『レイン・フォール/雨の牙』:2009、日本

暗殺者のジョン・レインは男の尾行に気付き、公衆トイレに入った。追って来た男は拳銃を構えるが、レインは撃退した。レインはクラブ支配人のベニー渡辺に電話を入れ、「誰かが俺の後を尾行していた。仕事は1人で遂行すると言ったよな」と文句を言う。ベニーは「川村が記者に会うのは明日の朝だ。今から他の奴に頼んでいる暇は無いんだ」と告げる。レインは不信感を抱きつつも、荷物をまとめて隠れ家を後にした。そんなレインを、CIAアジア支局の局員たちが監視していた。
CIAアジア支局長のウィリアム・ホルツァーは、盗聴した電話の音声を部下の優子やケンたちに聴かせる。警視庁もレインを危険人物と認め、CIAに監視カメラへのアクセスを許可した。レインは海軍特殊部隊の秘密工作員だった男で、2ヶ月前に北朝鮮で姿を見せた。ホルツァーは「敵に雇われている可能性がある」と部下たちに告げる。ベニーが口にした川村という男は、国土交通省の官僚だ。川村が日米を脅かす極秘情報をメモリースティックに入れ、誰かに引き渡すという情報が届いていた。
ホルツァーは部下たちに、川村を監視し、誰かと接触してメモリースティックを引き渡す瞬間を取り押さえろと命じた。ケンは川村を尾行し、地下鉄に乗り込んだ。ホルツァーは、同じ車両に乗り込むレインの姿を監視カメラで見つけた。レイン携帯電話を使い、川村が胸に埋め込んでいるペースメーカーを狂わせた。レインは苦しむ川村を介抱するように装い、次の駅で彼を下ろした。ケンはホルツァーからレインを射殺しろと命じられるが、群衆がいるために引き金を引けなかった。レインは列車に戻り、その場を去った。
ケンは川村の死体を探るが、メモリースティックは見つからなかった。しかし、レインもメモリースティックを手に入れていなかった。レインはベニーと会い、「奴は何も持っていなかった」と告げる。「追っていたのは何者だ?」と尋ねるレインに、「CIAらしい」とベニーは教えた。暴力団組長の山本から依頼を受けた都知事の松本は、副署長の田中に電話を入れ、「14ヶ月に3人も官僚が死んでいる。早く解決するように」と圧力を掛けた。
捜査一課の石川は、後輩刑事の長田に官僚の死亡事故に対する疑問を話していた。1人目は喉に食事を詰まらせて窒息死し、2人目は睡眠薬を誤って飲みすぎたことで死亡している。3人目の川村を含め、全員が自然死として処理されていた。田中は石川を呼び出し、その3人の死について「殺人の可能性もある。捜査してくれ。出来れば今日の内に証拠を見つけてくれ」と指示した。3人は山本が手懐けた役人であり、石川はヤクザのために警察が動くことへの憤懣を口にするが、命令は承諾した。
石川の次女・奈緒子が屋敷に戻ると、その後からレインが現れた。邸内に侵入するレインを確認したCIA局員は、ホルツァーに連絡する。ホルツァーは、すぐにユニットを差し向けた。レインは川村の部屋を調べ、トーマス・ペリマンという記者の名刺を発見する。レインの後、山本の子分2人が邸内に忍び込んだ。シャワーから上がった奈緒子の眼前で、レインは武装した子分2人を叩きのめした。
レインは「君は命を狙われてる。お父さんから何か預かったのなら、そのせいだ」と告げる。奈緒子は「父は間違いを正したいと言っていました」と口にする。屋敷に到着したCIA局員たちは、ホルツァーに「川村の娘とレインがいます。始末しますか」と無線で尋ねる。ホルツァーは「レインは殺すな。生け捕りにしろ」と命じた。レインは襲撃してきた局員たちを始末するが、ナオコは殺された。
