『不夜城』:1998、日本

劉健一(リウ・ジェンイー)は台湾人と日本人のハーフ。台湾・上海・北京の中国系3大マフィア勢力が入り乱れる街、新宿歌舞伎町で生きていた。ある日、健一の昔の相棒だった呉富春(ウー・フーチェン)が歌舞伎町に戻ったという噂が広がる。富春は上海マフィアを殺して逃亡していたのだった。
噂を聞いた上海マフィアのボス・元成貴(ユェン・チョンクイ)は、健一に3日の期限を与え、富春を探し出すように脅迫する。捜索を始めた健一の前に、佐藤夏美と名乗る女が現れる。富春の女だったという夏美は、富春を売りたいと話を持ちかけてくる。
行動を共にする中で、次第に惹かれ合うようになっていく健一と夏美。台湾と北京のマフィアも絡む中で調査を続ける健一は、やがて富春を探し出す。富春が元成貴を殺そうとしていることを知らされ、協力することにした健一だったが…。

原作は馳星周、監督は李志毅(リー・チーガイ)、脚色は李志毅&野沢尚、プロデュースは原正人、プロデューサーは永井正夫&森重晃、製作総指揮は角川歴彦、撮影は黄岳泰(アーサー・ウォン)、編集は鄭志良&須永弘志、録音は瀬川徹夫、照明は小野晃&鄒林、美術は種田陽平、衣裳は濱井貴子&立川利江、特殊効果は根岸誠、音楽は梅林茂、音楽プロデューサーは石川光。
主演は金城武、共演は山本未来、椎名桔平、郎雄(ラン・シャン)、曾志偉(エリック・ツァン)、周海媚(キャシー・チャウ)、永澤俊矢、周海媚、鈴木清順、修健、田口トモロヲ、谷原章介、程楽人、山西惇、余為彦、オン・スイピン、馳星周、森田芳光、長江英和、高野拳磁ら。


馳星周の人気小説『不夜城』を映画化。歌舞伎町のオープンセットに約1億円が使われるなど、美術や装置に凝った作品。
日本映画ではあるが、キャストやスタッフの多くを香港や台湾から招いているので、アジア映画と言った方がいいだろうか。

序盤の話が非常にゴチャゴチャしていて分かりにくい。複雑に絡み合った糸が次第に解きほぐされていくのかと思ったら、最後までゴチャゴチャしたままだった。
結局、どういう映画だったのか、ほとんど分からないままで終わってしまった。

野心と裏切りが渦巻く世界なのだが、人間関係があまりに複雑すぎて、誰がどうなって誰を裏切って誰と仲間なのか、さっぱり分からない。で、登場人物は多いのだが、どの人物も薄い。肝心の健一や夏美でさえも薄いし、何の魅力もありゃしない。

ちなみに、金城武に日本語で芝居をさせるのはやめた方がいいと思うのは、果たして私だけなのだろうか。彼の日本語、モゴモゴ喋るのでかなり不明瞭な部分が多く、何を言っているのか聞き取れない部分が幾つかあるのだが。

ちなみに、プロデュースは原正人でプロデューサーは永井正夫&森重晃となっているのだが、プロデュースとプロデューサーの違いって何だろう。

 

*ポンコツ映画愛護協会