『ドライビング・ハイ!』:1993、日本

かおるは2年前に引退した元レーシングドライバー。兄の三郎に誘われ、彼がオーナーを務めるチーム・アレシスでBドライバーとして復帰することになった。しかしメカニックは女性のかおるが運転することを良く思わず、ギクシャクした関係になる。
N1レースに復帰したかおるの第一戦。滑り出しは順調だったが、運転を誤ってコースアウトしてしまい、失格になる。スポンサーは降りてしまい、チーフメカニックの梅原もチームを去った。かおるもレースを辞めようと考える。
だが、彼女はレースを捨てることは出来なかった。かおるは自ら車の修理に掛かる。残ったメンバーも掛け付け、次のレースに挑もうと気持ちを一つにする。しかし、三郎は財政事情の苦しい中で次第にレースに対する意欲を失いつつあった。ついに彼はチーム・アレシスの解散を決定する…。

監督は橋本以蔵、原案は小中千昭、脚本は橋本以蔵&小中千昭&木田薫子、製作は石川茂夫&青木雅美&白井一郎、撮影は須賀隆、編集は金子尚樹、照明は淡路俊之、音楽は笠谷文人。
主演は南野陽子、共演は加藤善博、松下一矢、高樹澪、水島新太郎、羽野晶記、加藤賢宗、美菜、伊丹幸雄、冴場都夢、柴山武彦、土屋圭市、佐藤久実ら。


ひょっとすると、世界で最も迫力の無いレース映画かも知れない。レース会場の熱気、車のスピード感、クルーの情熱、そういったサーキットの持つパワーやエナジーは全く伝わってこない。抑えようとしてもサーキットの熱気が溢れてきそうなものだが。
そういう意味では、逆に凄いかもしれない。

やたら盛り上げようとするスローモーション映像、無駄に消費されるクローズアップ映像、妙にアートっぽい映像。全てが意味不明。いったい何が撮りたいのやら。映像もチープなら、人物もチープ。中身が全くありゃしない。

話がショボイのは言うまでも無い。最初のレースでコースアウトしただけなのに、いきなりスポンサーが降りるわ、メカニックは辞めるわ、ドライバーは自信を失うわ。そんなに甘っちょろい世界なのか、カーレースの世界って。

南野陽子に丸メガネを掛けさせているのが、大いに疑問。これって完全にアイドル映画でしょ。南野陽子が主演してるってのが唯一の売りのはず。なのに丸メガネなんか掛けさせてる。目が悪いのは知ってるけど、コンタクトでイイじゃん。やっぱり意味不明。

 

*ポンコツ映画愛護協会