『ジャックとジル』:2011、アメリカ

広告代理店を経営するジャックがCM撮影現場で仕事をしていると、共同経営者のサニーがやって来た。彼は最大のクライアントである ダンキンドーナツの仕事について、想定外のことを告げる。ダンキンドーナツはダンカチーノというコーヒーの新商品で、アル・パチーノ をCMに起用するよう要求してきたというのだ。1ヶ月以内にOKを取り付けないと契約を打ち切ると言っているらしい。
ジャックは部下のトッドに、ブロンクスに住む双子の妹ジルが明日の何時に来るか言って来たかを確認する。正午の便の予定だったが、 時差ボケが気になるという理由で朝4時の到着に変更したと聞かされ、ジャックは呆れる。翌朝の3時半に起床した彼は、妻のエリンから 「ジルと喧嘩しないように褒める場所を見つけて」と忠告された。ジャックが空港へ行くと、ジルは大量の荷物に加えてペットのオウム まで連れて来ていた。ジャックは「家が手狭になるから」とホテルへの宿泊を勧めるが、「ゲイリーやソフィアと遊びたいわ」と拒む。 ゲイリーはジャックの養子で、ソフィアは娘だ。
感謝祭の日、ジャックの家にはエリンの母ビッツィーと父カーターがやって来た。ビッツィーは保護施設で紹介されたホームレスの オットーを招いた。家族が会食する中、ジャックはエリンに言われて寝ているジルを起こしに行く。食卓に現れたジルは何の遠慮もなく、 思ったことを口にする。オットーを見た彼女はエリンに「ホームレスよね。小奇麗だけど、念のために椅子が汚れないよう、シートを 敷いた方がいいんじゃない?」と告げる。聞こえないように言っているつもりだが、声が大きいので丸聞こえだ。
ジルの傍若無人な言動のせいで、すっかり場の雰囲気が悪くなってしまった。ジャックは苛立ちを覚え、彼女を激しく罵った。ジルが ヒステリックになって庭へ飛び出したので、エリンが追い掛けてなだめた。翌朝、ジャックはサニーから、レイカーズの試合にパチーノが 来ることを電話で知らされる。庭師のフェリペがジャックたちの前に現れてジョークを飛ばし、ジルと子供たちを笑わせた。ジャックは ジルから、帰るまでにやりたいことのリストを見せられる。「日曜日に帰るのに多すぎるだろ」とジャックが告げると、彼女は「来たから には楽しく過ごしたいし、ハヌカまでいようかなって」と言う。ジャックは驚くが、妻と子供たちは歓迎した。
ジルは乗馬を体験するが、馬は彼女の体重を支え切れずにへたり込んだ。彼女はゲーム番組に出演するが、抽選マシーンに頭をぶつけて 失神する。彼女が家のプールにジェットスキーを持ち込んで暴れるのを見て、ジャックは頭を抱えた。ハヌカ最後の夜、一家は映画鑑賞に 出掛けた。ジャックがジルと同じタイミングで同じ仕草を取るので、ゲイリーはに「パパってジルおばさんそっくりだね」と告げた。まだ 映画の最中なのに、ジルは平気で携帯を取って大声で会話を始めた。
翌朝、ジャックはジルが庭で芝刈り機を勝手に操縦しているのを目にした。彼はエリンに「あいつ、帰る気が無いぞ。郵便物もこっちへ 転送してる」と喚く。エリンは「少しは考えてあげて。年末に一人は寂しいから、誰かと一緒にいたいんじゃない」と諭すが、ジャックは 「男がいればいい。新年までに見つけないとクルーズ旅行にも付いて来るぞ。船で7日間も一緒なんて死んだ方がマシだ」と言う。
ジルはエリンや子供たちと会話を交わし、恋人の話題になった。ソフィアが「友達のママはコピュータであった人とデートしてる」と口に すると、ジルは「それ、悪くないわね。でも使い方が分からなくて」と言う。それを耳にしたジャックは「教えてやるよ」と声を掛けた。 ジルも乗り気になり、デートサイトに登録した。その夜、ジャックが仕事から戻るとジルはベッドで眠っていたが、泣いた形跡があった。 子供たちに尋ねると、デートサイトの返事が来ていなかったのでショックだったらしい。
