『藁の楯』:2013、日本

蜷川知香という7歳の少女が、用水路で死体となって発見された。死因は暴行によるショック死だ。現場に残された証拠品のDNA鑑定の結果、8年前に同様の事件を起こして逮捕され、仮出所したばかりの清丸国秀が容疑者として浮かび上がった。知香の祖父は、経団連会長を務めた経験を持つ財界の大物・蜷川隆興だった。蜷川は全国紙に、「清丸国秀を殺してくれたら謝礼として10億円を支払う」と約束する広告を出した。彼はインターネットにサイトを開設し、殺人を要請した。プロバイダーはコロンビアで、閉鎖できなかった。
蜷川は報酬を支払う条件として、「清丸に対する殺人罪や傷害致死で有罪判決を受けた者」「国家の許可を持って殺害した者」と説明した。清丸は不法入国の中国人を使った犯罪グループを仕切っている男に匿われていたが、殺されそうになったので逃げ出して福岡県警に出頭した。48時間以内に検察へ送致するため、清丸を警視庁に移送する必要があった。異例のことではあるが、清丸にSPを付けることになった。警護課警護第4係の銘苅一基は、係長の大木から清丸を警護する任務を命じられた。
銘苅の他に、警護課の白岩篤子、警視庁捜査一課の奥村武と神箸正樹が清丸の移送に同行することになった。テレビのニュースでは、清丸を襲って出頭した男を蜷川ガバナンスが契約金1億円で採用したという清丸サイトの発表が報じられた。福岡に入った銘苅たちは、清丸が留置係の警察官に襲われて怪我を負ったことを知った。福岡県警に到着した彼らは、移送に同行する捜査一課の関谷賢示と会った。関係者に二度も命を狙われたことで、清丸は激しく荒れていた。銘苅と白岩は看護婦が注射器を使って清丸を殺そうとしていることに気付き、それを阻止した。
当初は飛行機で移送する予定だったが、航空会社の整備士が捕まったことで中止になった。そこで警察は、5台の護送車を用意して大量のパトカーに護衛させ、高速道路を移動するという方法を取った。訓練を受けて武装した警察官が最も恐ろしいと考える銘苅にとって、それは「何も分かっていない」と言わざるを得ない方法だった。ニトログリセリンを積んだトレーラーが突っ込んで来るが、神箸が運転手に向かって発砲した。運転手はトレーラーを爆破させるが、清丸の護送車に影響は及ばなかった。
爆発の影響で移送がストップする中、白岩は「この車両が狙われた気がする」と口にする。大勢の野次馬が集まって来る中、清丸サイトをチェックした白岩は自分たちの車両が特定されていることを知った。警察庁の高峰警視正が情報漏れに関することで現場へ来ることになり、それまで銘苅たちは待機を余儀なくされる。機動隊員2名が高峰からの伝令を装って襲撃を試みるが、銘苅たちに阻止された。清丸の盾になった銘苅は銃弾を浴びるが、防弾チョッキのおかげで無事だった。
護送車に到着した高峰は、「本日の移送を中止する」と告げた。しかし銘苅の提案を受け、護送車の隊列を囮に使って新幹線で移送することになった。銘苅たちは車掌に協力してもらい、電気系統のトラブルと称して他の乗客を後方の車両に移動させた。しかし清丸サイトをチェックした白岩は、新幹線を使っていることも、清丸が7号車に乗っていることも露呈していると知った。白岩は銘苅にそのことを報告し、「この車両にいることまで知っているのは、車掌と私たち5人だけです」と告げた。
神箸は自分と一緒にいた車掌を除くメンバーの中に情報を漏らした人物がいると確信し、携帯を出せと要求した。高圧的な態度に不快感を抱いた白岩は、「貴方が情報を漏らしていない証拠は無い」と反発する。自分たちが疑われる理由など無いと主張する白岩に、奥村は「居場所を教えるだけで蜷川から金を貰えるとしたらどうだ」と告げた。さらに彼は銘苅に関して、「清丸のような男を殺してやりたいという強い動機がある」と言う。8年前、銘苅は妻をトラックにひき殺されていた。運転手には飲酒運転で人をひき殺した前科があった。交通刑務所を出た後、今度は無免許で飲酒運転をした挙句、銘苅の妻をひき殺していたのだ。
銘苅は身体検査をさせるが、怪しい物は出て来なかった。「その運転手を許したのか」と神箸に問われた彼は、「許してはいない。だが、そいつを殺しても死んだ妻は戻って来ない」と告げる。神箸が「どうしてそう割り切れる?俺はな、蜷川知香ちゃんの遺体を見たんだ。ホントに無残な遺体だったよ。あんなの人間に出来ることじゃねえ。俺はあの子の親じゃねえが、清丸を殺してやりたいと思ってる」と言うと、銘苅は「死んだ妻が言った。人を守るのが貴方の仕事だと。妻の言葉だけが、この3年間、俺を支えてる」と述べた。奥村は高峰の後ろに同行していた男が公安の刑事であることを銘苅たちに話し、尾行されていたのではないかと告げる。
夜になり、銃を持った男性3人組が清丸のいる車両に乗り込んできた。銘苅たちが発砲して阻止するが、神箸は撃たれて命を落とした。奥村は銘苅と白岩に、兵庫県警の待機している姫路駅で乗客を乗り換えさせるプランを語る。しかし車掌は「姫路駅で停車するのは無理です」と言い、サイトの影響で姫路駅に大勢の人々が集まっていること、整理に当たっていた駅員が突き落とされたことを話す。さらに彼は、会社の最終判断で銘苅たちに新神戸駅で下車するよう言われたことを告げた。
新神戸駅では機動隊員が乗客をストップさせ、新幹線は無人のホームに停車する。しかし乗客が慌てて列車を降りる中、包丁を持った男が清丸に歩み寄る。銘苅が威嚇発砲すると、男は近くにいた少女を人質に取った。関谷は「俺たちの任務は清丸の移送と警護だ」と制止する銘苅に従わず、少女を助けようとして男に歩み寄る。関谷は包丁を捨てるよう説得するが、男が少女を殺そうとしたので銃殺した。
殺人を犯した関谷が警護チームから離脱した後、銘苅と奥村は車掌を脅して新幹線を東京まで直行させる。しかし何者かが線路に障害物を落下させたため、銘苅たちは新幹線を降りて徒歩で東京を目指す。彼らが山道を歩いていると、一台の車が通り掛かった。銘苅は拳銃を突き付けて運転していた男を脅し、その車を使うことにした。だが、運転手は8年前に清丸が殺害した西野めぐみの父親だった。男は清丸を殺そうとするが、銘苅たちに阻止された。
白岩は奥村が情報を漏らしているのではないかと疑うが、逆に「車の中で携帯いじってたな。誰かにメールしてたのか」と指摘される。銘苅は白岩に携帯電話を見せるよう要求した。彼女は確かにメールを送信していたが、その相手は自分の子供だった。銘苅は奥村がスパイだと確信し、身体検査を行う。奥村は平然とした態度で「何も出てくるわけない」と言うが、銘苅は彼の左手首にマイクロチップが埋め込まれていることに気付いた…。

