『恋するナポリタン〜世界で一番おいしい愛され方〜』:2010、日本
ビストロ「ナポリ食堂D'Angelo」のオーナーシェフである田中武は、その日も忙しく働いていた。閉店後、彼が携帯を見ると、留守電には幼馴染である佐藤瑠璃からの「今日、水沢さんに返事しなきゃいけないんだ。一応、武の意見も聞いてみようかなあなんて思っちゃったわけです」というメッセージが入っていた。それは瑠璃がレストランのトイレから吹き込んだメッセージだった。武からの返信が無いので、瑠璃はイタリア料理店オーナーである水沢譲治が婚約指輪を用意して待っている席に戻った。
留守電を聞いた武は、急いで瑠璃と水沢のいるレストランへ向かった。武は店から出て来た2人と遭遇するが、瑠璃が指輪をしているのに気付いた。その直後、彼は槇原佑樹が降って来るのを目撃し、慌てて駆け寄った。2人は頭から激突し、その場に倒れた。1ヶ月後、佑樹は病院のベッドで意識を取り戻した。姉の仁子が「アンタのせいで人が一人死んだのよ」と責めると、彼は「貴方は誰?」と問い掛けた。佑樹は頭部損傷による記憶喪失と診断された。
佑樹が自宅に戻ると、同居している甥の聡史がいた。佑樹が以前とは全く違う態度を取るので、聡史は戸惑った。フラッシュバックが佑樹の脳裏をよぎるが、そこに出て来るのは武と瑠璃だった。しかし佑樹にとっては、見知らぬ男女でしかなかった。佑樹は聡史と自分のためにオムライスを作った。そこへ帰宅した仁子は、弟がオムライスを作ったと知って驚いた。2人は年の離れた異母姉弟で、佑樹は3年ぶりに部屋から出て来た後、あの事故を起こしたのだった。
瑠璃は水沢から、「いつまで待てばいいんだ?」と問い掛けられる。水沢は「タケは瑠璃にとって何なんだ?」と言い、恋愛感情の有無について質問した。瑠璃は「友達。信じてもらえないと思うけど、友達としか言いようがないの」と答える。「瑠璃がそういう気持ちだったとして、タケはどうだったんだろう。あの日、あいつは何か大事なことを言いたくて走って来たんじゃないのか」と口にした水沢に、彼女は「今の気持ちで結婚は」と言う。水沢は「分かった、待つよ」と受け入れた。
瑠璃が毎週必ず武の墓参りに行っていると知った仁子は、佑樹を連れて墓地へ赴いた。仁子は改めて謝罪し、「賠償金は必ず」と告げる。「お父様にも言いましたが、お金は要りません。私、身内ではないので。もう帰って下さい」と瑠璃は冷たく言う。佑樹は瑠璃が自分のフラッシュバックに出て来る女性だと気付き、「貴方はきっと俺の恋人だったはずです。少なくとも俺はずっと好きだった。俺の思い出がそう言ってるんです」と語る。瑠璃は激怒して立ち去った。墓地にあった武の写真を見た佑樹は、「俺だ」と泣き崩れた。
佑樹は聡史から料理を教えてほしいと頼まれ、その代わりに「叔父さん」という呼び方をやめるよう求めた。呼び方を問われた佑樹は、「ナポリ。子供の頃、そう呼ばれてた気がして」と告げた。彼は聡史を連れて白浜へ行き、地元の食材を浜辺で料理した。自宅に戻った佑樹はピアノの鍵盤に触れている最中、激しい頭痛に襲われて気を失った。彼の脳裏には、佑樹としての思い出が蘇った。
ピアニストの佑樹は、ウィーンフィル交響楽団のソリストに招聘されたのが自分ではなく父の佑一郎だったことにショックを受け、激しく荒れた。佑一郎が「期待外れだ。才能は遺伝しないんだな」と言っているのを、彼は耳にした。部屋に閉じ篭もるようになった彼は、あの夜、屋上へ出た。激しい頭痛に襲われた彼はバランスを崩して転落し、武と激突したのだった。意識を取り戻した佑樹は「今はどっち?」と聡史に訊かれ、「ナポリでいいよ。もう戻る体は無いんだな。でも生きなきゃ。槇原佑樹として」と口にした。