ベニーはホルツァーに電話を入れ、「レインはメモリースティックを手に入れたのか」と質問される。ベニーが「いいえ」と答えると、ホルツァーは「しかし知り過ぎた男だ。殺すしかない」と告げた。山本は戻って来た子分たちに、何としてもメモリースティックを手に入れろ」と命じた。レインは川村の長女・みどりがジャズ・ピアニストとして出演しているバーへ赴いた。レインは雑誌記者を詐称して店長に話し掛け、みどりに取材したいと申し入れた。
楽屋にいたみどりは、店長から取材のことを聞かされた。レインは楽屋に入ると、「俺は記者じゃない。君は命を狙われてる。今すぐ、ここを出るんだ」と告げる。そこへファンを装ったCIA局員がやって来るが、レインは隠し持ったナイフに気付いた。レインは男を始末し、みどりを連れて逃亡する。携帯電話が鳴ってもレインは無視し、みどりに「恋人のフリをしろ」と告げて歩き出す。レインは、その電話が自分たちの居場所を特定するための罠だと悟っていた。レインの読み通り、それは殺し屋を伴ったベニーの仕掛けた罠だった。ベニーはレインの場所を特定することを諦め、その場を去った。
レインはみどりに「金で雇われて君を殺そうとしている奴らが、そこら中にいる」と告げる。彼はみどりを隠れ家へ連れて行き、拳銃を渡して撃ち方を教える。レインはインターネットカフェでペリマンのことを調べ、インターナショナル・ニュース・メディアに勤務していることを知る。レインはペリマンに電話を掛け、「メモリースティックはあったか?川村はアンタに渡そうとしていた。あの時、どこにいた?」と告げる。「何者だ?」というペリマンの問い掛けに、レインは「アンタの味方だ。会社の東に新しい画廊があるな。そこへ情報を持って来い」と述べた。
レインはペリマンを尾行していた2人の男を叩きのめし、画廊から移動する。ペリマンはメモリースティックを持っていなかったが、川村がメモリースティックに何の情報を保存していたのかは知っていた。川村は私欲のため、同僚と共に無駄な公共事業を幾つも立案していた。15ヶ月前に肺がんと宣告された川村は、それを告発しようとしていたのだ。山本はメモリースティックを利用し、政権を影から操ろうと企んでいた。ペリマンは「さっきのは山本の子分だろう」と言う。
レインが「CIAが絡む理由は?」と訊くと、ペリマンは「メモリースティックには、日本の政治家が仕組んだ汚職の記録が保存されている。その実態を掴めば、アメリカが日本に掛ける圧力を強められる。アメリカの米や車を関税無しで輸入させるため、弱みを握っておきたいのさ」と語った。レインが去った後、ペリマンは山本の子分たちに始末された。官僚の連続死を調べていた石川と長田は、レインの存在を掴んだ。その経歴を見た彼らは、レインが官僚たちを殺した可能性が高いと睨んだ。
ホルツァーはレインがソウル行きの飛行機のチケットを購入したと知り、空港にユニットを差し向ける。しかし飛行機の離陸を止めて徹底的に中を調べても、レインとみどりの姿は見当たらなかった。レインはみどりを連れて、新幹線に乗っていた。みどりはレインに、父のことで映像を見てもらいたいという石川からの留守電が入っていたことを話した。レインはみどりと旅館に宿泊し、夜遅くまで互いの過去について語り合った。
翌朝、レインはみどりに、「刑事に会って来てほしい。君は本当のことを知るべきだ」と告げた。レインが国土交通省の本省庁舎近くに出没したことを知ったホルツァーは、自ら出動する。レインは川村の足取りを推測し、食料品店の棚に隠されていたメモリースティックを発見する。ホルツァーはレインを見つけて尾行するが、撒かれてしまった。その夜、CIA支局に戻ったホルツァーの前に、拳銃を構えたレインが現れた。ホルツァーはレインに、仕事の依頼主がCIAであること、ベニーも局員であることを暴露する…。

