『花より男子(だんご)』:1995、日本
英徳学園大学に入学した牧野つくしは、ドイツ語クラスで一緒だという三条桜子から声を掛けられた。そこへ高級車に乗った男子4人が取り巻きを引き連れて現れると、女子生徒たちが途端に騒ぎ始めた。つくしが困惑していると、桜子は4人が学園を牛耳るお坊ちゃま集団の「F4」だと教える。大学の女子たちは、みんなF4が目当てなのだという。F4のメンバーは、道明寺司、花沢類、美作あきら、西門総二郎という顔触れである。
つくしはF4のことなど全く知らなかったし、桜子の説明を聞いても「私みたいなパンピーには関係ない話」と興味を示さなかった。F4は「F4コミュニケーションズ」というサークルの勧誘活動に来ており、つくしもチラシを渡された。しかし入会費が5万円と知って、彼女は値段の高さに驚愕する。つくしは「どうせお坊ちゃんの暇潰しでしょ」と告げ、相手にしなかった。すると腹を立てた道明寺が車を降り、「俺がわざわざ声掛けてやってんだぞ」と、つくしに詰め寄った。
つくしは「私はこんな高い部費を払う余裕なんか無いのよ」と言い、その場を去ろうとする。道明寺が名前を馬鹿にして笑ったので、彼女は平手打ちを浴びせた。それを根に持った道明寺の号令で、つくしは翌日から執拗な嫌がらせに遭う。つくしは道明寺の取り巻きに攻撃され、必死に逃げ回ったり、時には反撃したりした。和菓子屋でアルバイトしている彼女は、中学と高校で一緒だった親友の松岡優紀に道明寺への怒りを吐露する。しかし優紀は「いいなあ、玉の輿の宝庫で」と、つくしの環境を羨ましがった。
F4はナイトクラブへ出掛け、あきらと総二郎は「つくしが道明寺の姉に似ている」と話す。道明寺の姉は1年前に結婚しており、現在はビバリーヒルズで暮らしている。シスコンの道明寺は姉のことを「いい女」と評するが、あきらと総二郎に言わせれば「いい女だが、手も足も出る」というタイプだ。そして、そういう所も、つくしと道明寺の姉が似ていると彼らは考える。しかし道明寺は、つくしと姉が似ているという批評に激しく反発した。
つくしは道明寺の指令を受けた男子学生4人に捕まり、体育倉庫で強姦されそうになる。そこへ類が現れ、「放してやれ」と凄んで男たちを追い払った。彼は「誤解しないでくれよ。俺、こういうの嫌いなんだ」とつくしに言い、その場を去った。男子学生から失敗の報告を受けた道明寺は、「イタズラしろと言っただけで、強姦しろとは言ってない」と声を荒らげた。男子学生は彼に、類から「放してやれ」と凄まれたことを告げた。
つくしは道明寺を見つけると飛び蹴りを浴びせ、「宣戦布告よ。アンタの性格、私が叩き直してやる」と言い放った。彼女は桜子と仲間の山野美奈子&浅井百合子から、パーティーに招待される。つくしが「着て行く服が無いから」と尻込みすると、「ジーンズ・パーティーだからラフな格好で構わない」と彼女らは言う。だが、つくしがジーンズ姿で会場へ行くと、参加者全員がドレスアップしていた。彼女は桜子たちに騙されたのだ。桜子たちはパーティー客の前で、つくしを嘲笑した。
桜子たちはつくしを厨房へ連れ込み、「目障りなのよ」と凄んで追い出そうとする。そこへ道明寺が現れ、「こいつを苛めていいのは俺だけだ」と告げて桜子たちを追い払った。つくしを助けたつもりの道明寺だったが、「誰のせいでこんな目に遭ったと思ってるのよ」と怒鳴られる。つくしは彼に罵声を浴びせ、その場を後にした。翌日、つくしは藤堂静という女子生徒が留学先のボストンから帰国することを知る。静はF4の幼馴染で、類が今でも思い続けている初恋の人だ。それを知ったつくしは、心を乱された。