ジャックはパソコンを開き、すぐにヤレる女を探している男の集まるサイトにジルの名前で登録する。すると翌朝、100人を超える返事が 届いた。ジルは「一人に返事を出して今夜出掛けるの」と大喜びし、ファンバケットという登録名の男が迎えに来ることになった。やって 来たのは落ち着いた感じの中年男だった。派手なドレスで現れたジルを見て、ファンバケットは困惑するが、仕方なくデートに出掛ける。 しかし彼はレストランで「トイレへ行く」と言って席を立ち、そのまま戻らなかった。
家に戻ったジルは、ジャックたちから「どうだった」と訊かれて「やめてよ、ただのデートじゃない」とヒステリックに喚く。ジャックは 反省し、レイカーズの試合観戦にジルを誘う。試合会場には、アル・パチーノも変装して現れた。しかし隣に座っているジョニー・デップ が全く変装していなかったため、すぐにバレた。ジャックはパチーノの元へ行き、声を掛けた。付いて来たジルがブロンクス出身と聞いた パチーノは、一目で好意を抱いた。しかしジルはアルを知らず、まるで興味を示さない。
アルはホットドッグにケチャップとマスタードで電話番号を書き、ジルに届けさせた。ジャックはジルに、「アル・パチーノに電話して くれ」と頼む。ジルが「年明けにでも話さない?」と言ったので、ジャックは彼女が年明けまで居座るつもりだと知る。「お前がいるのは 誕生日までだぞ」と彼は釘を刺した。誕生日祝いに、ジャックは家族とジルを連れてステーキハウスへ赴いた。すると広告代理店の面々が 、サプライズパーティーを用意していた。何も知らなかったジャックは、「最悪の夜だ」と漏らした。
会社の面々は大きなケースを運んできたが、ジルはジャックと1つずつ用意されていなかったので文句を言う。別の部屋で待ち受けていた パチーノは、ジルを店から連れ出した。彼はジルを車に乗せると、自宅へ向かった。幾つもの誕生日ケーキが用意されていたので、ジルは 喜んだ。しかしパチーノから「ついに理想の女性を見つけた」と熱烈にアプローチされ、ジルは困惑して早々に立ち去った。
翌朝、フェリペは庭で寝ているジルを見つける。ジルは彼に「あの家に戻りたくなかったから、ここで寝たのよ。パチーノをフッたら、 ジャックが怒ったの」と不機嫌そうに言う。フェリペは「これから親戚中でピクニックへ行くので、一緒に来ないか」と誘った。ジルは フェリペから親戚を紹介され、彼の妻が4年前に亡くなったことを知った。ジルはメキシコ料理を初めて食べ、みんなとサッカーに興じて 大いに盛り上がった。
パチーノはジャックの家に現れた。ジャックが「ジルは出掛けています」と言っても、彼は信じずに彼女を捜し始める。寝室に入った彼は 、ジルの寝汗の跡を見て「美しい」と呟き、頬をシーツに当てた。ジャックが「すぐに彼女は帰宅します。今夜8時の飛行機でブロンクス へ戻りますから」と言うと、パチーノは「私をCMに起用したいのか。だったらジルが欲しい。チャンスが欲しい」と告げ。パチーノは ジャックに、ジルをブロンクスへ帰らせず、もう少し留まらせるよう要求して去った。
ジルはフェリペの車で帰宅し、強烈な便意を催してトイレに駆け込んだ。ジャックは本当の目的を隠し、ジルに「年明けまで、こっちに いないか。クルーズ旅行へ一緒に来てほしいんだ」と誘った。ジャックは家族を連れてスペインへのクルーズ旅行に出掛け、パチーノに 電話を掛ける。「首尾はどうだ」と訊かれ、「前進していますけど、もう少し時間が必要です」と答える。「彼女を落とせなかったら、 CMは無しだぞ。彼女を電話に出せ」と脅されたジャックは、声色を変えてジルに成り済ました。
パチーノは相手がジルだと信じたまま電話を話し、「スペインに到着したら会ってくれないか」と持ち掛ける。彼は一方的にジルが承知 したと思い込み、ジャックに「明日、迎えに行く」と告げる。ジャックはジルの説得に失敗し、喧嘩になった。そこで彼は女装してジルに 成り済まし、ヘリで現れたパチーノと会った。ジャックはディナーを取り、誤魔化すために酒を煽る。そこへジルが電話から電話が入った 。ジャックの声色や喋り方を耳にしたジルは、彼はが自分のフリをしてパチーノと会っていると気付き、ショックを受けた…。