脚本&監督はマックス・マニックス、原作はバリー・アイスラー、製作は深沢恵&井関惺&桜井勉、共同製作はチャールズ・ハナー、製作総指揮は竹内成和&宗方謙&Noriaki Sano&北川直樹&長沼孝一郎&野林定行、撮影はジャック・ワーレハム、美術は山崎秀満、編集はマット・ベネット、音楽は川井憲次。
出演は椎名桔平、長谷川京子、ゲイリー・オールドマン、清水美沙、柄本明、ダーク・ハンター、小木茂光、北見敏之、若松武史、中原丈雄、浜田晃、田山涼成、宮本裕子、坂東工、マイケル・ハドソン、デヴィッド・マクフォール、ライランド・リー、ガース・ネルソン、アンドリュー・バラード、セバスチャン・プレート、スティーヴ・ライアン他。


全米ベストセラーとなったバリー・アイスラーの小説『雨の牙』を基にした作品。
『トウキョウソナタ』の脚本を手掛けたマックス・マニックスが、監督と脚本を務めている。
レインを椎名桔平、みどりを長谷川京子、ホルツァーをゲイリー・オールドマン、優子を清水美沙、石川を柄本明、ペリマンをダーク・ハンター、長田を小木茂光、田中を北見敏之、ベニーを若松武史、川村を中原丈雄、山本を浜田晃、松本を田山涼成、ナオコを宮本裕子、ケンを坂東工が演じている。

ホルツァーは部下たちに盗聴したレインとベニーの会話を聴かせた後、「川村はメモリースティックを誰かに渡すらしい」と話す。だが、その相手については「分からん。マスコミか、警察か」と言う。
いやいや、ベニーが「川村が記者と会うのは明日の朝なんだぞ」と話しているでしょ。だったら、渡す相手は記者だという予想は簡単に出来るでしょ。
あと、窓の外が明るいから、会議の時間って朝だよね。
なんで盗聴した翌朝になってから会議なのか。その夜の内に、早急に対策会議を開くべきじゃないのか。

メモリースティックの中身については、「日米を脅かす極秘情報」と言っているだけで、その具体的な中身は終盤まで明かされない。
だが、そこを謎にしたまま引っ張っている意味は無い。
極秘情報の正体を探ろうという動きがあるわけでもないし。
そこは、そういう段取りとしてやっているだけだ。マクガフィンにもなっていない。
もしもマクガフィンのつもりだとしたら、それはきっとマクガフィンの解釈を間違えているんだろう。

レインは携帯電話の特殊な電磁波か何かで川村のペースメーカーを狂わせて心臓発作を起こさせたようだが、メモリースティックを奪うことが目的なので、わざわざ殺す必要性は無いんだよね。
しかも、殺した後で服を探っているけど、メモリースティックは発見できていないし。
そもそも、そういう手口を使うと、大勢の群衆がいる中で瞬時に服を探らなきゃいけないわけで。仮に川村が靴の底とか鞄の奥に隠していたら、見つけ出すことは無理でしょ。
「相手を殺して、目当てのブツは発見できなかった」って、それは悪党の無能な手下がやらかすようなことだぞ。

石川は、まだ捜査命令を受けていない内から、川村の屋敷に侵入する。
そもそも単独行動している時点でアウトだが(日本の警察は2人で行動するのがルール)、捜査令状も無いのに、勝手に鍵を開けて忍び込む。なぜ簡単に開錠できているのかは分からない。
で、そこで何かを見つけることはなく、しばらくノンビリしただけ。何のために潜入シーンが用意されているのかは、サッパリ分からない。
あと、石川や長田は警視庁捜査一課の刑事なのかと思ったが、上司の部屋には「副署長」という札がある。警視庁だったら副署長ってことは有り得ないので、どうやら地元警察署ってことのようだ。
そこは無駄に分かりにくい。

レインは奈緒子が屋敷に入ったのを確認して、それを追うように邸内へ侵入する。
それから川村の部屋を調べているが、部屋を調べたいのなら、誰もいない時に侵入した方がいいでしょ。
ヤクザを倒した後、奈緒子に「君は命を狙われている」と話し掛けるが、それは彼女が現れたから説明しているだけであって、最初から奈緒子に接触するつもりで潜入したわけじゃないよね。そのつもりなら、奈緒子の後を追って侵入した後、さっさと接触すればいいわけだから。
っていうか、侵入する前に接触した方がいいし。

