『こちら葛飾区亀有公園前派出所 THE MOVIE 〜勝どき橋を封鎖せよ!〜』:2011、日本

自転車で勝鬨橋にやって来た葛飾区亀有公園前派出所勤務の両津勘吉は、小学生時代のことを思い出す。彼は同級生の沢村桃子に「隅田川 の勝鬨橋は割れる橋なんだ」と教えたのだが、「なんでそんな嘘つくの?」と信じてもらえなかった。桃子が引っ越しする日、両津は トラックを追い掛けて「嘘じゃないんだ、今日、橋が上がるんだ」と叫んだ。しかし桃子は泣きながら「この嘘、死ぬまで絶対忘れない から」と言う。その後、桃子の口が動いたが、両津には何を言っているのか聞こえなかった。
派出所へ向かおうとした両津は、会長の上野、八百屋の熊田、魚屋の田端など亀有商店街の連中に包囲された。その日が給料日なので、 溜まったツケを支払ってもらおうと待ち受けていたのだ。必死に逃走を図った両津だが、自転車を壊した上に給料の大半を奪われた。彼は 横断歩道で小学生の交通安全指導をしている横田泰三に窮状を訴え、バナナを買ってもらった。そこへ顔見知りの小学生・カン太が現れ、 「またバイトしねえか」と持ち掛けた。両津は「用意しておく。後で派出所に来い」と囁いた。
両津は通学している児童の中に見慣れない少女・ユイを発見し、横田に尋ねた。横田によると、ユイは少し前に転校して来たばかりで、 いつも一人でいるらしい。そこへ同級生の城山彩夏がSP付きの高級車で現れ、ユイに「一緒に乗って行かない」と声を掛けた。彩夏から 「遊びに来ない?ゲームしようよ」と誘われたユイは、ボソボソとした声で「お母さんに言ってないから」と遠慮した。
派出所に戻った両津は、後輩の秋本麗子や中川が見ている前でアイスの当たり棒を偽造した。そこへ大原部長が来たため、両津は慌てて棒 を隠した。みはらし屋菓子店の婆さんから「すぐ来てくれ」という電話が入り、両津は後輩の中川圭一を引き連れて赴いた。すると店には ニセの当たり棒を使った子供たちが集められていた。婆さんは両津が当たり棒を子供たちに売り付けたことを聞き出しており、「アイス 20本分を買えば警察には届けない」と脅しを掛けた。両津は中川に泣き付いて、アイス代を出してもらった。
ユイは下校時、彩夏から「今度、一緒にゲームやろうね」と声を掛けられた。車で帰る彩夏の様子を、ある男がスコープで観察していた。 両津は一人で佇んでいるユイを見つけ、気になって話し掛けた。そこへユイの母親が現れるが、それは桃子だった。彼女は旅芸人一座 「ひょうたん座」の娘で、両親が亡くなった後は座長として日本中を回っていた。葛飾の劇場に出るため、桃子は娘を連れて久しぶりに 戻って来たのだ。両津は劇場へ行き、芝居を見物した。
両津は芝居を観終わった後、桃子に「旦那はどいつなんだ」と尋ねる。桃子は「いないよ。昔、ちょっとだけ一座にいたけど、急に出て 行った」と説明し、籍も入れなかったことを語った。桃子が「コブ付きで旅回りでもいい人、募集中」と微笑んだので、両津は激しく高揚 した。帰宅した両津は、母・よねと父・銀次に「ワシ、結婚するかもしれん。孫娘も出来るぞ」と嬉しそうに話した。
両津は仕事だと大原に嘘をつき、劇場へ行って芝居の内容に意見を出した。ユイは彩夏が話し掛けてくれているのに、冷たい態度を取って しまう。彼女が落ち込んで小屋に戻ると、両津が一座に溶け込んでいた。その夜、両津は桃子に「良かったらウチへ寄ってかない?」と 誘われた。彼は夕食を食べた後、ユイに「友達を母ちゃんの芝居に呼んだらどうだ」と持ち掛けた。「友達の作り方、分かんなくて。 お喋り上手じゃないし」とユイが言うので、彼は「ワシはユイといると楽しいぞ。自信持って話し掛けてみろ」と告げた。
両津は桃子に送ってもらい、「ユイは父親とか欲しいと思わないのか」と問い掛けた。桃子は「そんなこと思わないと思う。ユイは父親の 顔も知らないし」と答える。帰宅した桃子は、ユイの父・島崎光男の写真を見直した。光男は彩夏を観察していた男で、爆破装置を用意 していた。ユイは思い切って、ひょうたん座の公演に彩夏とクラスメイトを誘った。「日曜日のお昼なら、お母さん、タダでいいって」と 言うと、彩夏は率先して行くことを言い出してくれた。
日曜、ユイが彩夏たちを連れて劇場へ行くと、両津が一座の手伝いをしていた。両津は彩夏の祖父が警察庁長官だと知る。たまたま芝居を 見に来ていた大原は、両津がマヌケで最低な大原奉行役で出演しているのを見て驚いた。芝居の後、ユイと彩夏は公園へ出掛けた。その 近くでは、SPが見張っている。彩夏はユイに、赤ちゃんの頃に誘拐されそうになったことがあったので、ずっと監視が付いているのだと 語る。「もう赤ちゃんじゃないんだけどなあ」と、彼女は寂しそうに漏らした。
