『黒の天使 Vol.1』:1998、日本

一光は幼い頃に病院から暴力団の組長・天岡によってさらわれ、天岡の愛人の娘として育てられた。一光が6才の頃、自宅に侵入してきたヒットマンによって天岡と愛人、組員達が殺される。その場にいた一光も殺されそうになるが、若頭の安田によって外に連れ出される。
瀕死の重傷を負いながら一光を助けようとする安田の前に現れたのは“黒の天使”と呼ばれる女ヒットマン、魔世。彼女は一光を預かり、アメリカへと逃亡させる。一光はアメリカで暮らしながら、銃と格闘技の腕を磨く。
14年後、一光は日系人の男ジルと共に日本へ帰ってきた。一光は“黒の天使”を名乗り、銃を手に裏社会へと足を踏み入れていく。目的は復讐。天岡達を殺したのが、当時は幹部だった野木の陰謀だったと知り、野木を殺すために戻ってきたのだ。
義理の姉の千明が野木の愛人になっていたことも一光を驚かせたが、彼女をさらに驚かせたのは、魔世がシャブ漬けにされ、野木の情婦になっていたことだった。魔世を理想の女として慕っていた一光は彼女の堕落に失望しながらも、野木に近付いていくのだが…。

原作&脚本&監督は石井隆、プロデューサーは佐々木裕二&百田英生&石井隆、、撮影は佐藤和人、編集は川島章正、録音は杉山篤、照明は牛場賢二、美術は山崎輝、衣装は小野今朝義、アクションコーディネイターは柴原孝典、音楽は安川午朗。
主演は葉月里緒菜、共演は根津甚八、高島礼子、椎名桔平、小野みゆき、山口祥行、室田日出男、鶴見辰吾、大杉漣、飯島大介、伊藤洋三郎、中山俊、小林滋央、速水典子、片岡礼子、向野澪、青井英玲奈、櫻庭美樹、MASUO、夏川さつき、秋吉砂喜子ら。


分からない。
登場人物達が何をしたいのか、さっぱり分からない。
適当にグチャグチャやってればOKなのか?どのキャラも非常に薄くて、そこにいる意味がさっぱり分からない。ジルが一光の復讐を助ける理由がさっぱり分からない。その他、行動の理由がさっぱり分からないことだらけ。

へなちょこアクションをへなちょこに撮影する意図が分からない。モッチャリしたアクションのオンパレードで、モッチャリした雰囲気を作り出す意図が分からない。一光とジルの妙なダンスを2分くらい延々と映し続ける監督の意図も分からない。

魅力のあるキャラクターは誰一人として存在しない。特に主人公を演じる葉月里緒菜がアングラな世界にハマり切れていない。
石井監督も彼女に遠慮したのか、いつもなら当然の如く存在するレイプシーンも無いし。ナミを捨てたことで、自分の世界も忘れたのか。

最初から「vol.1」と付け、2作目を作る気が満々。しかも1作目がこんなモッチャリした退屈な映画だったのに、実際に2作目を作ってしまうんだよなあ。
その根性は凄いけど、根性だけで面白い映画は作れません。

 

*ポンコツ映画愛護協会