『殺人がいっぱい』:1991、日本

綾小路家は名門華族だったが、今では完全に落ちぶれている。主人の宣彦は婿養子で、愛人を連れて旅行ばかりしている。妻の徳子は世間知らずのお嬢様で、夫の愛人同伴旅行も出張だと信じている。娘のひな子は元気な女子高生。両親を見ているせいか、妙に現実的である。
徳子はマナー教室を開いているが、その生徒である渋谷典子が殺された。彼女は宣彦の愛人だった。刑事の郷田は行方不明の宣彦を容疑者だと考える。宣彦の無実を証明するため、自分達で捜査を開始する徳子とひな子。
やがてひな子の友人の母親である秋元章子が殺される。そしてひな子の担任教師である鴨下が渋谷典子や秋元章子と関係があったことを認め、警察に自首。だがさらに彼と関係があった桃井えりかが殺されたことで彼のアリバイが証明される。果たして犯人は、そして連続殺人の理由は…

監督は中村幻児、脚本は野沢尚、制作総指揮は郷田政吾、製作は渡辺正憲、音楽は渡辺勝、撮影は野田悌男、照明は内田勝成、美術は野口隆二、編集は北澤辰雄。
主演は多岐川裕美&高橋かおり、共演は古尾谷雅人、布川敏和、小林昭二、小牧彩里、中篠リサ、盛本真理子、志水季里子、清水ひとみ、キラーカン、大杉漣、佐野大輔、溝口順、田辺年秋、勝野洋、左とん平、桑野信義ら。


マザーグースをテーマにしたコミカルな推理物。ある程度の強引さは許すけれど、それにしたって話に無理がありすぎる。全く無意味で無関係な場面もあるし。マザーグースが全く効果的に使われていないのも大きな問題だろう。

出来の悪いサイコのパクリでオチを付けた後、もう一つオチがある。どんでん返しというにはあまりに唐突で、何の伏線も無い強引な展開。
クライマックスでは、犯人の振り上げた包丁に雷が落ちて、炎に包まれた犯人が死亡。別の意味でコメディだよ。

それにしても、この作品を映画として作る理由が良く分からない、テレビドラマで充分だと思うのだが。高橋かおりが大人気だったわけでもないから、アイドル映画としても成立してないし。

ちなみにエンディングテーマ曲が米米CLUBの『FUNK FUJIYAMA』。
全く映画と合ってないじゃん。

 

*ポンコツ映画愛護協会