『十二単衣を着た悪魔』:2020、日本

フリーターの伊藤雷は、日雇いバイトで製薬会社が主催する「『源氏物語』と疾患展」の設営に参加した。『源氏物語』の内容について良く知らなかった彼は、粗筋を紹介する音声ガイドに聞き入った。多くの后たちが桐壺帝に仕える中、桐壺更衣は身分は高くないのに誰よりも寵愛を受けた。嫉妬を募らせた后たちは彼女への嫌がらせを繰り返し、その筆頭は第一后の弘徽殿女御だった。桐壺帝は弘徽殿女御が産んだ第一皇子の一宮より、桐壺更衣が産んだ第二皇子の二宮、後の光源氏を世継ぎにしかねない勢いだった。二宮は光り輝く養子に超一流の教養を兼ね備え、一宮は何をやっても敵わなかった。桐壺帝も世間も、一宮を二宮よりも低く見ていた。
音声に聞き入ってボーッとしていた雷は、現場リーダーの木村に注意された。仕事を終えた日雇いバイトの面々は、製薬会社が販売する薬や『源氏物語』の粗筋が書かれた冊子を渡された。恋人と会った雷はラブホテルへ誘うが、別れてほしいと告げられる。雷は就職試験で59社も落ちており、「やっぱ彼氏が日雇いバイトなんて論外」と言われる。雷の父親は大手商社会社の副社長だったが、コネを使うことは避けていた。彼が「俺にもプライドがあるんだよ。コネで入っても肩身が狭いでしょ」と語ると、恋人は「実力が無いんだから、しょうがないじゃん」と現実を指摘する。彼女は雷が文句ばかり言っていることを批判し、「雷といても成長できない」と告げた。
雷は帰り道で隣人の山下元子に声を掛けられ、弟の水が京都大学医学部に合格したことを知らされた。「東大じゃなかったんだ」と雷が言うと、元子は教えを受けたい教授がいるという理由で水が京大を選んだことを話す。雷が帰宅すると、両親と水が既に夕食を始めていた。入りにくい雰囲気を感じた雷が家を出ていくと、その姿を見た水が追って来た。合格を祝ってくれないのかと訊かれた雷は、「やっぱすげえな。ポテンシャル高い奴は違うよ」と告げて立ち去った。
外は雷鳴が轟いており、雷は転んで冊子を落とした。雷は開いた冊子の中に蛍のような光を見つけ、その直後に周囲の時空が歪んだ。気が付くと雷は、『源氏物語』の世界に入り込んでいた。良喬という警護の男に捕まった雷は、「どこなんだよ、ここは」と声を荒らげる。すると良喬は「ここは宮中」と言い、弘徽殿女御が暮らす御殿の庭だと教えた。音声ガイドで知った「弘徽殿女御は眠れない夜が続いている」という情報を雷が確認すると、良喬は「なぜ知っている?」と驚いた。
牢に入れられた雷はスマホを使おうとするが、電波が繋がらなかった。ようやく『源氏物語』の世界に迷い込んだことを何となく理解した雷だが、全て夢であることを期待する。しかし翌朝になって目を覚ましても、彼は現実世界に戻っていなかった。良喬と牢番たちは雷の持っていたスマホを没収し、その使い方が分からず困惑する。良喬は誤ってボタンを押し、顔写真が撮影された。雷の荷物を調べた良喬は、異国から渡って来たのだと思い込んだ。
雷は「先祖が日本人で異国から来た」と嘘をつき、荷物を返してくれれば弘徽殿女御の病気が治せるかもしれないと語る。良喬に「そなた、陰陽師か?」と問われた彼は、咄嗟に「そうだ」と答えて「雷鳴」と名乗った。弘徽殿女御の元には雷が渡した薬が届けられ、翌朝には症状が治まった。良喬は雷を牢から出して礼を述べ、今後は弘徽殿女御のためだけに仕えるよう促した。雷は世話係の梅命婦から、弘徽殿女御が特別に会うことを告げられる。しかし御簾が下がったままなので、雷は顔を見せてほしいと愚痴をこぼした。梅命婦は身分違いだと説教するが、弘徽殿女御が御簾を上げさせた。
弘徽殿女御の顔を見た雷は、土下座して「お力になります」と申し出た。弘徽殿女御は鋭い口調で、「能書きは要らぬ。男は能力を形にして示せ」と言い放った。雷は冊子を開き、『源氏物語』の情報を調べた。雷はイヤホンに興味を持った牢番にスマホの音楽を聴かせようとするが、電源が切れて使えなくなった。雷は一宮から弘徽殿女御を助けた礼を言われ、その立派な態度に戸惑った。弘徽殿女御から帝の後継者について問われた雷は冊子の内容を思い出し、「私の占いでは一宮です」と答えた。
