『テラフォーマーズ』:2016、日本

21世紀の人類は人口増加の増加問題を解決するため、火星への移住を計画した。火星の平均気温はマイナス58度。しかし地中に凍結している二酸化炭素を大気中に出せば温室効果が起き、地表温度が上昇する。そこで、火星の地表を黒く染め上げることで、太陽光を吸収して大地を温めるという計画を立てた。そのために、苔、そして火星の過酷な環境でも生きられる生物が送られた。これをテラフォーミング計画と呼んだ。
2597年、東京。小町小吉と幼馴染の秋田奈々緒は警官隊に追われ、街を逃げ回っていた。大勢の野次馬が見つめる中、2人は警官隊に追い詰められた。本多博士は助手の榊原から、適合者2名に射殺命令が出ていることを知らされた。2599年、火星へ向かう宇宙船のバグズ2号には15名の人間が乗り込んでいた。小吉と奈々緒の他、元キックボクサーの武藤仁、ハッカーの蛭間一郎、中東の紛争地域で戦っていたゴッド・リー、元警官の森木明日香艦長の堂島啓介、副艦長の大張美奈、少女売春組織のリーダーだった大迫空衣、連続殺人犯の手塚俊治、密入国者の連城マリア、他に吉兼丈二、総田敏雄、町岡隆太虎丸陽といった面々である。
一行が火星に降り立つと、テラフォーミング計画によって地上の様子は大きく変化していた。小吉はその様子を眺めながら、過去を振り返る。彼と奈々緒は本多から、火星のゴキブリを退治する必要性があると聞かされた。ただし、そのためには危険な手術が必要で、その適合率が高い2人を本多は保護したのだ。殺人罪で死刑になるが、ゴキブリ退治に協力すれば無罪放免の上に高額の報酬も付くと彼は説明した。小吉は「信用できない」と去ろうとするが、奈々緒が契約書にサインしたので仕方なく後に続いたのだ。
堂島は美奈に指示し、大容量ゴキブリ駆除剤のマーズレッドPROを拡散した。彼は3時間後に船外活動を始めることを告げ、それぞれの持ち場を指示した。堂島は損傷しているバグズ1号を確認し、その映像を本多に送信した。それは10年前、日本が他の国に内緒で送った探査船だ。クルーは船外活動に入り、武藤とマリアは二足歩行の不気味な生物を発見する。武藤は見つからないようマリアの口を押さえて岩陰に隠れた。
一方、小吉と奈々緒も同じ生物に遭遇していた。その生物は一瞬で2人に接近し、奈々緒の首の骨を折った。小吉が「何してんだ」と睨み付けると、その生物は無言で姿を消した。そこへ武藤が現れ、「森木もやられた」と告げた。小吉は宇宙船へ戻り、堂島に「あの化け物は何だ。俺たちの仕事はゴキブリ退治じゃなかったのかよ」と詰め寄った。堂島は答えなかったが、蛭間が「あの化け物がそのゴキブリだ」と告げた。すると堂島は、「火星に送られたゴキブリは、想像以上に生命力が強かった。奴らは異常に進化した。政府はテラフォーマーと呼んでいる」と語る。
そこへホログラムの本多が出現し、「君たちには任務を果たす力を既に授けてある。昆虫のDNAを組み込んである」と話す。小吉たちが受けた手術は、DNAを組み込むためだったのだ。本多が消えた後、堂島は昆虫細胞活性剤を見せる。それを使えば、数分間は肉体変化が起きて特殊能力が使える。各自に能力データが送られ、堂島は「薬が切れると元の姿に戻る。ただし使い過ぎると人間の免疫力がショックを起こし、命を落とす」と説明した。
美奈は「帰りましょう」と訴えるが、リーは「この星のクソ虫を全部叩いて地球に戻る。政府の奴らに一泡吹かす」と告げる。堂島は「まず接近してくる奴らを倒す。それから奴らの巣を見つけて総攻撃だ」と言い、リーは宇宙船の外へ出た。リーはミイデラゴミムシの能力を使って戦うが、あっけなくテラフォーマーに始末された。テラフォーマーは宇宙船の特殊ガラスを割って侵入し、総田と町岡を抹殺した。堂島が昆虫細胞活性剤を打って戦うが、テラフォーマーの群れが宇宙船に押し寄せた。
船の離陸システムが反応しないため、堂島は自分が囮になっている間にバグズ1号へ移動するよう指示した。小吉と武藤も一緒に残ろうとするが、蛭間が留まることになった。小吉たちは探査車に乗り込むが、テラフォーマーの大群が立ちはだかる。手塚は昆虫細胞活性剤を打ってガスを噴射し、探査車を加速させた。一方、蛭間はテラフォーマーの群れを一掃するため、艦内の酸素を排出する作業を開始した。探査車の前には津波のような群れが出現し、空衣とマリアはダメージを負った手塚をサポートした。
津波を突破すると探査車は横転し、運転していた美奈は意識を失った。探査車は自動運転に切り替わって走り出し、外に投げ出された手塚、空衣、マリアは取り残された。3人はテラフォーマーの群れに襲われ、命を落とした。探査車はバグズ1号に到着し、小吉、武藤、美奈が吉兼と虎丸を残して調査に向かう。美奈は「転送完了」の表示を発見し、小吉はバグズ1号が地球に何かを飛ばしたと悟る。吉兼と虎丸は銃器を扱うテラフォーマーの群れに殺され、戻って来た小吉たちも包囲される。
小吉たちは細胞活性剤を打ち、テラフォーマーの群れと戦う。本多は美奈に連絡を入れ、テラフォーマーが成り済ましているとも知らずに会話を交わす。本多はテラフォーマーに、小吉が変身したら獰猛すぎるので近付くなと忠告した。小吉たちは群れを全滅させ、バグズ1号のシステムを外して2号へ戻ろうとする。振り返った彼らは、近くに巨大ピラミッドがあるのを目撃する。テラフォーマーの皮を被って生きていた明日香は、、堂島を始末した。彼女は無代謝状態に入っている蛭間を起こし、入手した卵を見せた。彼女はテラフォーマーを操って交配させ、卵を産ませていた。
小吉たちがバグズ2号のエンジンが始動する音を耳にすると、小型探査機が飛来して本多の声が聞こえた。「いい戦闘データが取れたよ。全部、計画通りだから」と告げる。彼は蛭間と明日香に特命を与え、テラフォーマーの卵を持ち帰るつもりだと明かした。バグズ1号の乗員は全滅したが、脱出ポッドは地球に届き、そこにはテラフォーマーの頭部が乗っていた。日本政府は単独でテラフォーマーを殲滅し、火星移住権に先鞭を付けようと目論んだ。政府はテラフォーマーを研究し、人間のDNAを融合させる「バグズ・オペレーション」を決定した。そこで志願者を集め、実験台としてデータを集めることにしたのだ。
ピラミッドについて美奈が尋ねると、本多は「我々がゴキブリを送ったんじゃない。奴らが人類を使って火星に行ったんだ。その証拠がピラミッドかもしれないってことさ」と告げた。蛭間と明日香はバグズ2号で火星を去ろうとするが、卵が孵化して2体のテラフォーマーが出現する。森木は2体を操ろうとするが、進化していたために殺される。バグズ2号は火星を飛び立つが、テラフォーマーの群れに取り付かれて墜落した。小吉たちはテラフォーマーの群れと戦うが、敵は進化して強くなっていた…。

