『ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ』:2010、日本

バカ正直で騙されやすい大学生の神崎直は、突然届けられた1億円によって、ライアーゲームに参加することになった。それは、欲望に まみれたプレイヤーたちがマネーを奪い合うゲームだ。勝てば大金が手に入り、負ければ巨額の負債を抱えることになる。直は天才詐欺師 の秋山深一と共に数々のゲームを戦い、セミファイナルで抜けることになった。ファイナルで勝てば人々を苦しめるライアーゲームを崩壊 させることが出来ると知り、全てを秋山に託したのだ。
だが、そんな直の元にファイナルステージの案内状が届けられた。そこにLGT事務局の幹部・谷村光男が現れ、棄権したプレイヤーが いたので権利が回ってきたと説明した。「このままだと間違いなく秋山は負ける。今度のゲームは騙し合いではなく、お互いが信じ合う ことで初めて勝てるゲームなんだ。あの秋山が人を信じられるはずが無い。彼を救えるのは君だけだ」と谷村は言う。
直は会場の島に赴き、事務局の幹部・エリーのからゲームで使われる焼印を渡された。焼印にはカタカナで名前が記されている。これから 始まるゲームでは、プレイヤー名がアルファベットで記される。直はHだという。直がドアを開けて会場に入ると、坂巻マイ、五十嵐衛、 百瀬ノリカ、久慈サトシ仙道アラタ、武田ユキナという初対面のプレイヤーに加え、これまでの戦いで知り合った福永ユウジと江藤光一、 さらに西田勇一の双子の弟・西田二郎もいた。そこに秋山も現れた。
ディーラーのケルビムの声が響き、ルール説明が始まる。ここで行われるゲームは確実に全員が勝てるゲームだと彼は言う。ゲームの名前 は、「エデンの園ゲーム」。 アダムとイブの禁断の果実をモチーフとした内容だ。投票室には1人ずつしか入れない。そこにあるリンゴ を一人ずつ投票していく。ゴールドかシルバー、好きなレバーを引くと投票される。リンゴは本物の金と銀で出来ている。
ケルビムは「赤リンゴは後で説明する。2種類あればゲームは成立する。赤リンゴはレーンに戻しても、破棄してもいい」と語り、説明を 続けた。リンゴを選んだら、焼印を暖炉にかざし、リンゴに付いているプレートに焼印を付ける。最後にそれを投票箱に入れる。それを 13回繰り返す。種類の多いリンゴを投票した者が勝利だ。同じ名前が付いたリンゴを複数入れた場合、先に入れたリンゴだけが有効となる 。書面による契約などで、他のプレイヤーの投票を強制することは出来ない。
1回の投票時間は1時間だが、全員の投票が終了すれば、その時点で投票タイムは終わりとなる。制限時間内に投票室に入らなかったら、 マイナス1億円のペナルティーだ。投票行為を行った場合、次の投票まで投票室には入れない。多数派は1億円の賞金、少数派はマイナス 1億円となる。全員が同じ色に投票すると、全員がマイナス1億円だ。ただし真実の赤リンゴを全員が投票すれば、全員が1億を得られる 。全員投票し続ければ、1人あたりの獲得マネーは13億となる。
他のプレイヤーが銀と金のリンゴを投票してしまった場合、赤リンゴを投票したプレイヤーはマイナス1億円。銀と金のリンゴを入れた プレイヤーはプラス1億円となる。もし赤リンゴが1票だけだった場合、名前を公表された上にマイナス10億円となる。負債が5億円と なった場合、退場となる。ただし、誰かが負債を返済してくれた場合は、その後もゲームを続行することが可能だ。これまでの獲得マネー をベースにして、ゲームは開始される。
所持金がモニターに表示されたが、プレイヤーはアルファベットで表記されるので、誰が誰なのかは分からない。Aがダントツのプラス 12億円で、直は0円だ。優勝者に与えられる賞金額は50億円だと説明し、ケルビムのアナウンスは終了した。直は全てのプレイヤーに 「戦う相手はプレイヤーじゃなくて事務局です。みんなで赤リンゴを投票しましょう。みんなが信じ合えば、必ず事務局に勝つことが 出来るんです」と持ち掛けた。次々に賛同の意志を示すプレイヤーたちを見て、直は喜んだ。
それまで黙っていた秋山は、投票を終えた直にリップクリームを借りて投票室に入った。全員の投票が終わって第1回の結果が発表される と、ゴールドが3、シルバーが4、赤リンゴが4という結果だった。ショックを受ける直を見て、福永は「最後の最後までバカだよな。赤 なんて入れるわけないじゃん。このゲームは裏切られる前に裏切らなきゃ勝てないの」と言い放った。