監督は三池崇史、原作は木内一裕『藁の楯』(講談社文庫刊)、脚本は林民夫、製作指揮は城朋子&ウィリアム・アイアトン、製作は藤本鈴子&久松猛朗&奥野敏聡&入江祥雄&川邊健太郎&遠藤真郷&藤門浩之、エグゼクティブプロデューサーは奥田誠治&小岩井宏悦、プロデューサーは北島直明&坂美佐子&前田茂司、ラインプロデューサーは今井朝幸&善田真也、撮影は北信康、照明は渡部嘉、美術は林田裕至、録音は中村淳、編集は山下健治、スタントコーディネーターは辻井啓伺&出口正義、音楽は遠藤浩二。
主題歌:『NORTH OF EDEN』は氷室京介 作詞:森雪之丞、作曲:氷室京介、編曲:Rob Cavallo&氷室京介。
出演は大沢たかお、松嶋菜々子、山崎努、藤原竜也、岸谷五朗、伊武雅刀、永山絢斗、本田博太郎、余貴美子、高橋和也、伊吹剛、音尾琢真、長江健次、四方堂亘、小沢和義、山口祥行、本宮泰風、蜷川みほ、諏訪太朗、菅原大吉、坂田雅彦、須藤雅宏、橋本一郎、吉沢眞人、新妻聡、中野裕斗、仁科貴、寿大聡、黒石高大、沖原一生、並樹史朗、野口雅弘、勝矢、藤井恒久、菅谷大介、桝太一、佐藤啓、藤井利彦、市野瀬瞳、田所二葉、天野柚希、河原健二、高原知秀、榎木薗郁也、鹿野優志、笠原竜司、小橋正佳、赤谷陸、澤田萌音、未来弥、森久実子、にへいたかひろ、小島一宏ら。