SPはスコープで観察している光男に気付き、彩夏の近くを離れた。光男は慌てて逃亡する。SPが離れている間に、ユイは彩夏を誘って 公園から逃げ出した。光男は1人になった彩夏の背後から近付き、袋をかぶせて拉致した。両津は派出所で大原から叱責され、「ワシの 生きる場所はあそこじゃないかと」と真剣な顔で言う。彼は「ワシ、警官辞めて桃子と一緒になります」と宣言し、激昂する大原に「ユイ には父親が必要なんだ」と言い返して喧嘩になった。
そこへ電話が入り、彩夏が誘拐されたことが知らされた。犯人からは誘拐したとの通告電話だけで、まだ身代金などの要求は無い。警視庁 の黒木警視正は、警察幹部から捜査本部長として指揮するよう命じられた。新葛飾署に設置された捜査本部にやって来た黒木は、「外部に 漏らさず極秘で捜査を行え。誘拐事件など存在しないというスタンスを徹底しろ」と告げた。警視庁長官の孫娘が誘拐されたということで 、400人という大規模な人員が投入された。
ボイスチェンジャーで声を変えた犯人から、捜査本部に「2億用意しろ」という電話が入った。両津が中川と一緒に聞き込みをしていると 、横田がやって来た。彼は両津に、四つ木公園で女の子の悲鳴が聞こえたことを告げる。それは事件発生時のことだ。中川の報告を受けた 黒木は、四つ木公園の周辺に検問を敷いた。公園に設置された監視カメラの映像が本部で再生されると、そこには光男が写っていた。前科 は無いが、9年前に桃子が捜索願を出していたため、警察には彼のデータがあった。
両津と中川が四つ木公園を調べていると、ユイが帰らないので捜索している桃子がやって来た。両津は大原からの電話を受け、すぐに桃子 を連れて捜査本部へ来るよう指示された。捜査本部を訪れた両津たちは、光男が誘拐事件に関わっている可能性が高いことを聞かされる。 その時、言われる。そこへ所轄から迷子と思われる少女発見の知らせが入った。それが彩夏で、拉致されたのはユイだった。2人が服を 取り替えていたため、光男が間違えて誘拐したのだ。
犯人から電話が入り、「2億を払わなければこの子の命は無いぞ」と告げて、すぐに切った。黒木は「特捜を解散し、規模を5分の1に 戻して通常の誘拐捜査にする」と告げる。腹を立てた両津は葛飾スポーツに電話を掛け、誘拐事件の発生をタレ込もうとする。同調した 中川は、テレビ局を買収する計画を口にした。黒木は仕方なく、元の体制に戻すよう指示した。両津は中川と共に、横田から聞いていた 公園を溜まり場にする不良たちを見つけようとする。しかし目撃証言は何も得られず、翌朝になってしまった。
両津と中川が公園にいると、トン吉がやって来た。彼は両津に交通安全のワッペンを差し出し、「昨日、公園で見つけた。横田のオッサン のだと思うんだ」と言う。その横田は、今日は横断歩道に立っていないという。両津は、横田が偽の情報を吹き込むことで公園に警察の 注意を集め、その間に光男を逃走させたのだと確信した。その横田は、光男がユイを監禁している晴海の造船所に現れた。
誘拐事件の主犯は横田で、光男は協力者だった。捜査本部は、横田の犯行動機が35年前の復讐にあると知った。35年前、町工場を経営して いた横田は、そこが麻薬の取引に使われているという疑いで逮捕された。検挙したのは派出所で研修中だった頃の城山だったが、それは 誤認逮捕だった。だが、その事件をきっかけに工場の経営は悪化し、倒産してしまった。さらに横田の一家は離散していた。
横田は光男に、「顔が割れてるから先に逃げた方かもしれん。今なら俺に雇われただけで済む」と告げる。すると光男は「いざとなったら 俺が捕まるよ。そうすればオッサンが逃げ切れる。どん底だった俺を助けてくれたの、オッサンだけだったし」と口にした。金に困った彼 が万引きしようとしていた時、横田は500円を恵んでくれたのだ。犯人から捜査本部に入電があり、両津は「光男か横田のオッサンか。 どっちでもいいが、人違いだ。長官の娘じゃない。ユイは沢村桃子と光男の娘なんだ」と告げた。電話を掛けた横田は動揺するが、「要求 は変わらない。今日の正午、勝鬨橋中央のジョイント部分にケースに入れた金を持って立て」と要求した。
横田は人違いをした光男を殴り倒し、激しく罵った。黒木は勝鬨橋を封鎖するよう指示を出し、狙撃部隊やパトロール船を配備する。だが 、勝鬨橋の封鎖については、保留中という回答だった。封鎖には都知事の許可が必要だが、コペンハーゲンに出張中で連絡が取れないと いうのだ。正午までの封鎖は不可能となり、黒木は横田の発見に全力を尽くすよう部下たちに告げた。そんな中、横田は捜査本部に電話を 掛け、両津に金を運ばせるよう要求した…。