つくしは優紀と買い物に出掛けた帰り、静がキャンペーン・ガールを務めているリゾートクラブのポスターを目にした。さらに彼女は、類がポスターの静にキスをしている姿を目撃した。次の日、2年ぶりに帰国した静が大学に現れ、F4は再会を喜んだ。類と静が抱き合う様子を見て、つくしは心穏やかでいられなかった。いつものように苛めを受けた彼女が粉まみれになっていると、それを見た静は嘲笑う生徒たちを注意した。静はつくしをトイレへ連れて行き、優しく粉を払ってやった。
F4は静を連れて中華料理店へ出掛け、つくしのことが話題になった。すると静は道明寺に、「ご挨拶代わりのパーティーを開くから、彼女も誘って。ちゃんとエスコートするのよ」と告げた。道明寺はつくしを高級エステサロンに行かせ、高級ブティックでドレスを買い与えた。パーティーに出席したつくしが豪華料理に興奮していると、類が歩み寄ってフォローしてくれた。マイクを握った静が「来週にはニューヨークへ旅立ち、二度と帰国しない」と発表すると、類はショックを受けた。
切ない表情で会場を後にする類を、つくしは寂しそうに見送った。酒を飲み過ぎて悪酔いした彼女は、道明寺と言い争いになった。つくしは平手打ちを浴びせようとするが、空振りしてバランスを崩した。道明寺が慌てて支えようとするが、誤って唇が重なってしまった。その様子を写真に撮られ、翌朝には大学に掲示されたために大騒ぎとなった。つくしは集まった学生たちの前で、道明寺に誤解を解くよう要求した。しかし道明寺は何の説明もせず、いきなり「今夜6時、迎えに行くから待ってろ」とデートの約束を一方的に告げた。
道明寺はつくしを連れてディスコへ行き、遊び仲間に「俺の女」と紹介する。つくしは1人の女から「司に幾ら貰ったのよ」と侮辱され、カッとなって水を浴びせた。つくしが店を出たので、道明寺が後を追った。つくしは彼に、「みんな、私がアンタと付き合ってるって誤解して、急に親切になって。でも嘘だってバレたら逆戻りなんだろうなあ」と言う。すると道明寺は「嘘じゃねえよ。俺の女だって言ったろ。俺は別に構わねえよ」と言い、生意気な態度で夏のダンスパーティーに誘った。
静は旅立ちの前日、つくしが働いている団子屋に現れて和菓子を注文した。静はつくしに、藤堂の名を捨てて慈善活動に励みたい考えを語った。つくしは彼女に、「花沢類のために、日本にいてあげて」と頼んだ。すると静は、「中途半端に自分を殺して日本に残っても、類のためにならないと思う」と告げた。静が旅立つ日、類は見送りに行かなかった。つくしは彼と会い、「花沢類の笑った顔が好き。それが私の宝物なの。だから早く元気になって、また笑って」と励ました。
つくしが類と2人きりで楽しそうに話している様子を、道明寺は目撃した。困惑している彼に桜子が近付き、「牧野さん、本当は花沢さんのことが好きなんです。かなり前から非常階段で会ってるんですよ」と教えた。その夜、道明寺は酔っ払った類がつくしと抱き合っている様子も目撃した。翌朝、道明寺は学校の屋上でつくしに詰め寄り、「よくも、この俺をコケにしてくれたな」と怒鳴って押し倒した。だが、つくしが泣き出すと、彼は「お前を信じるよ。俺の女を信じられないんじゃ、カッコ付かないぜ」と述べた。
つくしやF4の面々は、サマースクールで高級リゾートへ出掛けた。道明寺はつくしの腕を強引に引っ張り、ビーチバレーに参加させた。しかしビーチバレーをしている間も、つくしは複数の女性をはべらせている類のことが気になった。その夜、つくしは浜辺で類を見つけ、「ほっとけないの。ほっとこうと思っても、花沢類のことばかり考えちゃうの」と涙を浮かべて言う。すると類は彼女を抱き寄せ、キスをする。その様子を目にした道明寺は、激怒して類に殴り掛かった。つくしが止めに入ると、道明寺は「俺はお前を信じると言った。その気持ちを、お前はズタズタにした。全て白紙に戻してやる」と告げて立ち去った…。監督は楠田泰之、原作は神尾葉子 集英社「マーガレット」、脚本は梅田みか、製作は村上光一&周防郁雄、企画は重村一&堀口壽一、エグゼクティブプロデューサーは松下千秋&阿部祐三、プロデューサーは宅間秋史&小牧次郎&重岡由美子&柴崎正、撮影は星谷健司、照明は和田智裕、音声は松永英一、選曲は辻田昇司、美術制作は上村正三。
