『プロメア』:2019、日本
原因不明の人体発火現象が世界中で続発し、人口の約半数が焼失した。それから30年後、自治共和国プロメポリスの高層ビルで火災が発生し、バーニングレスキューに出動要請が出された。隊長のデウス・プロメスと隊員のアイナ・アルデビット、レミー・プグーナ、バリス・トラス、ルチア・フェックス、イグニス・エクス、新人のガロ・ティモスはレスキューギアを装着し、フォーサイト財団製薬会社ビルへ向かう。現場に到着した隊員たちは、取り残された人々を救助した。
ガロが屋上に避難していた人々を救助していると、背後から炎上テロリスト「マッドバーニッシュ」の3人が現れた。メンバーの大半は既に逮捕されているが、リーダーのリオ・フォーティア幹部のゲーラ&メイスだけは逃走中だった。デウスは過去30年間のバーニッシュ犯罪の大元がマッドバーニッシュだとガロに説明し、「耐火救助用装備では歯が立たない」と告げる。しかし彼は、退却を命じてもガロが絶対に従わないことを分かっていた。
ガロはルチアに頼んで装備を変更してもらい、レスキューギアをマトイテッカーに変身させる。彼は簡単に幹部2名を捕獲し、チームの協力でリオ・フォーティアも取り押さえた。そこへフリーズフォースのヴァルカン・ヘイストス大佐が部隊を率いて現れ、リオたちを連行すると通告した。ガロが「手柄を横取りかよ」と口を尖らせると、ヴァルカンは「越権行為で逮捕する」と掴み掛かった。デウスが「火災現場での緊急対応は我々にも認められている」と抗議すると、ヴァルカンはガロを解放して去った。
リオたちがフォーサイト財団の建物に連行されると、幼い子供たちや老人、怪我を負ったバーニッシュが手足を氷漬けにされていた。ガロはバーニングレスキューの若き英雄としてプロメポリスの司政官であるクレイ・フォーサイトに紹介され、勲章の授与式で市民の喝采を浴びた。ガロは左手を犠牲にして幼い自分を火災現場から救ってくれたクレイに恩義を感じており、「アンタは俺の英雄です」と告げた。当時は学生だったクレイだが、人命救助で名前が広まり、研究していた耐火構造素材の特許で億万長者になった。現在はプロメポリスの司政官だけでなく、フォーサイト財団の理事長も務めている。
ガロはバーニングレスキューのメンバーとピザ屋でランチを食べていると、ヴァルカンがフリーズフォースを率いて突入して来た。彼はバーニッシュだったピザ焼き職人を拘束し、正体を知りながら雇っていた店主も逮捕した。ヴァルカンは店の閉鎖を通告し、ガロやアイナが抗議すると「バーニッシュを匿う奴はバーニッシュ擁護罪で逮捕だ」と告げた。フリーズフォースが去った後、店の客は「このピザはバーニッシュが焼いてたのか」と不快感を露骨に示した。それを見てガロが腹を立てると、レミーが「間違えるなよ。俺たちに止める権限は無い」と釘を刺した。
リオは移送の途中で拘束具を破壊し、ゲーラとメイスに仲間の救出を指示して「ただし殺すな。バーニッシュは無闇に人を殺さない」と告げた。ゲーラとメイスが収監されていたバーニッシュを解放し、リオは奪ったヘリコプターに全員を乗せて逃亡した。ガロが山中にある氷の湖を見て頭を冷やしていると、心配したアイナが追って来た。ガロが「クレイの旦那には迷惑掛けられないからな」と言うと、アイナは「気持ちは分かるかな。私はいつもエリスの妹だから」と告げる。アイナの姉のエリスは、フォーサイト研究所の所員だった。
