『ホテルローヤル』:2020、日本

北海道の釧路。売れないカメラマンの貴史は、売れないグラビアアイドルで恋人の美雪を助手席に乗せて車を運転している。不機嫌そうな美雪に、彼は「終わったら何でも好きなモン食っていいから」と告げる。廃墟となっているラブホテル『ホテルローヤル』に到着すると、貴史は立ち入り禁止のテープを無視して中に入る。彼は美雪に脱ぐよう指示し、ヌード写真の撮影を開始する。美雪が「楽しくない」と口にすると、貴史は「ネットのエロ写真とは違うからな。ちゃんとしたジャンルの作品なんだ」と語った。美雪は「お腹が空いた」と言い、撮影を切り上げようとする。貴史は「やっと目標を見つけたんだ。もう挫折したくないんだよね」と弱々しく告げて、彼女の同情心を誘う。美雪はポーズを取り、貴史は撮影を再開した。貴史は興奮してセックスを始め、喘いだ美雪は壁紙を剥がしてしまった。
『ホテルローヤル』のパートとして働く能代ミコは、破れた壁紙を直した。同じ客室では、同僚の太田和歌子が掃除していた。ホテルの娘である田中雅代は、頼まれた物を買って戻って来た。彼女は札幌の美術大学を落ちて、家の仕事を手伝っていた。酒屋の坂上朝人が配達に来て「どうするんだ、これから。就職たって今からじゃな」と軽く言うと、雅代は無視して去った。雅代の母のるり子は、アダルトグッズ会社の営業マンの宮川聡史からバイブレーターの説明を受けていた。雅代はるり子から客に教えるためにも使い方を覚えておくよう言われ、苛立って自分の部屋に入る。彼女が絵を描いていると宮川が来て、「先程は失礼しました」と詫びた。
和歌子はるり子と朝人の不倫が1年前から続いていることを知っており、ミコに教える。3日に1度のペースで来る客を和歌子が「変態」と評すると、夫の正太郎と同じ頻度で関係を持っているミコは困惑した。ミコは雅代から「ミコさんは何になりたかった?」と質問され、「お嫁さんだね」と答えた。雅代が「じゃあ叶ったんだ」と言うと、彼女は「稼ぎ無いけど、優しい人なんだわ」と告げた。正太郎は仕事で足を悪くして、今はずっと家にいる。
ミコは和歌子から、届いた手紙を渡された。それは息子の小次郎からの手紙で、給料が上がったからお金を送ると書いてあった。小次郎は左官職人で、現金書留に入っている紙幣を見たミコは感激した。彼女は雅代に、5年前に息子が帰郷した時の写真を見せた。雅代の父の大吉はパチンコから戻り、大量の景品を持ち帰った。彼はミコと和歌子に、好きな物を持ち帰るよう促した。ミコと和歌子が喜んで分けていると、テレビのニュースで暴力団員の小次郎が死体遺棄容疑で逮捕されたことが報じられた。ミコはショックを受け、呆然としながら仕事に戻った。
ミコは浴槽を掃除しながら、幼少期を思い出した。彼女は母から、「何があっても働け。一生懸命体動かしてる人間には、誰もなんにも言わねえもんだ。聞きたくねえことには耳塞げ。働いてりゃよく眠れるし、朝になったらみんな忘れてる。誰も恨まねえで、働け、働け」と言われていた。雅代が客室に来て仕事を手伝うと、ミコは礼を述べた。ミコが仕事を終えて帰宅する時、るり子は「安心して。明日もちゃんと来てよね」と声を掛けた。
大吉は受験に失敗した雅代を心配し、「いざとなれば、お前にはここがある」と告げた。そこへ正太郎が来て、ミコが帰って来ないと話す。雅代たちは懐中電灯を手に取り、捜索に出た。ミコは木に寄り掛かり、幼少期を回想した。母はミコを連れ歩き、『この道』を歌った。ミコが歌いながら泣き出すと、正太郎が発見した。ミコが「星見てたんだ」と言うと、正太郎は深く追求せずにおんぶして帰路に就いた。それを目撃した雅代は、黙って見送った。雅代がホテルに戻ると、るり子は「いい旦那だわ。稼ぎがあろうが無かろうが、ちゃんと愛してくれれば、女はそれで充分なんだわ。アンタもさ、そういう男を見つけなさい。幸せになんなさいよ」と告げた。
翌日、るり子は朝人の軽トラに乗り、追って来る大吉を振り切って駆け落ちした。雅代が目を覚ますと、大吉は客室を掃除していた。その日はパートの2人が休みで、他に掃除をしてくれる人間はいなかった。雅代が「お母さんは?」と訊くと、大吉は「出て行った。これからは2人で一緒にやっていくべ」と語る。彼は卒業祝いだと言い、パチンコの景品の腕時計を雅代に差し出した。 雅代が「お母さんに同じことされて、どんな気分?お父さんも前の奥さん捨てたんでしょ。不倫して結婚して、また不倫」と責めると、大吉は無視して時計の話題を続けようとする。雅代は「ふざけないで。巻き込まないでよ」と怒鳴り、「ずっと嫌だった。子供の頃からラブホの娘ってバカにされて、いじめられて。何がお前にはここがあるよ。人の気も知らないで。自分さえ良けりゃそれでいいの?そんなんだから逃げられるんだよ」と言う。彼女が部屋を去ると、大吉は風呂掃除に戻った。
夏。ホテルローヤルに来た本間真一と恵の夫婦はシャワーが止まらなくなり、雅代を呼んで使い方を教えてもらった。夫婦は泡が出る道具の使い方を尋ねるなど、ラブホテルを満喫している様子だった。宮川がパンフレットの補充に訪れ、大吉が不在なので雅代が応対した。彼が半年ほど前に結婚したことを知った雅代はショックを受けるが、平静を装った。彼女はボイラー室でミコ&和歌子と会い、宮川が前の夫に暴力を振るわれていた女性と駆け落ちした略奪婚だと知らされた。