病気がちだった桐壺更衣が亡くなると、弘徽殿女御は喪中にも関わらず宴を催した。慌てた雷が「マズいですって」と止めると、彼女は「私は帝を励ましておるのだ」と述べた。弘徽殿女御が泣いてばかりいる桐壺帝を愚帝だと扱き下ろすと、雷は自分の国なら政を司る人物になれると称賛した。夜の内に風が吹いて、雷が気付くと朝が来ていた。一宮は春宮に成長しており、雷は困惑しながらも時間が飛んだことを何となく理解した。
弘徽殿女御は一宮が皇太子になったことを手放しで喜んでおらず、「能力が認められたわけではない」と雷に告げる。桐壺帝は家臣から桐壺更衣に瓜二つの藤壺を紹介され、寵愛するようになった。彼女は「藤壺に子供が産まれれば帝は東宮の座を譲れと言うかもしれないが、一宮が優秀なら話は別」と、強気な態度で語った。また時間が飛び、雷は弘徽殿女御から東宮の結婚相手について相談された。彼女は東宮の正妃に左大臣の娘である葵の上を迎えようと考えていた。冊子では光源氏の正妃として紹介されていたので雷は取り止めるよう忠告するが、弘徽殿女御は聞き入れなかった。
弘徽殿女御は雷の結婚相手として、倫子(りんし)という女性を紹介した。倫子が「私は雷鳴様の持ち物にございます」と言うと、雷は抱き付いて肉体関係を持とうとする。強張った顔を見た雷の動きが止まると、倫子は「醜うございましょう」と口にする。雷が「いや」と言葉に詰まると、彼女は「良いのです。嘘も我慢も辛うございましょう。こうなるのは当たり前なのです」と述べた。雷が「怖かったよね。震えてたから。そりゃそうだよね。知らない男にいきなりさ」と反省の弁を述べると、倫子は泣き出した。雷は慌てて励まし、笑顔を浮かべてキスをした。
光源氏が葵の上を正妃にしたので、弘徽殿女御は激しく苛立った。彼女は帝が光源氏のため、東宮を蔑ろにしようと仕組んだのだと断言した。東宮は雷の前で、「また母上を悲しませてしまった」と漏らす。立派な弟がいることを雷が明かすと、彼は「私と雷鳴は同じだな」と言う。雷が慌てて「東宮様はご立派です」と告げると、東宮は「私は大丈夫」と穏やかに述べた。彼から「いつか姿を消すような気がする」と言われた雷は倫子の元へ走り、強く抱き締めて「俺はずっと倫子と一緒にいる」と約束した。
光源氏は桐壺帝の目を盗んで、藤壺女御と深い関係になった。彼は葵の上を放置して六条御息所の元へ熱心に通っていたが、藤壺女御へ鞍替えしたのだ。倫子から妊娠を知らされ、雷は喜んで子供の名前を考えた。一方、藤壺女御も妊娠し、雷は弘徽殿女御に占いでは男子だと教えた。倫子は出産予定日よりも早く陣痛に見舞われ、雷は急いで駆け付けた。倫子は衰弱しており、「倫子を好きでいてくれたように、自分のことを好きになってください」と言い残して息を引き取った。
倫子を弔った雷は、「天罰が下ったのだ」と自分を責めた。弘徽殿女御は梅命婦から藤壺女御が出産予定日を2ヶ月も過ぎてから陣痛に見舞われたことを聞き、「いっそずっと腹の中に入っておれば良いものを」と憎々しげに語る。「声が大きすぎます」と梅命婦が慌てると、彼女は「言いたいことを言って何が悪い?藤壺など、腹の子ともども、ずっと里におれば良いわ。死ね」と言い放った。倫子を亡くした雷は仕事から離れることを弘徽殿女御に許されていたが、久々に出仕した。
藤壺女御は出産するが、弘徽殿女御は光源氏の子供だと見抜いていた。確認された雷は言葉に詰まるが、その態度が答えだと弘徽殿女御は分かっていた。藤壺女御は我が子を守るため、光源氏を見限っていた。光源氏が強引に訪ねて来ると、彼女は逃げ出して桐壺帝に助けを求めた。弘徽殿女御は藤壺女御に皇后の座を譲り、その代わりに一宮を後継者にすることを桐壺帝に承知させた。秘密を利用する機会を窺っていた彼女は、「知っていますよ、全部」と藤壺女御に囁いた…。