主題歌:『BABY'S GROWING UP』作詞/作曲/編曲:小室哲哉 歌:内田有紀。
挿入歌:『Overnight Sensation 〜時代はあなたに委ねてる〜』作詞/作曲:小室哲哉、編曲:小室哲哉/久保こーじ、歌:trf。
出演は内田有紀、谷原章介、藤木直人、橋爪浩一、佐伯賢作、坂上香織、江黒真理衣、trf(現・TRF)、藤原紀香、利根川朱里、笹峰愛、清水ミチコ、南麻衣子、福野春子、宇崎慧、遠藤あゆみ、浅倉涼子、長野幸志、春井ユカ、青木正昌、津田英輔、沢江里香、小林アキショー、小林千香子、周摩、橋本典子、健吾、山田純世、伊藤欣司、平石照美、宮沢康一、堀本陽子、木村剛、畑中映里佳、熊坂雄、関根さち子、内山敦之、穂坂優子、西野貴津、菅沼千晴、小谷欣也、田中智子、徳秀樹、宮原洋子、川口直人、酒井佳子、斉藤誠治、中村彰良、吉田小百合、谷平亜樹、渡辺薫、三瓶美樹ら。
神尾葉子の同名少女漫画を基にした作品。
フジテレビジョン映画部と東映が共同制作した若者向け企画「ぼくたちの映画シリーズ」第1弾として、『白鳥麗子でございます!』と同時上映された。
梅田みかが初めて映画の脚本を手掛け、『パ★テ★オ』の楠田泰之が監督を務めている。
つくし役の内田有紀は、これが映画初主演。道明寺役の谷原章介と類を演じた藤木直人は、これが役者デビュー。
総二郎を佐伯賢作、あきらを橋爪浩一、桜子を坂上香織、静を江黒真理衣、美奈子を藤原紀香、百合子を利根川朱里、優紀を笹峰愛が演じており、ブティック店長役で清水ミチコ、大学講師役で南麻衣子が出演している。カテゴリーに分類するのを嫌う人もいるが、映画を語る時にはジャンル分けすることが多い。
例えば恋愛映画とか、ミステリーとか、SFとか、アクション、ファンタジー、コメディー、そういった感じだ。
そんな中で、一時は絶滅寸前にまで陥りながらも生き残り、現在も細々と続いているジャンルがある。
それは「アイドル映画」というジャンルだ。
これは、そのアイドル映画に分類される作品である。なぜアイドル映画が一時は絶滅寸前に陥ったのかというと、1990年代にアイドル不毛の時代が訪れたからだ。
1980年代はアイドル全盛期で、たのきんトリオ、松田聖子、中森明菜、小泉今日子、シブがき隊、堀ちえみ、少年隊、中山美穂、南野陽子、浅香唯、おニャン子クラブ、光GENJIなど、数多くのアイドルが活躍した。
その頃のアイドルは、ドラマや映画に出演することもあったが、基本的には「まず歌手活動ありき」という方針だった。
そして、そういう面々が拙い演技力で主演していたのが、いわゆるアイドル映画である。しかし1990年代に入るとアイドル歌謡のレコード売り上げが伸びなくなり、各局の歌番組も次々に終了した。
「アイドル歌手」が活躍する場所を失う中で、バラエティー中心に活動するバラドルや、グラビア活動を主に展開するグラドルといった形態のアイドルが増えて行く。グラビアアイドルの中には、かとうれいこのようにビデオ作品で主演する人もいたが、それはアイドル映画とは呼べないものだ。
一方で、観月ありさや牧瀬里穂のように、ドラマ中心で活動しながら副業的に歌手活動をする若い女性タレントが出て来た。
そういった面々は、アイドル的な扱われ方もしていたが、肩書としては「女優」だった。そして彼女たちが主演する映画は、その色合いからして「アイドル映画」と呼べないものが少なくなかった。
例えば牧瀬里穂の『東京上空いらっしゃいませ』や『つぐみ』などは、誰がどう考えても「アイドル映画」に分類されるような作品ではない。内田有紀も、この映画に主演した当時の肩書としては「女優」ということになるだろう。