五十嵐は「もう一度だけお互いを信じて赤を入れねえか」と提案するが、秋山が「俺は反対だな。裏切り者は7人もいた」と言う。彼は 五十嵐が裏切り者の一人だという疑惑を指摘し、「何度やっても赤が揃うことは無い。後は騙し合いをするしか無い」と断言した。マイは 「いつか揃えるチャンスが来るよ」と直を励ました。直が休憩していると福永が来て、「赤を揃える以外に必勝法がある」と告げた。彼は 直とマイを、ユキナと久慈の元へ連れて行く。
福永は直とマイに、「ここに秋山を加えた6人がチームを組み、過半数で多数派になれば負けることは無い。これがバレれば、今度は残り の5人もチームに入れてくれと言ってくるだろう。それを受け入れれば、赤が揃うことになる」と説明した。直が福永を信じて作戦に 乗ったので、マイは呆れて別行動を選ぶ。福永はマイの代わりに6人目の仲間として仙道を見つけてきた。「最初の投票はゴールドで」と 福永が決める。最初の投票者には秋山が名乗りを挙げた。
全員の投票が終わると、マイは残り5人と組んだことを明かし、勝ち誇った態度を見せた。5人では勝ち目が無いはずだが、そこに福永が 加わった。福永は最初からマイたちと結託していたのだ。しかし、いざ投票結果が出ると、全員がシルバーに投票していた。マイたちは 驚愕し、言い争いを始める。秋山が不敵に笑い、「お前らの投票したリンゴが見えた。だから投票を変更した」と言う。「嘘よ、見える わけない」とマイが告げると、秋山は「信じるかどうかは、お前ら次第だ」と口にした。
マイたちが揉めていると、直が「シルバーが11個揃ったのなら、赤も揃うんじゃないですか」と持ち掛けた。しかし福永は「今のままでも 自分たちは確実に勝てる。少数派の君たちは絶対に勝てない」と拒否した。しかし3回目の投票結果が発表されると、全員がゴールドに 投票していた。秋山は「だから言っただろ。俺には投票が見えてるって」と、余裕の態度でマイたちに告げた。
「このまま自爆を続けるとマイナス5億になってしまう」と不安になる仙道たちに、秋山は「自爆はここまでだ。次の投票、多数決で勝つ 。このゲームは少数派でも勝てるんだ」と告げた。秋山は自分サイドの全員が先に投票した後、マイたちの元へ言って「俺たちはゴールド を入れた。ゴールドを入れる奴は確実に勝てる。シルバーを入れたら負ける可能性がある」と吹き込んだ。
マイたちは「シルバーで揃えるわよ」と決めるが、実際にはゴールドが7票集まった。江藤が裏切り者だと分かり、マイたちは言い争いを 始める。直は改めて、「全員で赤を入れませんか」と提案した。しかし秋山が「まだダメだ。江藤の他にも裏切り者がいた。そいつが正体 を隠している限り、赤リンゴの投票は危険だ」と反対する。福永は自分が裏切ったと白状し、「どうやって投票を見抜いていたんだよ」と 尋ねる。秋山は「教えてやるよ、赤が揃ったらな」とクールに告げた。
5回目の投票でも、ゴールドに2票入った。秋山は「俺は赤を入れる。俺を信じて赤を入れろ。必ず1億勝たせてやる」と告げる。自分も 赤に入れると言った西田だが、ゴールドに投票した。バレることは無いと、彼は自信を持っていた。しかし投票結果は他の全員がシルバー で、彼だけがマイナスになった。秋山は西田が裏切り者だと見抜いており、その証拠として赤リンゴを見せた。
最初に投票室に入った時、秋山は赤リンゴに「焼印は投票箱の下に隠せ。投票は最後にまとめて俺が行う」というメッセージを書いて レーンに戻しておいた。そのまま投票は行わず、投票室を出た。メッセージを見たプレイヤーは、自分の焼印を投票箱の下に隠した。投票 に入った時、西田の焼印だけが無かったので、秋山は彼が裏切り者だと気付いたのだ。ゴールドだと分かったのは、リンゴの底にリップを 塗って目印を付けていたからだ。
反省してると言った西田を、直は簡単に許した。秋山は「西田以外に、もう一人裏切り者がいた。それが気になる」と漏らす。彼の目印に 気付いた誰かが、西田の分のリンゴまで元に戻していた。その人物Xは、相当のキレ者だと秋山は感じる。五十嵐は、焼印を集めて1人が 全員の分を投票すればどうかと提案。マイは、その役を直に任せる。他の面々が入ってから、最後に直が投票するが、結果が発表されると ゴールドが1票入っていた。
