『キラー・ヴァージンロード』:2009、日本

25歳のOL・沼尻ひろ子は江頭賢一という男との結婚を決め、寿退社することにした。忙しい時期に急な退社を決めた彼女に、春日先輩は 強烈な嫌味を告げるが、鈍いひろ子は全く気付かない。花束を受け取ったひろ子が去った後、春日先輩は「天罰が下るといいわ」と鋭い 形相で言い放つ。結婚式前日、ひろ子は自分が住んでいるコーポオオヤて大家さんと話をする。ひろ子が賢一の一軒家で暮らすことになる と話していると、大家は笑顔で聞きながら密かに悔しさを滲ませた。
大家は抱いていた飼い犬ダミアンが逃げ出したので、隣の部屋へと追い掛けた。ひろ子が部屋へ行くと、大家はクローゼットの下に手を 突っ込んで何かを探していた。クローゼットが揺れて、その上に置いてあったハサミが落下したので、ひろ子はジャンプして掴もうとする 。しかしキャッチに失敗し、ハサミは大家の背中に突き刺さった。ダミアンがシュレッダーのスイッチを入れて倒したため、大家の長髪が 吸い込まれた。ひろ子が慌てて引き抜こうとすると、大家はカツラだった。
ダミアンがウェディングドレスのヴェールを被って逃げ出したので、ひろ子は後を追って隣の大家の部屋へと入った。すると、ベッドの シーツには、ひろ子の等身大写真がプリントされていた。さらに、回転する仕掛けの向こうにある隠し部屋には、ひろ子に内緒で撮影した ツーショット写真が何枚も飾られていた。ひろ子は、大家が勝手に自分の印鑑を使い、婚姻届を用意していたことも知った。
自分の部屋に戻ったひろ子は、大家がパンティーを握っているのに気付き、慌てて取り戻そうとする。奮闘しているとインターホンが鳴り 、ドアを開けると修理のオジサンが立っていた。ひろ子の服には血がベットリと付着していたが、オジサンはドアに塗ったばかりの赤い ペンキだと思い込み、謝罪してクリーニング代の2万円を渡した。彼が去った後、ひろ子は自分が殺人犯として逮捕され、ニュースで報道 される妄想を膨らませた。
ひろ子は子供の頃から何をやらせてもビリッケツで、ドン尻ビリ子という仇名で呼ばれていた。「この結婚だけはビリ子じゃないの」と 心を燃やした彼女は、大家の死体をスーツケースに入れ、外へ運び出した。「明日の結婚式終わったら自首しますから、それまで隠れてて ください」と、彼女は死体に話し掛ける。「新婚旅行ハワイなんで、それ終わってからでいいですか」と言った途端、スーツケースが坂を 滑り落ちた。スーツケースは、車を停めてグラビアアイドル・AYAKAの袋閉じを見ようとしていたパチンコ店の営業マン・小峰くんに激突 した。ひろ子は謝罪し、コンビニで雑誌とウィダーインゼリーを買って彼に渡した。
ひろ子は小峰くんの車を盗み、コンビニを後にした。念力でスーツケースが消そうとしていると、急にラジオが付いた。すると、ラジオの アナウンサーは、青木ヶ原樹海で36体の遺体が見つかり、ほとんどが身許不明の遺体として処理されるというニュースを報じた。それを 聞いたひろ子は、すぐに樹海へと車を向けた。死体を埋める場所を探していたら、枝が折れてボンネットに一人の女が降って来た。その女 ・小林福子は、数々の男に尽くしては捨てられ、その度に自殺しようと試みるが、死ねずにいた。
福子はスーツケースが開いて死体が見えた途端、「殺さないで、まだ死にたくない」と喚いて逃げ出した。だが、暴走族に追われ、すぐに 戻ってきた。リーダーの北翔は「今度やったら承知しねえぞコラ」と怒鳴って立ち去ろうとするが、ひろ子が福子を追い掛けた理由を訊く 。翔が副リーダーのピアースに尋ねると、「逃げるから追い掛けた」という答えだった。暴走族は走り去った。
警官の利根川純が現れて、黒服の男2人組の写真を見せて、そいつらを知らないかと尋ねた。しかし、ひろ子は自分が逮捕されるのだと パニック状態になり、慌てて車を走らせた。同じ頃、小峰くんが「最低の一日だ」と嘆いていると、偶然にもAYAKAと遭遇した。ひろ子は 祖父・源一郎のことを回想した。ひろ子は祖父と2人暮らしだった。いつも祖父は「幸せを運ぶ天使だ」と、ひろ子を誉めてくれた。 「ひろっぺの花嫁さんを見るまで、まだまだ」と言っていた彼に、ひろ子は花嫁姿を見せてあげたかった。
ひろ子から話を聞いた福子は、「この小林に任せなさい。全て無かったことにしてあげる」と言う。彼女は、死体の始末を手伝う代わりに 、自分を殺すよう持ち掛けた。戸惑うひろ子に、福子は「まずは死体隠しね」と告げて無言の滝へ向かう。滝壺へ死体を隠すためだったが 、福子は自分が飛び込もうとして、ひろ子に制止される。次に福子は、死体をイノシシに食わせようと考えた。しかし目の前にイノシシの 大群が出現し、福子は「食われるのは嫌」と逃げ出した。
結局、福子は穴を掘って死体を埋めることにした。そこへチェーンソーを持った景山道生という男が現れたので、ひろ子は焦った。だが、 福子は彼に好意を抱いた。その場を取り繕った2人は、景山が営むペンションで一泊させてもらうことになった。「運命の男に出会った」 と喜ぶ福子は、「一人殺してまだ足りないわけ」と、約束を無かったことにして、死体の処理を早く済ませようとする。
ひろ子がチェーンソーの音を立ててしまったため、2人は景山に気付かれた。慌てて福子は身を隠すが、ひろ子は逃げ遅れ、景山から幻の 蝶を追っていること、そのせいで妻子に逃げられたことを聞かされる。その背後に置いたトランクが開いて死体が見えそうになったので、 ひろ子は景山に抱き付いて「好きです」と咄嗟に言う。すると、嫉妬の炎を燃やした福子が現れてペンションを出て行った。
ひろ子は福子を追い掛け、必死で弁明する。だが、福子は「アンタが私を殺せば私が幸せになれるの」とワケの分からない理屈を付け、 早く殺すよう要求した。その場を去った副子だが、また暴走族に追われて戻って来た。車を走らせた2人だが、いつの間にかスーツケース が落ちていたので、取りに戻った。そこに利根川が現れたため、副子はニーパットを食らわし、ひろ子とスーツケースに乗って逃走する。 坂を滑り降りた2人は、その勢いで崖からジャンプした。
2人が意識を取り戻すと、そこはゴリランドという中古車販売センターだった。2人はジャンプした後、トラックの荷台に落下したのだ。 ひろ子と福子は死体にゴリラのキグルミを着せると、車でゴリランドを去った。副子は「深い森に埋めよう」と言うが、警察の検問に 引っ掛かる。それは黒服の男2人組を見つけるための検問だったが、副子は「幸せは自分の手で掴みなさいよ」と車を降りて立ち去って しまう。ひろ子は車を放棄してゴリラを背負い、バタフライで川を泳いだ。
ひろ子のゴリラバタフライを目撃した副子は、キグルミを引き上げる作業を手伝った。そこへ利根川が来たため、2人は車で逃げ出した。 コンビニに立ち寄ったところへ強盗が現れ、金を奪って逃げようとした。しかし外には黒服2人組が待ち受けており、強盗を射殺した。 彼らはひろ子と福子を眠らせ、車を奪って港へ向かった。ひろ子たちが目を覚ますと、埠頭に置き去りにされており、車は死体を積んだ まま船で持ち去られた。利根川の追跡を逃れたひろ子と福子は、暴走族のバイクを借り、結婚式場へと急いだ…。