監督は三池崇史、原作は作:貴家悠/画:橘賢一「テラフォーマーズ」(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)、脚本は中島かずき、製作は福田太一&茨木政彦&榎本善紀&中村理一郎&寺島ヨシキ&奥野敏聡&小笠原明男&宮本直人&坂本健、エグゼクティブプロデューサーは小岩井宏悦、プロデューサーは坂美佐子&前田茂司、共同プロデューサーは足立聡史&篠崎真哉&新藤正人&岩元秀聡、企画協力は増澤吉和(集英社「週刊ヤングジャンプ」編集部)、撮影は山本英夫、照明は小野晃、美術は林田裕至、録音・整音は中村淳、録音は小林圭一、装飾は坂本朗、セットデザイナーは郡司英雄、編集は山下健治、キャラクタースーパーバイザーは前田勇弥、特殊メイク・クリーチャースーツは松井祐一、キャラクターリファイン(テラフォーマー)は寺田克也、キャラクターリファイン(バグズ2号キャラクター)はSHOHEI、スタントコーディネーターは辻井啓伺&出口正義、VFXスーパーバイザーは太田垣香織、音楽は遠藤浩二、主題歌「BREAK OF DAWN」三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE。
出演は伊藤英明、武井咲、小栗旬、山下智久、山田孝之、ケイン・コスギ、菊地凛子、加藤雅也、小池栄子、篠田麻里子、滝藤賢一、太田莉菜、福島リラ、的場浩司、国広富之、谷村美月、蜷川みほ、横光克彦、渋川清彦、青木健、長尾卓也、黒石高大、石原仁志、小橋正佳、ワダタワー、千葉善紀、奈苗、柄本かのこ、もりのめぐみ、茂手木桜子、鵜飼真珠、勝木奈生、松田美優莉、内山翼、渋谷健生、加藤蒼渉、上神田海龍、小島東悟、河田橙依、小俣優真、有道信行、岡田秀二、足立房夫、草場昭、串間保、佐野元哉、小平一誠、圷真樹、直井忠道、石黒貴大、鈴見龍二、松永周次、掛札高志、ラフネスりょうちゃん、ラフネスさだ、小島真樹、中村敦、荒木玲、藤山克美、矢口博旅香、山崎惠、石田さよこ、吉本剛士、駒永健、松木皓大、由輝ら。
ナレーションは池田秀一。


