『ミッドナイト イーグル』:2007、日本
4年前、西崎優二は戦場カメラマンとして、銃弾が飛び交う中東の街にいた。攻撃が収まった時、彼は建物の前で経っている少年に菓子を 分け与えた。西崎が離れた直後、飛来した爆弾によって、その少年は死亡した。現在、西崎は戦場での活動から足を洗い、山に入って 星空を撮影する日々を過ごしていた。2月2日の夜も、彼はカメラを持って北アルプスに入っていた。
深夜4時50分、航空自衛隊の輪島分屯基地と小松基地からF-15戦闘機が出撃した。西崎は墜落する謎の光を発見し、シャッターを切った。 6時18分、永田町の内閣総理大臣・渡良瀬隆文に緊急事態が伝えられた。下山した西崎は、山岳部の後輩で東洋新聞松本支局の記者をして いる落合信一郎に電話を掛け、昨晩の出来事を尋ねた。落合は「自衛隊の練習機で、エンジントラブルがあったが、無事に帰還している」 と、警察に問い合わせて知った情報を告げる。すると西崎は、「それ、後から来た方だろ」と呟いた。
西崎は喫茶店へ赴き、東京で週刊「WISE」の記者をしている義妹・有沢慶子と会った。慶子は、自分が育てている西崎の息子・優の 荷物を取りに来たのだ。西崎の妻は、既に病気で亡くなっている。山で撮影した写真を息子へのプレゼントとして渡す西崎に、慶子は 「ずっとそうでしたよね。姉さんが亡くなる前から、ずっと」と冷たい態度を取った。その夜、西崎の部屋に落合がやって来た。彼は 「俺が雇います」と告げ、北アルプスへ西崎を誘った。
19時30分、内閣安全保障会議が開かれ、内閣危機管理監・冬木利光や官房副長官・片山晋作、自衛隊統幕長らが集結した。彼らは「目標 地点は見岳沢。天候が悪くてヘリによる接近は無理なので陸路で行く。習志野の空挺部隊に松本の山岳レンジャーを加えた特別編成部隊を 二個班に分けて、別のルートを取らせる」と決定した。二個班に分けるのは、山に工作員が潜伏している可能性があるからだ。目的地への 到着には、急いでも2日半は掛かるという。
落合は車で北アルプスへ向かいながら、同乗する西崎に「昨日、小松基地からF-15にスクランブルが掛かっています」と告げた。西崎は、 「後から来た方だな」と口にした。F-15が捜していたのが、西崎が撮影した謎の光だ。落合は、写真を関連資料と共にWISE編集部の 慶子宛で郵送した。2人は山へ向かうが、通行止めになっていた。別の道を進んだ彼らは2月3日の8時22分、滝沢口から入山した。 一方、優に朝食を食べさせていた慶子は、会社からの電話を受けてマンションを出た。
西崎と落合は、白迷彩服に身を包んで完全武装で山を進む自衛隊を目撃した。落合は西崎に、「一昨日の深夜、米軍の横田基地に東洋人 2名が侵入した。1人は射殺され、1人は逃亡中。先輩が撮った写真、F-15のスクランブル、あの自衛隊、全て繋がっている」と言う。 出社した慶子は、編集長の宮田忠夫から、ペンタゴンの東アジア特命担当が緊急で来日し、駐日大使がワシントンへ戻ったことを聞く。 さらに宮田は、官邸の動きも怪しいことを語った。
宮田は城山クリニックの住所を渡し、そこへ行くよう慶子に命じた。横田基地から逃走した男・平田俊夫が、そこで治療を受けたからだ。 カメラマンの青木誠を伴ってクリニックを訪れた慶子は、医者に賄賂を渡し、平田に痛み止めのモルヒネを届ける予定を聞き出した。慶子 は薬を届ける代理人を装い、潜伏先のアパートへ向かう。すると、平田はチヘという女と一緒にいた。