監督は黒木瞳、原作は内館牧子『十二単衣を着た悪魔 源氏物語異聞』(幻冬舎文庫)、脚本は多和田久美、製作総指揮は木下直哉、プロデューサーは武部由実子&菅野和佳奈、撮影は月永雄太、照明は木村匡博、録音は田中博信、美術は三ツ松けいこ、衣装(現代)は藤山晃子、衣装(平安時代)は竹林正人、編集は洲崎千恵子、音楽は山下康介、音楽プロデューサーは津島玄一、雅楽監修は東儀秀樹、主題歌『History』はOKAMOTO'S。
ナレーターは石田ゆり子。
出演は伊藤健太郎、三吉彩花、伊勢谷友介、笹野高史、山村紅葉、ラサール石井、戸田菜穂、伊藤沙莉、田中偉登、沖門和玖、手塚真生、MIO、YAE、細田佳央太、酒井晴人、LiLiCo、村井良大、兼近大樹 (EXIT)、佐分利眞由奈、大津尋葵、高橋浩二朗、川手祥太、井上翔太、伊藤浩志、井上依吏子、千田紗由美、荒川大三朗、藤間桃乃樹、奥田由香、夏岡エレナ、後藤温子、修美穂、原田もも子、石田星空、東儀典親、平塚創大、駒井蓮、西野凪沙、大塚かなえ、鈴川琴音、原竜久、五郡橙真、黒猫みぃちゃん、東儀秀樹、須崎時彦、岩佐鶴丈、三浦礼美、多田泰大、安達圭花、北村茉莉子、〆野護元、大久保利洋、大西弘祐、兵頭秀明ら。


黒木瞳が2016年の『嫌な女』に続き、2度目の監督を務めた映画。
脚本は『草原の椅子』『ちょっと今から仕事やめてくる』の多和田久美。
雷を伊藤健太郎、弘徽殿女御を三吉彩花、桐壺帝を伊勢谷友介、良喬を笹野高史、梅命婦を山村紅葉、右大臣をラサール石井、明子を戸田菜穂、倫子を伊藤沙莉、春宮を田中偉登、光源氏を沖門和玖、六条御息所を手塚真生、藤壺をMIO、桐壺更衣をYAE、水を細田佳央太、雷の父を酒井晴人、元子をLiLiCoが演じている。
ナレーターを石田ゆり子が担当している。

「現代日本で暮らしている冴えない男が、源氏物語の世界に飛ばされる」というプロットなので、主人公が死んだわけじゃないけど、ほぼ異世界転生モノみたいな話だね。
でも実際のところ、そこが微妙なんだよね。
何となく「現実の平安時代」に思わせようとしている雰囲気も感じられるし。劇中で、たぶん1度も紫式部の名前は出て来ていないし。
でも、「それは実際の平安時代か、それとも物語の世界か」という境界線をボンヤリさせて、それで得られたメリットが何なのかは全く分からない。