貴家悠&橘賢一による同名の大人気漫画を基にした作品。単行本の第1巻に収録された第1部をベースにした内容となっている。
監督は『風に立つライオン』『極道大戦争』の三池崇史。
脚本は劇団☆新感線の座付作家である中島かずきが担当。
小吉を伊藤英明、奈々緒を武井咲、本多を小栗旬、武藤を山下智久、蛭間を山田孝之、リーをケイン・コスギ、明日香を菊地凛子、堂島を加藤雅也、美奈を小池栄子、空衣を篠田麻里子、手塚を滝藤賢一、マリアを太田莉菜、榊原を福島リラが演じている。

三池崇史監督は「来る仕事は拒まず」のスタンスで仕事を続けている人なので、1年で複数の映画を手掛けるスケジュールが何年も続いている。
「ってことは、それだけ傑作をコンスタントに生み出しているんだろう」と思うかもしれないが、そうではない。
ハッキリ言って、ここ最近の三池作品はポンコツな出来栄えばかりだ。
それでもオファーが殺到するのは、邦画界に人材が不足しているのか、映画会社の人間の頭がカチカチなのか、理由は良く分からない。

三池崇史ってのは、良くも悪くもブレない監督だ。
予算の少ない単館公開のインディーズ映画でも、人気俳優が大挙して出演する全国公開の大作映画であろうとも、「自分のやりたいように作る」という心構えで取り組む。
だから、どれだけ人気の漫画が原作であろうと、彼にとっては極端に言っちゃえば意味が無いことだ。自分のやりたいことに合わない要素があれば除外するし、イメージと合致するように改変もする。
原作へのリスペクトとか、原作ファンへの気遣いとか、そういうことは二の次、三の次だ。

そういう「三池イズム」がハマれば、時にクレイジーなパワーを持つ傑作が出来上がることもある。
ただし困ったことに、そういうケースは非常に稀なのだ。
滅多に出ない大当たりを見るためには、幾つもの外れクジを引く必要がある。それが三池崇史という監督なのである。
ただし、「絶対に外れが出る」と事前に分かっている場合もある。
例えば、オカルト系の作品だ。三池監督は「まがまがしさ」に全く興味が無い人なので、人間の持つ狂気や恐怖を表現することは出来ても、悪霊や怪奇現象の恐ろしさは全く表現できない。