仁子は医師から、佑樹が脳腫瘍の末期であることを知らされる。「本来は立っていることも無理です。もう死んでいてもおかしくない」と医師は話す。仁子が「どうすれば?」と訊くと、医師は「ご本人の好きなことをやらせてあげて下さい」と告げた。佑樹は休業中の張り紙があるビストロへ勝手に入り、オムライスを作った。そこへ来た瑠璃は驚き、「出てって下さい」と声を荒らげた。佑樹は「ここを俺に使わせて下さい。信じてくれないと思うけど、俺は田中武だ」と述べた。
瑠璃は「武は死んだわ」と言い、佑樹を追い出そうとする。だが佑樹が武オリジナルのオムライスを作ったり、飼い犬の名前がブラウンであることを知っていたりするので、彼女は困惑した。瑠璃は2ヶ月だけという条件で、彼に店を貸し出した。ビストロはたちまち評判を呼び、雑誌記者の瑠璃は先輩から取材に行くよう指示された。仕方なく店を訪れた瑠璃に、佑樹は店を持つに至った経緯を話す。彼の話す思い出は、瑠璃が知っている武の思い出と全く同じだった。
さらに佑樹は、武が開店する際、瑠璃の注文を受けて作った料理を再現した。瑠璃は「そうやって私の気持ちを弄んで、楽しいわけ?」と感情的になり、「もう二度とこんな店には来ない。私の前に一生現れないで」と言い放って店を出て行った。佑樹は彼女の後を追い掛け、「あの時も、こうして走ったんだ。瑠璃に言いたくて」と口にする。「何を?」と瑠璃に問われた佑樹が口を開こうとした時、また激しい頭痛が襲い、彼は倒れ込んでしまう…。監督は村谷嘉則、脚本は鈴木勝秀、脚本協力は渡辺雄介、オリジナルストーリーは川上徹也、企画・プロデューサーは野間清恵、プロデューサーは井口喜一、撮影は飯田健介、編集は新井孝夫、録音は関根光晶、照明は宮城任、美術は吉見邦弘、美術プロデューサーは杉川廣明&吉見邦弘、VFXスーパーバイザーは小田一生、料理監修は西邨マユミ、マクロビオティック・コーチは西邨マユミ、音楽は かみむら周平、音楽プロデューサーは平川智司、主題歌はエリック・マーティン 『Love Is Alive』。
出演は相武紗季、眞木大輔、塚本高史、北大路欣也、市川亀治郎(現・市川猿之助[四代目])、真琴つばさ、紺野まひる、市川知宏、岡山智樹、秋月三佳、舘形比呂一、茂木健一郎、嶋尾康史、クリスト・ピエトロ、カルロ・ザンボット、立花彩野、小林夏子、柊子、倉本麻衣、伊集院八朗、田村雄一、才川コージ、北川隆啓、宮本一、宇部佑哉、湯浅義明、猪子まゆ、中野真陽、グレゴリー・ガーヴィル、ウィル・ゲルック、バートランド、ミーナ・ライネリ、マルティノ・タニガキ、リアナ・マテラ、セシリア・コステンティーノ、小川恵、小川樹、増田愛未、直井香子、佐藤英恵、望月伸悟ら。
『キサラギ』『うた魂(たま)♪』のプロデューサーだった野間清恵が企画した作品。
監督の村谷嘉則はTVドラマの演出家で、これが映画デビュー作。
脚本の鈴木勝秀は、TVドラマ『世にも奇妙な物語』シリーズで何本かシナリオを書いている人。
瑠璃を相武紗季、佑樹を眞木大輔、武を塚本高史、佑一郎を北大路欣也、水沢を市川亀治郎(現・市川猿之助[四代目])、仁子を真琴つばさ、聡史を市川知宏、子供時代の武を岡山智樹、子供時代の瑠璃を秋月三佳、医師を茂木健一郎が演じている。まず配役の時点で問題があって、眞木大輔は明らかに力不足。
役者が本業じゃないんだから、せめて等身大の自分でやれるような役柄ならともかく、よりによって「記憶を喪失し、自分とは別の人間の中に魂が入り込んでしまう。しかも、その相手は自分を死なせた男」という、ものすごく難しい役柄を演じさせているんだよね。
