『ピンチランナー』:2000、日本

朝比奈学園3年生の峰岸あゆみは、たった一人だけの陸上部部員。彼女にはリレーで失敗したことからイジメに遭ったという、つらい過去があった。ある日、部室が落雷によって炎上する。閉じ込められたあゆみは後藤俊也に助けられた。
2年生の林原真穂はバスケットボール部部員だが、使いっ走りの毎日から抜け出そうと考え、陸上部に入部した。同じく2年生の神崎知子は幼馴染みの俊也に恋しており、彼が気にしているあゆみへの嫉妬心から陸上部に入部した。
3年生の仙道麗子は自己中心的な振る舞いが周囲の反感を買い、バスケットボール部を追い出される。自殺騒動まで起こした彼女は、自分の面目を回復するために陸上部に入部。3年生の松本道子は不治の病に冒されているが、陸上部のマネージャーになることを申し出る。
1年生の長谷川さなえも陸上部に入部。学校近くにあるパン屋を営む増田郁恵のサポートもあり、あゆみ達は駅伝大会への出場を目指すことになった。練習を重ねた彼女達は、ひたちなか全国少女駅伝大会に参加。様々な思いを抱く中、スタートの合図が鳴らされた…。

監督は那須博之、原案は萩原史子、脚本は斎藤葉子&益川知実、脚本協力は山田政史&桂樹茉莉はプラネット・ラボ、企画は山ア直樹&岡田裕介&宮川鑛一、プロデューサーは佐藤尚&冨永理生子&福田一平、撮影は藤石修、編集は只野信也、録音は柴山申広、照明は渡辺三雄、装飾は大庭信正、美術は和田洋、衣裳は杉山敦子&渡辺純好、音楽は前嶋康明、音楽プロデューサーは津島玄一&宮地修平。
出演は中澤裕子、安倍なつみ、飯田圭織、保田圭、矢口真里、市井紗耶香、後藤真希、石川梨華、吉澤ひとみ、辻希美、加護亜依、押尾学、北川弘美、松坂慶子、北村総一朗、斉藤洋介、近藤芳正、光浦靖子、エスタ・ワンジロ、高田宏太郎、美勇士、内田滋啓、田中信行、荒川智大、大塚朝之ら。


モーニング娘。が初めて本格的な映画に挑戦したことが話題となった作品。
クライマックスとなる駅伝シーンは、実際に彼女達がひたちなか全国少女駅伝大会に参加し、その様子をドキュメンタリー映像のような形で使用している。

で、簡単に言うと、「旬のアイドルグループが映画に出演した」という以外には何の価値も無い映画である。モーニング娘。のファンだけが喜ぶ作品であり、普通の感覚で見れば完全にクズ映画である。
ガラクタ揃いのアイドル映画の中でも、おそらく最低レベルに位置するだろう。

主演するモーニング娘。は役者としてはほとんど素人なので、もちろん芝居の上手さを期待してはいけない。さらに、彼女達の演じるキャラが非常に薄く、メリハリも無く、パターンにハマっている。キャラ設定は不充分で、まとまりが無い。
キャラクターの魅力は全く無い。

キャラクターだけでなく、ストーリーにも一貫性は無い。御都合主義でコロコロと方向が変わっていき、唐突に登場するエピソードで物語を強引に進行させていく。メチャクチャな設定で、行き当たりばったりの展開。
そこにストーリーの魅力は全く無い。

肝心のクライマックス、駅伝シーンが最もお粗末というのも凄い。なんと手持ちビデオによる撮影なのだ。ドキュメンタリー風の演出を意図したのかもしれないが、大失敗である。インディーズ映画じゃあるまいし。
盛り上がるべき場面で盛り下げる演出をしてどうするの。
完全にポンコツナミックですな。

 

*ポンコツ映画愛護協会