転びそうになったアイナを抱き止めたガロは、顔を近付ける。彼は山の向こうへ落ちていくバーニッシュの炎を目撃し、アイナに本部への連絡を頼んで現場へ急行した。バーニッシュたちが身を隠す洞窟に潜入したガロは、レオに拘束された。リオは瀕死の状態に陥った仲間のシーマを救うため、口移しで炎を供給する。しかしシーマは助からず、灰になって消滅した。驚くガロに、彼は「バーニッシュの宿命だ。炎はバーニッシュの体を燃やす。だが、燃やした肉体を再生するパワーをくれる。生きている間は僕らの肉体は永遠だ。幾ら燃やしても復活できる。だが、命を終えた瞬間、僕らの体は灰になる」と述べた。
リオはガロに「人は殺さない。マッドバーニッシュが街を襲う時、人々の逃げ道は作っている。それがバーニッシュの誇りだ」と話すと、仲間を連れて洞窟を去ることにした。ガロが「また逃げんのか」と批判すると、彼は「ああ、財団が襲って来る限り」と言う。ガロが「火を付けなければ普通の人間と同じじゃねえか。そうすりゃあ、逃げ回らなくて済む」と話すと、リオは「君は馬鹿だな。彼女がなぜ死んだと思う?フォーサイト財団の人体実験のせいじゃないか。彼女だけじゃない。みんなクレイ・フォーサイトに殺され掛けた。奴は僕らバーニッシュを切り刻み、データを取る」と怒りを漏らした。ガロが「司政官がそんなことするはずがない」と反発すると、リオは「そうやって真実から目を背けてろ」と告げて洞窟から逃亡した。
アイナが洞窟に駆け付け、ガロを解放した。ガロはクレイの元へ出向いて勲章を返し、人体実験について問い詰めた。するとクレイは地下の実験場へガロを案内し、「「地球の地殻内のマグマが暴走している。このままだと半年後にはマグマが噴出し、地球を襲う。確実に地球は死の星になる」と話す。彼は宇宙船のパルナスサスを建造し、地球と良く似た惑星に選ばれた1万人の人類を移送する計画を立てていた。実験場ではエリスが働いており、ピザ屋の職人を使った最終実験が行われていた。財団はバーニッシュを犠牲にしてパワーを生み出し、ワープエンジンの実用化を目指していた。
ガロが「俺が地球のマグマを消火する」と告げると、クレイは「時間が無い。1人の馬鹿でも騒がれると面倒だからな」と冷たく言い放つ。ガロが「旦那?」と困惑すると、クレイは「旦那と呼ぶな。ずっと目障りだったんだよ、お前は」と殴り付け、部下たちに地下牢へ連行させた。クレイはバーニッシュの隠れ家へフリーズフォースを差し向け、次々に捕獲させた。マッドバーニッシュが駆け付けてフリーズフォースを撃退しようとするが、情報を漏らした裏切り者の妨害を受けた。ゲーラとメイスは窮地に陥ったリオを火山の火口へ飛ばし、他のバーニッシュと共に捕獲された。
エリスは罪悪感を抱きながらも連行された全てのバーニッシュをワープエンジンに変換し、クレイはパルナスサス計画の実行を宣言した。イグニスはバーニングレスキューの隊員たちに、ガロがクレイの暗殺未遂で逮捕されたと伝える。隊員たちが疑念を抱く中、アイナは財団へ向かう。彼女はエリスに詰め寄り、ガロの解放を要求する。エリスは「ガロが司政官を襲うのを見ていた」と静かに告げ、それよりも自分のことを考えなさいと諭した。
リオは怒りに震え、クレイへの復讐心を燃やした。彼は炎のドラゴンに変貌して街の各地に火災を発生させ、仲間の解放を要求して「もう容赦はしない」と通告した。リオはフリーズフォースを軽く蹴散らし、独房から脱出したガロは出動したレスキューと合流した。リオがクレイを見つけて襲い掛かろうとすると、ガロが割って入る。彼は格闘の末にリオを捕まえ、アイナのモービルに飛び込んだ。2人が言い争っていると、アイナは「少しは頭を冷やしなさい」と氷の湖へ落下させた。
レオの炎で水が一気に蒸発すると、湖に隠れていた巨大な基地が姿を現した。ガロたちは「君たちに話がある。こちらに来てほしい」という声に導かれ、基地に足を踏み入れた。声の正体は、バーニッシュ研究第一人者のデウス・プロメス博士だった。デウスはクレイに殺害され、研究の内容を全て奪われていた。彼はコンピュータに意識を移しており、中途半端なプロメテック・エンジンを起動させれば地球が滅ぶとガロたちに教えた。
