『スピード2』:1997、アメリカ
アニーはジャックと別れ、SWAT隊員アレックスと付き合い始めていた。2人は1週間のカリブ・クルージングの旅に出ることに。乗り込んだ豪華客船シーボーン・レジェンド号ではジュエリー・コンベンションの予定があり、全米の宝石商が3億ドルを超えるダイヤを持ち込んでいる。
航海初日の夜、ガイガーという男が船の自動操縦プログラムを自分のコンピュータに移し、船をハイジャックする。彼はこの船のプログラムの設計者だったが、健康を害してクビになり、ずっと恨みを持ち続けていたのだ。
船長を殺したガイガーは船内で時限爆弾を使って爆発を起こし、金庫室の宝石を奪う。さらに重油タンカーと衝突させようと船の進路を変える。衝突を防ごうと奮闘するアレックス。だがガイガーがアニーを人質にして逃亡してしまう…。監督&製作はヤン・デ・ボン、キャラクター創作はグレアム・ヨスト、原案はヤン・デ・ボン&ランダル ・マコーミック、脚本はランダル・マコーミック&ジェフ・ネイサンソン、製作はスティーブ・ペリー&マイケル・ペイサー、製作総指揮 はマーク・ゴードン、撮影はジャック・N・グリーン、編集はアラン・コーディー、美術はジョセフ・ネメク三世&ビル・ケニー、衣装は ルイーズ・フロッグリー、音楽はマーク・マンシーナ。
出演はサンドラ・ブロック、ジェイソン・パトリック、ウィレム・デフォー、テムエラ・モリソン、ブライアン・マッカーディー、 グレン・プラマー、コリーン・キャンプ、ロイス・チャイルズ、マイケル・G・ハガーティー、ボー・スヴェンソン、フランシス・ギナン 、ジェレミー・ホッツ、ロイアル・ワトキンス、クリスティン・ファーキンス、タミア、キミー・ロバートソン、パトリカ・ダーボ、 コニー・レイ、スーザン・バーンズ、チャールズ・パークス、他。
タイトルが『スピード2』なのに、全くスピード感が無いというのは厳しい。
そもそも、キアヌ・リーブスが降板した時点で、この映画はタイトルを変更すべきだったのではないだろうか。アクションというより、海洋パニック映画に近い。人命救助&船体操作&犯人逮捕と、欲張ってみたのはいいものの、まとまりの無い作品になってしまった。
ガイガーも思ったほど悪党としての活躍を見せない。そもそも彼の犯罪に至る理由が薄すぎる。「クビにしやがって畜生」が理由ではねえ。せめて夜の内に映画を終わらせた方が良かったかな。
朝が来たところで、妙な開放感が生まれてしまう。
そこで緊張感も消えてしまう。アレックスはどうも個性に欠けるなあ。頑張っているとは思うが。主役としてはちょっと物足りない。キャラクター設定が浅いのか、ジェイソン・パトリックに主役を張る器が無いのか、どちらかは分からないけど(たぶん両方だろう。)
でも、アニーはもっと酷い。だってギャアギャア騒いでいる割りに、ほとんど何もしてないんだよね。それで主役ってのは違うだろ。それにしても、この作品でかなり重要な部分であろう「船のコントロール」には見事に失敗してないかい?確かにタンカーとの衝突は回避したけど、思いっきり港町に衝突してるじゃん。
あれはいいのか?成功なのか?この映画と同じく、失敗に思えるんだけど。
第18回ゴールデン・ラズベリー賞
受賞:最低リメイク・続編賞
ノミネート:最低作品賞
ノミネート:最低監督賞[ヤン・デ・ボン]
ノミネート:最低脚本賞
ノミネート:最低主演女優賞[サンドラ・ブロック]
ノミネート:最低助演男優賞[ウィレム・デフォー]
ノミネート:最低スクリーンカップル賞[サンドラ・ブロック&ジェイソン・パトリック]
ノミネート:最低オリジナル歌曲賞「My Dream」
第20回スティンカーズ最悪映画賞
受賞:【最悪の続編】部門
ノミネート:【最悪の演出センス】部門[ヤン・デ・ボン]
ノミネート:【最悪な総収益1億ドル以上の作品の脚本】部門