雷が音声ガイドに聞き入ったのは、一宮と二宮の関係に自分と弟を重ね合わせたのが大きな理由のはずだ。しかし、その段階では彼に弟がいることさえ分からない。
これは話の進め方として上手くない。その情報を先に示しておくか、そのタイミングで「出来のいい弟がいて、劣等感を抱いている」ってことを回想か何かで挟むべき。
ただ、二宮はほとんど出て来ないし、一宮と二宮の対比が弱い。
だから雷が自分と水を重ねていた設定も、まるで活かされていないんだよね。雷と一宮の交流も薄いし。

雷は一宮と二宮に自分と弟を重ねていたはずなのに、そこから離れた話ばかりが展開する。そして雷も、弟へのコンブレックスなんて全く思い出さない時間が大半なのだ。
男女の惚れた腫れたに関するエピソードが多いから、どうしても雷は、そこから何かを感じ取ることが増えてしまう。でも彼は、実社会で恋愛で悩んだりしていたわけじゃない。
だから異世界での経験や感じたことが、現世に戻ってから全く活きないんだよね。
だからって雷と弘徽殿女御との関係でドラマが膨らんでいるのかというと、ここも薄いのよ。

雷が別世界へ飛ばされるシーンのファンタジーとしての力は、ものすごく弱い。その一番の理由は、映像的な表現にある。
蛍が飛ぶシーンは冒頭にもあるけど、これが全く効果的じゃなくて、ただ意味不明なだけになっているし。雷が冊子を落とす時は「一瞬だけ磁場が揺れてバランスを崩す」みたいな表現があるけど、これも良く分からないだけだし。
っていうか、もっと根本的なことを言っちゃうと、なぜ急に時空が歪んで飛ばされたのかサッパリ分からないんだけどね。そのきっかけになるような出来事があったわけじゃないし。せいぜい「雷鳴が轟いていた」ってだけで、異次元ワープを納得させる説得力なんて無いし。
いや、実は明確な理由なんて無くても、ファンタジーとしての表現が充分に備わっていれば、そこは強引に突破できちゃったりするのよ。それも無いからね。

雷は良喬に捕まって牢に入れられた時、荷物を返してくれれば弘徽殿女御の病気が治せるかもしれないと告げる。だけど、なぜ彼は病気のことを知っているのか。
音声ガイドでは「心身共に穏やかではなく、眠れない夜もあったでしょう」と言っていただけで、決して病気で苦しんでいるとは説明していなかったぞ。そして物語の世界に入り込んでからも、その情報を知る術など無かったはずだし。
そりゃあ音声ガイドで「弘徽殿女御の症状に有効な薬としては、こちらです」と薬が紹介されていたけど、そもそも無理がある宣伝手法だし、伏線としても見せ方が弱すぎるし。その薬を雷が貰ったことは、ハッキリと見せてくれないし。
あと、陰陽師だったら基本的には祈祷で治すはずで、薬を届けて飲んでもらうってのは強引じゃないかと。
まだ素性も良く分からない奴が渡した、中身も良く分からない錠剤を、そんなに簡単に飲ませるかね。誰かで試してからならともかくさ。

弘徽殿女御が御簾を上げさせて雷と対面するシーンでは、ギターがギンギンと唸るハードロックのBGMが流れ、スローモーション映像になる。そして弘徽殿女御が扇子を投げ、顔を見せる。
これ、どういう狙いの演出なのかサッパリ分からない。これによって何の効果を意図しているのかが分からないのだ。
「弘徽殿女御の圧倒的な美しさ」をアピールしたいのなら、その演出が不正解だと断言できる。ただ、そこは普通に考えれば、それ以外に目的なんて無いはずなんよね。実際、雷は弘徽殿女御の顔を見ると、それまでの生意気な態度が一変して平伏しているんだし。
ひょっとすると「弘徽殿女御の威厳や気迫に圧倒される」ってのを表現したかったのかもしれないけど、だとしてもハードロックは全く合っていない。むしろ逆効果と言ってもいいぐらいだ。