秋山は、Xが焼印を預ける前に自分の名前が入ったゴールドを作り、直より先に投票したのだと見抜いた。まとめて投票する作戦は、これ で終了となった。するとユキナは投票室に入り、出てくると「赤リンゴを投票してきた。ここで諦めたら全てが無駄になる」と訴える。 しかし全員の同意は得られない。直が赤を入れようとすると、秋山は「お前だけが赤なら一発で脱落だ。人を疑うことを覚えろ」と叱る。 「疑うぐらいなら騙された方がマシです」と、直は涙を浮かべて主張した。
8回目の投票で赤に入れたのは1人だけだった。驚く直に、ユキナは「嫌いなんだよね、アンタみたいな偽善者」と言い放つ。しかし10億 のマイナスで脱落が決まったのは、直ではなく秋山だった。6回目の投票で、Xは直の焼印を使っていた。そのリンゴを、Xは今の投票で 彼女より先に入れたのだ。ユキナは「私がX」と口にする。久慈は、秋山が直を守るために赤を揃えようとしていたことを指摘した。秋山 は直に「お前はもう、俺がいなくても一人で戦える」と言い残し、部屋を去った。
プレイヤーが1人減ったため、5対5に分かれた場合は引き分けというルールになった。ユキナは全員の赤リンゴを作ったことを明かし、 「いつでも殺せるのよ、貴方たちのことを」と言い放つ。プレイヤーはユキナより先に投票するため、慌てて投票室へ向かう。ユキナは 残った直と江藤に、どちらかの赤を入れてきた。助けるには2人が両方とも赤を入れるしか無い」と告げた。
秋山は債務の返済手続きに向かうが、エリに案内された部屋にはファイナル進出を辞退した横谷ノリヒコが待ち受けていた。彼は大金を 見せ、「借金を肩代わりする。貴方はエデンに戻って優勝し、50億円を差し出す」と取引を持ち掛ける。直に続いて投票室に入った江藤は 、赤を投票しなかった。しかし勝ち誇るユキナに、彼は投票室に直が残しておいたメモを見せる。そこには「私を信じて赤を投票しないで 下さい。」と書かれてあった。
直はユキナが嘘をついており、全員の赤など持っていないと見抜いていた。直は、まだ投票していないのだ。そして、まだ投票タイムは 続いている。つまり、ユキナはまだ直の赤を投票していないということになる。さらに直は、秋山から「ユキナはXじゃない」と耳打ち されていた。そこへ秋山が戻ってきた。彼は横谷との取引を承諾して負債を返済し、投票に復帰することになった。
直が投票へ向かおうとすると、ユキナは「江藤の赤を入れた。このまま貴方が赤を入れないと江藤が死ぬわよ」と脅す。秋山は「大丈夫だ 、ただのハッタリだ。俺を信じろ」と直に言う。結果は赤が1票だったが、江藤ではなくダントツで稼いでいたユキナの10億が0になった 。ゴールドを入れたはずのユキナだが、秋山は「やられたんだよな、本物のXに」と言う。彼は、大富豪の可能性があるとXに狙われると 感じ、わざとユキナが自分を狙わせたことも指摘する。せいぜいマイナス1億で済むと計算していたからだ。
直はユキナに、「もう一度だけ人を信じてみませんか」と持ち掛ける。谷村は横谷に、「ホントはアンタを救ってくれた神崎直を助けに 来たんじゃないのか」と問い掛けたが、答えをはぐらかされた。秋山は投票室に入り、ゴールドのリンゴを全て燃やした。どういうことだ と問い詰めるプレイヤーたちに、彼は「リンゴが2種類あればゲームは成立する」という最初のルール説明を告げる。
秋山は「Xと取り引きをする。今回、俺たちは赤を入れる。だからお前も赤を入れてくれ。裏切ったら俺はもう1種類のリンゴを消滅 させてゲームを終わりにする。お前は50億の賞金を失うことになる。俺の負けだ。赤を入れてくれ」と頼んだ。そして「お前ら、焼印を 渡せ。俺がまとめて投票する」とプレイヤー全員に頼んだ。彼は焼印を集め、投票室に入った。しかし結果が出るとシルバーが2票だった 。Fとして表示される秋山の所持金がが9億円に跳ね上がった。
秋山は高笑いし、「これはライアーゲーム。騙して何が悪い」と言い放つ。怒るプレイヤーたちに、彼は「お前ら全員の赤リンゴを作った 。今、このゲームを支配しているのはXじゃない、この俺様だ」と告げた。直は彼に平手打ちを浴びせ、「諦めません、赤を揃えること」 と言う。11回目の投票では、なぜかゴールドが11、シルバーが1という結果が出た。「まんまと騙されたなあ、X。俺たちの芝居に」と 秋山は言い、直と顔を見合わせて微笑む。そして秋山は、Xの正体を指摘した…。