監督/脚本は岸谷五朗、原案は片岡英子、脚本は川崎いづみ&岸谷五朗、監督補はアベ ユーイチ、製作は加藤嘉一、企画は原田知明& 濱名一哉、プロデューサーは中町有朋&岡田有正&土本貴生、製作総指揮は畠中達郎、撮影は江原祥二、編集は宮島竜治、録音は志満順一 、照明は吉角荘介、美術は清水剛、VFXプロデューサーは大屋哲男、音楽は大崎聖二。
主題歌『旅人』は福山雅治、作詞・作曲は福山雅治、編曲は福山雅治/井上鑑。
出演は上野樹里、木村佳乃、北村総一朗、北村一輝、寺脇康文、高島礼子、眞木大輔、田中圭、中尾明慶、田中要次、小出恵介、 須藤理彩、野沢秀行、小倉久寛、東根作寿英、小松彩夏、岡千絵、林希、蘭香レア、伊藤有希、東原亜紀子、松本なお、熱海将人、 佐藤浩之、中塚皓平、祐輝薫、Adam Mccann、安堵龍、林剛史、清水くるみ、澁谷武尊、浅田よりこ、阿部栞奈、荒木誠、飯田來麗、 石倉良笙、今井隆文、大野百花、荻野充、鎌田有紀、神木優、菊池和澄、吉川日菜子、木下博子、向野章太郎、坂田直貴、 笹沼明日香、笹沼美樹、佐藤壱兵、澤田よしみ、澤山薫、重村佳伸、菅原一真、杉本崇、須永慶ら。