2月4日0時30分、西崎と落合がテントを張って休息していると、いきなり銃弾が飛んで来た。2人が慌てて身を伏せると、すぐに敵は 去った。西崎は、銃撃してきた相手が日本語を話していなかったことに気付いた。安保会議の場では、工作員のことが話されていた。横田 基地で殺されたのも、その1人だ。西崎は下山しようと考えるが、落合は「大スクープをモノにする」と告げて先へ進むことを主張した。 西崎は「危ない物には、もう近付かないことにしたんだ」と告げ、落合と別れた。
慶子と青木は、平田とチヘの身柄を保護するため、アパートからラブホテルへ移した。西崎は下山しながら、1年前に妻が亡くなった時の ことを思い起こした。山から病院に駆け付けた西崎は、姉を看取った慶子に睨まれた。慶子は「姉がなぜ病気のことを隠していたか、 分かってますよね。戦場の中にさえ安らぎを求める貴方の写真が好きだった。いつか戦場カメラマンに戻ってくれることを待っていた。 でも貴方は山に逃げ込むだけで、何も気付かなかった」と西崎を責め、「優は私が育てます」と告げた。
編集部に戻った慶子は、宮田の前で「工作員なら、なぜ組織が匿わないのか」という疑問を口にした。そこへ、落合からの速達が届いた。 あの写真と資料の入った封筒だ。その落合は、またも工作員に襲撃される。さらに雪崩に巻き込まれるが、引き返した西崎に救われた。 14時30分、西崎が岩切尾根から無線で呼び掛けと、朝倉という青年に繋がった。またも工作員が銃撃してきたため、西崎は手短に事情を 説明し、慶子に連絡するよう頼んだ。
宮田は、米軍のステルス爆撃機“ミッドナイト・イーグル”が見岳沢に墜落したことを突き止めた。彼は慶子に、「問題は、ステルスが何 を積んでいたかだ」と告げる。西崎と落合は、自衛隊に狙いを定める工作員3名の姿に気付いた。西崎は自衛隊に向かって「逃げろ」と 叫ぶが、銃撃戦の末、一人を残して全滅した。生き残った三等陸佐・佐伯昭彦も、怪我を負った。
西崎と落合は佐伯に駆け寄り、彼を手当てした。佐伯は下山するよう言うが、西崎たちは従わない。2人は「何をしていたのか」と問うが、 佐伯は「国家機密だ」と説明を拒んだ。単独で任務を遂行しようとする佐伯に、西崎と落合は「手を貸す」と申し出た。慶子がマンション に戻ると、部屋の前に朝倉がいた。朝倉から無線の音声を聞かされた慶子は、それを編集部へ持って行った。無線の音声を聞いた宮田は、 「公安に平田とチヘの保護願いを出す」と言う。慶子は、「その前に彼らに説明したい」と頼んだ。
2月5日、11時30分。佐伯の班とは別で風紋岳を進んでいた第一班が、工作員の襲撃で全滅した。連絡が途絶えたことを受け、冬木は 渡良瀬に「周辺住民への避難命令を」と進言する。しかし片山は反対し、「避難させる理由が無い。墜落機に搭載されている物を明らかに すれば、日本中がパニックになる」と主張した。渡良瀬は、避難命令を思い留まった。
慶子と青木がラブホテルに戻ると、平田とチヘの姿が消えていた。青木がチヘの携帯のGPSを追跡し、港へ向かっていることを知った。 平田達は、工作員に拉致されていた。青木が火事を起こし、その隙に慶子が監禁されている平田とチヘを連れ出した。衰弱している平田は 、慶子に「ステルスに爆薬を仕掛けて墜落させた。だがチヘと産まれて来る子供の3人で暮らすため、上官を殺した。取引のための保険が 必要だった。これで救える。チヘと子供、お前達の国も」と告げ、ロケットを渡した。
佐伯は西崎と落合に、ミッドナイト・イーグルが見岳沢にあることを教えた。落合は、そこに核爆弾が積まれていることを指摘した。以前、 彼は東京時代にそのネタを追って、潰されていた。山に入った工作員が、その核爆弾を起動させる恐れがある。そうなれば、太平洋側の ほとんどの年が放射能の風にさらされ、多くの犠牲者が出るのだ。平田が死亡したため、慶子は彼を残して青木、チヘと共に逃走した。 西崎たちは、先発隊の死体を発見した。