監督は松山博昭、原作は甲斐谷忍、脚本は黒岩勉&岡田道尚、製作は亀山千広&鳥嶋和彦&島谷能成、プロデューサーは宮川朋之& 瀬田裕幸&古郡真也、アソシエイトプロデューサーは志牟田徹&東康之、製作統括は石原隆&和田行、撮影は宮田伸、編集は平川正治、 録音は武進、照明は森泉英男、美術は関口保幸、デザインは坪田幸之、CGは笹生宗慶&山本雅之、 音楽は中田ヤスタカ(capsule)、主題歌は「Stay with You/capsule」「Love or Lies/capsule」。
出演は戸田恵梨香、松田翔太、渡辺いっけい、吉瀬美智子、田辺誠一、鈴木浩介、荒川良々、濱田マリ、和田聰宏、関めぐみ、 秋本祐希、永山絢斗、鈴木一真、松村雄基、大塚範一、丸山えり、葛西幸菜、Shihomi、清水和博、高部あい他。


甲斐谷忍の漫画作品『LIAR GAME』を基にした同名TVシリーズの劇場版。
直役の戸田恵梨香、秋山役の松田翔太、谷村役の渡辺いっけい、エリー役の吉瀬美智子、福永役の鈴木浩介、江藤役の和田聰宏は、TV シリーズからの出演者。
西田役の荒川良々はTVシリーズにも出演していたが、演じるキャラが異なる。
他に、仙道を田辺誠一、マイを濱田マリ、ユキナを関めぐみ、ノリカを秋本祐希、久慈を永山絢斗、横谷を鈴木一真、五十嵐を松村雄基が 演じている。

TVシリーズが完結した後、その後日談やアナザー・ストーリーを描く形で作られる映画というのもあるが、この作品は、そうでは ない。
TVシリーズでは、シーズン1で3回戦まで、シーズン2でセミファイナルまでの戦いが描かれた。
ファイナルを描く完結編として製作されたのが、この映画である。
TVシリーズでは完結させず、最初から「物語を最後まで見たいなら劇場版でね」ということで作られている映画だ。
ハッキリ言ってしまえば、あこぎな商売のための映画ってことだ。
その時点で、評価点は著しく低いものとなる。
そういう映画は、商売としては正しいのかもしれないが、個人的にはヘドが出るほど大嫌いなのでね。

本作品は、独立した映画としては見事なぐらいの欠陥商品である。
TVシリーズの劇場版だから、人間関係や世界観の設定に関しては、「TVシリーズを見ていないと分からない」というのは受け入れ よう。しかし、それだけでは済まない。
ファイナルゲームのルールは映画で初めて説明されるものだが、それさえも理解することが難しいのだ。なぜなら、あまりにもルール説明 が駆け足だからだ。
「フジテレビ On Demand」で配信された『LIAR GAME X』や公式サイトではルール説明があったらしく、そこで予習していれば観賞の助け になったようだ。
しかし、映画以外の媒体で予習しておかないとキツいって、観客をバカにしてんのか。
それもビジネスのやり方の一つってことなのか。
商売人としては正しいのかもしれないが、映画に対する愛やリスペクトが微塵も無いよ。
そういう腐った連中が、今の日本映画界を牛耳っているんだということを再確認させてもらったという意味では、無価値ではなかった けどね。