奈緒子が帰宅した時、家はひっそりしており、他に誰もいない。
川村が死んだのだから、通夜や葬儀の準備が必要なはずなのに、その気配は全く無い。
そこに疑問を感じていたら、後になって、みどりがレインに「3週間前には父が死んで」と話すシーンがある。
3週間も経過していたのかよ。
だとしたら、その間、レインは何をボーッとしていたのか。なぜ3週間も経過してから川村家に侵入したのか。

みどりは、3週間前に父親を亡くし、ついさっき妹も殺されたばかりなのに、普通にジャズバーで演奏している。
奈緒子の死に関しては、明らかに殺人なので、さすがに警察も動いて、みどりは事情聴取を受けているはずだが、その気配は無い。
で、父と妹を立て続けに失ってショックがあるはずなのに、店長から記者が来たと知らされると、「その人、ハンサム?」と浮かれた様子で尋ねる。
妹が殺害されたばかりなのに、レインが「命を狙われている」と言っても全く信じない。

川村が死んだ後、CIAはレインがメモリースティックを奪ったと思っているはずだ。だったら、もう目的を達したはずのレインが川村邸を訪れたことに対して、なぜ疑問を抱かないのか。
あと、そこでCIAが奈緒子を殺す理由も、みどりを殺そうとする理由も分からん。
みどりを狙う前には、もうホルツァーはレインがメモリースティックを持っていないことをベニーから聞かされている。だとしたら、みどりが持っている可能性もあるわけで、むしろ殺したらメモリースティックのありかを聞き出せないでしょ。
っていうか、もう序盤の段階で、メモリースティックって、どうでもいいような存在になっちゃうんだけどね。

レインがみどりを守ってやる理由が良く分からん。
彼の目的はメモリースティックのはずで、それがどこにあるのか、さっさと聞けばいいでしょ。持っていなければ、守る必要も無い。
そこは、「こういう時、主人公はヒロインを守るものだ」ということで、段取りとしてやっているようにしか思えない。
で、反抗的なみどりは、レインが「交番がある。行きたければ、行けばいい」と突き放すと、付いて来る。
いやいや、交番に行けよ。行かない理由が無いだろ。

レインはみどりを連れて街を歩きながら「君の命を狙っている奴らが大勢いる」と言い、具体的に注意すべき事項を色々と挙げる。
一流の暗殺者としてアドバイスを送っているんだが、そんな偉そうなことを言っているアンタが、冒頭シーンで尾行された時も、川村邸を訪れる時も、CIAに軽々と居場所を突き止められているってのは、どうなのよ。
まずは自分の行動を何とかした方がいいと思うぞ。

レインはみどりに、「東京には信じられない数の監視カメラがあるが、俺たちがどこにいるか見当が付かない限り、映像から居場所を割り出すまでに6時間は掛かる。だから移動し続けるんだ」と言い、色んな場所を歩き回る。
だけど、そんなに労力を使うより、さっさと監視カメラに写らないような場所へ身を隠せばいいんじゃないの。
外を歩いと移動する時は、帽子やマスクで顔を隠したり、変装したりすればいいし。
もしくは、さっさと東京を離れれば、それで済む話だし。

レインがペリマンと会うシーンでメモリースティックの中身が明かされるが、「官僚が無駄な公共事業費を使っていた証拠」って、今さら、そんなことを告発したところで「だから何?」って感じだけど。
日本の国民はみんな、官僚が無駄な公共事業費を使っていることも、政治家が汚職に手を染めていることも知ってるよ。
あと、CIAはそれをアメリカが日本に圧力を掛けるネタにしたいらしいけど、そんなことしなくても、CIAは監視カメラのアクセス許可を取り付けたり、勝手に飛行機の離陸を止めたりできている。
だから、とっくに日本はアメリカの言いなりになっているように思えるが。