監督は川村泰祐、原作は秋本治「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(集英社『週刊少年ジャンプ』連載作品)、脚本は森下佳子& 高橋麻紀&十川誠志、製作統括は渡辺香、エグゼクティブ・プロデューサーは濱名一哉&飯島三智、プロデューサーは山田康裕& 瀬戸口克陽&石丸彰彦&高橋正尚&福島聡司、アソシエイト・プロデューサーは東信弘&甘木モリオ&秋山真人、ライン・プロデューサー は宿崎恵造、撮影は唐沢悟、照明は石田健司、美術は岩城南海子、録音は小松将人、編集は松尾浩&張本征治、脚本協力は斉藤ひろし& 山浦雅大&徳尾浩司、大衆演劇監修は若水照代、劇中劇指導は鈴木龍男、劇中殺陣指導は松浦豊和、音楽は菅野祐悟。
主題歌「三百六十五歩のマーチ」作詞:星野哲郎、作曲:米山正夫、編曲:菅野祐悟、唄:両さん。
出演は香取慎吾、香里奈、速水もこみち、伊武雅刀、深田恭子、谷原章介、沢村一樹、夏八木勲、平田満、佐々木すみ江、柴田理恵、 ラサール石井、なぎら健壱、つまみ枝豆、福井博章、中丸新将、大堀こういち、今井悠貴、川島鈴遥、畠山紫音、高橋晃、吉田翔、 佐々木りお、松浦愛弓、黒澤美澪奈、小西結子、五十嵐千尋、渡辺優奈、宮野ここね、坂秋月、石川大樹、千野裕子、河村舞子、 山中聡、須田邦裕、牧村泉三郎、渡辺寛二、堀文明、恩田括、花井京乃助、佐野大樹、中野剛、高田郁恵ら。