ミッドナイト・イーグルに到着した西崎たちは、見張りの工作員に襲撃される。佐伯が工作員を射殺し、機内に入った。既に爆弾の起爆装置 が作動しており、日付が変わる2時間半後には爆発するようになっていた。佐伯は解除を試みるが、パスワードが変更されていた。佐伯 から退避するよう言われた西崎と落合は、それを拒否した。西崎は無線で朝倉との通信を試みるが、電波が弱い。その時、無線を傍受して いた自衛隊の連隊本部から呼び掛けが来た。
慶子は首相官邸に呼び出され、渡良瀬から事情の説明を受けた。パスワードの変更を聞かされた慶子は、平田から預かったロケットを 渡した。そこにパスワードが隠されているのだ。西崎たちはバッテリーを発見し、無線で安保会議と通信する。パスワードの解読が終わり、 それを佐伯は打ち込んだ。タイマーが停止し、核爆弾の起動装置は解除された。
しかし安堵したのも束の間、西崎たちは墜落機を工作員が取り囲んでいることに気付いた。再び核爆弾を起爆させるために、やって来たのだ。 渡良瀬は佐伯に、増援部隊が到着するまで墜落機を死守するよう命じた。それから彼は、対象地域に緊急避難命令を出すよう冬木に指示 した。佐伯たちは銃撃を浴びせて威嚇し、しばらく時間を稼いだ。敵はロケット砲まで持っていた。
激しい吹雪の続く中、佐伯の親友・斉藤の乗ったヘリが現れ、救援しようとする。しかし悪天候を考えると着陸は不可能であり、佐伯は撤退 するよう求めた。もう犠牲は出したくないという彼の懇願を受け、斉藤は撤退した。包囲した工作員は、30名はいるものと推測された。 西崎は渡良瀬に、ナパーム弾を投下して、自分達ごとミッドナイト・イーグルを焼き尽くすよう要求した…。監督は成島出、原作は高嶋哲夫、脚本は長谷川康夫&飯田健三郎、製作は松本輝起&早河洋&気賀純夫&水野文英&加畑圭造、企画は 小滝祥平&遠谷信幸&北川淳一&上松道夫&中村邦彦(亀山慶二はEP)、プロデューサーは梅澤道彦&依田正和&野口照夫&森谷晃育& 藤木啓(杉山登、伊藤仁吾はいない)、アソシエイトプロデューサーは福吉健&小久保聡&山口敏功&坂本光正&大西美枝、 エグゼクティブプロデューサーは亀山慶二&秋元一孝&宇野康秀&高野力&佐倉寛二郎 (梅澤道彦はP)、撮影は山本英夫、編集は William Anderson、録音は小野寺修、照明は小野晃、美術は及川一、視覚効果は松本肇、サウンドデザインはChristopher Eakins、 山岳アドバイザーは小西浩文、音楽は小林武史。
主題歌はBank Band「はるまついぶき」作詞は桜井和寿、作曲は小林武史。
出演は大沢たかお、竹内結子、玉木宏、吉田栄作、袴田吉彦、藤竜也、石黒賢、大森南朋、佐々木勝彦、橋爪淳、坂本爽、金子さやか、 波岡一喜、濱田岳、重松収、佐原弘起、相築あきこ、浜田晃、立花一男、秋間登ら。
高嶋哲夫の同名小説を基にした作品。
西崎を大沢たかお、慶子を竹内結子、落合を玉木宏、渡良瀬を藤竜也、佐伯を吉田栄作、冬木を 袴田吉彦、宮田を石黒賢、斉藤を大森南朋、自衛隊統幕長を佐々木勝彦、片山を橋爪淳、青木を坂本爽、チヘを金子さやか、平田を 波岡一喜、朝倉を濱田岳、町医者を重松収、優を佐原弘起が演じている。
脚本家出身で、『油断大敵』で監督デビューを果たした成島出が、3本目となるメガホンを執っている。迫力、緊迫感、スケール感、三拍子揃って欠けている。
本格的なポリティカル・サスペンスと見せ掛けておいて、実は荒唐無稽なお馬鹿サスペンスだった。
シネテルのテレビ映画かと思うほど、作りは粗い。