漫画家・きうちかずひろが本名の木内一裕名義で発表した初めての小説『藁の楯』を基にした作品。
監督は『逆転裁判』『愛と誠』の三池崇史、脚本は『ゴールデンスランバー』『うさぎドロップ』の林民夫。
銘苅を大沢たかお、白岩を松嶋菜々子、蜷川を山崎努、清丸を藤原竜也、奥村を岸谷五朗、関谷を伊武雅刀、神箸を永山絢斗、大木を本田博太郎、西野めぐみの父親を高橋和也、高峰を伊吹剛、公安の刑事を音尾琢真が演じている。

原作で清丸の移送に関わるのは男ばかりだが、映画版では白岩が女に変更されている。
「娯楽映画としてはヒロインが欲しい」という、ハリウッドに毒された考えに基づいて女性キャラクターを登場させているんだろうけど、「幼女を強姦している犯人の護衛に女性」という違和感が生じている。
そりゃあ大人の女に興味は無いかもしれんけど、わざわざ女性を使うこたあ無いと思うんだよな。あと、松嶋菜々子が優秀なSPには到底見えないってのも問題だし。
それと、SPが2人しか付かないってのは、「なんで3人じゃないの?普通は3人以上のグループで任務を遂行するもんじゃないのかな」と思ってしまう。

銘苅には「飲酒運転で人を殺した前科を持つ男に飲酒運転で妻を殺されている」という過去があるのだが、それが上手く機能しているとは言い難い。
それか無くても「クズを守ることの意味と、職務の遂行の狭間で葛藤する」という心理ドラマを描くことは出来るし、そこに妻の事件が効果的に作用しているとは感じない。
っていうか、神箸が「あんなクソみたいな奴のために、なんで俺たちが命を懸けなきゃいけないんだ。そんな価値があんのか」と言うが、そこに対して銘苅がマトモに向き合っていない。
終盤になって「5人の中で一番お前を殺したかったのは、この俺だ」と言うのだが、「じゃあ殺さないのは何故?」という答えは教えてくれない。

駅で包丁を持った男が少女を人質に取った際、銘苅は関谷に「俺たちの仕事は清丸の移送と警護」「(少女を助けるのは)俺たちの仕事じゃない」と言っている。
だが、もしも少女が男に殺されたとして、銘苅は自分の行動を後悔しないのだろうか。
そこで関谷が少女を救うために男を射殺し、その出来事に対して銘苅が何の思考も見せないので、そういう問題提起が放置されてしまう。
ともかく、銘苅という男に微塵も共感できる部分が無いってのは、相当に厳しい。

奥村は銘苅に対し、「生まれついてのクズは溢れている。清丸を生かしておいたことをいつか後悔する時が来る」などと説得しようとする。
彼が本当にそう思っているなら共感できる部分は大きいが、「清丸を殺さなくてもマイクロチップで居場所を教えるだけで10億円が貰えることになっている」という状況なので、単なる金目当てでしかない。
で、そういう奴に共感できる意見を吐かせることによって、彼を否定する銘苅の正当性がアピールされるような形になっている。
だが、そこで主張される正当性は、偽りでしかない。