俳優の岸谷五朗が初めて監督を務めた映画。
『テニスの王子様』の監督&脚本を手掛けたアベ ユーイチが監督補を務めている。
ひろ子を上野樹里、福子を木村佳乃、源一郎を北村総一朗、景山を北村一輝、大家さんを寺脇康文、春日先輩を高島礼子、賢一を眞木大輔、利根川 を田中圭、翔を中尾明慶、修理のオジサンを田中要次、小峰くんを小出恵介、景山の妻を須藤理彩、トラック運転手を野沢秀行、小倉さん を小倉久寛、ピアースを東根作寿英、AYAKAを小松彩夏が演じている。
細かいことだが、「脚本」として川崎いづみと岸谷五朗の名前が表記されるのに、最後に「監督/脚本」で岸谷五朗の名前が出るのは 二重表示でしょ。「監督」だけの表記にすべきでしょ。

冒頭、オタク趣味の男が人形のパンティーを脱がしている様子、ひろ子が寿退社で花束を貰っている様子、パンクな格好でホラーメイクの 女たちがディスコチックな照明の中で踊っているシーンを短く繋げているが、これが全くマッチしていない。
あえてバラバラなカットを繋げているんだろうけど、その狙いも効果も良く分からない。
そこはホラーメイクの女たちが歌い踊り、ミュージカルシーンになるのだが、それならミュージカルシーンを連続して見せるべきであり、 そこに別のカットを挟むべきではない。
っていうか、なぜホンワカとしたひろ子の雰囲気とは全く毛色の異なる、ロック・ミュージカルなのか、理解に苦しむ。ミュージカルで 始めるにしても、もっとMGMチックなミュージカルシーンにすべきだよ。
で、そこから小林福子が登場して歌うシーンも挟むが、これも要らない。なぜミュージカルシーンで始めておいて、わざわざズタズタに 切り刻むのか。それだとミュージカルで始めている意味が全く無いじゃないか。
あと、そのホラーメイクの連中が会社のOLっていう設定もメチャクチャだし。

ひろ子が誤って大家を殺してしまうという展開を作るために、ものすごく無理を重ねていることが露骨に見えて、気持ちが萎える。 それが荒唐無稽なことの連続であっても、それは別にいい。
「ハサミを掴もうとして云々」のところは、ピタゴラスイッチ的に幾つかの現象が連続して大家が死ぬ形でも構わない。
問題は、状況設定の作り方にある。
クローゼットの上にハサミの先端だけが突き出た状態で置いてあるのも、大家がクローゼットの下に手を突っ込むのも、不自然すぎる でしょ。
それがパンティーを盗むためだったというのも、後にならないと分からないし。