弘徽殿女御は桐壺更衣のことを、「野望を抱いた女」と批判的に評する。だけど桐壺更衣は台詞も無いまま退場するから、その批評が事実だったのかどうかも分からないままだ。っていうか弘徽殿女御の方が、遥かに野心に満ちた女性に見えるぞ。
それが悪いとは言わないし、源氏物語の内容とは全く異なる女性像なのは分かるけど、じゃあ魅力的に感じられるかというと、それはまた別の話で。
分かりやすい例を挙げるなら、小池百合子を魅力的に感じるかってことだよね。
弘徽殿女御のように明確に野望を表に出して、強気な態度で突き進むのは、ウーマンリブとしては有りだろうかもしれないけど、ちょっとキツすぎないかね。
頑固で柔軟性が無く、思い込みが激しくて無駄に敵を作りたがる面倒な女性にしか見えない。

源氏物語の内容は、ものすごく薄くて、たまにダイジェスト的に挟まれるだけ。だから、「その中に迷い込んだ雷が関わって云々」とか、「その中で雷が何かを感じて影響を受けて心境が変化して」みたいな関係性が全く伝わって来ない。
雷は物語の中に入り込んだものの、ただフワフワと漂っているだけで、何も関与していないのだ。弘徽殿女御は雷に相談するくせに、自分の意見は絶対に曲げないし。
史実じゃなくて創作の物語だから、雷の介入で内容が変化しても一向に構わないと思うんだよね。
だけど、なぜか原作に忠実な展開を徹底的に守ろうとするから、雷か異世界に入り込んだ意味が皆無に等しくなっている。

雷は倫子の「私は雷鳴様の持ち物にございます」という言葉を聞き、いきなり襲い掛かる。それは性欲が溜まっていたってことなんだろうけど、それまでに「性欲マンマン」ってのを示すシーンは1つしか無かったぞ。
しかも、それは元カノの動画を見てのオナニーなので、単に「元カノへの未練」と解釈できなくもないし。
それに、相手の顔も見ていないのに倫子に襲い掛かるのは、展開として強引だし。
「美人じゃないので動きが止まる」ってのを見せるためなのは分かるけど、そのために男の行動が不自然になっちゃってるのよ。そっちが引っ掛かって、用意された展開に素直に乗っかれないのよ。

そもそも雷と倫子との結婚って、何のために持ち込んだ展開なのかサッパリ分からないし。
わざわざ『源氏物語』に登場しないキャラを使ってまで、雷にロマンスを用意する必要なんて無いでしょ。そこまで手を広げる余裕なんて全く無いでしょ。
倫子から妊娠を知らされた時には「分かったよ。俺がここに来たのは、倫子とその子に会うためだったんだ」とまで言うけど、そこに主眼が置かれていないのは言うまでもないし。
だから、その台詞は無理のある言葉として見事に浮き上がっている。
結婚も出産も病死も、良喬の「旅立つ者の代わりにはなれない」という言葉も、そんなの雷の現実での人生や環境と何も重なる部分が無いし。

「雷が異世界での体験や弘徽殿女御との交流によって人間的に成長し、現世での生き方が変化する」という枠組みで作られているのは理解できるけど、中身が全く追い付いていない。っていうか、ピントがボケボケになっている。
だから雷が現世に戻って来た時、そこでのドラマに異世界パートが上手く繋がっているとは到底思えないのだ。
あと何度も時間が飛ぶけど、これも構成としてブサイク極まりないし、マイナスにしか作用していないんだよね。
そんなギクシャクした形で展開を省略するよりも、短い期間だけタイムスリップした設定にした方が絶対に良かったと断言できるよ。
それだと原作の内容と大幅に異なるってことなら、「何が何でも原作準拠」よりも大幅に改変する方法を選ぶべきだわ。

(観賞日:2022年7月27日)

 

*ポンコツ映画愛護協会