監督はデニス・デューガン、原案はベン・ズーク、脚本はスティーヴ・コーレン&アダム・サンドラー、製作はトッド・ガーナー&アダム ・サンドラー&ジャック・ジャラプト、共同製作はケヴィン・グレイディー、製作協力はダリル・キャス、製作総指揮はバリー・ベルナルディー&ベッティーナ・ ヴィヴィアーノ&アレン・コヴァート&スティーヴ・コーレン&ロバート・スミゲル&ティム・ハーリヒー、撮影はディーン・カンディー 、編集はトム・コステイン、美術はペリー・アンデリン・ブレイク、衣装はエレン・ラッター、音楽はルパート・グレッグソン= ウィリアムズ&ワディー・ワクテル、音楽監修はマイケル・ディルベック&ブルックス・アーサー&ケヴイン・グレイディー。
主演はアダム・サンドラー、共演はアル・パチーノ、ケイティー・ホームズ、アレン・コヴァート、ニック・スウォードソン、エウヘニオ ・デルベス、ヴァレリー・マハフェイ、ジェフ・ピアソン、ローハン・チャンド、エロディー・タン、 デヴィッド・スペード、ティム・メドウス、ノーム・マクドナルド、ゲイリー・ヴァレンタイン、ダナ・カーヴィー、レジス・フィルビン 、ダン・パトリック、シャキール・オニール、ドリュー・キャリー、ジョン・マッケンロー、クリスティー・ブリンクリー、マイケル・ アーヴィン、ビル・ロマノウスキー、ジャレッド・フォーグル、ビリー・ブランクス、ヴィンス・オファー、ブルース・ジェンナー他。


マザーグースに含まれる同名の歌から着想を得た作品。ただし中身は全く関係が無い。
アダム・サンドラー主演、デニス・デューガン監督というコンビは、1996年の『俺は飛ばし屋/プロゴルファー・ギル』から始まって 本作品が7作目となる。
サンドラーはジャックとジルの二役を演じており、アル・パチーノは本人として出演。エリンをケイティー・ホームズ、オットーをアレン ・コヴァート、トッドをニック・スウォードソン、フェリペをエウヘニオ・デルベス、ビッツィーをヴァレリー・マハフェイ、カーターを ジェフ・ピアソン、ゲイリーをローハン・チャンド、ソフィアをエロディー・タンが演じている。
他に、ジルの高校時代の同級生モニカをデヴィッド・スペード、サニーをティム・メドウス、ファンバケットをノーム・マクドナルドが 演じている。

この映画、本人役での出演者が多い。
トークショーの司会者レジス・フィルビン、スポーツキャスターのダン・パトリック、元NBA選手 のシャキール・オニール、司会者でコメディアンのドリュー・キャリー、元プロテニス選手ジョン・マッケンロー、元スーパーモデルの クリスティー・ブリンクリー、元NFLプレーヤーのマイケル・アーヴィンとビル・ロマノウスキー、サブウェイのCM出演者ジャレッド ・フォーグル、ビリー隊長ことビリー・ブランクス、吸水タオルのCM出演者ヴィンス・オファー、十種競技の元世界記録保持者ブルース ・ジェンナーといった面々だ。
アンクレジットだが、ジョニー・デップも本人役で出演している。

オープニングに何組もの双子を登場し、双子について語るというドキュメンタリー部分がある(クロージングでも同様の部分が ある)。
そこでは双子の髪型や服装を同じにして「瓜二つ」ってのを強調しているが(一方で中身は違うというのもコメントでアピール)、登場 するのは全て同性の双子ばかりで、男女のペアはいない。
で、その流れで本編に入ると男女の双子、しかも女装のアダム・サンドラーが登場する。普通に登場しても違和感が強いのに、本物の双子 を何組も登場させていることによって、その違和感が増している。
っていうか、もはやアダム・サンドラーが女装で二役を演じているという時点で、この映画が駄作になることは、ほぼ確定したと言っても 過言ではない。女装の彼が登場した瞬間に、「やっちまったなあ」という感じが100パーセント。特殊メイクで顔をいじっているわけでも なく、声も本人が声色を変えているだけなので、女装したオッサンにしか見えない。
それでも、まだ徹底してクレイジーなドタバタ喜劇として描くなら、どうにか救いの道があったかもしれない。しかし、最終的には ハートウォーミングなところへ着地しようとしているので、救いようがない。