だけどユニヴァーサル・ピクチャーズも製作に関わっている関係で、日米で同時公開され、ロサンゼルスでワールドプレミアも開催された んだよなあ、この映画。
ユニヴァーサル・ピクチャーズの世界戦略の一環として製作された作品だが、たぶん上層部は「やっちまったなあ」と頭を抱えたんじゃ ないか。何をトチ狂ったのか、この映画は主人公の根幹に関わる部分からして、原作と設定を変えている。
原作の主人公は、息子が危機に陥った時、助けることより写真を撮ることを優先し、妻に愛想を尽かされている(原作の慶子は義妹ではなく別れた 妻だ)。そして本人も戦場カメラマンを辞めている。
しかし映画では、中東の子供が眼前で死ぬのを見て、戦場での活動から足を洗っている。
いやいや、戦場カメラマンとしてキャリアを積んでいたのなら、眼前で民間人が死ぬ姿なんて、何度も見てきたはずだろうが。で、義妹の慶子によれば、西崎の死んだ奥さんは、旦那が再び戦場へ戻ることを望んでいたという。
何だよ、その違和感たっぷりの設定は。
むしろ「家族のために、もう危険な場所には行かないでほしい」と望む方が自然じゃねえの。
で、戦場に戻らない西崎を責めた慶子は「優は自分が育てる」と言うが、それは「西崎が情けない奴だから任せられない」という論理 でしょ。ってことは、西崎が戦場カメラマンに戻ったら息子は返す、ということになる。
でも西崎は戦場に行くんだから、息子と一緒に暮らすのは無理でしょ。
設定を変更したことで、そこも変なことになってしまっている。とにかく登場人物の行動がデタラメで支離滅裂。
なぜ西崎と落合は山に登り、命を狙われたにも関わらず下山しないのか。
「もう逃げたくないから」って、そんな説明で納得できると思ったのか。
なぜ工作員は戦闘訓練を積んだプロのはずなのに、西崎と落合を殺そうとした際、何度も狙いを外すのか。
明かりの付いたテントや、赤いジャンパーなど、狙いが付けやすいはずの標的を外しているのでヘボい工作員かと思ったら、自衛隊を標的 にした時には、白迷彩で見えにくく、武器で反撃もして来るのに、軽く全滅させている。なぜ宮田は、そんなに簡単に極秘情報を入手できるのか。
演じているのが石黒賢では、「極秘情報をゲットするルートを知る謎めいた人物」としての説得力が、まるで無いし。
日本の総理がヒゲモジャなのも、説得力が無さ過ぎる。まだ橋爪淳が総理役の方が、幾らかマシだぞ。
あと、総理大臣が三等陸佐に対して敬語で喋っているのも、なんか違和感があるぞ。ステルスが墜落したのに、米軍が全く動いていないのは不自然極まりない。
「米国本土から特殊部隊を派遣するのに5日かかる」と言い訳しているが、そんなことは有り得ない。
某国(っていうか北朝鮮ってハッキリ言えよ)の工作員はステルスを墜落させて核爆弾を爆発させようとするが、なぜ横田基地で爆発 させず、いちいち墜落させてから爆発させる必要があったのか。
そもそも、米軍が密かに積んでいた核爆弾が、なぜタイマー式なのか。自衛隊を狙った工作員3名は佐伯に射殺され、見張りの工作員も始末される。
ところが後から後から、工作員は無限増殖のようにワラワラと現われる。
ステルスを包囲した工作員は30人もいるらしい。
自衛隊がさんざん苦労して登山しているのに、工作員はすげえな。
で、その工作員に関してだが、なぜ日本の政府首脳は敵を「工作員」としか呼ばず、敵国の名前を一度も言わないのか。佐伯は西崎に「声を掛けてくれなかったら全滅だった」と礼を述べているが、いやいや、アンタ以外は全滅しているんだよ。工作員の攻撃 を受けてから対応しているんだし、西崎が声を掛けたことは、何の役にも立っていないんだよ。
慶子は平田が持っていた銃を簡単に預かり、それどころか編集部にまで持って行く。しかも、ベタベタと素手で触っている。