本間夫妻は泡風呂に入り、会話を交わした。2人は真一の亡父の墓参りに行った帰りで、雅代たちはボイラー室の通風孔を使って会話を密かに聞いていた。子育てと老母の介護で多忙な恵は、「こんな風に2人で過ごせるなんて何年振りだろう」と漏らして泣き出した。真一は恵を励まして抱き締め、2人は情事を始めた。情事が終わると、恵は「パートで5000円貯めたら、またお父さんをここへ誘う」と告げた。2人は喪服を着ると、慌ただしくホテルを出て行った。
大雨が降り出した夜、野島亮介と佐倉まりあがホテルローヤルにやって来た。亮介は「早く行って来いよ」と言い、笑いながらまりあを部屋から押し出した。まりあは廊下で本間夫妻と遭遇し、「こんばんは」と明るく挨拶した。彼女は従業員の控室に無断で入り込み、室内を見回した。パートを終えたミコ&和歌子は、落雷に怯えながら雅代に挨拶して帰って行った。まりあは雅代に自分のブーツを差し出し、「悪いけど預かって、先生が臭すぎるって。キレられちゃって」と言う。雅代が戸惑っていると、彼女はブーツ渡して去った。彼女は控室を去ると、ホテルの探索を続けた。
火災報知機が鳴り始めたので、利用客が慌てて部屋から出て来た。雅代が様子を見に行くと、まりあが現れて野島に「音鳴っちゃった」と悪びれずに告げた。野島が腹を立てると、彼女は「野島先生、怒りすぎ」と軽く言う。野島は慌てて雅代と客に謝罪し、まりあにも頭を下げさせた。野島が部屋に入って「こんな所で騒ぎを起こさないでくれよ」と苦言を呈すると、まりあは「学校にバレたらマジヤバいよね。教師と生徒が2人きりでこんなトコ」と告げた。
野島が「ただの雨宿りだ。しかも、お前が強引に」と言うと、まりあは「そん都合のいい話、信じてもらえるかな」と告げる。「事実だろ。美容学校の面接も、結局間に合わなかったし」という野島の言葉に、彼女は「別にいいよ。あんな学校、行く気無かったし」と返した。野島が「人に付き添いさせといて、何考えてるんだよ。明日は絶対ウチ帰れよ」と説教すると、まりあは「だから言ったでしょ、帰るトコ無いんだってば」と真剣な顔付きになった。
ボイラー室に来ていた雅代は、野島とまりあの会話を聞いた。まりあは唐突にキャバ嬢ごっこを始め、両親が両方とも借金を残して不倫相手と失踪したことを野島に話した。雅代が控室に戻ると、大吉が来ていた。大吉は「ゴミ箱に落ちてたぞ」と言い、雅代が捨てた同窓会の葉書を渡す。雅代は丸めてゴミ箱に捨て、仕事に戻った。まりあは野島に、両親に何度掛けても留守電のままだと告げる。「家族からも社会からも逃げたロクデナシ。あの2人の血が自分にも流れてると思うとゾッとする」と彼女が言うと、野島は「17歳で人生悟ったようなことを」と口にした。
まりあが「先生は今まで一度も死にたくなるようなこと無かった?」と尋ねると、野島は答えなかった。まりあに「せっかくだからエッチしとく?」と言われた彼は狼狽するが、すぐに「金貰っても断る」と言い切った。まりあが「もしかして奥さんに義理立て?」と尋ねると、彼は妻と上司の不倫現場を目撃したことを告白した。ビールを飲み過ぎて嘔吐した野島は、「妻は高校生だった10年前から、仲人をしてくれた校長の愛人だった」と話した。野島が「要らない人間だったんだよ、俺は」と漏らすと、まりあは「騙されちゃったんだね。でも先生、それ、泣いて悔しがるような女じゃないよ」と励ました。雅代は昔のアルバムを開き、若い頃の両親とミコ&和歌子が一緒に写っている写真を見た。
翌朝、野島は妻からの着信を無視し、まりあは「ついに親から着信拒否された」と軽く笑った。まりあは「先生、可哀想」と言い、「俺、可哀想なのか」という野島の言葉に「うん、すごく可哀想」と告げた。雅代は買い物に出掛け、八百屋を継いだ同級生の男子と出会った。「あのラブホ、継いだんだって?」と訊かれた彼女は、「まあ」と答えた。同級生は配達に行き、店を去ろうとした雅代は宮川が妻と車に乗り込む姿を目撃した。
雅代はホテルに戻り、控室のソファーで仮眠を取った。しばらくすると和歌子が彼女を起こし、まだ野島とまりあがチェックアウトしていないことを伝える。内線電話を掛けても出ないので、雅代は部屋へ行ってドアをノックする。それでも返事が無いのでドアを開けると、野島とまりあはベッドで心中していた。この事件はニュース番組で報じられ、記者が控室に侵入する。大吉が怒って追い払い、ホテルの外に出た。彼は多くの取材陣に取り囲まれと質問攻めに遭い、心臓の痛みに見舞われた。
父を心配して歩み寄ろうとした雅代は、取材陣に詰め寄られる。そこへ宮川が車で現れ、アダルトグッズの宣伝を大声で始めて取材を妨害する。大吉が倒れたので、雅代は宮川の指示で救急車を呼んだ。雅代は宮川に、「あの子と何度か顔を合わせてたんです。今思うと、色々変だった」と言う。「この事態は誰にも予期できませんよ」と宮川は語り、雅代が「私がもう少し気を付けてたら」と悔やむと「雅代さんのせいではありません。貴方は悪くない。大丈夫ですから」と慰めた。
心中事件の影響でホテルの客足は減り、たまに心霊マニアが来る程度になった。雅代は和歌子に留守番を頼み、大吉の見舞いに出向いた。彼女は野島とまりあの事情を語り、「死ぬ以外に選択肢無かったのかなって思うよ。私とお父さんは、同じ目に遭っても生きてるのにね」と言う。大吉は「まだ絵、描いてんのか」と問い掛け、かつて雅代が描いた風景画について「あの絵、良かったよな」と言う。意識不明の状態に陥った彼は、そのまま息を引き取った。季節が春になり、雅代はホテルの営業を終わらせることに決めた。彼女はアダルトグッズの在庫を引き取ってもらうため、宮川を呼んだ…。