デウスはガロたちに、「バーニッシュを苦しめれば、地球のコアのプロメアが暴走する」と告げる。バーニッシュが使うのは別の並行宇宙に存在する炎生命体であり、デウスは「プロメア」と名付けていた。30年前に時空間の歪みが起き、地球のコアがプロメア宇宙と繋がった。プロメアと共振しやすい人間が、次元断裂を使って力を使っている。それがバーニッシュだった。デウスは「バーニッシュの苦しみはプロメアにも伝わり、暴れ回って地球を崩壊させる」と語り、本物のプロメテック・エンジンを使ってクレイを止めてくれと依頼した。ガロとリオはデウスが開発した超兵器のデウス・エックス・マキナに搭乗し、クレイの元へ向かう…。監督は今石洋之、原作はTRIGGER&中島かずき、脚本は中島かずき、アニメーションプロデューサーは舛本和也、ソシエイト プロデューサーは平澤直、プロデューサーは鵜飼恵輔、クリエイティブディレクターは若林広海、副監督は大塚雅彦、キャラクターデザインはコヤマシゲト、美術監督は久保友孝(でほぎゃらりー)、タイトルロゴデザインは市古斉史(TGB design.)、演出は金子祥之&大塚雅彦、作画監督Unit Aは すしお、Unit Bは杉本ミッシェル&中村真由美、Unit Cは五十嵐海&長谷川哲也、Unit Dは すしお、色彩設計は垣田由紀子(T2 STUDIO)、3DCGスーパーバイザーは石川真平、3D特技監督は今石洋之、SF設定考証は堺三保、撮影監督は池田新助、編集は植松淳一、音響監督は えびなやすのり、音楽は澤野弘之、音楽プロデューサーは鳥羽洋典、主題歌はSuperfly『覚醒』『氷に閉じこめて』。
声の出演は松山ケンイチ、早乙女太一、堺雅人、ケンドーコバヤシ、古田新太、佐倉綾音、レミーを吉野裕行、稲田徹、新谷真弓、小山力也、楠大典、小清水亜美、檜山修之、小西克幸、柚木涼香、岩田光央、M・A・O、最上嗣生、岡野友佑、菊池幸利、広瀬さや、藤井隼、佳穂成美、木村隼人、竹内恵美子、白戸祐太郎、柴田芽衣、前田雄、陣谷遥、谷川立紀、東條達也、堀総士郎、織江珠生、越乃奏、三上由理恵、千先広大、成花、永崎舞弥、弓野真紀、有隅融、大城戸翔太、久米健太、松村悠哉、賀藤妃菜ら。
『天元突破グレンラガン』『キルラキル』で監督を務めた今石洋之と脚本の中島かずきがコンビを組んだ長編アニメーション映画。
ガロの声を松山ケンイチ、リオを早乙女太一、クレイを堺雅人、ネズミのビニーをケンドーコバヤシ、デウスを古田新太が担当している。
他に、アイナを佐倉綾音、レミーを吉野裕行、バリスを稲田徹、ルチアを新谷真弓、イグニスを小山力也、ヴァルカンを楠大典、エリスを小清水亜美、ゲーラを檜山修之、メイスを小西克幸、クレイの秘書のビアルを柚木涼香が演じている。これって続編?それともTVシリーズの劇場版?」と疑ってしまうほど、序盤の説明不足が甚だしい。
導入部では「突然変異による新人類のバーニッシュが現れた」「テロ組織のマッドバーニッシュが出現した」「世界同時大炎上で人口の半数が死亡」といった情報が、1分程度の断片的なナレーションで示される。
そもそもも情報が少ないし、かなりの駆け足だ。
だったら後から詳しい説明があるのかというと、そういうわけでもない。ちょっとフォローしておくと、決してディティールが雑だというわけではない。ちゃんと細かい設定は用意されている。ただ劇中で触れる部分が少なすぎるだけだ。