アンタは新人記者なのか。
平田とチヘを救出に向かった慶子は、敵に追われた時、銃を手に取り、何の苦労も無く射撃している。
そもそも「咄嗟に銃を取る」という行動も驚きだし、初心者がいきなり普通に銃を撃てるのも驚きだ。
西崎と落合も、ステルスで工作員に包囲された時、自動小銃を手に取り、それを普通に撃つことが出来ている。
この荒唐無稽さは、やはりB級アクションとしてのモノだろう。敵がプロなのに(まあプロにしては狙いを外しすぎているが)、何の戦闘訓練も積んでいない西崎と落合が逃げ延びることが出来るのは、 「雪山でのサバイバルにおいては、経験も知識も豊富で工作員に勝っているから」ということなら、納得しやすい。
しかし西崎と落合は、雪山のプロらしさを全く見せてくれない。登山道具や知恵を使って、敵を撹乱したり逃げ延びたりすることは無い。
そもそも長年に渡って山に登っているにしては、装備は全て新品そのものだしね。
佐伯が国家機密をバラすのだって、「西崎と落合が雪山に関してはプロフェッショナルであり、信頼して任せられると思ったから」という 理由が無いと、ただの軽い奴でしかなくなってしまう。
でも「ずっと前から何度も山に登っている」と偉そうなことを言った割に、西崎たちは佐伯に守ってもらっているだけだ。「一人じゃ無理 だから手助けする」と言いながら、ほとんど手助けできていない。
あと、ずっと雪山で過ごしている割りには、西崎たちの顔ってキレイだよな。「工作員によるテロ」という現実に直面していながら、西崎は「戦争も軍隊もあってはならない」と平和ボケしたことを抜かしている。
そんなことをマッタリと喋っている場合じゃねえだろ。
こいつはトマホークからの攻撃命中を待つ間もノンビリしており、その間は工作員からステルスを死守しなきゃいけないはずだが、なぜか 余裕で通信しているんだよな。
墜落機を包囲した工作員が都合良く攻撃を中断する際に佐伯が「ロケット砲は明かりが無いと照準が合わせられないから」と説明して いるが、じゃあロケット砲を使わずに、別の武器で襲撃すりゃいいだけの話だからね。
あと、なぜか工作員は一方向からしか攻撃しないが、挟み撃ちにするとか、そういうことを思い付く脳味噌は無いのか。
それと、落合は工作員によって、操縦席の窓越しに撃たれているが、ステルスの窓って防弾じゃないのかよ。最後に西崎が「自分たちが犠牲になって日本を守る」と言い出すのも、陳腐なだけ。
しかも西崎だけじゃなくて、他の2人も含めての犠牲なのね。
おまけに自分が行動して決着を付けるんじゃなくて、「首相に頼んでナパーム弾を発射してもらう」という、他人に頼る形なのもヌルい。
発射されてから命中までに西崎がダラダラと喋り続け、ナパーム爆破の様子は見せない。
しょっぱいのお。この映画の製作費は約10億円らしい。
ミレニアム・フィルムズが制作したジャン=クロード・ヴァン・ダムの主演作だって、もっと金が掛かっている。
10億円のサスペンス・アクションってのは、ハリウッドならスケールのデカい大作ではなく、B級レベルなのだ。
それを考えると、「10億円なら、まあ、この程度の出来映えなんじゃねえの」と思えるんじゃないだろうか。
その言葉が、この映画に投げ掛けてあげられる、最大限のフォローだ。(観賞日:2009年2月21日)
第1回(2007年度)HIHOはくさい映画賞
・最低主演女優賞:竹内結子
<*『ミッドナイト イーグル』『クローズド・ノート』の2作での受賞>
・最低助演男優賞:石黒賢
<*『未来予想図 〜ア・イ・シ・テ・ルのサイン〜』『ミッドナイト イーグル』の2作での受賞>