そりゃ無茶だよ。25歳っていう年齢設定にも合ってないし。
ただし、「例えば塚本高史と役柄を交換したら」と考えたが、それでも無理だっただろうなあ。
冒頭、塚本がメニューを読むナレーションの段階で「カレジャナイ」感を強く感じたので。市川亀治郎も完全にミスキャストで、この人に恋愛劇をやらせても全く似合わない。水沢が瑠璃に惚れている、結婚を望んでいるということが、映画を見ていても全く伝わって来ない。
それは描写が足りないんじゃなくて、演技からそういうことが伝わって来ないってことだ。
泣き出した瑠璃を抱き締めるシーンでも、優しい言葉は掛けているが、本気で抱き締めているようには感じられない。
組合の人だから、相手が女性だと気持ちが入らないという事情はあるのかもしれんけどさ。ただし、キャスティングなんて大した問題じゃないと思わせるほど、中身の方が凄かった。
まず冒頭、家庭菜園があり、ブラウンという名前の犬を飼っているビストロ「ナポリ食堂D'Angelo」が写し出され、コック帽を被らずに染めた髪で料理を作っている武が登場した時点で、「女性受けを狙ったオシャレな雰囲気」を強く意識しているのが伝わって来る。
それを意識しているのは監督でも脚本家でもなく、ケイティー野田である。
「誰?」と思った人がいるかもしれないが、野間清恵プロデューサーのことである。
私が勝手にケイティーと呼んでいるわけではなく、オープニング・クレジットで「Katie NOMA」とルビが振られているんだから、そうなのだ。武がイタリア語での料理名をナレーションで読み上げる中で、彼がオシャレなイタリア料理を調理する様子が写し出される。最初に出て来るのは、「豆腐のモッツァレラピッツァ・マクロビオティック」だ。
ってことで、この店はマクロビオティックの料理を出す店らしい。
そこも「女性に受けるオシャレなキーワード」ってことだろう。
ただ、マクロビオティックでも何でもいいけど、「ちっとも美味しそうに見えない」ってのはダメでしょ。例えば、そのピッツァにしても、作り物みたいに見えてしまう。出来立てのはずなのに、冷えていて硬そうに見えてしまう。
パスタ・ポモドーロにしても、フライパンで調理して皿に移す映像があるが、ちっとも温かそうに見えない。湯気も出ていないしね。
その料理に合った「熱さ」「冷たさ」とか、シズル感とか、そういうのが皆無に等しい。
映像で美味しさを表現し切れていないと思ったのか、客たちが「美味しい」と言っている様子を挟んでいる。
だけど、料理を食べている客がその場で口々に「美味しい」と言うような店って、かなり非現実的だと思うよ。非現実的ではなく非常識なのが瑠璃で、水沢にプロポーズの返事をする直前になって、武に電話を掛けている。
でもプロポーズされたのは何日も前のはずだから、それまでに相談できたでしょうに。なんで当日の、それも返事をする直前になって、初めて電話を掛けるのか。
しかも幼馴染なんだし、今でも付き合いがあるんだから、武の店が営業時間ってのも分かるはずでしょ。
仮に武が電話に出たとして、そんな大事な話をされたら、お客さんもいて忙しいのに、困っちゃうでしょうに。閉店後に留守電を聞いた武は、店を出て全速力で走り出す。
いやいや、まずは瑠璃に電話を掛けるなり、メールを入れるなりしろよ。
あと、ホントに急いでいるなら、なぜ走るのか。店の近くでタクシーを拾えよ。タクシーの通る場所まで、すげえ遠いとも思えんぞ。武の店は東京タワーの近くにあるんだし。
レストランまで近いから走った方が速いとも思えない。かなりの距離を移動したみたいだし。瑠璃は武からの留守電メッセージが入ってないのを確認すると、「自分のことは自分で決めろってことか」と呟き、水沢の待つ席へ戻る。
