『GTO』:1999、日本

北海道の幌比内町。町興しのために作られたテーマパーク“カナダ村”の経営に失敗し、観光客も全く来ない町。そんな幌比内町に1人の臨時教師がやって来た。その男の名は鬼塚英吉。グレート・ティーチャー・オニヅカ、略してGTO。
北文館学苑2年C組の担任になった鬼塚は、いじめらっれ子の楽の家に居候しながら、破天荒な教師生活を楽しんでいる。そんな彼を北海道日報社会部記者の喜多嶋薫が追い掛け回す。薫は鬼塚を全国指名手配中の連続強盗犯だと勘違いしており、スクープをモノにしようとしていたのだ。
鬼塚は楽が同じクラスの綾乃に恋をしていると知り、2人をくっ付けようと奮闘していた。だが綾乃は町の実力者で理事長の娘で、小さい頃から特別な環境に育っていた。見せかけの友情に嫌気が差した彼女は心を閉ざしており、同級生も彼女を避けるようになっていたのだ…。

監督は鈴木雅之、原作は藤沢とおる&相沢春吉、脚色は田辺満&長谷川隆、企画は河村雄太郎&山崎一彦&栗原良幸&児玉英毅、プロデューサーは宅間秋史&波止康雄&小林壽夫&臼井 裕詞、撮影は浜田毅、編集は田口拓也、美術は中澤克巳、録音は小野寺修、照明は渡邊孝一、音楽は服部隆之。
主演は反町隆史、共演は藤原紀香、田中麗奈、笠原秀幸、夏八木勲、西村雅彦、今福将雄、上田耕一、戸田恵子、宇梶剛士、田口浩正、伊藤俊人、梶原善、甲本雅裕ら。


人気漫画をテレビドラマにしたらヒットしたので、「じゃあ映画にしてみるか」ってなわけで作られた作品。
ちょっと調子に乗りすぎましたな。別にスクリーンに映さなくても、テレビの2時間スペシャルで充分だったと思いますぜ。基本的に『GTO』ってテレビサイズの作品でしょ。

「せっかく映画なんだから、テレビと違ったことをしよう」という意図は見える。しかし、どうも空回りしている印象。ショボいカーチェイスなんて誰が大画面で見たがるのやら。
「映画っぽいカメラワーク」も感じられるけど、特に効果的だとは思えない。逆に作品の持ち味を殺しているようにも思える。

とにかく無理のある展開を連発する。そもそも薫が鬼塚を連続強盗犯だと信じ込む時点で無理がありすぎ。他にも、なぜか道路を閉鎖するパトカーを車でジャンプして飛び越えたりする。
しかも、その場面で感動させようという意図が見える。そんなトコでどうやって感動しろというんだろうか。

反町隆史を除き、テレビ版と完全にキャスティングを入れ換えたのも違うんじゃないのかなあ。生徒達はテレビ版と同じキャスティングにして、そこに新しい生徒として田中麗奈をはめ込んだ方がまだ良かったんじゃないかなあ。
まあ、どっちにしても映画としてはバツだろうけど。

 

*ポンコツ映画愛護協会