彼女は最初からアイドル歌手として活動していたわけではなく、最初はモデル活動やCM出演などから始まり、それからドラマに出演して女優デビューしている。
連続ドラマ初主演の後に歌手デビューするが(本作品の主題歌も歌っている)、やはり歌は副業的なものだった。
女優中心に活動している若手女性タレントは、「アイドル」にカテゴライズすることが難しい。
とは言え、彼女がアイドル的に扱われていたことは間違いない。そして、この映画がアイドル映画であることも、紛れも無い事実だ。
「拙い演技力の若い芸能人が、軽いノリの陳腐な話で主役を演じる」というのは、アイドル映画そのものだ。「脇を固める若手も見た目重視で演技力無視」というのも、やはりアイドル映画の典型だ。
ただし本作品に関しては、江黒真理衣というズバ抜けた大根がいるおかげで、他の面々も芝居の拙さが目立ちにくくなっている。
ひょっとすると、内田有紀の演技力の低さを隠すために、わざと江黒真理衣を起用したんじゃないかと邪推したくなるぐらいだ。原作では高校が舞台だが、この映画では大学に変更されている。
これは出演者の年齢に合わせた改変だろうが、大きな失敗だ。
むしろ、ちょっと年齢的には無理があっても高校生という設定にしておいた方が、まだマシだったんじゃないだろうか。
もちろん、本当は高校生に見える役者や高校生年代の役者を起用すべきだろうが、「まず内田有紀の主演ありき」というバーニング・プロダクション主導の企画なので、そこは仕方がない。「高校3年生と大学1年生で比較すれば1学年しか違わないし、大して変わらないと思うかもしれないが、「高校生」と「大学生」では、ものすごく大きな差がある。
高校が舞台なら「まあ高校生だしな」ということで受け入れられる登場人物の幼稚な行動も、大学生となると途端にキツくなる。
まず「F4が学校を牛耳っており、プラカードを持った水着女性や多くの取り巻きを引き連れて登場すると女子たちが大騒ぎするという滑り出しからして、なかなか厳しいモノがある。
いや、実を言うと高校が舞台でもキツいものはあるんだけど、これがアイドル映画ということを考えれば、まあ何とか受け入れられる。でも、高校じゃなくて大学が舞台ってことになると、「大学生にもなって何をやってんの」と呆れてしまう。
そこの幼稚さは、高校生がギリギリでしょ。
つくしを苛める方法にしても、「生徒全員で講師に輪ゴムを発射し、つくしに大量の輪ゴムを持たせて犯人に仕立てる」とか、「ラジコンカーに付けた爆竹を鳴らして脅かす」とか、陳腐の極みだよ。
しかも、道明寺が一人だけでやっているなら「大学生にもなって精神年齢の低い男がいる」というキャラとしての面白味になるかもしれないが、それに大勢が協力して楽しんでいるので、「上流階級の子供が通う大学」という設定のはずなのに、どんだけ幼稚な奴らが揃っているのかと言いたくなる。その「エスカレーター式に進学する金持ちで上流階級の生徒が多い大学」という設定も、つくしと優紀が団子屋で交わす会話の中でチラッと触れているだけなんだけど、それはアピール不足だわ。
最初の時点で、それをキッチリと説明しておくべきだ。
つくしのように一般家庭に生まれ育った生徒は学校では希な存在であり、そんな彼女が上流階級だらけの環境で踏み付けられながらも雑草のようにたくましく立ち向かうという図式があるはずなんだから。2本立て興行ということもあって、上映時間は78分と短めだ。
その中で「ヒロインがF4と出会い、道明寺の攻撃目標にされ、類に惹かれ、道明寺に恋人扱いされ、静を思う類への思いが強くなり、道明寺と類が険悪になり、その関係に答えを出す」という内容を消化しなきゃいけないので、かなり大変だ。時間的には全く余裕が無い。
それなのに、無駄に時間を使ってダラダラしたりする。