サスペンスではあるが、シリアス一辺倒ではなくコミカルな描写も散りばめられている。
ただ、それが安っぽさに繋がっている。
コミカルにしたら必ず安っぽくなるわけではないはずだが、「TV版で充分だろ」という感想に直結する。
それ以外の諸々を含めて、テレビの3回分を、映画という枠組みでやっているだけにしか感じない。
なんとCMに入るためのタイミングまで用意されている。
なんだ、その演出は。
そこまでテレビ仕様にしてあるなら、それこそテレビでいいじゃねえか。もう完全にテレビそのまんまだろ。
映画にする必要性が全く見えないが、その方が儲かるってことなんだろうな。

次から次と、どんどん裏切りが発生する。展開が慌ただしすぎるので、とても安く見えてしまうし、何度も簡単に騙される直がアホにしか 見えない。
そういうのを受け入れないとダメなのか、この映画。
そもそも、騙す以前に「信じさせる」という行為が必要なわけだが、観客がプレイヤーを「信じる」「疑う」という感情を抱く前に、 どんどん話が先に進んでいくので、裏切りの衝撃が弱い。
「いや、そもそも、こっちは、そこに出てくる誰のことも信じてねえし」と言いたくなる。
例えば、マイが直を励ましたり味方の態度を取っていたのも、すげえ分かりやすい裏切りのためのネタ振りにしか見えなかったので、 裏切ったと明かしても「ああ、意外と早く正体をバラしたのね」という感想しか沸かない。

裏切った奴は、裏切った直後に本性を現すので、「どいつが裏切ったんだろう」という緊迫感は無い。
裏切る前には、必ず分かりやすい「私を信じて」的なネタ振りをやっているので、もう裏切りが発覚する前からバレバレに なっているし。
Xの正体は仙道なんだが、これもキャスティングの時点で「まあ田辺誠一だろうなあ」と思っていたら、その通りだった。
そこは全く裏切らないのね。

秋山が様々な策を凝らし、他のプレイヤーに指示を出すのだが、なぜ他の面々は、それに必ず乗るのか。
秋山の言葉が信じられない奴がいてもおかしくない。
例えば最初の投票にしても、直は福永を信じていたのなら、秋山に反発するはずだ。
その後も、秋山が焼印を全て渡すよう求めると簡単に応じたりと、普段は騙しまくっているくせに、都合のいい時だけは秋山の指示に 素直に従う。

秋山は様々な作戦について、それが成功した直後に詳しく説明してくれるんだけど、こっちに考える余裕を全く与えていないので、「実は そうだった」と言われても、あまり驚きが無いんだよな。
そもそも、こっちはルールが良く把握できていないので(バカでスマンね)、秋山が巧みにルールをかいくぐって上手く罠を仕掛けた、 敵の裏をかいたということがイマイチ伝わりにくいし。
もう少し落ち着いて、各プレイヤーのキャラ描写に時間を使いながらゲームを進めないと、これだとホントにプレイヤーが単なる記号で しかなくなってしまう。
記号がゲームを続ける様子を見せられても、それこそ観客にとっても単なるゲーム観賞にしかならない。
まだ観客がゲームをプレイする立場になるのなら楽しめるかもしれんが、ゲームを見ているだけってのは、つまんないと思うぜ。

ルールでは「書面による契約などで、他のプレイヤーの投票を強制することは出来ない」となっているけど、口頭での話し合いは出来る んだから、同じことでしょ。「文書での約束は絶対に守らないといけない」ってわけでもないんだし。
文書であれ口頭であれ約束を破ることは出来るんだから、そこを禁じても意味が無い。
だから、それは何のためのルール設定なのかと思ってしまう。
そもそもルールに抜け穴が多すぎるんじゃないかと、見ている内に感じさせられる。
リンゴを投票室の外に持ち出したり、「実は赤リンゴがシルバーを樹脂で包んで出来ていると秋山は見抜いていて、それを剥がした偽 シルバーを仙道に投票させた」という展開があったりと、そりゃあルールに書かれていないから反則ではないんだろうが、後出し ジャンケンにしか感じない。
「厳格なルールを巧妙にかいくぐって敵の裏をかく」というのではなく、「ザル法だからイカサマは好き放題」という印象なんだよな。

(観賞日:2010年11月3日)

 

*ポンコツ映画愛護協会