で、武が到着すると、瑠璃は水沢からの指輪を付けている。
おいおい、付けちゃってるじゃん。OKしちゃってるじゃん。
にも関わらず、瑠璃は武が来て嬉しそうな表情を見せているんだよな。
その反応は変だろ。
むしろ、「指輪を貰ってOKしちゃった後なので気まずい表情を見せる」とか、その手の反応の方がいいんじゃないかと。武は降って来る佑樹に気付くと、「危ない」と叫んで瑠璃を突き飛ばし、彼の方へ走っていく。
何がしたいのか、サッパリ意味が分からん。
「瑠璃の上から人が振って来たので、助けるために彼女を突き飛ばした」ということなら、理解できるのよ。でも、そうじゃない。佑樹が落下するのは、瑠璃の後ろだ。で、武はわざわざ瑠璃を退かしてまで、彼の元へ走っていくのだ。
まさかとは思うが、「佑樹を助けようとした」という設定だったりするのか。
だとしたらアホすぎる。
そもそも助けるなんて絶対に無理だし、助けようとしたのなら「頭と頭でゴッツンコ」ってのはコメディーじゃないと成立しないような形だし。事故から1ヶ月後に、佑樹は武の魂が入った状態(「佑樹B」としておこう)で目を覚ます。その佑樹Bは佑樹の住む自宅へ戻り、ピアノに写る自分の顔を見て怪訝そうな表情を浮かべる。
いやいや、お前さ、病院で一回も鏡を見なかったのかよ。
そんで聡史に「君は誰?」と言っているけど、これも奇妙。
記憶喪失と診断され、退院したんでしょ。だったら退院する時に、佑樹について仁子なり身内なりから説明を受けたはず。
そして帰宅するなら当然、聡史のことも聞かされたはずでしょ。聡史の「珍しいですね、部屋から出て来るなんて」というセリフも変でしょ。
部屋から出るも何も、たった今、病院から戻って来たんだよ。そのことは知っているはずだろうに。
まさか、事故を起こす前の「3年ぶりに部屋から出て来た」という出来事について、今になって言っているのか。
それと、なんで佑樹Bは誰も付き添わずに帰宅してるんだよ。事故で頭部に怪我を負って1ヶ月も意識不明だった身で、しかも記憶喪失なのに。
仁子が付き添って帰宅しなかったのに、佑樹Bが佑樹の家へ普通に入っているのも変でしょうに。瑠璃が水沢のプロポーズへの返事をする直前になって武に電話を掛けたのは、「ホントは好きだから止めて欲しい」という気持ちから来る行動であれば、そりゃ非常識極まりないけど、まだ理解できる部分も少しだけある。
だけど、水沢から武との関係を訊かれた彼女は、「家族でも恋人でもなく、友達としか言いようがない」と答えている。
ただの友達なのかよ。恋愛感情が無いのかよ。
だったら、そんなことをプロポーズの返事をする直前に打ち明けてんじゃねえよ。
やっぱり非常識極まりねえ女だな、こいつは。佑樹Bは聡史から料理を教えてほしいと頼まれ、それと引き換えに「叔父さんってのやめてくんない?」「佑樹ってのもしっくり来ない」と告げ、自分を「ナポリ」と呼ぶよう求める。
その直前、墓地にある武の写真を見て「俺だ」と泣き崩れていたので、「自分は武である」と明確に認識したのかと思ったんだけど、そうじゃないのね。まだ「自分が誰だか分からない」という状態なのね。
だとしても、ナポリはねえわ。その後の回想シーンでは水沢から「タケ」と呼ばれているんだし、タケでいいじゃねえか。
あと、子供時代のシーンで瑠璃は武を「ナポリ」と呼んでいるけど、成長してからは「タケシ」なのね。佑樹Bは聡史を連れて白浜へ行き、有機野菜を収穫したり、魚市場で新鮮な魚と海老を手に入れたり、それを浜辺で調理したりする。
