『青い珊瑚礁』:1980、アメリカ

1931年、サンフランシスコに向かって南太平洋を航行中の船に、貿易商の父と旅行中の7歳の少年リチャードと、5歳の従妹エメラインの姿があった。船で火災が発生しため、リチャードとエメラインはコックのパディ・バトンと共に脱出した。
濃霧のために他のボートとはぐれてしまったリチャード達は、漂流の末に孤島に到着した。バトンはリチャードとエメラインに生活していくための方法を教え、家を建てた。島の反対側に出掛けたバトンは、島の部族が人を殺害する現場を目撃した。
バトンはリチャードとエメラインに、島の反対側には絶対に行かないよう忠告する。その後、彼は酔っ払って溺死してしまった。2人きりになったリチャードとエメラインは成長し、やがて性に目覚める。2人は性交渉を持ち、そして子供が生まれた…。

監督&製作はランダル・クレイザー、原作はヘンリー・ド・ヴィア・スタックプール、脚本はダグラス・デイ・スチュアート、共同製作はリチャード・フランクリン、撮影はネストール・アルメンドロス、編集はロバート・ゴードン、美術はヴィク・ドウディング、衣装はジャン=ピエール・ドルレアク、音楽はベイジル・ポールドゥリス。
出演はブルック・シールズ、クリストファー・アトキンズ、レオ・マッカーン、ウィリアム・ダニエルズ、エルヴァ・ジョセフソン、グレン・コーアン、アラン・ホップグッド、ガス・マーキュリオ、ジェフリー・ミーンズ、ブラッドリー・プライス、チャド・ティマーマン、ガート・ジャコビー、アレックス・ハミルトン、リチャード・エヴァンソン。


ジーン・シモンズとドナルド・ハウストンが出演した、1949年の作品をリメイクした映画。
当初はロリ・ローリンがヒロインのエメライン役をオファーされたらしいが、彼女が断ったために第2候補のブルック・シールズが演じることになったそうだ。

コックが生活方法を教えたり家を作ったりして「無人島でガキ2人だけが生活していける状態」を形成した後、泥酔して溺れ死ぬという都合の良すぎる展開もある。
島に住む部族とは、なぜか全く接触が無いという都合の良すぎる状況もある。
だが、それがどうした。

ストーリー展開は、工夫する気が全く無かったのかと思えるぐらい、恐ろしく平坦だ。
そんな抑揚に乏しい退屈極まりない状況を、ムンムンと漂っているスケベスキーな雰囲気と、自然の美しい風景によって、何とか誤魔化そうと試みている。
割合としては、スケベスキーが8に対して風景が2。
だが、それがどうした。

青い海、青い空、白い雲、輝く太陽、鮮やかな自然、そしてブルック・シールズ。
若さ溢れるブルック・シールズ。
ピチピチしているブルック・シールズ。
男性諸氏の妄想を刺激するブルック・シールズ。
そう、これはブルック・シールズを見るための作品だ。

ブルック・シールズが主演していなければ、この作品の存在価値など皆無と言っても過言ではない。この作品は、ブルック・シールズを観賞するためだけに存在する作品だ。
そこにブルック・シールズがいれば、それだけで構わないのだ。

ヌードはブルック・シールズ自身のモノではなくボディー・ダブルの体だが、それを「ブルッキー自身のヌードだ」と思い込むことで乗り越えるのだ。
ものすごく頑張って妄想すれば、そう思い込むことはきっと可能なはずだ。
そして、そう思い込むことで、この映画を鑑賞する価値も高まるはずだ。
というか、そうとでも思わないと、こんな映画はバカバカしくて見ていられない。


第1回ゴールデン・ラズベリー賞

受賞:最低主演女優賞[ブルック・シールズ]


1980年スティンカーズ最悪映画賞<エクスパンション・プロジェクト後>

受賞:【最悪の主演女優】部門[ブルック・シールズ]
受賞:【最もでしゃばりな音楽】部門

ノミネート:【最悪の主演男優】部門[クリストファー・アトキンズ]
ノミネート:【最悪のカップル】部門[クリストファー・アトキンズ&ブルック・シールズ]

 

*ポンコツ映画愛護協会