監督は武正晴、原作は桜木紫乃『ホテルローヤル』(集英社文庫刊)、脚本は清水友佳子、製作は狩野隆也&小西啓介&松井智&瓶子吉久&宮崎伸夫&佐竹一美&寺内達郎&本丸勝也&広瀬兼三、企画プロデュースは福嶋更一郎&小西啓介&瀬川秀利&宇田川寧、プロデューサーは新村裕&杉本雄介&柴原祐一、共同プロデューサーは高橋博&飯田雅裕、撮影は西村博光、照明は金子康博、美術は黒瀧きみえ、編集は相良直一郎、音楽は富貴晴美、主題歌はLeola『白いページの中に』。
出演は波瑠、松山ケンイチ、安田顕、夏川結衣、余貴美子、原扶貴子、伊藤沙莉、岡山天音、正名僕蔵、内田慈、冨手麻妙、丞威、斎藤歩、友近、稲葉友、和知龍範、玉田志織、長谷川葉生、片桐茂美、磯貝圭子、伊達昌俊、山科連太郎、堀琴詠、赤谷翔次郎、大槻紘照、沖崎千夏、奥山広哉、小野優、小野泰史、木村淳、木山正大、黒沢光春、坂口紅羽、佐藤亮太、佐藤隆陽、幸恵、清水来美、田中温子、田中雪葉、棚田満、中野葉月、福地美乃、巻口直哉、丸山琴瀬、山本菜穂、鎌倉梓、紗凪美羽、六花ましろ他。