本当は「多くの内容を詰め込んで中身ギッシリ」という状態になるはずなのに、ものすごく薄っぺらい。つくしが類に惹かれるのは、相当に無理を感じる。
類は助けてくれたものの、ものすごく冷淡に接している。それどころか、「助けなきゃ良かったよ。たかが処女喪失だろ」と、かなり酷いことも口にしている。つくしが「また非常階段に会いに行くかも」と言うと、「じゃあ俺は行かない」と冷たく告げる。
それなのに、つくしが彼にベタ惚れするのは理解し難い。
道明寺と類は、「暑苦しくて騒がしい」「冷静で落ち着いている」という違いはあるけど、つくしが類に惚れた時点では、どっちも失礼で酷い奴だぞ。類を「クールなイケメン」として描写したいんだろううは思うけど、その表現が間違っている。
もっと徹底して優しい男にしておくべきだよ。「たかが処女喪失だろ」とか言わせるべきじゃない。
それを言われても好意を寄せるつくしが、アホに見えるわ。
それ以降の類は、そんな冷たい態度も消えて優しく接するようになるので、序盤の描写を間違えているのよ。
あと、静のポスターに頬を摺り寄せてキスする類の行動は、ただ気持ち悪いだけだよ。類は静に一途な思いを抱いているはずなのに、パーティーの振る舞いが分からないつくしをサポートしてやるなど、優しく接するようになる。
全ての女性に対して優しいということではなくて、明らかにつくしを特別扱いしている。
つくしに好意を抱いているのなら分かるけど、そうじゃなくて静だけしか愛していないんだから、それは不可解な行動、もしくは「二股ですか」ということになってしまうぞ。
断じて「ミステリアスな男」という魅力には繋がっていない。つくしの相手役としては、類よりは道明寺の方がメインのはずなんだが、この映画の彼は単なる軽薄なアホにしか見えない。
素肌に袖無しのベストやジャケット一枚というファッションが多いのも、アホっぽさを助長している。
それは「今だからダサく見えるファッション」ということじゃなくて、たぶん当時の感覚でもカッコ悪いと思うんだよなあ。
ただし、ワシはオシャレに敏感じゃないので記憶には無いけど、ひょっとすると当時の日本でそういうファッションが最先端だったのかもしれない(たぶん違うと思うけど)。道明寺がつくしが惚れるようになるドラマは薄いが、つくしが道明寺に惹かれるようになるドラマの薄さに比べれば遥かにマシ。
つくしは道明寺から半ば強引に「ダンパに行くぞ」と誘われて喜んだ表情を浮かべるが、じゃあ好意を抱くようになっているのかと思いきや、次のシーンでは静に「花沢類のために、日本にいてあげて」と頼んでおり、類に対する恋心をハッキリと表現している。
だから、気の多い女というか、尻軽でフラフラしている女に見えてしまう。っていうか、どうやら、つくしは類だけに意識を向けていて、道明寺なんか全く眼中に無いって状態なんだよな。
それで残りわずかになってから道明寺を選ばれても、「強引な着地だなあ」としか思えん。
まるで応援したくならんし、共感も出来ん。
一応、「今までは全く気付かなかったけど、類と付き合い始めたことで道明寺への思いに気付く」という風に見せたいようだけど、道明寺と一緒にいる間も常に類への恋心を見せていたので、そんな風に受け取るのは無理だわ。最終的につくしと道明寺をカップルにするのであれば、つくしが類を思い続けている時間が長すぎるよ。
せめて「道明寺と類の間で揺れ動く」ということならともかく、そうじゃなくて真っ直ぐに類のことしか思ってないんだよね。そりゃダメだわ。
ああ、書き忘れていたけど、もちろんF4って言うぐらいだら他の2人もいるよ。
ただし美作あきらと西門総二郎は単なる数合わせに過ぎず、道明寺&類との格差が激しい。
桜子や優紀よりも個人としての存在感は薄く、役名が「美作あきら」や「西門総二郎」ではなく「道明寺と類の親友」という表記でもいいんじゃないかというぐらいの扱いだ。(観賞日:2014年5月10日)