最初からジャックはジルにウンザリしており、泊めることを嫌がっている。その理由が前もって語られることも無い。しかし、ジルは登場 シーンにおいては、それほど不愉快な奴には見えない。アダム・サンドラーのオカマ芝居が少しウザいけど、それはキャラクター造形と しての不愉快さではない。
もっと「ジルが嫌われる理由」が観客に明確に分かるようなアピールがあった方がいいんじゃないか。
会食シーンが訪れると、ジルが疎ましがられる理由が分かる。
確かに、彼女にはイラッとさせられる。
単純に「何でも正直に口にしてしまう」というだけなら、まだ魅力的に思えたかもしれない。しかし、例えば彼女はジェームズ・ スチュアート主演の映画を思い出そうとして「天使と出会ったのに怒ってて」「彼が踊っててプールに落ちて」「最後に人生って 素晴らしいって思うやつよ」などと断片的に思い出し、周囲が『素晴らしき哉、人生!』という正解を出しているのに、「違うわよ」と 全面的に否定する。
そこにイラっとさせられる。

ジルは「嘘の無い振る舞い」が不愉快に見えるのではない。
自分の思い込みで周囲の意見を否定するとか、そういう意固地なトコが不愉快なのだ。
それと、彼女はオットーに対して「ホームレスのフリしてるだけかもよ。アルカイダじゃないの」などど言い放っているけど、それは正直 というより、ただの悪口だ。
あと、映画館で彼女は携帯の電源を切っていないだけでなく、大声で会話を続けているけど、そういうのは単なるマナー違反でしょ。

なぜエリンと子供たちはジルのことが大好きで歓迎するのか、それが良く分からないんだよな。
子供たちはともかく、エリンに関しては、会食の空気が悪くなっていることも理解しているはず。そういうことがあるのに、なぜジルが 大好きなんだろう。
「性格的に問題もあるけど、いいトコも色々とあるでしょ」という感じで優しく接しているんじゃなくて、もう全面的に「心から大好き」 なんだよね。だけど、見ている限り、ジルを好きに思えるような箇所が全く見当たらないのよ。
ジルの行動は明らかに周囲に迷惑を掛けまくっているのに、それをエリンは直すよう促さず、全て許して擁護する。そりゃあ、ジャックも イライラするわな。明らかにジルの方が間違っているのに、なぜか自分が間違っているかのように妻から言われちゃうんだから。

ジルのデート失敗にジャックは責任を感じてレイカーズの試合観戦に誘っているけど、「相手の男がすぐヤレると思って襲って来た」と でもいうのなら反省すべきだろうけど、相手の男はジルを嫌がって逃げちゃったんでしょ。だったら、そんなに責任を感じる必要は無いと 思うんだけど。
その辺りは「ジャックがジルに振り回されたり迷惑を掛けられたりする」という筋から完全に外れているしね。
もちろん、ジルのせいでジャックが迷惑を被る様子は不愉快なんだけど、製作サイドは不愉快だと思って描いていないはずなんだから、 そのラインで徹底しておくべきだったんじゃないの。
そこから外れるのは、構成としてはマズいはずでしょ。

パチーノがジルに惚れて、ジャックが2人をデートさせようとする流れになると、「ジルの傍若無人な振る舞いにジャックが翻弄されたり 苛立ったりする」というネタが全く使われなくなる。
繰り返しになるが、もちろん、それは不愉快だ。
ただ、それが徹底されていないのは、構成としてはダメなんじゃないの。
で、話が進むにつれて、ジルの不愉快さはどんどん減っていくけど、それと同時に、つまらないキャラになっていく。余計に「ただの女装 したオッサン」という部分だけが際立ってしまう。