秋本治の漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』を基にしたTVドラマの劇場版。
監督は『のだめカンタービレ 最終楽章 後編』の川村泰祐。
両津役の香取慎吾、麗子役の香里奈、中川役の速水もこみち、大原役の伊武雅刀、よね役の柴田理恵、銀次役のラサール石井、 上野役のなぎら健壱、熊田役のつまみ枝豆、田端役の福井博章といった面々は、TVシリーズのレギュラー。少年時代の両津を演じた 今井悠貴も、ドラマ版最終回と同じ配役だ。
桃子を深田恭子、光男を谷原章介、黒木を沢村一樹、城山を夏八木勲、横田を平田満、みはらし屋菓子店の婆さんを佐々木すみ江、ユイを 川島鈴遥が演じている。

私はこれを、『SPACE BATTLESHIP ヤマト』『あしたのジョー』に続く、「TBSがジャニーズのタレントを起用して人気漫画(アニメ) の実写化に挑んだ無謀な3部作」の第3弾として捉えている。
特に本作品の場合、TVドラマが完全にコケたのに、なぜ映画化しようと思ったのかサッパリ分からない。
TBSは、どこに勝算を見ていたんだろうか。
『木更津キャッツアイ』みたいに、視聴率が低くてもカルト的な人気があったのなら、まだ分からないでもない。
だけど、これは単純に評価が低かっただけだ。

テレビ版の評価の低さがシナリオと演出面だけの問題なら、そこを変えれば、まだ何とかなったかもしれない。
しかし、評価の低かった原因の1つは、出演者の演技力やミスキャスト、キャラ造形にあった。
まず香取だと、両津にしては身長が高くて足が長く、スタイルが良すぎる。
あと、「ワシだよワシ。おぼえとらんか」とか、わざとらしさが際立った台詞回しもキツい。
テンションを高くして両津を演じようとしているけど、完全に上滑り。セリフは全く口に馴染んでおらず、下手なコスプレ&コントにしか 見えない。

もうさ、そこまでやるんだったら、いっそのこと、ゲジゲジ眉毛もメイクで描いちゃえば良かったんじゃないの。
どうせ麗子や中川の制服も現実離れしているんだし。
そりゃあ、そんなメイクにしたら、ますます陳腐な印象になることは請け合いだけど、どうやったって陳腐なんだから、もう開き直るしか ないんじゃないかと。
そもそも「香取慎吾の主演で『こち亀を実写化」する」という企画の段階で、もう絶対に陳腐の呪縛からは逃れられないんだからさ。

香取慎吾の演技力もアレだが、その相手役にフカキョンを起用し、しかも旅芸人の役をやらせるとは、なかなか思い切ったチャレンジだ。
フカキョンの劇中劇での「幸せ祈って、いるからねえ」の棒読みには失笑した。どういう類の冗談なのかと思っちゃったよ。
フカキョンって、特殊な役じゃないとハマらないのよ。
そりゃ「旅芸人一座の座長」ってのは、ある意味では特殊だけど、そういうことじゃない。
フカキョンの場合、もっと非現実的なキャラじゃないと合わないのよ。

拉致事件が発生した時点で、それが彩夏じゃなくてユイであることはバレバレだ。
だから大規模な捜査本部が設置されても、そこから「実は人間違いと分かって、それに伴って規模が一気に縮小されて、それに腹を立てた 両津が行動を起こして」という展開になるんだろうなあということは、容易に想像できる。
そして、その予想通りに運ぶ。
そりゃ予定調和が望まれる映画もあるし、この映画でも、ある程度の予定調和はOKだけど、そこまで行くと厳しいなあ。