先に結末を書いてしまうと、この映画、清丸は殺されずに済む。銘苅が命懸けで彼を守り、キッチリと任務を果たして警視庁に引き渡す。
死刑判決が確定的とは言え、強烈な不快感が残される。そこにメッセージ性でもあればともかく、そんなのは何も無いわけで(少なくとも伝わってくるモノは無い)、だったら「そりゃダメだろ」ってことになる。
娯楽映画として、観客を嫌な気分にして帰らせるってのは、どういうつもりかと思っちゃう。
それを超える充実感があればともかく、ポンコツな仕上がりなので、どうしようもない。

この映画は、重厚なサスペンス・アクションのように見せ掛けているが、実際は荒唐無稽の極みである。そこを全面的に受け入れないと、とてもじゃないが最後まで見ていられない。
そもそも「容疑者を殺せば10億円」という広告で報奨金目当ての連中が動き出すという設定からして、かなり無理があると感じる。
日本人の感覚からすると、それで人殺しを目論む連中が大勢現れるってのは、非現実的に思える。
少なくとも、「多額の借金を背負っている複数の一般人が清丸を殺そうとする」ってのは、リアリティーを感じない。

あと、「清丸を殺してホントに金が貰えるのか。殺人教唆だから認められないんじゃないか」というのも引っ掛かるぞ。
だから、すぐに警察が「これは殺人教唆になるので、殺しても殺人罪で捕まるだけで、金は貰えませんよ」と発表すればいいんじゃないか、なぜ発表しないのかと思ってしまう。
実際、最後に「蜷川は殺人教唆で逮捕、賞金は取り消し」ということになるわけで、だから早い段階で警察がそういう事実を発表すれば大きな騒ぎになることは防げたはずでしょうに。
「なぜ一般紙に殺人要請の広告が出るのか」という疑問に対しては、「広告データの最終チェックは編成局整理部が担当する。そこで広告が差し替えられた。各新聞社の整理部と印刷局の人間、約65名が全員、午前2時ちょうどに辞表を提出した。任意に事情を聞こうとしても、弁護士の立ち合いを要求して協力を拒否している」という解説がある。
でも、そこまで手間を掛けて関係者を引き込むぐらいなら、他の方法を考えた方がいいんじゃないか。

蜷川ほどの財産と権力があるのなら、もっと隠密に清丸の殺害を図ることも出来たんじゃないか。複数の警察関係者が報奨金で動いているわけだから、個々で買収を持ち掛ければ良かったんじゃないのか。警察の上層部も操れているんだから、買収した面々で移送チームを組ませることも出来たんじゃないか。
少なくとも「容疑者を殺せば10億円」という広告を出すという、愉快犯まがいの作戦を取るよりマシな方法は幾らでもあったはず。
そうなのよ、大々的に広告を出すってのが愉快犯的な考えにしか思えないのよね。
本気で孫娘の仇討ちを果たしたい人間が思い付き、実行する方法としては、かなりの違和感を抱いてしまう。

「航空会社の整備士が逮捕された」というだけで、飛行機での移送が中止されるのは解せない。安全を確認した上で、別の飛行機を使えばいいんじゃないかと。
代替案として「大勢のパトカーを引き連れた護送車で高速道路を移動する」という方法が使われるが、「映像的に見栄えがする」ということだけでやっているようにしか思えない。なぜヘリを使わないのかと思っちゃう。
「ヘリを使ってロケット砲を撃ち込まれるより安全だ」という言い訳を用意しているけど、それでもヘリを使った方がいいと思うぞ。
そこを百歩譲って受け入れるとしても、その後の護送車を囮に使った作戦を展開する時には、ヘリを使うべきでしょ。なんで新幹線なんだよ。

銘苅たちが山道を移動している際に車が通り掛かるのは都合のいい偶然ということではなく、「相変わらず居場所が漏れていたから」ということらしい。だから、そこに人が来るのは受け入れられる。
だけど、通り掛かるのが西野めぐみの父親ってことになると、やはり都合が良すぎると思ってしまう。
居場所が漏れているのなら、やって来るのが彼だけってのも違和感があるし。その前に、他の連中が清丸を見つけ出すことは出来なかったのか。
それと、そこで西野めぐみの父親が車で通り掛かるのを受け入れたとしても、その後には「箱根で通り掛かったタクシー運転手が乗せてくれる」という、もっと受け入れるのが困難な不自然極まりない展開が待っている。