レインはペリマンと会った後、国土交通省本省庁舎近くに現れ、まるでプロファイラーかサイコメトリー能力者のように、川村の足取りを読み解いてメモリースティックのありかを突き止める。
そういう能力もあったのね。
で、食料品店の棚に隠されていたメモリースティックを発見するが、下手な御都合主義にしか思えない。
あと、そんな便利な特殊能力があったのなら、最初からそうやってメモリースティックを探せば良かったんじゃないのか。なんで今まで、ダラダラと無駄な時間を過ごして来たのか。

石川たちがレインの素性を突き止めた時、彼のデータを見ているんだけど、それが普通の履歴書。しかも、「英語が堪能」と書いてある。
そりゃ日系アメリカ人で、アメリカ海軍の特殊部隊にいたんだから、英語が堪能なのは当然だろ。
それは暗殺者としての技能じゃねえよ。
そんなこと、わざわざ履歴書に書いてあるのか。ホントに就職先を見つけるための履歴書みたいになってるじゃねえか。
誰が何のために作ったんだ、その履歴書。

レインって暗殺者のはずなんだけど、なぜ「メモリースティックを奪う」という本業じゃない仕事を依頼されて、しかも普通に引き受けているんだろう。
そもそも、レインが誰の依頼で、何のためにメモリースティックを入手しようとしたのかも分からんのよね。
で、終盤になってホルツァーとレインの「依頼人が誰か分かってるのか」「クラブのオーナーだ」「クラブは表向きの顔だ。ベニーはウチの窓口だ」という会話があって、ベニーが表向きはレインの依頼人だったことが初めて分かった。
それまでは、ただの仲介役だと思っていたのよ。

だってさ、ただのクラブ支配人が、官僚の暗殺やメモリースティックの入手を依頼するって、明らかにおかしいじゃねえか。
それを何も疑わないレインって、アホだろ。
どう考えたって、ベニーの素性が嘘であるか、その黒幕がいるか、どっちかだろ。
その後、「CIAは官僚の自白を要求していたが、拒まれたのでレインに暗殺を依頼した」ということも明かされるが、なんだ、そりゃ。

っていうか、ホルツァーがベニーを通じてレインを雇ったのなら、なんでレインが川村からメモリースティックを奪おうとしていた時、それを邪魔するような行動を取ったのか。泳がせておけばいいでしょ。
その後、ホルツァーがレインを始末しようとしているのもワケが分からん。
CIAはメモリースティックを入手できていない(そもそも自力で見つけ出そうとしている気配さえ無い)。一方、レインはメモリースティックを見つけ出そうとしている。
だったら、レインがメモリースティックを見つけてベニーに渡すのを待って、それから始末すればいいんじゃないのか。

で、色々と聞かされたレインはホルツァーにメモリースティックを渡すのだが、そのまま終わらせるとムカムカするってことで、報復に出る。
どうするかというと、山本にファックスで「CIAアジア支局のウィリアム・ホルツァーがメモリースティックを手に入れた」という文面を送り、ホルツァーの住所を教えるのだ。
なぜかCIA支局長の住所がバレバレになっているのね。
で、そのホルツァーは、あっさりと殺されている。
日本のヤクザって、CIAより遥かに凄いのね。

レインはみどりの父親を殺しているのだが、そこで罪悪感に苛まれるとか、みどりに惚れてしまって苦悩するとか、そういうモノが全く見えない。
そんでラスト、全てが終わった3ヶ月後に、アメリカのヴィレッジ・バンガードで演奏しているみどりの楽屋にレインはメッセージカードを残す。
みどりが外に出ると、通りの向こうにレインがいる。バスが到着してレインの姿が隠れるのでみどりはハッとなるが、バスが通り過ぎてもレインは残っている。
みどりは喜ぶが、レインは歩いて去ってしまう。
なんだ、その無意味な捻りは。普通にバスで姿を消せよ。
っていうか、そのシーン全てが要らないけど。

(観賞日:2013年7月2日)


第3回(2009年度)HIHOはくさい映画賞

・最低助演男優賞:ゲイリー・オールドマン

 

*ポンコツ映画愛護協会