他には、「SF」とか「ファンタジー」ってのも、三池監督の苦手分野だ。そういうジャンルに、何の興味も持っていないからだ。
実は三池監督って、不得手な分野、興味が無い分野ってのは、ものすごく多い人なのだ。
ってなわけだから、もはや詳しく説明しなくても、この映画に三池監督が向いていないことは分かってもらえただろう。
だから、そもそも彼を監督に起用した時点で、ダメな仕上がりになることは確定していたと言っても過言ではないのだ。

冒頭、近未来の東京が写し出されるが、これが見事なぐらい『ブレードランナー』の世界観と同じ。
たまたま似たわけじゃなくて、明らかに三池監督は『ブレードランナー』を模倣している。
オマージュとして描写しているのかもしれないけど、原作の『テラフォーマーズ』が『ブレードランナー』から影響を受けているわけではないし、何の類似性も無い。
単純に、三池監督が『ブレードランナー』の真似をしたかっただけだろう。
それがカッコ悪いかどうかなんて、この人には関係ないのである。

そんな『ブレードランナー』の街で、小吉と奈々緒が警官隊に追われている。そこはシリアスな雰囲気だが、本多が登場し、自分の出演した番組を再生して「ねえねえ、やっぱりジャケット、もっと派手な方が良かったかなあ」と言う様子は、変な髪型とメイクも含めて、どこかコメディー的なノリがある。
この時点で、「なんかズレてないか」と感じる。
その後も本多は、登場する度にコメディー・リリーフみたいな振る舞いを見せる。それはシリアスな雰囲気を邪魔しているだけで、場違いな奴になっている。
実際は悪党であってコメディー・リリーフではないのだが、どっちにしろバカバカしい。
荒唐無稽なノリはあってもいいだろうが、この映画が志向すべき荒唐無稽ってのは、そういうことではないはずだ。

適合者2名の射殺命令を知らされた本多が乗り物を出るので、小吉と奈々緒に接触するのかと思ったら、いきなり2599年の火星のシーンに切り替わる。そして、小吉と奈々緒が軽い調子で会話を交わす様子が写し出される。
まさか、本多が醸し出したテイストの方に合わせるとは予想していなかった。
だが、ある意味では有り難いとも言える。
なぜなら、早い段階で「ああ、やっぱりダメな映画なんだね」ってことが透けて見えるからだ。

そこへ武藤が現れ、なぜか英語で小吉に話し掛ける。「体がなまっているから」という理由で戦いを要求し、小吉は余裕で「俺に勝てるわけねえだろ」と告げる。軽く手合わせすると、武藤は「俺はプロ。素人には手加減してるんだよ」とカッコつけまくったまま英語で言う。
この時点で始まってから5分ぐらいしか経過していないんだけど、全てのシーンが「面白い」と思えたよ。
いや、これは皮肉じゃなくて、マジで面白いと思ったのよ。
「おバカな映画」としてね。
その殴り合いのシーンなんて、ニヤニヤしちゃったし。

宇宙船のシーンでは、もちろん順番にメンバーが登場する。
だが、ほぼ「顔を見せました」というだけであり、ちゃんとしたキャラクター紹介など皆無に等しい。奈々緒が一通り「元警官にヤクザ、連続殺人犯、密入国者、少女売春組織のリーダー、引きこもりのハッカー、テロリスト」と言いながら該当する面々が画面に写し出されるけど、その程度なのだ。
そもそも15人もいるので、全員を丁寧に紹介していたら時間が足りなくなるだろう。ただ、それにしても、誰一人としてマトモに紹介する気が無いってのは、かなり大胆だ。
後から過去のシーンが入るキャラもいるが、そんなのは何の足しにもならない。

