサイテー野郎だからね」ってのはひとまず置いておくとして、そこでのドニーの言動には疑問が浮かぶ。
彼が別荘へ来たのは、「トッドを騙し、刑務所へのメアリーとの面会に連れ出す」という目的を果たすためだったはずだ。そのためには、トッドに嫌われたら元も子も無いはずで。
それなのに彼は、むしろトッドから嫌われることが目的なのかと思うような言動ばかりを繰り返すのだ。
そこに何の意味があるのか、サッパリ分からない。
あえて答えを探すとすれば、「何も考えていない」ってことぐらいしか思い浮かばない(ドニーが何も考えていないっていうか、製作サイドが何も考えていないってことね)。

ドニーは若くして父親になったので、「まだ未熟だから父親として上手く接することが出来なかった」ということなら、同情の余地はある。
しかしドニーがトッドから「サイテー野郎」と罵られるような父親だったのは、決して「若かった」というのが原因ではないのだ。彼は単純に、人間としてクズだったのだ。
ドニーはトッドに、泳ぎや自転車の乗り方を教えることも無かった。海辺で酔っ払い、まだ8歳のトッドに車の運転を任せた。甘い物ばかり食べさせたせいで、トッドは糖尿病になった。
ドニーは若い頃から、酒やマリファナに溺れて遊び呆けていたわけで、「若いから云々」なんてのが何の言い訳にもならないサイテー野郎なのだ。

しかもドニーは、そういった過去の振る舞いを反省する意識など全く無い。
それどころか、成長したトッドを馬鹿にする始末だ。
例えば彼は小学3年生の息子の背中にニューキッズ・オン・ザ・ブロックの刺青を彫り、そのせいでトッドは人前で裸になれなくなっている。
だが、その刺青を見てもドニーは自分が掘ったことを覚えていないし、「こういうことがあった」とトッドに言われても謝罪するどころかバカにして笑うのだ。

過去だけでなく現在になっても反省の色など無く相変わらずのクソ野郎なのだから、そりゃあトッドが嫌悪し、遠ざけようとするのは当然だろう。
だから普通に考えれば、トッドが心を入れ替えて言動を改めなければ、この親子関係が修復されることなど絶対に無いはずなのだ。
ところが困ったことに、ドニーが何も改心しない内から、トッドの気持ちに変化が生じる。彼はドニーの自伝のメッセージを読んだだけで、泣きたい気持ちになるのだ。
いやいや、どんだけ簡単な男なんだよ。
そんでバチェラー・パーティーの夜になると、トッドはすっかり心を許してドニーと一緒に楽しく遊ぶし。

さらに厄介なのは、他の人間を利用することで、「ドニーはいい父親」という醜い印象操作を企てていることだ。
そのために使われるのが、ジェイミーと彼女の家族だ。
ジェイミーたちは、トッドのマクナリーに対する言動を非難する。そこでドニーがトッドを擁護することで、ジェイミーの家族との比較によって、彼の好感度を上げようとしているのだ。
だけど、ドニーが過去の息子に対する対応を反省して謝罪したわけではないし、態度は相変わらずのクソっぷりなので、こいつの好感度は全く上がらない。

その後、ドニーはトッドにランドールとの約束を知られて「約束はしたが、金を貰うつもりは無い」と釈明する。
設定としては、「息子と過ごす内に、騙すつもりは無くなった」ということなのだ。
実際、ドニーはトッドに謝罪しているし、「刑務所の面会は無くなった」と口にしている。
ただ、そういう設定に、描写が全く追い付いていないのだ。いつの間にドニーがトッドを騙す気が無くなったのか、どの辺りから気持ちが変化したのか、それが全く分からないのだ。

もちろん最終的には、ドニーとトッドが和解してハッピーエンドになる。
ただ、それは「ジェイミーの浮気をドニーが知り、トッドが結婚を取り止める」というトコからの流れなのだ。
つまり、ドニーが過去の贖罪を果たしたわけではなく、あくまでも「ジェイミーの裏切りを知ったトッドが彼女と別れた」というだけなのだ。
そこにドニーとの和解を附随させているのだが、彼は「トッドは息子だ」と叫んだだけ。それでトッドも全てを告白して彼と和解するんだから、ホントに簡単な男だよ。

(観賞日:2018年10月15日)


第33回ゴールデン・ラズベリー賞(2012年)

受賞:最低主演男優賞[アダム・サンドラー]
受賞:最低脚本賞

ノミネート:最低作品賞
ノミネート:最低助演男優賞[ニック・スウォードソン]
ノミネート:最低助演男優賞[ヴァニラ・アイス(本人役)]
ノミネート:最低スクリーン・アンサンブル賞[全キャスト]
ノミネート:最低監督賞[ショーン・アンダース]
ノミネート:最低スクリーン・カップル賞[アダム・サンドラー&レイトン・ミースターorアンディー・サムバーグorスーザン・サランドンの誰か]

 

*ポンコツ映画愛護協会