『スペシャリスト』:1994、アメリカ

1984年、CIAの爆破工作員レイ・クィックは上官ネッド・トレントと共にコロンビアの麻薬王暗殺作戦を遂行しようとしていた。だが幼い少女も一緒に爆殺するという、あまりに残酷なネッドの手口に怒りを覚え、レイは彼を告発してCIAを辞めた。
それから10年後、レイはフリーの爆破作業請負人となっていた。彼はメイ・マンローという女性から、復讐のために3人の男を殺してほしいという仕事の依頼を受ける。その男達とは、犯罪組織レオン・ファミリーの長男トマスと2人の部下。
レイは爆弾を使ってトマスの部下達を始末する。ファミリーのドン、ジョー・レオンは相談役兼警護担当のネッドに調査させる。彼はレイの告発でCIAをクビになっていた。ネッドはマイアミの警察に手を回して捜査の指揮権を手に入れ、署員を使って大々的な捜査と完璧な準備を開始した。
レイは厳重な警戒など関係無いかのように、鮮やかにトマスを爆殺。しかし実はネッドは一連の事件がレイの仕業だと気付いていた。彼はメイを利用して、自分を告発したレイへの復讐を果たそうと考えていたのだ。一方、レイも捜査陣にネッドが加わっていることに気付いており…。

監督はルイス・ロッサ、脚本はアレクサンドラ・セロス、製作はジェリー・ワイントロープ&R・J・ルイス、製作総指揮はスティーブン・バーロン&ジェフ・モスト&チャック・バインダー、美術はウォルター・マーティシアス、撮影はジェフリー・L・キンポール、編集はジャック・ホフストラ、音楽はジョン・バリー、音楽監修はエミリオ・エステファンJr.。
主演はシルヴェスター・スタローン、共演はシャロン・ストーン、ジェームズ・ウッズ、ロッド・スタイガー、エリック・ロバーツ他。


シルヴェスター・スタローンとシャロン・ストーンの組み合わせと聞いただけで悪い予感はあったが、予想以上に酷かった。
まず主役のレイが酷い。殺しはやらないと一度は断りながら、メイの魅力に負けて引き受ける。おいおい、単なるベースケ(オヤジ用語、もしくは死語)じゃねーか。

出てくる奴らの行動がみんなデタラメ。
メイはリスクを負ってレオン・ファミリーに近付くが、そんな必要は無いだろ。ネッドは警察を協力させるために爆弾を作って脅す。そんなことしたら余計に不審に思われるっつーの。
バカばっかり。

大体、爆破のスペシャリストに殺しを依頼した時点で違うだろ。狙撃のプロとか暗殺のプロに頼めって。主役が爆破専門なものだから、格闘アクションやガンアクションが全く無い。爆破だけで迫力を出そうとしているが、見事に失敗している。

では官能的なシーンがあるのかと思ったら、それも無い。一応、スタとストーンの絡みはあるが、ほんの触り程度。脇役はなかなか豪華なんだけど、それだけでは映画は面白くならないしなあ。ルイス・ロッサ監督は『山猫は眠らない』というスタイリッシュな作品も撮ってるんだけどなあ。


第15回ゴールデン・ラズベリー賞

受賞:最低主演女優賞[シャロン・ストーン]
<*『わかれ路』『スペシャリスト』の2作での受賞>
受賞:最低スクリーン・カップル賞[シルヴェスター・スタローン&シャロン・ストーン]

ノミネート:最低作品賞
ノミネート:最低主演男優賞[シルヴェスター・スタローン]
ノミネート:最低助演男優賞[ロッド・スタイガー]


第17回スティンカーズ最悪映画賞

受賞:【最悪の女優】部門[シャロン・ストーン]
<*『わかれ路』『スペシャリスト』の2作での受賞>

ノミネート:【最悪の作品】部門
ノミネート:【最悪の男優】部門[シルヴェスター・スタローン]
ノミネート:【最悪の男優】部門[ロッド・スタイガー]

 

*ポンコツ映画愛護協会