桜木紫乃による同名の小説短編集を基にした作品。
監督は『嘘八百』『きばいやんせ!私』の武正晴。
脚本は『手紙』『イエスタデイズ』の清水友佳子。
雅代を波瑠、宮川を松山ケンイチ、大吉を安田顕、るり子を夏川結衣、ミコを余貴美子、和歌子を原扶貴子、まりあを伊藤沙莉、野島を岡山天音、真一を正名僕蔵、恵を内田慈、美幸を冨手麻妙、貴史を丞威、正太郎を斎藤歩、ミコの母を友近、朝人を稲葉友、若き日の大吉を和知龍範、若き日のるり子を玉田志織、宮川の妻を長谷川葉生が演じている。

序盤、廃墟と化したホテルローヤルに足を踏み入れた美雪が怖がる中で、まだ営業していた頃の様子がチラッとフラッシュバックのように何度か挿入される。
この表現からは、まるで怪奇映画のような雰囲気が漂って来る。
しかし説明不要だろうが、もちろん怪奇映画ではない。なので、この演出は外していると言わざるを得ない。
そもそも、そんな演出を入れることで何のメリットがあるのかと考えた時に、何も見つからないし。

前述したように原作は短編集であり、私は未読だが、時系列を遡って行く構成になっているらしい。
それに対して映画では、最も新しい時代のエピソードを最初に配置した後、雅代がホテルにいる時代の出来事を時系列順に並べ、最後に「まだ雅代が産まれる前の、若かりし頃の大吉とるり子のエピソード」を描いて締め括る形になっている。
その順番については後述するとして、それを覗いても短編集を1本の長編に落とし込む作業を失敗しているとしか思えない。
シンプルに「何年」と表記してエピソードごとに区切りを付け、チャプター形式で構成した方が良かったんじゃないかなあ。

ミコが小次郎から届いた手紙を読み、雅代に写真を見せるシーンがある。ここで初めて、小次郎がどういう人物なのかが簡単に紹介される。
その直後、テレビのニュースで、ミコは小次郎が逮捕されたことを知る。左官職人だと聞いていた息子が暴力団員だった上に死体遺棄の容疑で逮捕されたのだから、もちろん彼女はショックを受ける。
ただ、あまりにも性急な展開なので、「強いショックを受けて」ってのが表面的な段取りの形でしか伝わらない。彼女の受けた悲しみ、失望、落胆が、充分に伝わらない。ドラマとしても、悲哀を煽るBGMだけが虚しく響いて通り過ぎて行く。
その後にはミコが浴槽を掃除しながら幼少期を思い出したり、木に寄り掛かかって幼少期を思い出したりする展開がある。でも息子が逮捕されたのに、なぜ息子との思い出じゃなくて幼少期の思い出を回想するのか違和感があるぞ。