しかし、後の展開を考えると、それも考え方次第では正解なのかもしれない。
何しろ、この映画ってザックリ言っちゃうと、「ゴキブリの怪物に人間が次々と惨殺されていく」ってのを見せる話なのだ。
つまり、言ってみればバグズ2号の乗組員は、その大半が「殺されるために登場した面々」に過ぎない。『13日の金曜日』シリーズの若者たちと、大して変わらない存在なのだ。
だったら、わざわざ詳しくキャラ紹介するなんて無意味でしょ。

奈々緒は冒頭で主人公の小吉と共に登場するし、演じる武井咲は2番目にクレジットされるのだから、ヒロインと捉えるのが普通だろう。
しかしヒロインにしては、契約書にサインするノリが軽薄すぎる。で、あっさりとゴキブリに首の骨を折られ、死んでしまうのだ。
つまり、このキャラは「出オチ」みたいな扱いなのである。
しかも、これで出オチは終わらない。ゴッド・リーがフィーチャーされ、他の面々が「無敵の男」などと呼んで盛り上げる中、彼はゴキブリの元へ向かう。
演じているのがケイン・コスギなので、アクションでは最も活躍するキャラなんだろうと期待するのも当然だろう。
ところが、彼はあっさりとゴキブリに殺されるのである。

ヒロインとアクション俳優を早々と殺してしまうというのは、「予想を裏切る展開」とは言えるかもしれない。
ただ、それが面白いのかと問われたら、答えは「ノー」だぜ。
例えば奈々緒の代わりに「真のヒロイン」が用意されているならともかく、そんなキャラはいない。ケイン・コスギが退場しても、代わりにアクションで活躍してくれる人材がいるならともかく、そんな奴もいない。
出オチという1度の笑いのためだけに、武井咲とケイン・コスギは消費されるのだ。
あと、「笑い」って書いたけど、そういうことなのよ。
その出オチがシリアスな中での「衝撃的な展開」じゃなくて、「笑うポイント」になっているのよね。

クルーが昆虫細胞活性剤を注射すると、それぞれに与えられている昆虫の能力が説明される。そして各人が変身し、その能力を披露する。
しかし、それも出オチに近い使われ方だ。何しろ、変身して能力を披露すると、そこで仕事は終わってしまうのだ。
大半のキャラは、能力を披露したら殺される。生き残る連中も、もう2度目に能力を使うシーンでは何の効果も発揮してくれない。
あと、「ちなみに吉兼の虫はゲンゴロウ、虎丸はオケラ。なぜ彼らに、水中探索と地中探索の能力しか無い虫の力が与えられたかは、今 となっては不明である」というナレーションは、たぶん笑わせようとしているんだろうなあ。
まあ苦笑は出来たから、一応は笑いになっているけどさ。

変身した連中がテラフォーマーズと戦うシーンも、「SFアクション」としての面白さを感じさせてくれるわけではない。
まず、VFXの質が低い。三池監督はVFXにも興味が無い人なので、そこに最新の注意を払って丁寧に作ろうなんて気はさらさら無い。ゴキブリの怪物も、乗員が変身した姿も、特撮ヒーロー物みたいな印象になっている。
だけど、どうせVFXの品質には最初から全く期待していなかった。
邦画の製作費で、質の高いSF大作アクション映画なんて作れるわけがないんだし。

だから、もちろんホントはダメな事態だけど、特撮ヒーロー物にしか見えないにしても、それならそれで「特撮ヒーロー物」として面白い物を作ってくれれば、まだ救いはあったのだ。
しかし残念ながら三池監督は、そういう方面にも興味が乏しいのだ。
っていうか、この人ってアクション物も多く手掛けているけど、実はアクション演出が得意なわけでもないのよ。だから、坂本浩一辺りをアクション監督に起用して、アクションシーンは全て任せりゃ良かったのよ。
ただし、それで映画が傑作に変心するのかというと、それは無理だけどね。
そうか、そう考えると、坂本浩一を使うのは勿体無いのか。

(観賞日:2017年6月5日)


2016年度 HIHOはくさいアワード:第4位

 

*ポンコツ映画愛護協会