いや、別に「ホントは細かい設定があるけど、劇中では一部分しか使っていない」ってのが、必ずしもダメってわけではないのよ。劇中で使わなかった多くの設定が、映画を見て気に入った人が個人的に色々とディグった結果として、「こんな裏設定があったのか」と知って楽しめるような要素に繋がることもあるしね。
ただ、この映画の場合、無くてもいい部分じゃなくて、無いと困る部分の説明まで排除しちゃってるのよ。
だから、「もう少し説明しないと分かりにくいでしょ」と言いたくなるのよ。あと、前半で主要キャラのように登場したメンツの大半が、後半に入ると「要らない子」になっちゃってるのよね。
具体的に言うと、まずバーニングレスキューの面々は全て要らない。そもそも「バーニングレスキュー」という組織自体が、後半になると無意味と化している。
ゲーラとメイスも別に要らない。姉妹の絆とか苦悩の描写が全く足りていないから、エリスもいなくて構わない。
ガロ、リオ、クレイの3人がいれば、他はモブキャラ的な奴らばかりでも成立してしまう。フォーサイト財団製薬会社ビルのアクションが終わった後、「炎を操るミュータントのバーニッシュが起こした大火災で、世界は大打撃を受けた。しかし今、バーニッシュの脅威は駆逐されつつある」という説明がある。
この時点では、「バーニッシュは人口の半数を殺した悪い奴ら」という扱いになっている。
だが、ピザ屋のシーンで店主が「バーニッシュにはおとなしい奴もいる」と言い、アイナが「誤解を受けがちだけど、バーニッシュそのものが悪いわけじゃない」と語り、レミーが「突然変異だからな。本人の意思とは関係ない」と話す。つまり、バーニッシュが必ずしも悪ではないってことだ。
でもピザ屋のシーンまで、その辺りがボンヤリしている。「バーニッシュは突然変異であり、必ずしも悪ではない。しかし世間的には悪とみなされがち」ってのは、ものすごく大切な要素だ。それを考えると、そこの世界観は最初に示しておいた方がいいだろう。
あと、ピザ屋の会話でガロの考え方がハッキリしないのは手落ちだろう。ガロは「とにかく、このプロメポリスの火事なら俺に任せてくれ」と言うだけで、バーニッシュに対する考えを示さないのよね。
それと、彼はヴァルカンに「バーニッシュはともかくオヤジさんは関係ないだろ」と店主は擁護する態度を示すけど、職人がバーニッシュというだけで連行されたことへの怒りは示していないんだよね。
その辺りは、主人公としての立ち位置が定まっていないと感じる。ヴァルカンたちが去った後、店の客は「このピザはバーニッシュが焼いてたのか」「俺たちにこんな物食わせやがって」と不快感を露骨に示す。それを見てガロが腹を立てると、レミーが「間違えるなよ。俺たちに止める権限は無い」と告げる。
でも、それは会話として成立していないでしょ。
そこでガロが腹を立てたのは、ピザ職人への差別的な客の態度であって、連行したフリーズフォースへの怒りではない。
つまりレミーが冷静に指摘するのは、タイミングとして1シーン遅れている。ガロがクレイについて「俺が勝手なことやって、司政官の権威を笠に着てると思われたら旦那に悪い」と語った時、アイナは「気持ちは分かるかな。私はいつもエリスの妹だから。エリスは小さい時から頭が良くて、神童って呼ばれていて。でも誇りだよ。エリスが姉だってことは」と話す。
でも、そこで「クレイに対するガロの気持ち」にアイナが「エリスに対する自分の気持ちを重ねるのは無理があるでしょ。
だって、まるで違うからね。ガロにとってクレイは「恩人」であり、アイナにとってエリスは「いつも比較されてきた相手」だからね。