美幸と貴史のパートに関しては、何も無いと言ってもいいぐらいスッカラカンで、まるで途中で放り出されたようになっている。
ここは後日談でも用意しないと、ホントに無意味に等しいぐらいのエピソードになっている。
本間夫妻のパートに関しては、「雅代たちが2人の会話をボイラー室で聞いている」という視点なんて排除して、「本間夫妻の物語」として描いた方が良くないか。
もっと2人の中に入り込んで、その心情を掘り下げた方が良くないかと感じる。

本間夫妻のパートって、基本的には「ほっこりした気持ちになれる、小さいけれど心地良いドラマ」のはずなのよね。でも、それが本来のポテンシャルに比べると、かなりサイズが小さい見せ方になっているように感じるのよ。
上手くすれば、涙を誘えるぐらいの力は持っているんじゃないかと。
でも実際のところ、「いい話なんだろうけど、淡々と過ぎ去ったな」と。
「ほっこりする」ってのも、「そういう類の話ってことが伝わるだけであって、実際には全くほっこりした気持ちにならないからね。

野島とまりあのパートにしても、途中で雅代の様子なんて挟まずにまとめた方が、心に刺さるドラマになった可能性は充分に考えられる。
ただし、あの程度の理由で心中するのは全く同情しかねるけどね。ちっとも追い詰められてないだろ。
他の選択肢が全て消えて、「もう2人は死ぬ以外に道が亡くなった」という説得力は皆無だ。むしろ2人が会話を交わして互いの事情を知り、傷を舐め合ったことによって、そこから生きる意味を見出せよと言いたくなる。そういうドラマにするべきだろうと。
あの会話の後で心中という結末を用意するのは、あまりにも命を粗末に扱い過ぎていると感じるぞ。

終盤、ホテルを畳むと決めた雅代は、宮川に「セックスって、いいものですか」と尋ね、アダルトグッズで遊ばないかと持ち掛ける。
でも、あまりにも唐突で脈絡の無い提案にしか感じられない。
野島とまりあが心中した部屋で「客にとっては非日常の空間だろうけど、自分にとっては日常だった」と語った後、なぜそうなるのか。
「実感したいんです、自分の気持ちとか、ここにいた意味とか」と言うので、まだ宮川に未練があって、それを断ち切るためにってことなのか。
たぶんそれが一番なんだろうけど、どういう理由であっても、そこで急にセックスの誘いってのは「なぜ?」としか思えない。

雅代が宮川にセックスをせがむシーンは、インパクトのあるクライマックスを用意したくて、土台をキッチリと固めずに強引な段取りだけを配置しているように感じる。
でも逆に、その濡れ場は邪魔になっていると感じるんだよね。いっそのこと、ラブホテルが舞台であっても、濡れ場なんてゼロでもいいぐらいだ。
本間夫妻のパートでも、別に濡れ場なんて無くても大きな支障は無いよ。
「ラブホテルが舞台だが濡れ場は無い」というアンバランスの妙で、面白さを出すのも一つの手だったんじゃないかと。

前述したように、映画の最後は若かりし頃の大吉とるり子の様子が描かれる。
しかし、そこまでの構成が順番に時系列を遡っているわけじゃないので、まるで上手く締め括れていない。「なんでラストがそのエピソードになるの?」と思ってしまう。
雅代がホテルを畳んで車で去ったら、それでエンディングでも良くないかと。
そこと若かりし頃の大吉とるり子のパートって、まるで上手く繋がっていないからね。雅代がホテルを去る時に、両親のことを思っているわけでもないんだし。

(観賞日:2022年6月13日)

 

*ポンコツ映画愛護協会