大家の部屋に入ったひろ子は隠し部屋の写真を発見し、そこから「その写真が撮影された時の回想」が挿入されるが、そんなのは要らない 。テンポも繋ぎ方も悪い。
それよりも、大家を殺してしまったんだから、さっさとそこでの対応に移るべきでしょうに。
正直、大家がどんな人間かなんて、それほど重要な問題ではない。それをヒロインが知ろうと知るまいと、それほど支障は無い。
後半に入ってから正体を知る展開であっても別に構わないんじゃないか。
スポーツジムでひろ子の後ろに立って密かに写真を撮影していたとか、密かに撮影していた写真を何枚も撮影していたことなんか、 どうでもいいよ。

ひろ子が「なんでー」と叫んだら、新装開店のティッシュ配りをしている小峰くんがAYAKAのグラビアを見ている示すシーンになるが、 これも繋ぎ方がギクシャクしまくり。
で、そこから再びひろ子に戻り、パンティーを取り戻そうと格闘し、修理のオジサンが来るが、まだ大家を殺したことに気付いていない ってのもテンポが悪すぎる。
ヒロインが殺人を誤魔化そうとアタフタすることが無いので、修理のオジサンが現れても、そこにドタバタ感が出ない。
妙に落ち着いたテイストで場面が処理されてしまう。

ひろ子が妄想を膨らませ、取材を受けたホラーメイクのOLたちが「何をやらせてもダメでドジで足手まといで」「昔から運も無いみたい で」「子供の子からのあだ名があったわよ。子供の頃から何をやらせてもビリッケツでドン尻ビリ子」などと口々に言う様子が描かれ、 ひろ子の過去の回想に入る。
小学生時代の運動会の回想とか、タイムサービスで倒れる高校生とか、商店街でみんなにドン尻ビリ子と言われるとか、そんな回想が続き 、殺人事件を起こしたのに、なかなか話が先に進まない。
それじゃあダメでしょ。
何のために殺人事件を起こしたのかと。ノンビリしてる場合じゃないよ。そこはギアチェンジが必要でしょ。
そこで「この結婚だけはビリ子じゃないの」とひろ子が燃えるのも、ヒロインのテンションの上げ方として無理がありすぎだし。

ひろ子のスーツケースが小峰くんにぶつかると、彼女は雑誌とウィダーインゼリーを買って弁償するが、それだけでオシマイだ。 彼にスーツケースがぶつかったことで、トラブルが膨らむとか増えるということは無いし、予想外の方向へ転がっていくこともない。
あっさりと問題は解決されてしまう。
なんだよ、そりゃ。
その場ではそれで解決するにしても、「まだ解決していない。何か問題が残る」ということを観客に匂わせる場面の締め方にすべき でしょ。単に車を盗むだけで終わらせるとは。
しかも、盗まれた時点で、それに小峰くんが気付く姿を描かないというのは、完全なる手落ちだし。

ひろ子が車で念力を集中していると急にラジオが付き、樹海のニュースを聞いて「そうだ、樹海へ行こう」と考えるのだが、コンビニで 雑誌を買ったのなら、その時点で雑誌の記事か何かで見るようにでもしておけばいい。
で、ひろ子が樹海に入ると福子が落下してくるが、冒頭のミュージカルに彼女を挿入せず、ここで初めて登場させてもいいぐらいだ。
だって、そこまでに、彼女はただ顔を出しただけで、「男運が無くて数々の男に尽くしては捨てられ、その度に自殺しようと試みるも なかなか死ねないでいる」というのを描写しているわけではないんだから。
立ち上がった福子が歌い出すのは、すげえ不自然。その歌で彼女の境遇を説明しようとしているようだが、それでは不充分だよ。
あと、そこでミュージカルにするのなら、せめて、その前にも一つミュージカルを入れておくべきだね。そもそもミュージカル形式が 上手くいっていないけど。
しかも、その後もミュージカルシーンがあるのかと思ったら、そこで終了だし。
中途半端だなあ。