っていうか、その拉致事件からの展開って、色々と粗を感じるんだよな。
まずSPが1人ってのが引っ掛かる。通常、SPは3人体制だし、せめて2人は配置するもんじゃないかと。
警視庁長官の孫娘で、しかも「幼い頃に誘拐されたことがあるから」ということで警護させているんでしょ。だったら、1人しかSPを 付けていないってのは不自然だ。
あと、光男は何度も彩夏を観察していたのに、なぜ顔を見ても人違いと気付かないのか。
横田が気付かないのは、もっと不自然。ずっと復讐を狙って計画していたはずでしょ。なんでターゲットにしている孫娘と別人の違いに 気付かないのよ。

横田が今さら35年前の復讐をやろうと決めたきっかけについては、「正月頃に交差点に立っていたら、車で城山が通って水を飛ばして いった。でも謝らなかったので何かが弾けた」と本人が説明している。
ちょっと無理があるようにも思うけど、そこは受け入れるとして、だったら城山を狙えばいいでしょ。
なんで孫娘を誘拐して身代金を要求するという計画になるのか、そこに無理を感じてしまう。
だから、「復讐なんて建て前で、ようするに金目当てじゃねえか」と言いたくなってしまう。

クロージング・クレジットは、自転車で葛飾の町を移動する両津の映像が写し出され、笑っている葛飾の人々の写真が挿入されるという 構成になっている。
そこから推測するに、TBSは両津を「葛飾の寅さん」的なキャラにして、『男はつらいよ』みたいなテイストを狙ったのかもしれない。
その時点で難しいものがあるが、だったら、そこを徹底すりゃあよかったのだ。
どうせ『男はつらいよ』の著しい劣化版にしかならなかっただろうし、失敗はしていただろうけど、この映画よりはマシな仕上がりに なっただろう。
まあ「マズい飯か、クソマズい飯か」という低レベルの違いだっただろうけど。

ところが、TBSは何をトチ狂ったのか、前半は人情劇を描いていたのに、中盤以降は『踊る大捜査線』チックなサスペンス・アクション に移行する。
サブタイトルからも分かるように、『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』のパロディーということの ようだ。まあ笑いは無いので、パロディーとは呼べないけど。
っていうか、サブタイトルにまで入れている割りには、勝鬨橋を封鎖できるかどうかは大した意味が無いし。
封鎖できなくても、普通に物語は進行しているし。

サブタイトルの問題は置いておくとしても、なんで中盤から全く別のテイストにしちゃったのか、理解に苦しむ。
人情劇と誘拐サスペンスを組み合わせるにしても、混ぜ合わせて、並行してやろうとするんじゃなくて、前半と後半で分けるって、 どういう狙いなのよ。
どんな風に融合させようか、組み合わせようかという工夫や配慮が全く無いのね。ただ単に、無造作にくっつけただけ。
『男はつらいよ』と『踊る大捜査線 THE MOVIE 2』は、まるでテイストの違う映画だ。それを前半と後半でそれぞれやっちゃうんだから 、当然のことながら、前半と後半が完全に分離した状態になっている。
そんなの、誰が考えても分かりそうなものだぞ。

前半の人情劇にしろ、中盤以降のサスペンス・アクションにしろ、どっちにしても、両津の誇張しまくった喜劇漫画的キャラの芝居とは、 全くマッチしていない。
あのキャラだと、物語の方も荒唐無稽なコメディーにしなきゃ、そのキャラだけが浮き上がってしまうでしょ。
特に後半に入ると、もうシリアス一辺倒で、ふざけたことをやる隙間は無くて、両津がコント的な台詞回しで真剣に行動するので、まあ 見事に浮いている。
正直、誘拐事件に関しては、もはや両津なんて要らない存在になっている。
ぶっちゃけ、彼がいない方が、そして光男辺りを主人公に据えて物語を進めた方が、スッキリするんじゃないかと思っちゃうのよ。

(観賞日:2012年3月14日)

 

*ポンコツ映画愛護協会