白岩は清丸の「あそこに誰かいる」という小学生のイタズラみたいな罠に易々と引っ掛かり、彼が指摘した方向へ歩いて行ってしまう。簡単に目を離したもんだから清丸に逃げられ、危うく近所に住む幼女が悪戯されそうな状況を作ってしまう。
そりゃあ前述したように、松嶋菜々子は優秀なSPには見えなかったよ。でも、だからってホントに出来損ないのSPじゃ映画としてはマズいでしょうに。
ただ、守ってほしくて出頭したはずの清丸が、逃げ出そうとするのも良く分からんぞ。
「どうせ殺されるんだから、その前に悪戯したかった」という言い訳が一応は用意されているが、腑に落ちる説明ではない。

で、そこで油断して清丸に逃げられたのに、また白岩は油断してしまい、清丸に銃を奪われて射殺される。
まるで学習能力が無いのかよ。どんだけボンクラなんだよ。
あと、列車で撃ち殺された神箸にしろ、白岩にしろ、なんで防弾チョッキを着用していないんだよ。銘苅は撃たれた時に防弾チョッキで助かったのに、他の連中は誰も着ていないのかよ。
少なくとも、同じSPなのに銘苅が防弾チョッキを着用していて白岩は着ていないという違いがあるのは変だろ。

それと、清丸が逃げようとしたのも良く分からなかったが、白岩を殺すのはもっと分からん。
清丸は「だってオバサン臭いんだもん」と言うのだが、何の説明にもなっとらんぞ。お前は幼女趣味であって、大人の女性に対する殺人衝動は無いはずだろ。キャラがブレブレになっちまうじゃねえか。
その直前に彼は母の自殺をニュースで知るが、「だから白岩を殺した」というところにも上手く繋がらないし。「白岩を殺された銘苅が激怒する」という展開のために、段取りをこなしているようにしか見えない。
あと、速報として清丸の母親の自殺が伝えられるのは受け入れるとしても、届いたばかりのニュースなのに母親の遺書が全文読まれるってのは違和感ありまくり。

白岩が殺された時点で、奥村の偽情報で「清丸が銘苅と白岩を人質にしている」ということになっており、警察は清丸の射殺命令を出している。
そんな状況の中、銘苅は無事に白岩を東京の警視庁まで送り届ける。
どうやったのかというと、それは全く分からない。なぜなら、そこの敬意がバッサリと省略されているからだ。
たくさんの検問があるはずで、しかも射殺命令も出ているわけで、それを突破して東京まで無事に送り届けることが出来る超人的な能力があるなら、福岡から東京まで彼一人で移送できたんじゃないか。しかもタクシーで普通に到着しているんだぜ。

この後の展開も真っ当な感覚だと理解不能で、大勢の警官たちが待ち構える中で、銘苅は清丸を車から引きずり出す。
そこで誰かが清丸を殺そうとするんじゃないかという意識は無いらしい。
で、その場に清丸が倒れ込んだのに、なぜか誰も射殺しようとしない。で、そこに蜷川の車が入って来るのだが、警官隊は制止しない。
そして蜷川が車から降りたところで、蜷川を確保するよう命令が出る。銘苅が説得させてほしいと頼むと、なぜか誰も邪魔しない。
で、清丸が放置されたまま、銘苅と蜷川の問答が行われる。

蜷川が清丸に襲い掛かると、警官隊は誰も止めようとしない。
「ひょっとすると蜷川が警官隊を全て買収していて、自分が手を下すから射殺せずに待っていてくれと頼んだのか」と考えたりもしてみたが、どう考えても無理がある。
蜷川の仕込み杖を清丸が手に取ると、警官隊が誰も阻止しようとしないので、銘苅が刺される。ここで慌てて刑事たちが銘苅を助けるために救急車を要請するが、その前にテメエらが動いていれば刺されずに済んだはずだろ。
で、そこにきてようやく蜷川が殺人教唆で逮捕されるが、なぜ彼が清丸を襲うのは放置して、その後で逮捕するんだよ。メチャクチャだ。

(観賞日:2014年8月24日)

 

*ポンコツ映画愛護協会