勝手に助手席へと乗り込んだ福子は「死ねないのよ」と言って車から転がり落ち、立ち上がって「ねっ?」と口にするが、それは「死のう と思っても運が悪く、必ず邪魔が入ったりトラブルが生じたりして」ということじゃなくて、「体が強靭だから死ねない」という説明に しか思えないぞ。
それはキャラ造形と食い違っているんじゃないのか。
そもそも、ゆっくり走っている車から飛び降りただけでは、絶対に死ねないと思うけどさ。
その次のシーンで、黒服2人組がパスタにタバスコを振り掛けて食べ、コーヒーにもタバスコを振り掛けて飲む様子が挿入される。その後 も彼らは何度か登場し、ワインにタバスコを振り掛けて飲んだりするのだが、何にでもタバスコを掛けることがギャグになっていないし、 それが後の展開に繋がることもない。
そもそも彼らは何者だったのかと。
コンビニ強盗を射殺したり、ゴリラのキグルミごとトラックを奪ったりしながら、一方でひろ子たちは始末せずに去る彼らは、何の目的で 行動していたのかサッパリ分からない。

トランクの死体を見つけた福子は「殺さないで、まだ死にたくない」と逃げ出し、暴走族に追われて戻って来る。で、暴走族は「今度 やったら承知しねえぞコラ」と怒鳴っただけで、特に何事も無いまま走り去る。
ひろ子に質問され、耳当てを取って「んっ?」と訊くギャグをやるためだけに登場したようなモンだ。
その後、再び暴走族が登場し、そのギャグの天丼をやるが、完全に不発。
ひろ子が祖父のことを思い出す回想が入り、ここで初めて祖父が「ひろっぺの花嫁さんを見るまで、まだまだ」と言っていたのを見せて、 ひろ子が「どうしても、おじいちゃんに花嫁姿を見せてあげたくて」と話すが、遅いよ。
そういう事情は、大家を殺した直後、「結婚式の後までは隠しておかないと」という意識でヒロインが行動を起こす際に、ちゃんと説明 しておくべきだよ。

福子は滝壺に魅入られ、自分が飛び込もうとしてひろ子に止められるが、それは死体を見て「殺さないで」と言っていた態度とは辻褄が 合わないでしょ。死体を見た時の態度からすると、「死にたいはずなのに、実際に死が近付くと怖がる」というキャラ造形のはずだ。
滝壺を見て飛び込もうとするぐらい自殺願望が高いのであれば、死体を見つけた時も「私も殺して」と言う形にすべきだ。
あと、そこで簡単に滝壺を諦めるのは早すぎる。そこは「死体を滝壺に投げ込もうとしたが失敗」という手順を踏むべきだ。
スーツケースで坂を滑り降りたひろ子たちは、川に転落したはずなのに、目を覚ますとゴリランドにいる。で、そこから回想として、 トラックの荷台に落ちて運ばれてきた経緯を描くが、それは描写としてマズすぎるでしょ。
そこは滑り落ちて崖からジャンプした後、一連の流れとして、荷台に着地してゴリランドへ運ばれるを描かないと。
とにかくテンポと繋ぎ方が悪い。本来なら、もっと小気味良いテンポで、もっとジェットコースター・ムービーとしてドタバタ劇を展開 させるべき作品だと思うんだが。

終盤、ひろ子が祖父の待つ結婚式場へ到着して、普通にしんみりしたムードになっちゃうのはアウト。しんみりしたシーンを用意するのは 別にいいけど、最終的には笑いで締めないと。
で、その後「ひろ子のおかげでみんなが幸せになる。ひろっぺは幸せを呼ぶ天使だよ」という祖父の言葉が現実になり、ひろ子と関わった 人々が幸せになる様子が描かれるのだが、ムリヤリすぎて気持ちが乗らない。
それは「ひろ子と関わったおかげで」ということじゃなくて、ひろ子と関わった人々の内、そこに描かれた連中が、たまたま幸せになった というだけに過ぎない。
その幸せを掴むに至るピタゴラスイッチが描かれていないのよ。

(観賞日:2010年10月17日)


第6回(2009年度)蛇いちご賞

・監督賞:岸谷五朗

 

*ポンコツ映画愛護協会