何の意味があるシーンなのかと思っていたら、浜辺で調理している様子から、「子供の頃、武が浜辺で瑠璃のために料理した」という回想に入っていく。
とにかく何度も回想シーンが挿入されるのだが、これが現在のシーンに上手く繋がっておらず、ただ散らかっている印象を与えるだけになっている。
回想が入っても、現在の佑樹Bには、ほとんど影響を与えないし。それと、回想シーンを入れるためであっても、寄り道が過ぎるんじゃないか。
もうちょっと自然な流れで回想シーンへ移ろうよ。なんで、わざわざ白浜なのよ。メインで描くべきことが他にあるはずでしょ。
オシャレ女子の受けを狙うために、有機野菜とか、そういう要素を盛り込みたかったのか。
もうさ、「女子のハートをキャッチするための要素を盛り込む」ということを何よりも優先してるから、話がグダグダになってしまったんじゃないのか。佑樹Bがピアノの鍵盤を叩きながら鼻歌を歌うと、回想シーンに入る。それまでの回想は武の思い出だったが、そこは佑樹の思い出だ。ってことは、佑樹の体内には彼の魂と武の魂、2つが入っているってことなのね。
「武の魂が入っている」ということだけでも上手く描写できていないのに、佑樹の回想が入ることで、余計にゴチャゴチャしてしまう。
で、そこからは武と佑樹の思い出が交互に描かれる時間がしばらく続くが、「だから何?」って感じ。
それが終わると佑樹Bは「武の魂を持った佑樹」ってことで落ち着くのだが、佑樹の魂はどうなったのか、それは良く分からない。
たぶん「脳腫瘍で死んだ」ってことなんだろうなあ、分かりにくいけど。
そこもやっぱり、ちゃんと表現できていないんだよな。ビストロを出た瑠璃を佑樹Bが追い掛け、激しい頭痛で倒れた後、起き上がった彼は瑠璃にキスしようとして拒絶される。そりゃ当然のことだ。
しかし佑樹Bはまるで挫けずに、「俺が武だって信じてくれなくても、槇原佑樹として一から君を愛したい。俺は君が好き」と真っ直ぐな目をして告げる。
ハッキリ言って、すげえ怖いよ。
その直前、瑠璃から「武を殺した憎い相手」として冷たく拒絶されているにも関わらず、堂々とそんなことを言うんだぜ。まるで相手の話が耳に入ってないのよね。
その猪突猛進ぶりは、ただ不愉快なだけだよ。ちょっとストーカーに近いものがあるぞ。
これっぽっちも共感できないし、男としての魅力ゼロだよ。瑠璃に完全拒否された佑樹Bは帰宅し、聡史に「抱き締めたのも、思いを告げたのも俺。武じゃないんだ。佑樹だった」と告げる。
聡史が「混乱する」と口にするが、全くその通りだ。
さっきの瑠璃に対する態度は、武としてのものじゃねえのかよ。
佑樹としてキスしようとしたり、相手の言葉を聞かずに告白したりしたのなら、ますますデリカシーの無いサイテー男ってことになるぞ。
そもそも、いつ佑樹は武に惚れたんだよ。その後もナンダカンダとあるが面倒なので省略して、最終的に佑樹Bは、水沢に頼んで結婚式の料理を作らせてもらう(瑠璃には内緒)。
で、気付いた瑠璃が追い掛けて来たら「気を失い、すぐに意識を取り戻したら、それまで武だったけど佑樹の記憶を取り戻した」という三文芝居をやって、聡史と共に立ち去る。そして満足した彼は(三文芝居に満足したという意味じゃないよ)浜辺へ行き、聡史の隣で静かに息を引き取る。
そのシーンはドイツ映画『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』に酷似しているが、それもオシャレ女子に受けるために持ち込んだのだろうか。まあ、どうでもいいけど。
その後のエピローグも、どうでもいいや。(観賞日:2013年8月25日)