「自分にとって大きな存在」「迷惑を掛けられない相手」と共通項で結び付けたかったんだろうけど、意味が全く違うでしょ。簡単に言うと、「ドカーン、ボカーン、ズシャーン」という映画である。 「いや、ちっとも簡単じゃねえよ。分かんねえよ」と言いたくなるかもしれないが、これがホントに最も分かりやすい表現じゃないかと。そのオノマトペから内容を何となくイメージしてくれれば、そう遠くないと思うのだ。
ようするに、ロボット(パワードスーツ)によるアクションだけがやりたかったんだろうってことだ。
もう少し具体的に言うならば、たぶんマーベル映画みたいなアクションをアニメで表現したかったんじゃないかな。
終盤で「実はプロメアが云々」という真相が明らかになるまでのバーニッシュの設定だけ見ると、ほぼX−メンだしね。ガロは洞窟から出て来たバーニッシュの子供たちを見つけても、何のリアクションも無い。
しかし洞窟に潜入して包帯を顔に巻いているバーニッシュの子供を見ると、今度は目を見開いて動きが止まる。レオに「バーニッシュも飯を食うのか」と悪態をついたかと思えば、「バーニッシュも人間だ。食べなければ死ぬ」と言われると途端に「悪かったよ」と謝る。
バーニッシュに対するガロのスタンスが、全く定まっていないんだよね。
ステレオタイプど真ん中の「熱血タイプの正義のヒーロー」として描きたかったんだろうとは思うし、そういう意味での底の浅さは甘受してもいい。
でも、バーニッシュという設定には明確な「差別」という社会問題が絡んでいるわけで、それに関連した部分でのガロの薄っぺらさはダメでしょ。アクションに特化した単純明快な話ってことを考えても(ホントはもう少し深くテーマを掘り下げるべきではあるんだけど)、表面的にはガロが主人公で適任のはずだ。ところが実際には、まるで不適格になっている。
そして、どう考えてもリオの方が主人公にふさわしいと感じる。こいつの方がガロよりも遥かに魅力的なキャラクターになる可能性を持っているし、感情移入できる要素も大きいからだ。
ただし本作品だと、あくまでも「可能性を持っている」というレベルに留まっている。
こっちもガロほどではないが、充分にキャラを描けているとは言い難い。リオがクレイに襲い掛かろうとした時、割って入ったガロは「テメエの逆ギレ炎なんて、これっぽっちも熱くねえ」と言い放つ。
だけど、逆ギレじゃないことは、テメエも良く分かっているはずじゃねえか。
クレイがバーニッシュを人体実験に使ったり殺したりしたから、リオは怒っているんだよ。それのどこが逆ギレなのかと。その怒りには、真っ当な理由があるだろうに。
それなのにガロは、リオを「シンプルな悪党」とみなして倒そうとするのだ。ガロはリオと格闘の最中に「だからと言って何の罪も無い市民が巻き添えになるのは見過ごせねえ」と言うけど、先に逆ギレ扱いしているから、後でフォローするようなことを言っても遅い。
しかも、リオの「何の罪も無いバーニッシュを実験台にしているのは、お前たちだ」という非難には、ちゃんと反論していないんだよね。論点から目を背けて、別の主張で誤魔化そうとするんだよね。
そこに限らず、この映画では持ち込んだ問題提起を、全て乱暴に放り出して終わっている。「俺は火を消すだけ」という単純な正義を振りかざすだけでは、何も解決しないのに。
っていうか、たぶん監督は最初から、問題提起するつもりなんか無かったんだろう。ハッキリ言って、話の中身はものすごく薄っぺらい。
「アクションがあれば充分でしょ。他には何も要らないでしょ」と開き直ったかのように、ドラマには何の新鮮味も無ければ面白味も無い。
それでも、今石洋之や彼が所属するアニメ制作会社「TRIGGER」の作品を今まで1本でも見たことがある人なら、「いかにもTRIGGERらしい作品だな」ってことで、ニヤニヤできるかもしれない。
そして、大いに楽しみ、歓迎できるかもしれない。(観賞日:2022年1月19日)