男を欲しがっているジルが、なぜアル・パチーノはダメなのか良く分からない。ファンバケットは顔だけで選んでいる一方、パチーノは 拒絶するんだけど、なぜだろうと。
例えばファンバケットだけでなく「他にも色々な男に色目を使ったりしているけど、パチーノだけは毛嫌いする」とか、それぐらいやって くれたら、それはそれで有りなんだけど、ジルが好意を抱くのがファンバケットだけなのは半端。フェリペとピクニックへ行って仲良く なるのは、パチーノを袖にした後だし。
それと、「ジルは孤独で男を欲しがっている」という筋があり、「ジャックはパチーノを起用したがっている」という筋があるんだから、 もっとパチーノとジルの関係を充実した描写にすればいいのに。っていうか、すべきなのに。
まずジルとパチーノが出会うまでが無駄に長いし、会った後も、なぜかジルがフェリペの親戚一同とピクニックへ出掛けるシーンで長く 時間を割いたりする。ジルのキャラを単独でアピールしても意味が無いのよ。
出来る限り、ジャックかパチーノ、いずれかと絡む形でジルを描くべき。

一家がクルーズ旅行へ出掛けるというのも、目的からは外れている。
ダブルダッチで双子が拍手喝采を浴びるとか、どうでもいいわ。
ジャックはパチーノとジルをくっ付けたいのであって、クルーズ旅行へ行く必要は無いのよね、ホントは。
電話で声色を変えるという展開も、「そんなことよりジルを電話に出せよ」と言いたくなる。パチーノが自分でジルにアプローチする形に した方がいいでしょ。

もちろんジルはパチーノから誘われて、再び断るかもしれない。
だけど、それでもパチーノは諦めそうにないんだし、とりあえずジャックはジルを電話に出させればいいと思うのよ。
ジルがパチーノをフッたからって、ジャックが「ジルを電話に出したら上手く行かないから喋らせたらダメだ」と決め付けているのは 違和感がある。
大体さ、パチーノの要求が実現しなかったらCM出演は無しになるんだから、遅かれ早かれ会わせないわけにはいかないんだし。

で、そこからは「ジャックがジルに成り済ましてパチーノに会う」という、何となく予想できる展開が待っている。
それは、予想できる展開だけど、期待していたわけではない。むしろゲンナリ度数が高くなる。
そんで最終的に、パチーノを袖にしたジルはフェリペとカップルになるんだけど、流れが弱すぎて唐突だし、そこへ着地するにはフェリペ の出番が少なすぎる。
むしろパチーノとくっ付いてくれた方がスッキリするわ。

最終的にはジャックが「自分は間違っていた、ジルは愛に溢れた素晴らしい妹だから大切にしなきゃ」と反省し、ジルと和解するという 着地をしているのだが、そこに全く賛同できない。
そりゃあ確かに、妹を仕事のために利用しようと目論んだジャックの行動には大いに問題がある。
しかし、「ジルの方はそのままでOK」というのは、納得できない。
ジャックには反省すべき点があるが、それ以上にジルにも反省すべき点があるはずでしょ。そして言動を改めるべきでしょ。
「ありのままに生きるのは素敵なことね」というメッセージがあるのかもしれんが、マナーを守らないとか、悪口を平気で言いまくるとか 、周囲に迷惑を掛けまくるとか、そういうのも含めて「ありのままに生きているから素敵」で済ませちゃダメだろ。

(観賞日:2012年6月23日)


第32回ゴールデン・ラズベリー賞

受賞:最低作品賞
受賞:最低主演男優賞[アダム・サンドラー]
<*『ジャックとジル』『ウソツキは結婚のはじまり』の2作での受賞>
受賞:最低主演女優賞[アダム・サンドラー(ジル役)]
受賞:最低助演男優賞[アル・パチーノ(アル・パチーノ役)]
受賞:最低助演女優賞[デヴィッド・スペード(モニカ役)]
受賞:最低スクリーン・アンサンブル賞[『ジャックとジル』の全キャスト]
受賞:最低監督賞[デニス・デューガン]
<*『ジャックとジル』『ウソツキは結婚のはじまり』の2作での受賞>
受賞:最低序章、リメイク、盗作、続編賞(エド・ウッド監督による女装映画『グレンとグレンダ』のリメイク/盗作)
受賞:最低スクリーン・カップル賞[アダム・サンドラー&ケイティー・ホームズ、アル・パチーノorアダム・サンドラーの誰か]
受賞:最低脚本賞

ノミネート:最低作品賞
ノミネート:最低助演男優賞[ニック・スウォードソン]
<*『ジャックとジル』『ウソツキは結婚のはじまり』の2作でのノミネート>
ノミネート:最低助演女優賞[ケイティー・ホームズ]

 

*ポンコツ映画愛護協会